俺たちが、
「ん?」
「何だ?」
俺とリムルが後ろを向くと、赤い何かがこちらに向かっていた。
あまりの早い速度に、俺たちはすぐに躱す。
地面に激突した赤い星は、人だった。
丁度、豚頭帝と紅丸達の間に着地したようだ。
全員が警戒する中、そこに居たのは、シルクハットを被り、鳥の様な仮面をつけた男だった。
「魔人か?」
「かもな」
リムルの呟きに、俺はそう答える。
すると、その男が叫ぶ。
「どういう事だ⁉︎このゲルミュッド様の計画を台無しにしやがって!」
「ゲルミュッド?」
そのシルクハットを被った男は、自らをゲルミュッドと名乗りながらそう叫ぶ。
俺がそう呟くと、技術者が反応する。
『ゲルミュッドとは………』
『リグルドの長男に名前をつけた奴だったな』
『で………です』
技術者が何かを言おうとすると、俺はそう言い、技術者は黙り込む。
アイツがゲルミュッドか。
すると、当のゲルミュッドは喚き散らかす。
「もう少しで俺の手足となって動く、新しい魔王が誕生したというのに!」
「あ…………?」
「新しい………?」
「魔王?」
「そうだ!だから、名付けをしまくった!種を蒔きまくったんだ!最強の駒を生み出す為にな!」
ゲルミュッドはそう叫ぶと、俺とリムル、紅丸はそう反応する。
すると、ゲルミュッドはそんな風に言った。
それを聞いた鬼人勢は。
「その為に………」
「我らの村にも………!」
「来たという事か………!」
ゲルミュッドの言葉に、白老、蒼影、紫苑は怒りを燃やしていた。
それもそうだ。
里を滅ぼした豚頭族を嗾けた元凶なのだから。
すると、ガビルが叫ぶ。
「おおっ!これは、ゲルミュッド様!」
「あれが、ガビル様の名付け親の…………」
「どうして、ここに?もしかして、我輩達を助けに………」
「役立たずの鈍間が!」
「へ?」
ガビルはゲルミュッドが助けに来たと思ったのか、そう声をかける。
すると、ゲルミュッドから突然罵られて、ガビル達は呆然とする。
「貴様もさっさと豚頭帝の糧となれ!」
「はっ⁉︎」
「あの人、何を言ってるの?」
「役に立たない無能の分際で、いつまでも目障りな奴よ!豚頭帝に食われ、力となれ!俺の役に立って死ねるのだぞ。光栄に思うが良いぞ」
「うげっ………げろ………ゲ………ゲル………!」
ゲルミュッドのその言葉に、ガビルは動揺していた。
ゲルミュッドは、豚頭帝に命令する。
「やれ!豚頭帝!」
だが、豚頭帝は動かなかった。
「………………」
「どうした?」
「…………魔王に進化とは、どういう事か?」
「チッ!本当に愚鈍な奴よ」
動かない豚頭帝に対して、ゲルミュッドが困惑すると、豚頭帝はそう聞く。
ゲルミュッドは、豚頭帝の言葉にそう毒づくと口を開く。
「貴様が魔王、
ゲルミュッドのその言葉に、俺たちは反応する。
「あのお方?」
「どうやら、ゲルミュッドを動かしてる黒幕が居るみたいだな」
「みたいだな」
なるほど。
確かに、あんな小物がそんな事を思いつくとは思えないからな。
俺たちがそう話している中でも、豚頭帝は動かなかった。
それを見たゲルミュッドは、苛立ちを見せていた。
「何をボケっとしている!豚が‼︎はぁ…………時間がない。手出しは厳禁だが、俺がやるしかないか………」
そう言ったゲルミュッドは、手に魔力を集める。
それを見たガビルは動揺する。
「うわっ!ゲ………ゲル………!」
「ガビル様!」
「お逃げくだされ!」
「死ねぇ!!」
「「「ガビル様!!」」」
ゲルミュッドの攻撃に、ガビルの部下達が庇い、攻撃を受ける。
ガビルは無事だったが、部下達は倒れていた。
それを見たガビルは。
「…………ハッ⁉︎お前達?」
「…………ガビル様が無事で………」
「良かった…………」
そう言って、部下達は気絶した。
それを見たガビルは、震えていた。
「お………おおっ………!おお…………おおおっ…………!ゲルミュッド様!!」
「豚頭帝の養分となり、俺の役に立つが良い!」
ガビルは泣きながらそう絶叫する中、ゲルミュッドはそう言いながら、攻撃しようとする。
それを見ていた俺たちは。
「あっ!」
「助けるぞ!」
「おう!」
それを見た俺たちは、急降下する。
俺とリムルは、それぞれのゴチゾウをガヴに装填する。
『グミ!』
『
『グミ!』
『
その音声が鳴る中、俺はガヴドルを、リムルはマンチビーターを回転させる。
そして、俺たちは叫んだ。
「「変身!」」
そう叫ぶと、俺はデリカッションを、リムルはダークディバウアーを押す。
『ポッピングミ!ジューシー!』
『スパーキングミ!ヤミー!』
その音声が鳴ると、俺たちは姿が変わっていき、俺は仮面ライダーガヴ・ポッピングミフォーム、リムルは仮面ライダービターガヴ・スパーキングミフォームに変身した。
俺とリムルが、ガビルの前に向かっていると。
「フハハハハハ!上位魔人の強さを教えてやる!死ね!
