転生したら赤ガヴだった件   作:仮面大佐

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第12話 大激突

 俺たちは、準備を整え、蜥蜴人族(リザードマン)の支配領域である湿地帯へと向かっていた。

 戦闘に参加するのは、俺、リムル、紅丸、紫苑、白老、偵察中の蒼影、嵐牙、シズさん、絆翔、そして、狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)達だ。

 街は、リグルド達に任せた。

 俺たちが負けたら、即座に避難してもらう様にしてある。

 すると、リムルが俺に話しかけてくる。

 

「タオリン」

「ん?」

「怖くないか?」

「………………怖くないって言ったら、嘘になるさ。何せ、戦争なんて初めてだしな。でも、大切な物を守る為に俺は戦うだけだよ」

「そうか………」

 

 俺の答えに、リムルはそう呟く。

 ちなみに、俺はブルキャンバギーに乗っていて、シズさんはブルキャンバギースパイシーに乗っていた。

 すると、偵察中の蒼影から連絡が入る。

 

『リムル様、少し宜しいですか?』

『どうした?』

『交戦中の一団を発見しました。片方は、蜥蜴人族(リザードマン)の首領の側近の2人で、相手は豚頭族(オーク)の上位個体のようですが、いかが致しましょう?』

『助けるの一択だろう。勝てるか?』

『容易い事かと』

 

 蒼影が連絡する。

 俺がそう聞くと、蒼影はそう答えた。

 おお、蒼影がそう言うと、本当に仕置き人みたいだな。

 

『やれ。俺たちもすぐに行く』

『御意』

 

 リムルが蒼影に指示を出してる中、俺は、皆に指示を出す。

 

「戦闘体勢を取れ!蒼影の元に向かうぞ!」

「はっ!」

「やるっす!」

「分かったわ」

「嵐牙!」

「仰せのままに!」

 

 その声と共に、嵐牙は加速して、蒼影の元に向かう。

 だが、到着した頃には、豚頭族は全滅していた。

 

「あ………あれ?もう、終わってるっすか?」

「少しは残しといてくれよ」

「ふむ………」

「流石、蒼影という所だな」

「全滅してやがる………」

「すげぇな…………」

 

 俺とリムルは、蒼影の元に。

 蒼影は、あの首領の側近の蜥蜴人族を抱えていた。

 

「共に深手を負っています」

「う………うう………」

「くっ………」

「ああ。俺は片方を回復する。タオリンは、もう片方を頼む」

「うん」

 

 俺とリムルは、2人の蜥蜴人族に近づき、回復薬を飲ませる。

 だが、いきなり流し込まれたからか、咳き込んでしまう。

 

「安心しろ。回復薬だ」

「ああ」

 

 俺とリムルは、2人に回復薬を飲ませる。

 すると、傷があっという間に治っていく。

 2人は目を見開いて、驚く。

 

「えっ、き………傷が………⁉︎」

「致命傷だった筈………⁉︎あなた方は………?」

「俺がリムル=テンペスト」

「俺がタオリン=テンペストだよ」

「あっ!」

 

 2人は傷が治ったのに驚くと、副隊長はそう言う。

 俺とリムルがそう言うと、親衛隊長が突然土下座をする。

 

「ん?」

「お願いがございます!我が父たる蜥蜴人族の首領と、兄たるガビルを、どうか、お救い下さいませ!」

「ガビルの妹なのか?」

「はっ!」

「何があったんだ?」

「それは、私が答えましょう」

 

 親衛隊長はそんな風に叫ぶ。

 俺の質問に、副隊長が答える。

 

「ガビル君が謀反を起こして、首領を幽閉したのです」

「やっぱりかぁ………」

「ガビル君は豚頭族軍を、自らの力で退けるつもりなんです。………だけど、彼は豚頭帝(オークロード)を甘く見ている。このままでは、蜥蜴人族は滅亡するでしょう」

「父は、見張りの隙を見て、私たちを逃がしてくれました。先走らぬようにとの約定も守れず、虫の良い話であるのは、重々承知しております!しかし………力ある魔人の皆様を従えるあなた様方のその慈悲に縋りたく、何卒………!」

「僕からもお願いします。首領に同胞、そして、ガビル君を助ける為に………!」

 

 親衛隊長と副隊長は、そう言って頭を下げる。

 すると、2人の元に、紫苑がやって来る。

 

「よくぞ、申しました!リムル様とついでタオリン様の偉大さに気付くとは、あなた方は、見どころがありますね!」

「お………おい、紫苑?」

「あ……………」

「さあ、立ちなさい。あなた方の希望通り、蜥蜴人族は救われるでしょう!」

「ありがとうございます………!」

「ありがとうございます」

 

 紫苑の奴、仕事を仕入れてきたよ。

 あと、ついでにって言わないでくれる?

