神国創造アグドメドロイヤ   作:夢見いるか

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第三話はじめて

 体も心もスッキリして、浴場から出る。

 服は綺麗になった制服を着た。

「できればオメガ世界の時の服を来て欲しいのですが……安全ですし」

「でも城内なら大丈夫でしょう?」

「念の為ということもありますよ!防御力を上げておいたほうが事故を防げます!」

「見た目がな……学校まで着てられないし」

「それではインナー装備だけでもどうでしょうか?防御力を上げる効果はありますし、他にも攻撃力や素早さをあげたりできます」

「レベルで着れないんじゃないかな?」

「いえ、レベル1でも着れる最高級装備があります」

「そういえば……」

 付与術を駆使すると、必要レベルを下げることができて、最大限まで下げるとレベル1でも着れた。その初心者救済処置で、数々のNPCのレベルを上げてきたのだった。

「戦闘の黒布を着ていただけますか?」

「わかった、一応着ておこう、何が起きるかわからないしね」

 そうして僕は防御力、攻撃力、素早さが格段に上昇するアクセサリーを装備した。

 

「う、うおっ?」

 戦闘の黒布を着て、歩き出そうとするとつんのめってしまった。

「大丈夫でございますか!?」

「か、体が動きすぎる!」

 素早さも上昇しているせいか、動くスピードが段違いで、でも地面に落ちるスピードはゆっくりに見えたからか、手をつくことで戻ることができた。

「これが高ステータスの状態か……」

「急激なレベル上昇でも動きにくくなって慣れるまで時間がかかることもございますが、レベル1でしたものね……」

「ちょっとこれは訓練が必要だな」

 

「おや、装備を着たのかい?」

「アリア」

「それにすっきりした顔立ちだね、あっちの方もすっきりしたのかな」

「ちょ」

「不敬ですよアリア!詮索はやめなさい!」

「ふぅーん、そう言うってことはそういうことかぁ」

 そう言ってニヤニヤした目でこちらを見てくる。

 アリアの性格を設定する時、セクハラ地味たことをしたいこともあって、ある程度純朴にしていたのだが、罪悪感に駆られて性的な話題も普通にできる性格に変更したこともある。無知シチュは楽しかったが、今ではエロオヤジ化することもある。そっちの方が仲良い気がして、個人的には嬉しかったのだが。

 

「ご主人、軽く運動しとく?」

「え?」

「装備ステータスの上昇だと身体が慣れないんだよ、でも自分のレベルを上げると、ある程度体が自動的に慣れてくれる。つまりは戦闘さ」

「え……、え!?」

「大丈夫、その装備ならレベル10まであっという間さ」

「大丈夫かな……」

 

 ファンタジーオメガでは、種族レベルと職業レベルと言うものがある。

 種族レベルは例えば人間、ヴァンパイア、獣人などで、レベル50まで上げられる。50まで上げた後、種族を高いランクに『転生』することも出来て、僕の場合人間→ハイヒューマン→神人などだ。もちろん他の派生先もあるが、それは職業との兼ね合いなので考える必要がある。

 『転生』するとレベルが1に戻ってしまうのだが、ステータスの減少は半分となっているので、レベルが下がっても強い。そして種族レベルを上げた時のスキルは残る。また、高いランクの種族はステータスの上昇値も高い。その分必要な経験値も高くなるが。

 職業レベルは25まで上げることができるが、二つの職業を持つことができる。つまり合計100がマックスだ。

 職業も二次職、三次職まである。派生先との兼ね合いも考えて、最初からある程度どう成長させるか考える必要もある。

 そして熟練度レベルというものもあり、これは武器や魔法に対するレベルで、これは際限なく上げることができるが、レベルが上がるたびにどんどん上がりにくくなる、より強力なモンスターと戦わない限り、上がらないのだ。

 僕のキャラクターは付与術師と侍、そして種族は神人だった。

 今の僕はただの人間。だからこそレベル上げをしておかないと、不安があるのが常だ。でもそれは全人類がそうだろう。事故に遭わないか、犯罪に巻き込まれないかみんな不安なのだ。

 

「やってみるよ」

「じゃあアルファを呼んでくるね、あいつは眷属召喚スキルを持っているから、丁度いいモンスターを生み出せる」

「そうだね」

 

 そして僕たちは練習場まで行った。地下一階にある戦闘ができる場所で、仲間同士でも戦うことができる。そして課金要素で、仲間同士で戦っても経験値を得ることができる。

「じゃあ行こうか」

「う、うん」

 初めてのリアルでの戦闘に緊張しながらも、僕は地下へと足を進めた。

 