「ゲルミュッド様〜!!」
ゲルミュッドがそう叫びながら魔力弾を放つ中、ガビルはそう叫ぶ。
ガビルがそう叫ぶ中、俺とリムルは間に入り、リムルは捕食者でゲルミュッドの攻撃を取り込み、俺はガヴガブレイドで魔力弾を迎撃する。
攻撃が終わると、ゲルミュッドとガビルが驚いた様な声を出す。
「はあ?」
「ああっ………!」
「なあ、これが全力か?」
「この程度じゃあ、死なないよ」
「き………貴様ら………!」
「あなた方は………あなた様方は………!」
「「ほれ!」」
俺とリムルがそう言うと、ゲルミュッドは歯軋りをする。
そう言うガビルに、俺たちは回復薬を渡す。
ガビルは、慌ててそれを全部抱きしめる。
「わわっ!」
「回復薬だ」
「部下達に使ってやれ。大事な部下なんだろう?」
「は………はい!…………しっかりしろ!我輩の為に、こんな………!」
俺とリムルが渡した回復薬を、ガビルは慌てて全てキャッチする。
ガビルは部下達に、回復薬を使っていく。
俺はそれを見ながら、思念伝達で紅丸に話しかける。
『紅丸。痛めつけるのは構わないが、殺すのは無しだ。聞きたい事がある』
『分かりました』
『……………ごめん。失われた同胞の命の仇を取らせてやれなくて』
『いえ。俺たちも聞きたい事があるのは分かっています。こうして機会を与えて下さるだけでも、タオリン様には感謝している』
俺は紅丸にそう話す。
本当なら、仇を取らせてやりたいが、ここで殺しては、バックに誰がいるのかが分からなくなってしまう。
それだけは避けたい。
俺がそう考える中、紅丸は紫苑達に頷き、ゲルミュッドの方へと向かう。
「ようゲレ……………じゃなくてゲルミュッドか。大鬼族の里で全員に突っぱねられた”名付け”は順調なようだな」
「き……鬼人!」
紅丸がそう言うと、ゲルミュッドは後ずさる。
すると、紫苑が口を開く。
「我らの里を豚頭族共に襲わせたのはお前だな?」
「違うと言うのなら、早く弁明をしなされ。無限に湧き出る豚頭族どもを相手にするのも飽きていたところ。明確な仇が分かっている以上、ワシらは容赦はせぬぞ」
紫苑と白老はそう言う。
本当に怒ってるな。
まあ、無理もないが。
俺はほんの少しだけ、ゲルミュッドに同情していた。
まあ、自業自得だが。
ゲルミュッドはしばらく黙っていたが、ヤケクソ気味に叫ぶ。
「くっ……ああそうだよ!それがどぉした⁉︎上位魔人をなめるなぁっ‼︎」
ゲルミュッドはヤケクソ気味にそう言うと、魔力弾を放つ。
本当にヤケクソだな。
紅丸達はそれを回避すると、紅丸が近寄る。
「お前こそ、
紅丸がそう言いながら、紅蓮と共に攻撃する。
その斬撃により、ゲルミュッドの左の耳と腕が切断される。
「ギャアアアっ!み……………耳がぁぁぁぁ‼︎い、痛いっ‼︎」
ゲルミュッドは、そう叫びながら悶えていた。
すると、紅丸は口を開く。
「そんなもんじゃないぞ。親父は俺と
紅丸は、そんな風に叫ぶ。
紅丸の怒りの気配に、ゲルミュッドは恐怖する。
「くっ、クソが‼︎」
ゲルミュッドはそう吐き捨てながら、後ずさる。
だが、背後には紫苑がいた。
紫苑は、あまりにも冷たい笑みを浮かべており、ゲルミュッドは自分が追い詰められていると悟った。
「こんな…………こんなバカな!こっ……この俺が追い詰められて……………!?」
ゲルミュッドがそう言う中、紅丸達は攻撃を仕掛けていく。
それを見つつも、俺は豚頭帝を見ていた。
豚頭帝は、主人であるゲルミュッドがピンチでありながらも、助太刀をしていない。
「……………何であいつ、動かないんだ?」
「大賢者によると、数多の種族の力を得た結果、あいつの意識はその力に侵食されて、混濁しているんだってさ」
「つまり、力に飲み込まれてる」
「……………そういう事か」
「……………そうなんだ」
絆翔がそう呟くと、俺とリムルはそう言うと、絆翔とシズさんはそう言う。
すると。
「うおぉぉっ!
