放課後、アリアにクラスメイトが群がる。
校門で待ってて、と先ほどアリアに言われたので、僕はそそくさと帰り支度をする。
いつも以上にクラスメイトが恐ろしく、そして僕を見る目つきが鋭かった。
振り返るとアリアが仲良さそうにクラスメイトと話している。カラオケに誘われているようだが、体良くあしらっている。
校門でスマホをいじる。相変わらず城のニュースは進展がない。誰も辿り着けないし、衛生写真で見守ることしかできない。
城がある島は半径一キロほどで、城下町のような街も少しだけあるらしい。
畑や薔薇園、花畑もあり、美しい島であることが伺える。
そりゃそうだ、あんだけ課金して見た目は美しい城にしたからな。
けれどあれだけ有名だった僕のギルドと結びつけてる人がいないのは何故だろう。そしてファンタジーオメガのサイトにアクセスできないのは?
試しに掲示板サイトでファンタジーオメガと検索するが、一つもヒットしなかった。
もしかして僕は自殺に成功して、ただ今は夢を見てるのか?
頬をつねってみたが、痛かった。
「やあ」
肩をポンと叩かれる。
「みょっ!?」
「どうしたの?ご主人」
「あ、いや……」
振り返るとアリアがいた。顔が紅潮する。あまりにも理想の美少女で、顔をまともに見ることができない。
「クラスメイトが来ちゃう、早く行こう」
「う、うん」
そしてアリアは一人暮らしの僕のうちまで来ることになった。
「狭いね、ご主人」
「生活保護でも大丈夫なアパートだからね……」
「生活保護って何だい?」
「国から最低限の生活を保証されてるって制度で、ほら、僕親いないから……」
「そうだったね」
僕はドギマギとして色々なところに視線をばらけさせる、直視ができない。
「あのアリアなんだよね?」
「そうだよ、あのアリアさ」
「一週間前話してたのは?」
「ご主人は自分の泣き言を反芻する趣味があるのかい?」
「あ、いや、そうなるな……とりあえずお茶いれるよ」
安い緑茶をコップに入れて、アリアに渡す。コンビニの二リットルのペットボトルのお茶で、緑茶を淹れる趣味はなかった。
「あの後どうなったの?」
「あのあとと言うのは、世界が消えたことかな?」
「オメガ世界はやっぱり消えたのか……」
「うん、ご主人が泣き言を言った後、僕たちは世界の終わりを見た。そして世界が終わる最中、僕たちメドロイヤの民たちは全員祈ったんだ、またご主人様に出会えるようにって」
「僕も泣きながら再会を望んだよ、みんなに会えるかな?」
「会いたければいつでも、転移の魔法は使えるよ、じゃあ行こうか」
「え?」
「ボクたちのいるべき場所に」
そして一瞬ふわっと体が浮き、気がつくとそこは玉座の間だった。
ゲームで何千時間と目にした、拠点の最奥部だ。
そして臣下は全員儀式のような礼をとっている。
僕は玉座にいつのまにか腰掛けていて、隣でアリアも臣下の礼をとっていた。
「アグド様、そして神坂はじめ様、ご降臨」
「よくぞ舞い戻られました!!!!」
「アグド様!会いたかった!」
「アグドさまー!!!」
大きな声で歓喜の声を上げる臣下たち。
「序列第一位、アリア、ここに」
そして僕の大好きな秘書役のアリアが礼をとる。
「序列第二位、アギト、ここに」
悪魔のような外見の、白金の鎧を着た長身の男、戦闘能力がNPCの中で一番強い戦闘センスが光る男、アギトが礼をとる。
「序列第三位、アルファ、ここに」
長身でスラリとして、太ももが見えるスリットが入った漆黒のドレスを来た、吸血鬼の美女アルファが礼をとる。
「序列第四位、セッツァー、ここに」
骨太の外見をした、白髪の執事、料理もお茶を入れるのも一級なモンクの真人、セッツァーが礼をとる。
「序列第五位以下は今現在アメリカからの襲撃に応対しています、申し訳ございません」
「あ、ああいや、それなら大丈夫だ」
「ご主人様の慈悲に感謝いたします」
いつもと違い、こう言う場での誠実とした態度のアリアに緊張する。
「「「ご主人様のご帰還に感謝の念を捧げます」」」