 まあ、蜥蜴人族を救うのは、最初からそのつもりだったしな。

 やっぱり、ガビルの奴、豚頭帝を侮っているのか。

 

「仕方ない。どうせ、豚頭帝とは戦うんだ。ええっと、君は首領の娘さんだっけ?」

「は……はい。仰せの通りにございます。」

「なら、君を首領の代理と認める。ここで同盟を締結する事に、異論はあるか?」

「異論はありません。」

「じゃあ、決まりだ。同盟は締結された」

「ありがとう………ございます」

「蒼影。首領の所まで影移動をして、首領達を救い出してくれ」

「エージェントも頼む」

「御意」

「はっ」

「ありがとうございます………」

「俺たちは進軍を続けるぞ」

「はっ!」

 

 俺たちは、蜥蜴人族達と同盟を結び、進軍を再開する。

 一方、湿地帯では、豚頭族と蜥蜴人族による戦闘が行われていた。

 

「豚頭族など、我ら蜥蜴人族の敵ではない!よし、一旦離脱!」

 

 ガビルの指揮のもと、戦闘は、蜥蜴人族が優勢に進んでいた。

 だが。

 

「ああっ………うわぁ!」

「ん?」

 

 ガビルが、部下の悲鳴に何事かと豚頭族の方を見ると、豚頭族が豚頭族を食べていたのだ。

 

「何だ?豚頭族が、豚頭族を食っている………!?」

 

 それに、ガビルは驚愕し、蜥蜴人族の1人が後ずさると、一体の豚頭族に足を掴まれる。

 

「あ………うわっ!」

 

 その蜥蜴人族に、豚頭族が殺到して、食べ始める。

 

「た………助けて!ガ………ガビル様!」

 

 そして、その部下は、豚頭族に食べられてしまう。

 

「退却だ!急げ!退却!」

 

 ガビルは、部隊に退却命令を出す。

 だが、退却命令を出すのが、遅かった。

 

「あっ!ガビル様!回り込まれちゃったよ!」

「何?」

 

 そう、先ほどより動きが良くなった豚頭族の部隊にあっという間に取り囲まれる。

 

(何が起こった………⁉︎明らかに奴らの動きが素早くなっている………!)

 

 ガビルは、豚頭族の体を見る。

 すると、本来、豚頭族には無い筈の物が、存在していた。

 鱗に、水掻きだ。

 

(バカな⁉︎豚頭族の体に、水掻きと鱗だと⁉︎それでは、まるで、我らと同じでは無いか!)

 

 そう、先ほどまで優勢に戦えていたのは、水掻きと鱗という、蜥蜴人族ならではの特性があったからだ。

 だが、豚頭族がそれを獲得した今では、その優位性はあっという間に崩れ去った。

 部下達が、ガビルに話しかける。

 

「さっき、仲間が1人食われた!」

「然り!そこから、奴らの動きが変わった!」

「うう………!(まさか、食う事によって、我らの能力を………!)」

 

 ガビルは、漸くその事に気付いた。

 そんな中、一体の豚頭族が、ガビルに向かっていき、斧を振り下ろす。

 ガビルは、水渦槍(ボルテックススピア)で、斧を受け止める。

 

「ぐっ………!うおお!!」

 

 そして、ガビルは力を込めて、斧を弾き返す。

 

「群れ全体か………!密集隊系!ゴブリン隊を中央に、隙なく固まれ!ゴブリン隊を守りつつ、豚頭族の包囲を突破する!」

「おおお!!」

 

 ガビルは咄嗟の判断で、ゴブリン達を中央に集め、密集隊系を取る。

 

(我等だけなら、逃げ切れたかもしれんが………ゴブリン達を連れてきた事が、裏目に出てしまった………!)

