──無人島開拓三日目。
中央部 司令部にて。
イギリス兵「しかし俺がこの島の司令官でよかったのか?」
ドイツ兵「そりゃお前が一番階級が高いのだから当然だ」
日本兵「それに海軍出身だしな、何かと都合がいい」
イギリス兵「そうか、なら良いんだが……」
コンッ コンッ コンッ ガチャッ
ソ連兵「生産していた戦闘機の配備が終了したぞ」
ドイツ兵「おおっ! 遂に俺が指揮する空軍が誕生したのか!」
日本兵「丁度よくドイツ空軍のパイロット達が現れたのが幸いだったな」
イギリス兵「空軍も完成したんだ、そろそろ無人島の名前を決めても良いかもな」
日本兵「名前か……」
イギリス兵「各国代表の兵を招集してくれ、大事な命名会議だ」
──司令部 会議室にて。
イギリス兵「……というわけでこの島の命名をするために集まってもらったわけだ」
アメリカ兵「HAHAHA!! これは意見が別れそうだな!」
オーストラリア兵「そうだなぁ……本来は全員言語が違うわけだからね」
日本兵「じゃあまず俺からだな、『
イギリス兵「ちょっと安直だな……次は?」
イタリア兵「俺だよー、名前はピッツァ島とかどうかな?」
イギリス兵「この島そんな丸くないだろ」
オーストラリア兵「次は俺だ、カンガルー島とかは?」
イギリス兵「一頭しかいないだろこの島」
ドイツ兵「此処は俺の出番だな、ビール島はどうだろう」
イギリス兵「命名理由はお前が酒好きなだけじゃなくて?」
──こうして命名会議は一時間以上続いて、結局は日本兵の【連合島】に決定したのであった。
それから数日後……。
日本兵『十一時の方向、海に人間を発見!! 連合島に接近中!!』
ドイツ兵「人影だと? それは確かなのか!」
日本兵『間違いない、合計でも六人は確認した!!』
イギリス兵「まったく、此処に来てから不可解な事ばかり起きるな」
アメリカ通信兵「待ってください、恐らくその六人から通信が入りました!」
イギリス兵「読み上げてくれ!」
アメリカ通信兵「はっ! ……我らは日本海軍哨戒艦隊である、海域を深海棲艦から守る為にも貴殿らが何者なのかを確認したい、との事です!」
ドイツ兵「深海棲艦……? この海域にいる海水生物かなにかか?」
イギリス兵「今はまず周辺の情報が知りたい、その日本海軍に許可すると伝えておけ!」
アメリカ通信兵「はっ!」
──数十分後、連合島軍港にて。
陽炎「いつの間に無人島に基地なんて出来たのかしら……?」
不知火「わかりません、しかし……敵意は無さそうです」
暁「色んな国の兵士がいるのね……」
吹雪「だけど急すぎるよね、一ヶ月前は司令部すら無かったのに」
電「航空機もあるみたいなのです……?」
神通「皆さん、気を引き締めて参りましょう、どうやら此方の司令官が来たようです」
イギリス兵「なんと、皆さん女性でしたか……お初にお目にかかります。 私がこの連合島司令官のアルフレッド大佐です」
神通「私は哨戒艦隊旗艦、川内型軽巡洋艦二番艦の神通です、よろしくお願いします」
日本兵「んん? 軽巡洋艦? 神通?」
神通「はい」
日本兵「……それって海軍さん達の船の名前だろ? なんで君がその名前を?」
神通「え? ……もしかして、艦娘を知らないのですか?」
日本兵「ああ、知らん! ずっと支那で戦ってたからな!」
神通「支那って……中国の事ですよね? それにずっと戦ってたとは……?」
日本兵「なんだ、やっぱり此処はあの世じゃなかったんだなぁ、俺達元々戦死してるんだ」
艦娘達「「「!?」」」
イギリス兵「ペラペラ話しやがって、まあこの際教えとくか。 俺はアルフレッド大佐、大英帝国海軍出身」
ドイツ兵「俺はヘルマン少佐、ドイツ空軍出身」
イタリア兵「俺はレオナルド中尉、イタリア王国陸軍出身」