ゲルミュッドは魔力弾を放ちながら、紅丸達から離れる。
『あんな化け物共の相手など、これ以上できん!ここは一旦引く!』
ゲルミュッドはそう思っていた。
だが、ゲルミュッドの体に無数の糸がつき、身動きが取れなくなる。
「なんだ………かっ体が…………っ⁉︎」
「逃すわけがないだろう?タオリン様より殺すなと言われているが、貴様には我らが失った同胞と同じ数だけ報いを受けてもらう。……………死んだ方が良かったと後悔するような痛みと苦しみを味わうがいい」
ゲルミュッドが驚く中、蒼影はそう言う。
それを聞いたゲルミュッドは、豚頭帝の方へと向きながら、助けを求める。
「おい、豚頭帝!俺を助けろ!」
「…………腹が減った」
ゲルミュッドの助けにも、豚頭帝はそう呟いただけだった。
すると、苛立ったのか、ゲルミュッドは再び叫ぶ。
「クソが!俺を助けろ、豚頭帝!いや、ゲルドよ‼︎」
「…………はっ!」
豚頭帝改め、ゲルドは、ゲルミュッドの言葉に、何かを思い出すかの様な動きを見せる。
「ん…………」
「貴様がさっさと魔王に進化しておれば………!」
ゲルミュッドがそう言う中、ゲルドは動き出す。
ゲルドが動いた事に、他の鬼人達も身構える。
「こいつを助けるつもりなら相手になるぞ。聞いた限りじゃ黒幕はこいつとその背後にいる存在らしいが、俺達の里を直接滅ぼしたのは貴様らオーク共だ。やるとなれば手心を加えるつもりはない」
紅丸はそう言う。
そんな中、ゲルミュッドは口を開く。
「この屑が。漸く動いたか。ハハハハハッ!こいつの強さを思い知るが良い!やれ、ゲルド!この俺に歯向かった事を後悔させ………!」
ゲルミュッドの言葉は、最後まで続かなかった。
なぜなら、ゲルドは、手に持つ巨大な包丁で、ゲルミュッドの首を刎ねたのだ。
それには、その場にいる全員が驚く。
死んだ……………か。
この世界に来てからか、死という物に慣れたのか、あまり動揺しなくなったな。
嫌な慣れだな。
すると、ゲルドはそのゲルミュッドの死体を食べ始めたのだ。
ゲルミュッドとしては、ガビルを生贄にするつもりだったのだろうが、ある意味因果応報の結末となったな。
すると、ゲルドからヤバそうな気配が出てくる。
「リムル………これ、やばくね?」
「ああ」
俺の呟きに、リムルがそう答える。
すると、世界の言葉が聞こえてくる。
『確認しました。豚頭帝、個体名ゲルドの魔素が増大しました。魔王種への進化を開始します』
『マジかよ………!』
世界の言葉を聞いて、俺はそう思う。
そうか、一応、俺たち相手には手も足も出なかったが、ゲルミュッドは上位魔人だ。
それを食ったのならば、魔王種へと進化してもおかしく無い。
俺たちが身構える中、ゲルドから
すると。
「離れろ!奴から溢れる
「っ⁉︎あ、ああ!」
リムルがそう叫ぶので、俺たちは下がる。
すると、その
「と、溶けたっす!