 

 ガビルは、そう思った。

 そう思う中でも、豚頭族達は近づいてくる。

 

「蹂躙せよ。蹂躙せよ。仲間の力を我が物に!奴らの力を我が物に!」

「恐るな!我ら誇り高き蜥蜴人族の力を見せつけてやれ!」

「おおっ!」

 

 ガビルのその声に、部下達は気合いを入れ直す。

 すると、ガビルの目の前に周りの豚頭族より巨大な豚頭族が現れる。

 それには、他の蜥蜴人族達は、どよめく。

 

「な………なんという凄まじい妖気(オーラ)であるか………!」

 

 ガビルは、目の前の豚頭族のオーラの大きさに驚いていた。

 

「ふん………そこの豚頭族!貴様が豚頭帝であるな?」

 

 ガビルのその問いに、豚頭族は答えなかった。

 

「我輩は蜥蜴人族の首領、ガビル!我輩と一騎打ちで決着を………!」

「ロードではない」

「あっ………!」

 

 ガビルがそこまで言うと、豚頭族が口を開くが、豚頭帝ではないと否定する。

 それに、ガビルは驚く。

 

「我は、豚頭将軍(オークジェネラル)。豚頭帝様の足元にも及ばぬ。」

「豚頭帝ではない⁉︎(これほどに力を持ちながら、足元にも及ばないだと………⁉︎)」

 

 ガビルは、敵が強大な力を持っているのにも関わらず、豚頭帝では無い事に驚いた。

 驚くガビルを他所に、豚頭将軍がガビルに話しかける。

 

「一騎打ちだったか。面白い。受けてやろう。」

「………感謝する!(一体………どれほどの化け物だというのだ………!本当の豚頭帝とは………!)」

 

 ガビルは、本当の豚頭帝の力の高さに、戦慄した。

 一方、とある森では、ゲルミュッドとラプラスが、水晶玉で状況を確認していた。

 

「よっしゃ!よっしゃ!良い感じになってきたで。なぁ、ゲルミュッド様!」

「うむ」

「計画の方、順調に運んどるようやなぁ」

「我が子が森の覇権を手に入れる日も近いだろう。そうなれば、俺の野望も………!」

 

 そんな風に話していた。

 すると、緑色の光と共に、葉が流れてくる。

 

「中々楽しそうな話をしていますね」

「なっ⁉︎」

 

 そこに居たのは、トレイニーだった。

 ラプラスは、トレイニーに名を聞く。

 

「誰や⁉︎」

「私の名はトレイニー。この森での悪巧みは見逃せません」

「こりゃ、やばいぞ、ゲルミュッド様!森の管理者、樹妖精(ドライアド)や!」

「なんだと⁉︎」

 

 ラプラスは、トレイニーが樹妖精である事を見抜き、戦慄する。

 

「森を乱した罪で、あなた方を排除します」

「はぁ⁉︎」

「精霊召喚、シルフィード!」

 

 トレイニーは、シルフィードを召喚した。

 それを見たラプラスは慌てて叫ぶ。

 

「待て待て待て待て!気ぃ早すぎやろ!」

「断罪の時です。罪を悔いて祈りなさい。大気圧縮断裂(エアリアルブレード)!」

 

 トレイニーのその言葉と共に、シルフィードが歌い、風刃がゲルミュッドとラプラスを襲う。

 2人はバリアで防ぐが、一つの風刃がラプラスの右腕に当たり、切断される。

 

「お………おい!腕!」

 

 ゲルミュッドはラプラスの腕が切断された事に慌てるが、当のラプラス本人は、そこまで慌てていなかった。

 

「無茶苦茶しよるなぁ、アンタ。問答無用かいな。………まあ、目的は達成しとるし、ワイらはお暇させて貰うわ。ほな、さいなら!」

 

 ラプラスは、そう言って、左手に出した煙幕弾を地面にぶつけ、煙幕を出す。

 煙が晴れた時には、ラプラスもゲルミュッドも居なかった。

 

「逃げられましたか。………状況は思わしくありません。リムル=テンペスト、タオリン=テンペスト。豚頭帝の討伐、信じていまよ」

 

 トレイニーはそう言って、精霊と共に姿を消す。

 一方、ガビルの方は、一騎打ちが始まっていた。

 豚頭将軍の斧が、水渦槍ごと、ガビルを吹っ飛ばす。

 

