実験に利用された挙句捨てられた少年   作:明星桜花

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第七話 退院

ー桜花sideー

リハビリを続けること1ヶ月

漸く右眼が見えんことにも慣れてきた

今日で退院して構わないと言われた

1時にイレイザーヘッドとプレゼントマイクが迎えに来るらしい

朝食を食べて窓際の椅子に座る

俺は日曜日のこの時間帯のここから見える景色が好きだ

何の憂いもなく子供達が遊ぶ景色が好きだ

だからこの時間になるとここに座って珈琲を飲む

最高のティータイムだ

 

 

ー草薙医師sideー

明星桜花、彼が今日退院する

彼は入院してから1ヶ月日々の殆どを窓際に置いた椅子に座って窓から見える公園で遊んでいる子供達を見ながら過ごしていた

優しい笑顔で窓から眺めて

彼は口癖のようにこう言っていた

「俺は日常を見るのが好きなんです

見ているとあれを守るためにも頑張らなあかんなと改めて思うから

日常を見るのが好きなんです」

それ故私は思うのだ

彼ほど日常を壊され、彼ほど日常を愛するものはいないだろう

そして、彼ほど悲惨なヒーローもいないだろうとそう思うのだ

だからこそ私達は彼の未来に幸あれと切に願うのだ

 

 

ーイレイザーヘッドsideー

桜花のリハビリも順調に進み、今日で退院だ

だから今山田と車で迎えに行っているのだが

さて、明日から桜花が守りたいものを自分で守れるように鍛えそして育てねばならない

どのように鍛えようか

とそんなことを考えている間に病院に到着した

車を止めた山田が

「12時55分!1時5分前だ」

と言って病院へ向かう

俺は山田に続いて病院へ向かう

受け付けで手続きを済ませて

桜花の病室へ向かう

病室の前で止まり

「桜花、入るぞ」

と言ってから扉を開けて入る

入ってから見えたのはいつものように

窓際の椅子に座っている桜花だった

「1時ジャスト、流石だね」

桜花は俺達を視認すると同時にそう言った

俺はそれに

「あぁ、その方が合理的だろう?

さぁ行こうか」

と返しつつ催促した

桜花は

「そうだね

近接格闘はいつから教えてくれるのかな?」

と言いながらこちらに歩いてくる

俺は扉の方へ歩きながら

「明日からだ

今日は確り休めよ」

と返した

そして、山田の車に乗って俺の今の家へ向かう

車を走らせながら山田が

「そういやぁ

右眼、どうなんだ…慣れたか?」

と聞く

それに桜花は

「あぁ、大分慣れたよ

もう物を落とすことも殆ど無い」

と答えた

それを聞いて山田は

「なら良かったよ

イレイザーの訓練頑張れよ」

と言って運転に意識を戻した

家について夕食を食べて風呂に入った後

桜花は何を言う暇もなく直ぐに眠りについた

俺は寝ている桜花に

「おやすみ」

とだけ言って自分の部屋でベッドに入った




祝・退院



*夕食は桜花が作った料理(桜花は入院中に料理を作って他の患者に提供していた為非常に上手)
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