ゴブタはそれを見て、そう叫ぶ。
あの
かなりやばいな。
すると、再び世界の言葉が聞こえる。
『成功しました。個体名ゲルドは、豚頭魔王へと進化完了しました』
俺は、その世界の言葉を聞く。
「豚頭魔王………」
「魔王、ゲルド………」
「タオリン、放置する訳には行かないよな。」
「だな」
俺たちがそう話してると、ゲルドは咆哮を上げる。
「ウオオオオ!俺は、豚頭魔王!この世の全てを食らう者なり!名をゲルド。魔王、ゲルドである!!」
こいつを放置してたら、本当の災厄が、このジュラの大森林を襲うだろうな。
覚悟を決めるか。
すると。
「紫苑!」
「はっ!」
紅丸の指示を受けた紫苑がゲルドに向かって走り出す。
「おい?」
「大丈夫か?」
「ここは、俺たちにお任せを」
俺とリムルの呟きに、紅丸はそう答える。
紫苑は、駆け出していた。
「薄汚い豚が!魔王だと?思い上がるなァァ‼︎」
紫苑の攻撃に、ゲルドは手に持っていた包丁で受け止める。
「うっ………!」
紫苑の攻撃をゲルドは弾き、ゲルドは紫苑に攻撃しようとするが、紫苑は剛力丸で受け流し、距離が離れる。
紫苑は、再びゲルドに向かって駆け出し、ゲルドは、紫苑に攻撃しようとする。
「ふんっ!」
だが、白老がすぐそばに来ていて、首を斬り飛ばす。
「やった!」
「いや、まだだ!」
「ん?」
リムルがそう言うが、俺はそう叫ぶ。
なぜなら、白老が斬り飛ばした筈の首を、ゲルドが抱えていて、首の方から触手みたいなのが伸びてきて、すぐに再生する。
「なっ………!?」
「凄まじい回復能力だな………!」
「奴を倒すには、超火力で吹き飛ばすしか無い!」
これは、ある意味では、風都探偵に登場したドーパント、トラッシュ・ドーパントと似た能力だな。
まあ、あっちとは違って、回復力が環境に影響されないみたいだが。
すると、蒼影がいつの間にかゲルドの後ろにいて、地面から糸が伸びてきて、ゲルドを包み込む。
「操糸妖縛陣!」
「うう………」
「やれ、紅丸!」
「これでも、食らってな!」
紅丸は、
「ワォーーーーーン!」
嵐牙の咆哮と共に糸が燃え、現れたゲルドに雷が落ちる。
嵐牙は唸っていて、リムルが話しかける。
「魔素切れか?」
「面目ありません………」
「俺の影に潜ってろ」
「はっ!」
魔素切れを起こした嵐牙を、リムルは自分の影に潜らせた。
俺が目を凝らすと、ゲルドはそこに居た。
「何っ!?」
「「「「あっ!?」」」」
「まさか………⁉︎」
「無事かよ………⁉︎」
俺たちは、驚いた。
蒼影、紅丸、嵐牙の攻撃で、あちこちが焦げているものの、無事であるゲルドに。
「これが………痛みか」
「嘘だろ………⁉︎」
「致死級の連続攻撃を食らっておきながら、存命かよ………!」
俺とリムルがそう驚いていると、2人の
「王よ。この身を御身とともに」
「…………うむ」
豚頭将軍がそう言って、ゲルドが頷くと、その豚頭将軍を食べる。
すると、黄緑色のオーラがゲルドを包み、回復していく。
「…………自己再生と回復魔法か」
「厄介だな………」
「足りぬ。もっとだ!もっと大量に食わせろ!」
俺とリムルがそう言うと、ゲルドは手から魔力弾を発射する。
それは、紅丸達の上空に行くと、幾つもの大量に分かれる。
あれは、先程ゲルミュッドが使ったスキル、死者之行進演舞だろう。
俺とリムルは、再びスキルなどをを使い、死者之行進演舞を無効化する。
「リムル様、タオリン様」
「大丈夫だ」
「……………リムル。あいつの相手は、俺に任せてくれない?」
紅丸がそう言う中、リムルはそう言うが、俺はそう言う。
すると、リムル達が驚いて叫ぶ。
「ハアッ⁉︎急に何を言い出すんだよ⁉︎」
「タオリン君…………⁉︎」
「おい!無茶すんなって!」
リムルとシズさんと絆翔がそう言う中、俺は口を開く。
「……………今の俺がどこまでやれるのかを知りたい。それに……………あいつは豚頭族の王だ。あいつの真意を知りたい。どうして、こんな事をしたのかを」
俺はそんな風に言う。
気になったのだ。
何故、豚頭族がこんな事をしたのかというのを。
すると、リムルと絆翔はため息を吐きながら言う。
「はぁ……………分かったよ。負けるなよ?あと、無理すんな」
「絶対に勝てよ」
「ああ」
リムルがそう言う中、俺は前に出る。
俺はガヴにブシュエルゴチゾウを装填する。
『ケーキ!』
『
『ガヴ……ガヴ……』
ガヴにブシュエルゴチゾウを装填すると、ガヴドルを回転させる。
すると、目の前にブッシュ・ド・ノエルが現れる。
俺はデリカッションを押すと、ゴチゾウが展開される。
『ブシュエル!ふわふわ〜!」
その音声が鳴ると、ブッシュ・ド・ノエルが三等分されて、肩と胸に装着されると、他のアーマーが装着されて、クリスマックスという斧を装備する。
これが、ガヴ・ブシュエルフォームだ。
すると、ゲルドも俺の方を見て、戦闘態勢を取る。
「行くぞ……………!ハァァァァァ!!」
「喰らい尽くせ!