日本兵「俺は片桐少尉、大日本帝国陸軍出身!」
アメリカ兵「HAHAHA!! 俺はジョニー大尉! 合衆国陸軍出身さ!」
オーストラリア兵「俺はジョン中佐、オーストラリア海軍出身」
ソ連兵「俺はクロチェフスキー少尉、赤軍出身」
イギリス兵「俺達は一度死んじまったんだが、気がついたらこの島で倒れていた。 だから生きる為にも軍人として基地を作っていたんだ」
艦娘達「「「……」」」
吹雪「これって、信じて良いんでしょうか……?」
神通「……正直、艤装の妖精さんとか存在しているわけですし、こういう事くらいは起きるかもと思っておりました」
吹雪「じ、神通さん?」
神通「其方が教えてくれたのですから、私達も話せる事なら説明します」
──神通は艦娘という兵器の事、深海棲艦という新たな海の脅威の事、そしてこの時代が軍人達よりも先の未来だという事を説明した。
※ここから兵士達の表記が名前に変わります。
軍人達「「「な、なんだってぇぇーー!?」」」
片桐少尉「日本、負けたのか……?」
ジョニー大尉「一つ街を全て破壊する爆弾を落とすって……、クソッ流石にやりすぎじゃないのか……!!」
アルフレッド大佐「ジョニー大尉……」
ジョニー大尉「これじゃあ……正義って何なんだよ! ヒーローなんて、夢のまた夢じゃないか!!」
ヘルマン少佐「ドイツが、降伏……!?」
レオナルド中尉「ドゥーチェも殺されちゃって、おまけに未来に来ちゃってたのか……」
クロチェフスキー少尉「そうか、ソ連は崩壊したのか……分かってはいたが、いざ聞くと辛いなぁ……」
ジョン中佐「……(あれ、俺は特になくね?)」
軍人達「「「……」」」
神通「言わなければと思い話しましたが、正直可哀想ですね……」
艦娘達「「「……」」」
アルフレッド大佐「──しっかりしろお前ら!!」
ヘルマン少佐「あ、アルフレッド司令官……?」
アルフレッド大佐「そんな事で落ち込んでいたら、俺達の子孫、それに後世の国民達に幻滅されてしまうぞ!!」
ジョニー大尉「しかし……」
アルフレッド大佐「俺達は頑張ったんだ!大きな戦争で国を守る為に戦ったんだ! 我らは過酷な時代を生きて死に、そしてこの時代にやってきた! 神がその深海棲艦と戦えと命じたなら、俺達は軍人として神の命令に従うのみだ!」
軍人達「「「……!!」」」
アルフレッド大佐「それぞれの祖国の誇りを忘れてはいけない! この誇りを証明する為にも、立ち上がれ! 戦うのだ!!」
片桐少尉「……そうだな、ああ! その通りだ!」
ジョニー大尉「ああ、俺にも合衆国陸軍の誇りがある!」
ヘルマン少佐「俺もだ!
アルフレッド大佐「……神通殿、我らは遥か昔に散った軍人の亡霊、貴公等が望むのであれば喜んで深海棲艦との戦いに協力を致しましょう」
神通「皆さん……ありがとうございます。 では事情の方は私達の提督に報告します、話がまとまり次第に連絡致します」
アルフレッド大佐「感謝します、しかし証拠が必要でしょう……これを貴公等の司令官にお見せいただきたい」
神通「これは……身分証明書ですか」
アルフレッド大佐「その中に俺の死ぬ前に撮った写真も入ってる、お前達も出しておけ」
片桐少尉「じゃあ軍隊手帳を……」
神通「ご協力ありがとうございます、ではこちらは私達がしばらく預かります」
アルフレッド大佐「それで良い。 ……では気をつけて帰るんだぞ」
神通「はいっ、では失礼します!」
──艦娘達は海の向こうにある、祖国の基地に帰還して行った。
レオナルド中尉「大変な事になったね」
ジョン中佐「まあこっちの方が性に合ってるんじゃないか?」
レオナルド中尉「……そりゃそうだね、だって俺達は軍人だもん」
レオナルド中尉は悲しそうに、水平線に写る紅い夕陽を眺めていた……。