「うわぁ!ぐっ………!」

 

 ガビルは、何とか体勢を立て直し、気合いを入れる。

 

「はあっ………!渦槍水流撃(ボルテックスクラッシュ)!」

 

 ガビルは渦槍水流撃を放つが、豚頭将軍も、斧から風の攻撃を出して、お互いの中間点で爆発する。

 

「ぐ………!あっ………!」

混沌喰(カオスイーター)!」

 

 豚頭将軍がそう叫ぶと、体からオーラが出てきて、三つの顔が出る。

 その顔は、ガビルへと向かっていく。

 ガビルは、その三つを躱す。

 

「くっ………!ふぅ………!我輩を食おうと言うのか!」

「フッフッフッ………いつまで逃げ切れるかな?」

「くぅ………!」

 

 ガビルがそう叫ぶと、豚頭将軍はそう言い、ガビルは歯を食いしばる。

 すると、ガビルの部下がガビルに声をかける。

 

「ガ………ガビル様!」

「助太刀を!」

「手を出すな!」

「「「あっ………!」」」

「これは、一騎打ちである!」

「「「ああっ………!」」」

「男だぜ、ガビル!」

「ガビル!」

「ガビル!」

「ガビル!ガビル!」

 

 部下達が助太刀しようとするが、ガビルはそう叫ぶ。

 ガビルのその言葉に、部下達は泣いて、ガビルコールを始める。

 

「………はあっ!」

 

 ガビルは、少し姿勢を下げて、そのまま突撃していく。

 

「ふん!」

 

 豚頭将軍は、混沌喰を再びガビルに向かわせる。

 ガビルは、水渦槍で混沌喰を斬っていく。

 だが、三つの顔の連携に、ガビルは姿勢を崩してしまう。

 止めと言わんがばかりに、三つの顔は、ガビルに向かっていく。

 

「これしき………!」

 

 ガビルはそう言って、気合いを入れ、豚頭将軍に向かっていく。

 向かってくる顔を避けたり、槍を使って受け流したりして。

 豚頭将軍は、混沌喰を解除して、斧でガビルを攻撃する。

 だが、ガビルはそれを躱して、空中に向かってジャンプする。

 

「とうっ!」

「何?」

「おおっ!」

「やああああっ!!」

 

 ガビルは、その声と共に豚頭将軍に攻撃する。

 だが、盾によって阻まれる。

 そして、そこに斧の攻撃を受ける。

 何とか、水渦槍で防御した事により、攻撃そのものを食らうことは避けられた。

 だが、ガビルは地面を転がる。

 

「ううっ………!」

「ガビル様ァァ‼︎」

「ぐぅ………ううっ、あっ………!」

 

 ガビルは、何とか立ちあがろうとするが、目の前には、豚頭将軍が居た。

 

「蜥蜴は、地面を這いつくばっているのがお似合いだ。死ねぇ!」

「ああっ!」

「くうっ………!」

 

 豚頭将軍は、ガビルにとどめを刺そうとして、部下達は慌てて、ガビルは、死を覚悟する。

 だが、その攻撃は、ガビルには届かなかった。

 なぜなら、ゴブタが豚頭将軍の斧を弾き返したからだ。

 

「くっ………!」

「あっ………!き………貴殿は、あの村の真の主殿ではないか!?」

「え?(何言ってるっすか、この人?)」

 

 ゴブタは、ガビルのその言葉に呆れる。

 

「もしや、我々の助太刀に?」

「あれは、狼鬼兵部隊の隊長、ゴブタだ」

 

 ガビルがそう言う中、ガビルの隣に嵐牙がやって来る。

 

「おお………牙狼族の………!」

「我が名は嵐牙。リムル様とタオリン様の命により、助太刀に来た」

「いかにして、ここまで………?」

「影移動だ。学ばんのか、貴様」

 

 ガビルのその問いに、嵐牙は呆れてそう言う。

 すると、豚頭将軍が笑う。

 

「フッフッフ………!リムルにタオリンだと?何処の馬の骨かは知らんが………邪魔立てするなら、容赦は………ッ!?」

 

 すると、豚頭将軍の背後で、大量の黒炎のドームが出来上がっていた。

 そこに居た豚頭族達は、蒸発していく。

 