そして全員が大声でそう言う。後ろに控えてる鎧の近衛兵も大声で叫んでいた。
「さて、みんなも聞きたいことがあるだろうが、ご主人様は学業で疲れている、それは明日にするとして、セッツァー、食事の用意を」
「かしこまりました」
「え、あの……」
「そして風呂はメイド達から適当な人をご主人と入らせなさい」
「了解しました」
「え、女性!?」
「そして今日は私からここまでの経緯を詳しく話します」
「それって夜伽しながら〜?」
と、ヴァンパイアのアルファがイタズラっぽく言う。
「それはご主人様次第です!とりあえず食事ができるまでメイドにお茶を淹れさせなさい、一番美味しいお茶ですよ」
「それならやはり気力回復効果もあるハーブティーが適切でしょう、わかりました、メイドに淹れさせましょう、それでは食事の用意をしてきます」
「なるべく胃がもたれないような食事にするのですよ!ご主人様はレベル1になってしまいました、消化能力が落ちています」
「了解致しました」
「それでは解散!」
名残惜しそうにアギトとアルファが出ていく。
そして身麗しい赤髪のメイドがハーブティーを淹れにきた。
肩下まで伸びた艶々の髪の毛に、アキバなどで見るメイド服、太ももにはガーダーベルトが伸びていて、胸は大きく、唇はすらっとしていて、美しい眼をしていた。
「今日の側役を務めさせていただく、メイドのシスと申します、よろしくお願いいたします」
「あ、ああうん、よろしく」
「それではお茶を淹れさせていただきます」
流れるような手際で、とても美味しそうなハーブティーが出来上がる。
「どうぞ、熱いのでお気をつけて」
そして目の前にカップが置かれる。もちろん玉座から降りて、玉座の間の中央にテーブルが置かれてそこに座っている。いつまでも玉座に座っていては疲れてしまうからだ。
「いただきます」
そしてちびり、と飲むと、爽快感が頭を走った。唇から喉を通り、頭がスッキリとし、茶葉の旨みが舌に残る。
「う、うま!?」
「ありがとうございます、勿体なきお言葉」
「こんな美味しいお茶初めて飲んだ……」
シスやアリアがニコニコとこちらを見ている。
「ずっと緊張してたら顰めっ面をしてたから、ご主人の笑顔を見ると安心するよ」
「あ……」
そうだった、長い間、僕はファンタジーオメガが終わってしまうストレスで、顔が硬直していた。それはアリアと再会してからも続いていたのだ。
「でも、オメガ世界、無くなっちゃったんだよなぁ……」
「おや、ボクたちがいるのだけじゃ不満かい?」
「いや、これから何しようかって呆然としていてさ」
「それなら、この世界を攻略するってのは?」
「え?」
「この地球を、アグド様、つまりはじめ様のものにするってことさ」
「いやいやいや、無理、無理、アメリカやロシアや中国、強いては日本を政略するってことでしょ!?無理!」
「そうかい?今の所防衛には全勝しているけど?」
「でも核には勝てないでしょう!」
「核……?ああ、ニュークリア・メテオみたいな奴か、確かに結界は相当なレベルが必要だね、でも特に心配はしてないけど」
「そんなレベルだったっけ……!?」
カチカチとゲームエフェクトを見ているだけだったから、実際の威力がわからない、でもアリアが言うには、多分大丈夫なのだろう。
「まぁとにかく、ご主人はすごく疲れているように見えるよ、少し休もう」
「休もうって言われても、驚きの連続と緊張で、休まらなくて……」
「でも頭はスッキリとしたんじゃないかい?」
「あ……」
確かに、ずっとゲームしていて、常にぼんやりとした頭や、食事を摂らず疲弊した体が、元気になっている。
「良かった、食事ができるまでマッサージでもしてあげようか?」
「アリア様、不敬ですよ!」
「いや、じゃあお願いしようかな」
「アグド様まで!」
「じゃあいくよ……」
上半身を艶かしくマッサージされる、途中で吐息が肩や耳にかかったりして、股間が熱くなる。汗が大量に肌をつたい、顔が紅潮する。逃げたい気持ちとこのまま快楽に溺れたい気持ちの二つで身が引き裂かれそうになる。ぬるりとアリアの手がいろんなところに伸び、優しく愛撫される。おかしくなりそうな時間が続いた。