「アルファ、ご主人様のため、参上致しました」

「来たね」

「お、お疲れ様」

「ありがたきお言葉……」

「早速だけど眷属出せる?」

「まぁ、アリア、あたしに命令しないでくださる?今は緊急事態じゃないのですよ」

「まぁまぁ」

「ご主人様……最初は何を出します?」

「じゃあ、一番レベルが低いブラックバットをお願い」

「了解でございますわ!」

 

 そうして向き合った僕たちは、戦闘体制に入る。と言っても僕はさっきもらったレベル制限を解除した緋ノ刀を持っている。

 僕は今レベル1というか、ゼロなんじゃないだろうか?初期スキルすら持っている気がしない。

 そしてアルファがブラックバットを一体出してくる。

「ご主人様を傷つけてはダメですよ、ブラックバット!」

「キィ」

 そしてブラックバットが迫ってくる。

「ふっ」

 へっぴり腰、まぁ剣道すらやったことがないのだから当たり前だが、日本刀の重さで体がブレる。もちろん身体能力が上がっているので、刀に重さは感じないのだが、体軸がうまくすわらない。

「ギィッ」

 そして何度か刀を振り、ブラックバットが切られて消滅する。流石に緋ノ刀は中級者が使う武器、二次職で主に使う武器なので、レベル5程度のブラックバットなら余裕だ。

「次、行きますわよ」

「うん」

「ご主人、がんばってね〜」

 

 そして10体倒すと、体に熱が灯った。

「お、お!?」

「レベルが上がったみたいだね」

(というかレベル5モンスターを十体も倒さないといけないなんて、本当廃人しかやれないようなゲームだったな……)

 ゲームと違って、ステータス画面を見ることはできない。けれど実感として、いくつかのスキルが使えるのがわかる。

 種族、人間のレベルが1、侍のレベルが1、そして付与術師のレベルが1になった感じだ。

 試しに軽くジャンプしてみたり、刀を振ったりしてみる。先ほどよりも刀を自在に扱えるようになったし、スキルが使えるようになったみたいだ。

「ご主人、やったね」

「うん!」

 ゲームが現実でもできる、それほどワクワクすることはないだろう。そして心強い仲間もいる。

「とりあえず今日はお疲れだし、ここまでにしとく?」

「そうだね、急ぐ必要はないし、今日は色々あって疲れたよ、眠りたい」

「じゃあ寝室へ行こうか」

「あら、泥棒猫、何をするつもり?」

「ただの添い寝さ」

「本当でしょうね……」

 ジト目で見てくるアルファ。

「とりあえずご主人様、お疲れさまでした、またわたくしを呼んでくださいね?」

「うん、ありがとう」

「それでは、おやすみなさい」

 

 王の寝室、ここではプレイヤーの服装を変えたり、城の内部を変えたりすることができる。

 しかし今はコンソールが出ないので、それができない。人力になってしまうだろう。

 もしかして毎日ここでメイドに服を変えられるのだろうか、恥ずかしいな。

「やあ」

「うお……」

 寝巻きに着替えたアリアがやってきた。ネグリジェだ。たわわな巨乳を揺らしながら、こちらに迫ってくる。

「それじゃ、お話でもしようか」

「う、うん」

 

 それからアリアに添い寝をしてもらいながら、この世界に来てからの行動を教えてもらった。

 転移後すぐに、僕のことを探してくれたのだが、遠くにいることで僕に会いにくるのに時間がかかったらしい。

 転移魔法は一度行った場所しか転移できないから、海を渡る必要があった。

 そしてアリアは、飛行魔法を駆使して早速会いに来てくれたのだった。

「それにしても、よく学生になれたね、戸籍は?」

「実はまだ戸籍がないんだよね」

「え!?入学手続きは?」

「申し訳ないけれど洗脳魔法を使わせてもらったよ」

「な、なるほど……」

 アリアはオールラウンダーのキャラクターで、神造勇者とマジックマスターの職業を持っている、どちらも三次職だ。

 マジックマスターはたくさんの魔法を使える代わりに専門職より威力が下がる、でもいろんなことに対応できるので、相棒としては打ってつけだった。

「そうなると長く日本にいるとばれちゃうかな?」

「いや、そのうち戸籍は作るから大丈夫だよ」

「え!?どうやって」

 

「それはまた、お楽しみさ」

 

「それより、さっきから当たってるんだけど?」

「う」

 股間のアレがどうしてもアリアのふとももあたりに当たってしまって、当たるたびに腰が動きそうになるのをじっと堪えていた。

「……する?」

「……うん」

 

「ご主人、童貞だよね、よく愚痴ってきたの覚えてるよ」

「うん」

「それじゃ、二人で初めてを迎えようか」

 

「脱ぐね……」

 

 そして僕は、忘れられない夜をすごした。

 

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