「おおっと!始まったみたいっすね」

「ぬうっ………!?蜥蜴人族の大魔法か?早々に決着をつけて、大魔法を操る者を始末せねば」

 

 豚頭将軍は、蜥蜴人族の大魔法と判断する。

 豚頭将軍がゴブタ達の方を向くと、ゴブタは、ガビルに声をかける。

 

「ええっと、ガビルさん………でしたっけ?さっさと、防御陣形を整えるっすよ」

にぬう!分かったのである!しかし……あの炎は………?」

「あっ。………心配いらないっす。味方の術っすから。………多分」

 

 ゴブタは、ガビルにそう言うが、あまりの凄さに、ゴブタは多分と言う。

 一方、紅丸達は。

 

「………だから、退けと言ったろ」

「き………貴様ら、何者だ?」

「覚えてないのか?酷いな。里をあんなに食い散らかしてくれたじゃないか。………フッ」

 

 豚頭族達がそう言うと、紅丸はそう言う。

 紅丸、紫苑、白老、シズさん、絆翔を見た豚頭族達は。

 

「その角………まさか、大鬼族(オーガ)か?」

「どうかな?今は、少し違うかもしれないな」

「いよいよじゃな」

「この機会を下さったリムル様とタオリン殿に、感謝いたします」

「もう一度言う。道を開けろ豚ども。灰すら残さず消えたくなければな」

 

 その声と共に、紅丸は黒炎を投げる。

 豚頭族達がどよめきながら、体を動かす。

 すると、その黒炎は、ある程度進むと、ドーム状にまで巨大になり、そこに居た豚頭族達を燃やす。

 一方、シズさんと絆翔は。

 

「貴方達には恨みはないけど、皆を守る為に、私は戦う」

「いくぞ、シズさん!」

 

 2人はそんな風に言う。

 そして、シズさんはビターガヴを出して、絆翔はヴァレンバスターを構える。

 2人は、それぞれのゴチゾウを装填する。

 

チョコ!

SET(セット) チョコ!SET(セット) チョコ!

スナック!

BITE(バイト) スナック!

 

 その音声が鳴る中、シズさんはマンチビーターを回転させて、絆翔はヴァレンバスターを操作する。

 

「トロ〜!」

 

 ヴァレンバスターを操作すると、チョコドンゴチゾウはそんな風に叫ぶ。

 シズさんの背後にポテトスティックが現れる。

 そして、2人は叫んだ。

 

「「変身!」」

 

 そう叫ぶと、シズさんはダークディバウアーを押して、絆翔はヴァレンバスターのトリガーを引く。

 

チョコドン!パキパキ!

バキバキスティック!ヤミー!

 

 その音声が鳴ると、俺たちは姿が変わっていく。

 シズさんは仮面ライダービターガヴ・バキバキスティックフォーム、絆翔は仮面ライダーヴァレン・チョコドンフォームに変身した。

 2人は頷くと、豚頭族(オーク)へと向かっていく。

 それを見ていた、俺とリムルは。

 

「すっげぇな」

「見ろよ。あんなに居た豚頭族達が、どんどん減っていく………」

 

 そう驚く。

 ちなみに、俺はガヴ・ふわマロフォームに変身して浮遊していた。

 一方、ゴブタ達の方は。

 

「ふん。蜥蜴共を助けに来たらしいが、無駄な事を。ゴブリンに犬畜生。どこぞの木っ端魔物の配下が加わった所で、我らの優勢は、少しも揺るがんわ!」

「木っ端って………!」

「………では、見せてやろう」

 

 ゴブタは、豚頭将軍の言葉に青筋を浮かべるが、嵐牙に気付くと驚く。

 嵐牙は、赤いオーラに身を包んでいたからだ。

 嵐牙が唸り声を出すと、周囲に黒雲が現れる。

 

「お?」

「あれ?なんか、暗く……………」

 

 すると、竜巻が雷鳴と共に、地上へと向かっていく。

 

「お………おお、ええっ?」

「嘘だろ………!?」

 

 俺とリムルが驚く中、複数の竜巻は、豚頭族達を襲い、空へと飛ばしていく。

 俺が疑問を口にすると、リムルが答えた。

 

「何あれ?」

『解。個体名嵐牙の広範囲攻撃技、黒雷嵐(デスストーム)です。』

「……………そうか」

 