「はわわ……」
メイドのシスが顔を赤ながら僕たちを見る。見ないでくれ、こんな僕を……。
「というか、見た目が違うのによく僕だってわかったね?」
僕のキャラクターは、黒装束で顔もイケメンに、そして身長も高めに設定している。僕とは似ても似つかない。
「わかるさ、魂が同じだからね」
「魂?」
「うん、言葉で説明するのは難しいけれど、見た瞬間にわかったし、アグド様を探知魔法で探したら、君が見つかったしね」
「なるほど……」
「それにしてもレベル1の体は不便じゃないかい?」
「いや、でもこれが日常だし、正直レベルが高い身体能力がわかんないってか……」
「そうか、そういえば別世界からボク達と一緒にいたんだっけ」
「まぁ、そういうことになるかな?」
「じゃあ、レベル上げする?」
「え?」
「一応適当なメイドで試したんだけど、この世界でもレベルを上げるのはできるみたいなんだ」
「そうなの!?」
「モンスターを召喚するスキルを使って、勝てば経験値が入るよ」
「へえ……!」
それはワクワクする情報だった。そうすればまるでスーパーマンのような力を手に入れることができる。
「楽しみだなぁ」
「ま、戦闘は厳しいんだけどね、今度試そうか」
「うん」
「アリア様、あまり危ないことはアグド様にさせられませんよ!」
「わかってるとも」
「大丈夫かな……」
そうしてお茶会はつつがなく終わり、夕食の時間になった。
「じゃあ、セッツァー!配膳頼むよ!」
「わかっています」
そしてカラカラという音と共に、料理が部屋に入ってくる。
「メニューはレアキノコのステーキに、ハーブを散らしたホワイトコーンのスープ、そして黄金麦のパンとなっております」
「おお……」
「パンはスープに浸して食べると、なお美味しいですよ」
「いただきます」
まずスープを一口飲み干す。
「うま……!」
口の中にホワイトコーンの甘い味が広がる。今まで食べたコーンスープを何十段階も上品にした味だった。レアキノコのステーキはうまみが広がり、肉汁がしたたり落ちる。よだれが大量に出てきてナプキンで拭く。黄金麦のパンは風味が素晴らしく、とても柔らかかった。
「どれも美味しいよ、セッツァー」
「ありがたきお言葉、それに勝る言葉はありません」
「アリアは食べないの?」
「ボク達はあとでいただくよ、大丈夫」
「そう?」
そして食べ終わると風呂の時間だった。
「それではシスがお世話を務めさせていただきます」
「ごゆっくりー」
アリアが手を振る。
「脱がしますね」
「は、はひ」
シスに制服を脱がされる、そして制服を洗濯カゴに入れ、シスも脱ぎ始める。
「シ、シスも脱ぐの!?」
「はい!お風呂の中でお世話もしますので」
「お、お世話!?」
そしてスルスルと言う音と共にメイド服が脱ぎ払われる、それをガン見してしまってた。
「す、少し恥ずかしいです」
「ごめん!」
「いえ、よろしいのですが……」
そしてブラジャーとパンツが脱がれるのをじっーと見てしまった。
すらりとした白い肌に、Gカップほどの胸、そして大きな尻にくびれ、アダルトサイトで見たどの女体よりも、美しい体をしていた。
「背中を流させていただきます」
「ふひ」
大浴場の中で、股間が大きくなってるのをどうバレないようにするか、焦っていた。一応腰布ははいている。
そして柔らかな布で背中をこすられる。その後、前も擦られる。
「前も失礼します」
「ひっ……」
体勢が代わり、背中に巨乳が押し付けられる。そして手が上下するごとに、押し付けられた胸も上下する。
そしてシスの手が僕の股間に当たる。
「あら、ご主人様、私で大きくしてくれたんですか?」
「あ、ご、ごめ」
「それなら、これはどこで綺麗にしましょう?」
そして人差し指で怒張をピン、と跳ねられる。
「じゃ、じゃあ、胸で……」
「かしこまりました」
そしてシスは前に来て、その巨乳で僕のあれを包んでくれた。