俺はそう叫びながら、魔王ゲルドの方へと向かっていく。
魔王ゲルドは、豚頭将軍が使っていたスキルを使って、俺を迎撃してくる。
俺は、白老やシズさんのしごきで鍛えられた事によって、素早く動いて、混沌喰を躱していく。
その間、クリスマックスで攻撃をする。
「ふっ!はっ!」
「ぬっ⁉︎」
クリスマックスによるパワー攻撃と、ブシュエルフォームの額の第3の目であるブシュエルアイによって、弱点を見極めながら攻撃をしていく。
ゲルドが押される中、俺はガヴドルを回転させる。
『ガヴ……ガヴ……』
『
「させるかァァァァ!」
そんな音声が鳴る中、魔王ゲルドは俺の方に向かう。
俺がデリカッションを押すと、丸太が現れる。
『ブシュエル!フィニッシュ!」
その音声が鳴ると、更に丸太が現れて、ゲルドの身動きを取れなくする。
「食らえ!ハァァァァァ!」
「ぬぅぅぅん!」
俺はエネルギーを溜めたクリスマックスで攻撃をする。
ゲルドは何とか丸太を破壊するが、左腕が切断される。
ゲルドが下がると、俺もゲルドの動きを見る。
すると、ゲルドは力を高める。
「マイロード!ううっ!」
豚頭将軍が、ゲルドに向かって叫ぶ。
すると、再びあの黄緑色のオーラがゲルドを包む。
「おおおおおおっ!」
魔王ゲルドがそんな雄叫びを上げる中、千切った左腕があっという間に再生する。
「今こそ、お前を食ってやろうぞ!はっ!」
ゲルドがそう叫ぶと、再び死者之行進演舞を発動する。
どうやら、向こうも本気になったらしいな。
俺はクリスマックスを構える。
「ふっ!ハァァァァァ!」
「ハァァァァァ!」
俺とゲルドは、お互いに攻撃していく。
だが、ゲルドが本気を出したのもあってか、少し劣勢に追い込まれていた。
「くっ…………!やるな……………!」
「ハァァァァァ!」
俺がそう呟く中、ゲルドは攻撃をしてくる。
一方、それを見ていたリムル達は。
「あいつ……………大丈夫か?」
「それにしても、白老やシズ殿の指導もあったとはいえ、魔王となったゲルドとやらと互角に戦うとは……………」
「彼奴もなかなかやるの」
「タオリン君……………」
「大丈夫か?」
リムル、紅丸、白老、シズさん、絆翔の5人はそう言う。
すると。
「ハァァァァァ!」
「くっ⁉︎」
ゲルドの攻撃を受けて、俺はポッピングミフォームに戻ってしまう。
「貴様はここで俺に食われるのだ!」
「…………食われて…………たまるか…………!」
それを見たゲルドはそんな風に言うと、俺はそう答えながら起き上がる。
「タオリン……………!」
「こんな所で、負けてられない…………!皆と、笑顔で過ごせる世界を守ってみせる!」
「っ!」
リムルがそう呟く中、俺はそう叫んだ。
こんな所で倒れて、悲しませるわけにはいかない。
皆が笑顔で過ごせる世界を守る。
ゲルドが反応する中、ガヴが光ると、何かが出てきて、ポッピングミゴチゾウが昇天する。
「あれは…………ゴチゾウ?」
「ケーキングゴチゾウだ…………!」
それを見たリムルが首を傾げる中、絆翔はそう言う。
俺は、生成されたケーキングゴチゾウを手に取る。
「力を貸してくれ…………!」
「(ゴチゾウの鳴き声)」