 あまりの凄さに、俺たちは呆然とした。

 開いた口が塞がらないとは、この事か。

 

「おお!ぐうっ………!おのれぇ!」

 

 豚頭将軍は、持っていた斧と盾を吹き飛ばされてしまい、身構える。

 だが、豚頭将軍に雷が直撃する。

 

「ぐああああ………!」

 

 その声と共に、豚頭将軍は消滅した。

 ゴブタ達が身構える中、嵐牙は叫ぶ。

 すると、角がもう一本生えてきて、黒嵐星狼(テンペストスターウルフ)に進化する。

 

「ううっ………!おおっ!黒嵐星狼になったっす!」

「よく見たか、豚頭族共よ!これが貴様らが木っ端と侮ったお方達の力の一端だ!」

「全部、吹っ飛んじゃったっすよ………」

「ああ………」

 

 嵐牙は、豚頭族に対してそう言うが、目の前にいる豚頭族達は、吹き飛んでしまっていた。

 一方、鬼人達はというと。

 紅丸は、黒炎を出して、豚頭族達を倒していく。

 

「これが俺たちの新たなる門出」

 

 白老は、豚頭族達の間を駆け抜けて、斬っていき、倒す。

 

「リムル様とタオリン様の華々しい勝ち戦の………」

 

 紫苑は、背中を向かい合わせて、上空に居る俺たちを見ていた。

 

「まずは、最初の一戦目…………ですね」

「ぐっ………!調子に乗るなァァ‼︎」

 

 豚頭族達は、紫苑に向かっていく。

 だが、紫苑は剛力丸という剣を構えると、大きく振り下ろす。

 

「んっ!えいっ!」

 

 紫苑の剛力丸の斬撃が、紫苑に迫る豚頭族達を蹴散らしていく。

 紫苑の攻撃が放たれた跡には、大きな地割れが出来ていた。

 

「リムル様〜!タオリン殿〜!」

「お………おう」

「すげぇな」

 

 紫苑を怒らせるのは、やめよう。

 一方、シズさんと絆翔は。

 

「ふっ!はっ!」

 

 シズさんは、ビターガヴガブレイドを振るい、豚頭族達を倒していく。

 

「おらっ!はあっ!」

 

 絆翔は、ヴァレンバスターから銃撃したり、格闘戦を行なっていく。

 2人は、それぞれの仮面ライダーの力を使いこなしてるみたいだ。

 

「キリがねぇな…………だったら!」

 

 絆翔はそう言うと、ドーマルゴチゾウをヴァレンバスターに装填する。

 

ドーナツ!

SET(セット) ドーナツ!

 

 その音声が鳴ると、絆翔はヴァレンバスターのクラックジャッキを操作する。

 ゴチゾウが展開されると、絆翔はヴァレンバスターを上に向けて、トリガーを引く。

 すると、六つのドーナッツが現れる。

 

ドーマル!もふもふ!

 

 その音声が鳴ると、六つのドーナッツが両腕、胸、顔に装着されて、チョコスプレーが降りかかる。

 ヴァレン・ドーマルフォームになった。

 

「シズさん!」

「ええ!」

 

 絆翔がそう言うと、ヴァレンバスターのクラックジャッキを操作すると、胸部のドーマルチェストリングと両腕のドーマルグラブリングが外れる。

 ドーマルチェストリングとドーマルクラブリングは豚頭族(オーク)達の周囲を飛び交う。

 すると。

 

「ハァァァァァ!」

「ふっ!はっ!」

 

 シズさんと絆翔は、周囲を飛び交うドーナツを足場にして、豚頭族に攻撃していく。

 

「決めるよ!」

「おう!」

 

 2人はそう話すと、必殺技を発動する。

 

ドーマル!

