実験に利用された挙句捨てられた少年   作:明星桜花

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第五十八話 Run up! To the goal

ー明星桜花sideー

あの後順調に駆け上がり俺達は130階の廊下を走っていた。

 

 

 

「何か、ラッキーじゃね? 100階超えてからシャッターが開きっぱなしなんて!」

 

上鳴が言うと、この状況から推察できる者は顔を顰める。

先程から不自然な程に警備が手薄で、嫌な予感しかしないのだ

 

「ウチらの事見失ったとか?」

 

 

「おそらく違う!」

 

麗日が言うと、響香が否定する。

 

「私達、誘い込まれてますわね!」

 

「ああ…!」

それに続いて百が誘い込まれていることを示唆し、飯田がそれに同意する

 

「例えこれが罠であっても少しでも早く上に上がる為に

敵共の誘いに乗る、その上で罠ごと捩じ伏せる」

 

「うん…どちらにしても200階まで行ければ此方の勝ちだ」

 

罠であろうと、上の階に行けるなら少しでも早く行くに越した事はなかった。

そして一行は、実験室の前に辿り着き様子を窺う。

実験室には、大量の警備マシンが配置されていた。

 

「何て数なん!?」

 

「やはり相手は、閉じ込めるのではなく捕らえる事に方針を変えたか…!」

 

「きっと、僕達が雄英生である事を知ったんだと思う!」

夥しい警備マシンの数に麗日が驚き飯田と緑谷が推測する

だが百は、冷静に『創造』を始める。 

 

「でもそうなる事は、こちらも予想済みですわ!」

 

そう言って百は全員がすっぽり収まるサイズの絶縁シートを創造し、俺と上鳴以外の全員が絶縁シートの中に隠れた

 

「ああ! 予定通りプランAでいこう! 上鳴くん!」

 

 

「よっしゃ! やってやるぜ! 頼む、飯田!」

 

 

飯田が指示を出すと上鳴が頷いて両拳を前に出し、飯田は上鳴の両手首を掴むとエンジンを発動してグルグルと上鳴を回す

飯田が上鳴を警備マシンの真上へ飛ばすと、上鳴は大量の電流を放つ。

 

「喰らえ無差別放電130万ボルト!!」

上鳴は警備マシンに電撃を浴びせるが、警備マシンは防御態勢をとっており全く効いてなかった。

 

「防御された!?」

 

「チッ…なら! 200万ボルト!!」

上鳴は、さらに電圧を上げて一気に電流を解き放つ

すると案の定上鳴はオーバヒートにより使い物にならなくなる

 

「電撃を防御されたらこうなると思ったよ!」

俺はそう言いながら龍炎の噴射で浮遊しつつ白鎖で上鳴を回収する

そして続けて

「炎龍の飛槍ーüber Sturm」*1*2

炎龍の飛槍ーüber Sturmを皆と警備マシンの間の地面に放つ

すると100を超える炎龍の飛槍により地面が崩落し

警備マシンはこちらに近付けなくなった

その隙に俺達は上に上がる

俺は響香と百を抱え、上鳴を白鎖で巻いて

飯田は峰田を抱え、ルミがメリッサさんを抱えて上がり

エルヴィンら執事と緑谷、麗日はそのまま上がる

 

そして順調に137階まで辿り着き、耳郎が索敵をする 

 

「下の階から警備マシンの駆動音多数!」

 

「上から音は!?」

 

「無い! 大丈夫!」

 

「行くぞ!」

響香の報告に対し緑谷が尋ねると、響香が答える。

上には警備マシンがいない事がわかったので、俺達はそのまま上の階に向かう事にした

そして俺達は138階のサーバールームに辿り着く。

だがその時、正面の扉が開き警備マシンが大量に出てくる

 

「罠か!」

 

「やはり響香の索敵が気取られとったか!!」

 

「突破しよう飯田くん!」

 

緑谷は、先程のようにワンフォーオールで警備マシンを吹き飛ばそうとする。

するとメリッサさんが緑谷を止める。

 

「待って! ここのサーバーに被害が出たら、警備システムにも影響が出るかも…!」

 

その時、上からも次々と警備マシンが降ってくる。

すると峰田が狼狽える。

 

「どんだけいんだよぉ!?」

 

「警備マシンは私達が食い止めますわ!」

 

「緑谷くん! メリッサさんを連れて別のルートを探すんだ!」

 

百が創造し、飯田が緑谷に指示を出す。

指示を受けた緑谷は、メリッサさんに頼む

 

「…! メリッサさんお願いします!」

 

「お茶子さんも一緒に来て!」

 

「あ…でも!」

 

麗日は、自分もここに残って警備マシンを食い止めた方がいいのではと考える。

すると飯田が麗日に指示を出す。

 

「頼む!麗日くん!」

 

「…うん!」

 

「カルツ、グスタフ

お前達も残れ、ここを死守せよ

対物ライフルならあれの装甲も貫徹できるだろう

但しその際サーバーを傷付けないよう留意しろ」

と俺はカルツとグスタフに指示を出す

それに二人は

「はっ、この場はお任せを!