俺がそう呟くと、ケーキングゴチゾウは頷いた。
ケーキングゴチゾウを、ガヴに装填する。
『ケーキ!』
『
『ガヴ……ガヴ……』
俺はガヴにケーキングゴチゾウを装填すると、ガヴドルを回転させる。
デリカッションを押すと、ゴチゾウが展開される。
すると、アーマーが弾けると、ソウマにクリームがかかっていき、ホールケーキのような形状になると、それが8等分に分かれて、アーマーに変化して装着される。
最後に、周囲を飛び交っていたイチゴが、トッピングされる。
『ケーキング!アメイジング!」
変身が完了すると同時に、そんな音声が鳴る。
これが、初期パワーアップフォームである仮面ライダーガヴ・ケーキングフォームで、右手には、武器であるガヴホイッピアが装備されていた。
「力が…………湧いてくる…………!」
「ぬぅぅぅん!」
俺がそう呟く中、ガルドが向かってくる。
すると。
「ふっ!ハァァァァァ!」
「ぬっ⁉︎」
俺はゲルドの攻撃を躱して、カウンター気味にガヴホイッピアで攻撃する。
ゲルドが下がる中、俺はガヴホイッピアを構える。
「喰らい尽くせ!
ゲルドはそう叫ぶと、再び
それに対して、俺は。
「ふっ!」
ガヴホイッピアの絞り袋のような部分のホイップッシュを押す。
『ホイップパーティー!」
その音声が鳴ると、ガヴホイッピアの先端のクリムノズルからホイップが発射されると、俺を守るように、人が現れる。
あれは、ケーキングフォームが使役できるホイップ兵と呼ばれる眷属だ。
ホイップ兵は、混沌喰をホイップロッドで叩き落とした。
「よし!ハァァァァァ!」
俺はホイップ兵と連携して、ゲルドに攻撃していく。
「ふっ!ハァァァァァ!」
「ぐっ⁉︎」
ホイップ兵がホイップロッドをゲルドに突きつけて、ゲルドが回避すると、俺はジャンプして、ホイップロッドの先端を掴むと、回転しながらガヴホイッピアで攻撃する。
ゲルドは、ブシュエルフォームよりもパワーが増したケーキングによってダメージを受けていたが、俺も披露していた。
俺は、魔王ゲルドに向き合う。
「次で決める……………!」
「むぅぅぅん!今こそ、お前を喰ってやろうぞ‼︎」
俺がそう言うと、魔王ゲルドもそう言う。
お互いに、次で決めるという事だ。
俺はケーキングゴチゾウをガヴから取ると、ガヴホイッピアに装填する。
『ホールケーキ!』
その音声が鳴ると、俺はガヴホイッピアのホイップッシュを3回押す。
すると、ガヴホイッピアの刀身にエネルギーが溜まっていく。
『ホイップチャージ!』
その音声が鳴ると、待機音が鳴り、ガヴホイッピアを構える。
待機音が流れる中、一陣の風が吹き、止むと。
「「っ!ハァァァァァ!」」
『ケーキングブレイキング!』
その音声が鳴ると同時に、俺とゲルドは駆け出す。
「「ハァァァァァァァァァァァァ!!」」
俺とゲルドはそう叫ぶと、お互いに攻撃する。
俺は、ガヴホイッピアから光線を放つ。
お互いの攻撃がぶつかり、凄まじい衝撃波が放たれる。
拮抗状態になる中、魔王ゲルドの声が聞こえた気がした。
『俺が皆を……………同胞を救う…………!』
そんな声が聞こえた気がする中、エネルギーが大爆発を起こす。
ドガァァァァァン!