 

 絆翔はヴァレンバスターでドーナツを撃ち出して、シズさんはビターガヴガブレイドの斬撃波を放つ。

 それを受けて、豚頭族は倒れる。

 そんな風に見ていると、リムルが口を開く。

 

「それにしても、圧倒的だった豚頭族軍がみるみる減っていく」

「鬼人達とは、この戦いが終わった後も、仲良くしたいな」

「だな。………蒼影やエージェントもうまくやってるかな」

 

 俺たちは、そう話す。

 一方、蒼影とエージェントは。

 

「ギャアアア!!」

「うう………助かったのか?」

「ああ…………」

「ああ…………」

 

 蒼影とエージェントの強さに、親衛隊長と副隊長は唖然となっていた。

 蒼影は、回復薬を取り出す。

 

「これを使え」

「はっ、はい!」

 

 副隊長は、周囲の蜥蜴人族達を治していく。

 そうやって進んでいき、首領達が囚われている牢獄に着く。

 蒼影が扉を開けると、親衛隊長と副隊長が首領に向かっていく。

 

「父上!」

「首領!ご無事で………!」

「お………おおっ!来てくださったのか、蒼影殿、エージェント殿」

 

 親衛隊長と副隊長で首領の肩を支え、移動を開始する。

 首領は、蒼影に質問をする。

 

「しかし、何故?」

「同盟は締結された」

「それは、どういう………?」

「隊長を首領の代理と認めて下さったのです。援軍が来ます!」

「何と………!」

「まだ諦める時ではありません!父上!」

「一族は………助かるのか………!」

 

 首領がそう聞くと、蒼影はそう答える。

 首領は首を傾げるが、副隊長と親衛隊長がそう言う。

 副隊長と親衛隊長の言葉に、首領は涙を流す。

 

「フフフフッ!」

「ん?」

 

 突然の笑い声に、全員が前を向くと、豚頭将軍が一体居て、攻撃しようとする。

 首領は、蒼影に向かって叫ぶ。

 

「蒼影殿!」

「心配いらない。既に動けなくしてある」

「心配には及ばない」

「うう………ううっ!」

 

 蒼影は、既に豚頭将軍を動けなくしていた。

 それには、首領が驚いていた。

 

「ああ………!」

「…………そういう反応になりますよね」

「…………気持ちは痛いほど分かります」

(わ………わしの判断は、同盟を受け入れるという判断は………正解だった………!)

 

 首領は、驚きながら、自分の判断が正しかった事を悟っていた。

 蒼影が口を開く。

 

「うう………ううっ………!」

「見えてるな、豚頭族を操る者よ。次は貴様の番だ。大鬼族の里を滅ぼし、鬼人を敵に回した事、せいぜい後悔するがいい」

 

 蒼影はそう言って、一本の糸を下に下ろす。

 すると、豚頭将軍は、細切れになる。

 それを見ていた蜥蜴人族達は、唖然としていた。

 一方、水晶玉で蒼影の言葉を聞いていたゲルミュッドは、水晶玉を地面に叩きつける。

 叩きつけられた水晶は、砕け散った。

 

「クソどもが!役立たずめ!鬼人だと?ゲルドには、大鬼族共の里を襲わせたが、まさか、生き残りが進化したとでも言うのか!?それに、あの獣だ!ジュラの森にあんな化け物や見た事がない魔物が居るなど、聞いてないぞ!」

 

 ゲルミュッドは、想定外の事態に狼狽えていた。

 大鬼族の生き残りが鬼人に進化して、黒嵐星狼の存在がいた事だ。

 

「俺が知らぬ所で、一体、何が起きていると言うのだ!?まずい………!何とかしなければ………!ここまで来た計画が潰れてしまう!」

 

 ゲルミュッドは空を飛んで、湿地帯へと向かっていく。

 

「このままでは、俺が………俺があのお方に殺されてしまう………!」

 

 ゲルミュッドが言う、あのお方とは………。

 一方、とある城では、白いタキシードに身を包んだ1人の男性が、月を眺めながらワインを飲んでいた。

 一方、俺は、豚頭帝と思われる存在を発見した。

 

「おい、リムル、あれ!あの一際大きいやつ!」

「あっ」

 

 俺が指差した先には、巨大な豚頭族と、三人の豚頭将軍が居た。

 

「居たぞ、豚頭帝だ。」

「はっ!」

 

 その存在感は、強かった。

 リムルはシズさんの仮面をつける。

 

「豚頭帝よ」

「俺たちが引導を渡してやる」

 

 俺たちはそう言う。

 決戦の時が近い。




今回はここまでです。
今回は、魔王ゲルドとの戦いが始まる直前までです。
シズさんや絆翔も上手く戦っていました。
そして、いよいよ魔王ゲルドとの戦いが始まります。
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