蟻一匹も通しません」

と応える

俺はそれに

「あぁ、頼むぞ」

と返す

そして緑谷に

「俺も行こう

この場に戦力を割きすぎてはならん」

と言い緑谷らに続く

その際エルヴィンには

「エルヴィン、私に続け」

と指示を出しておく

俺達は、メリッサさんに連れられて風力発電システムの前まで来ていた

俺達の目の前には、風力発電の装置が並んでいた。

 

「ここは…?」

 

「風力発電システムよ」

 

「どうしてここに…?」

 

「タワーの中を登れば警備マシンが待ち構えているはず。だからここから一気に上層部へ向かうの。あの非常口まで行ければ…!」

 

そう言ってメリッサさんが指を差した先は、風力発電の最上部だった。

俺達が今いる場所から何十メートルもの高さがあり、扉自体も足場が小さい場所にあった。

 

「あんなところまで…!?」

 

「お茶子さんの触れたものを無重力にする“個性”なら、それができる…!」

 

「…うん、任せて!」

メリッサが言うと、麗日が頷く。

続けて俺は

「空中での舵取りは緑谷、お前がやれ

俺はエルヴィンと麗日を護衛する

お前達が扉に入ったのを確認してから

俺達も追っていく」

と緑谷に言う

それに緑谷は

「分かった、多分敵は制御室で待ち構えてると思うから

できる限り早く合流を」

と答える

そして麗日が二人を浮かす

がその直後警備マシンが出現する

「Shit 面倒な奴らだ

エルヴィン!至近距離の鉄屑を潰して麗日を護衛しろ!」

俺はそう言いながら吶喊

「炎龍の飛槍ーüber Sturm」

炎龍の飛槍ーüber Sturmを放つ

そして

「炎龍脚、炎龍拳!」

炎龍脚と炎龍拳を発動

龍炎を纏った脚と拳で警備マシンを蹴散らす

そうして戦っていると横から爆発音がする

爆豪が追い付いたようだ

そして轟、切島も

氷壁によって警備マシンが吹き飛ぶ

俺は直ぐに

「爆豪!切島!緑谷を追え!

お前達はここより対人戦闘の方が役に立つ!」

と言う

すると爆豪は切島を掴んで

「命令すんな!」

と言いつつ緑谷を追って行った

 

その後暫し戦っているといきなり警備マシンが停止する

それを確認して俺は

「良くやってくれた、緑谷」

と呟き

「轟!道を作れ!

俺は先に行く!」

と言って八咫烏の姿になって飛んで行く

そして途中でメリッサさんから連絡を受けたオールマイトと合流し屋上へ出る

と同時に

「こういう時こそ笑え!緑谷少年!」

 

そう言ってオールマイトが飛び上がり、一瞬でヘリコプターの真上へと舞い上がった。

オールマイトが通り過ぎて発生した衝撃波でヘリコプターが軽く飛ばされ、ヘリコプターに乗っていた敵が目を見開いて驚く。

 

「もう大丈夫! …何故って? 私が来た!!」

 

「オールマイト…!」

 

オールマイトが決め台詞を言うと、4人は安心する。

 

「親友を返してもらうぞ! 敵よ!!」

 

そう言ってオールマイトがヘリコプター目掛けて急降下しながら拳を叩き込むと、ヘリコプターは空中で爆発して四散した。

そしてデヴィットは、オールマイトの手によって無事救出された。

 

「パパ… パパ!」

 

「メリッサ…」

オールマイトがデヴィットを抱えてヘリポートへ降りると、メリッサさんはデヴィットに駆け寄る。

デヴィットの両手足を拘束していた布は、オールマイトの起こした爆発によって自然と解かれた。

 

「もう大丈夫だ」 

 

 オールマイトが言うと、4人は安心して笑顔を浮かべる。

 

「オールマイト…私は…」

デヴィットが何かを言いかけたその時、突然金属の柱が伸びてくる

俺は直ぐに

「炎龍掌」

炎龍掌*3で金属の柱を砕く

そして

「オールマイト!援護します

先に敵の確保を!」

と言うと

オールマイトは直ぐに敵に接近する

俺はオールマイトに近付く柱を砕く

すると緑谷が俺の横を走り抜けオールマイトに並ぶ

 

 

 

そして二人の英雄が

 

 

「Double Detroit Smash!!」

と最後の一撃を放った

こうして敵を確保し

この友が友を想う心が生み出した

美しく愚かな事件は幕を下ろした

*1
炎龍の飛槍ーüber Sturm

炎龍の飛槍を断続的に数十から数百放つ技

*2
炎龍の飛槍

“個性”龍炎の炎を以て象られた槍を放つ技

*3
掌に龍炎を溜め、掌底を放つ技

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