「うわっ⁉︎」
「くっ…………⁉︎」
俺とゲルドは大きく吹き飛ぶ。
俺は変身解除に追い込まれず、地面に倒れる中、ゲルドはというと、かなりの大ダメージを負ったのか、再生が追いついていなかった。
仕留めきれなかったか……………。
とはいえ、大ダメージを与える事には成功したな。
ケーキングブレイキングは、様々な相手を倒した技だからな。
まあ、俺もゲルドも、無事では済まなかったみたいだが。
すると、リムル達が駆け寄る。
「タオリン!」
「皆……………」
「随分と無茶しやがって!でも…………よくやったよ」
「全く。あとで説教だな」
「そうだね」
俺の元に駆け寄ったリムル達は、そんな風に言う。
悪いことをしたとは思ってる。
すると、リムルは回復薬を俺にぶつける。
傷は癒えたが、ケーキングの負担まではどうにもならなく、そこまで動けない。
「………………あとは俺に任せろ」
「………………頼んだぞ」
リムルがそう言うと、俺はそう答える。
リムルは、ビターガヴの変身を解いていた。
リムルがゲルドの方へと向かうと、ゲルドはリムルを掴み上げる。
「貴様を喰らってやろうぞ…………!」
「あいつが本気を見せたんだ。俺も本気でお前の相手をしてやるよ」
「笑止!このまま俺に食われるが良い!」
ゲルドはリムルを食べる事で、回復を図ろうとしていた。
ゲルドがそう言うと、リムルの周囲から、煙が出てくる。
だが、ゲルドの手の下から、リムルのスライムとしての一部が出てくる。
なるほど、そういう事か!
「お前に食われる前に、俺がお前を食ってやるよ。俺は………スライムだ!」
「なっ!?おお………⁉︎」
リムルは擬態を解除して、ゲルドに纏わりつく。
ゲルドは必死に振り解こうとするが、俺から受けたダメージで動きが鈍い。
「き…………貴様ら………!」
「リムルを甘く見たな。そいつ、スライムなんだよ!」
「ああ!食うのは、お前の専売特許じゃねえんだよ。………お前が俺を食うのが先か、俺がお前を食うのが先か。相手を食い尽くした方が勝ちだ!」
「うおおおっ!」
ゲルドは、何とかリムルを剥がそうとするが、大ダメージを受けた事が影響して、中々上手く行かない。
リムルは、次第にゲルドを包み込んでいく。
すると、ガヴが光ると、いきなり俺の視界がスパークする。
目を塞いで、しばらくして、目を開けると、そこには、枯れ果てた大地が。
「何だ、この光景?」
「枯れ果てた大地………」
「えっ⁉︎何でタオリンまで居んの⁉︎」
「分かんない…………」
俺とリムルが戸惑っている中、俺はある可能性を悟った。
『もしかして、ガヴが魔王ゲルドと共鳴して、俺に見せているのか?』
俺はそう思う。
ゲルドとの戦いで、ゲルドの内なる声が聞こえた気がするからだ。
すると、子供の泣き声が聞こえてくる。
「アレは………豚頭族の子供か?」
「あんなに痩せ細って………」
俺とリムルはそう言う。
こんな枯れ果てた大地では、まともな食事にありつけないだろう。
すると、そこに大柄な豚頭族と、その従者の豚頭族がやって来る。
「リムル、あれって………」
「多分、後のゲルドだ。恐らく、豚頭魔王、ゲルドの記憶の中………」
「ゲルドの記憶………」
俺たちがそう話す中、後のゲルドとなる豚頭族は。
「腹が減ったのか。少し、待っていなさい」
そう言うと、ゲルドは自分の左腕を千切る。
それには、2体の豚頭族が目を背ける。
ゲルドは、千切った左腕を、子供達の前に置く。
「さあ、食べなさい。」
子供達は、一瞬躊躇ったが、一心不乱にゲルドの左腕を食べる。
それを見て、ゲルドは。
「しっかり食べて、大きくなるのだぞ。」
そう優しく語りかけた。
その後、場所を移動したゲルドは、1人の豚頭族から懇願される。
「王よ。もうお辞め下さい。この大飢饉の中、王である貴方まで失ってしまっては、我ら豚頭族には、もはや絶望しかありません………」
そんな豚頭族の願いを聞いたゲルドは、再生した左腕を見ながら。
「…………一昨日生まれた子が、今朝死んだ。昨日生まれた子は、虫の息だ。この身はいかに切り刻もうと再生するのに………これが既に絶望でなくて、何だと言うのだ」
「王よ………」
ゲルドはそんな風に言う。
恐らく、高い再生能力は最初から持っていたのだろう。
だが、自らを犠牲にしても、子供達は助からない。
未来ある子供が死んでしまうのは、まさに絶望としか言えなかった。
すると、ゲルドが口を開く。
「森に入り、食料を探す」
「あ………」
「王よ!ジュラの森は、暴風竜の加護を受けし場所………!」
「その暴風竜は、封印されて久しい。………少しばかりの恵みを………」
ゲルドは、その豚頭族の静止を振り切って、ジュラの森へと向かっていく。
しばらくして、ゲルドは倒れ、ゲルミュッドと出会った。
すると、俺とリムルの背後に、豚頭魔王、ゲルドが現れる。
「あの方は教えてくれた。豚頭帝となった俺が食えば、
「食い合いは、俺に分がある。お前は負ける」
現実世界では、リムルに取り込まれ、溶け始めているゲルドの姿があった。
現実世界の俺はそれを見て、涙を流していた。
「俺は、他の魔物を食い荒らした。ゲルミュッド様を食った。同胞すら食った。同胞は飢えている。俺は負ける訳にはいかない」
「………この世は弱肉強食。お前は負けたんだ。だから、お前は死ぬ」
「俺は…………負ける訳にはいかない。俺が死んだら、同胞が罪を背負う。俺は罪深くとも良い。皆が飢える事のない様に、俺がこの世の飢えを引き受けるのだ」
「…………それでも、お前は負ける。だが、安心しろ。お前の罪や同胞の罪は、俺が背負ってやる」
ゲルドはそう言いながらリムルの消化に耐えようとするが、次第に溶け始める。
俺は自然とそんな風に言った。
ゲルドは、俺の言葉に驚いた。
「………何だと?」
「民を心から思う貴方に、敬意を表して」
「なら俺は、お前達オークの罪を食ってやる。」
「俺の罪を………背負う?食う?」
「ああ。お前だけじゃなく、お前の同胞、全ての罪も食ってやるよ」
「同胞も含めて………罪を?フッ。お前達は欲張りだ」
「そうだなぁ。俺は欲張りだよ」
「でも、欲張りで何が悪いんだよ?」
俺はそう言う。
魔王ゲルドの行動は、まさにラクレス・ハスティーや、一部のキャラの様な感じがしたのだ。
例え、自分が修羅の道を行こうとも、民を……………同胞を守ろうとするその姿勢が。
そんな魔王ゲルドの意志に、報いたいと思ったのだ。
俺とリムルがそう言うと、俺たちの足元から枯れ果てた大地が、緑豊かな草原となっていき、ゲルドも、豚頭魔王から、普通の豚頭族としての姿に戻っていく。
ゲルドが目を開けると、そこには。
「お………!おおっ…………!」
そこには、自然溢れる草原が広がり、周囲には鳥の鳴き声、子供達の笑い声、川のせせらぎが溢れていた。
それを見て、ゲルドは膝をつき、大粒の涙を流す。
「…………強欲な者達よ………俺の罪を背負いし者よ………!俺の罪を食らう者よ………!感謝する。…………俺の飢えは今…………満たされた」
ゲルドはそう呟くと、消えていく。
本音を言えば、助けたかった。
でも、今の俺にそんな力はなかった。
だからこそ、魔王ゲルドの意志を継いで、皆が笑顔で暮らせる世界を守る。
そんな決意を固めた。
俺は、自分の意識が現実世界に戻った事を実感する。
リムルは、スライムとしての姿から、人としての姿になる。
「…………安らかに眠るが良い。ゲルド。」
「俺たちは、民を想う心優しき王である貴方の事を……………決して忘れない」
俺とリムルは、そう呟く。
豚頭帝が倒された事により、飢餓者の効果も消滅した。
現時点を持って、豚頭族の侵攻は、終わったのだった。
俺はリムルに向かって手を挙げると、皆が歓声を上げる。
豚頭族達は、王を失った悲しみに暮れていた。
そんな中、ゲルドのそばにいた1人の豚頭将軍は。
「王よ………。やっと………解放されたのですね」
そうして、戦いは終結した。
その後、戦後処理の為に集まる事になって、蜥蜴人族達は、引き上げて行った。
俺とリムルは、鬼人達に話しかける。
「………終わったな」
「はっ」
「豚頭帝を討ち滅ぼしたら、自由にしてもらって良いという約束だ。今までご苦労だったな」
俺がそう言うと、紅丸はそう答える。
リムルはそう言う。
そう、豚頭帝を倒したら、紅丸達は自由になる。
どう過ごすのかは、紅丸達が決める事だろう。
すると、紅丸が口を開く。
「リムル様、タオリン様。お願いがございます」
「何だ?」
「ん?」
俺とリムルがそう言う中、紅丸は俺たちに話しかける。
「何卒、我らの忠誠をお受け取り下さい。我ら、これからもリムル様とタオリン様にお仕えいたします!」
「え?」
「…………良いのか?」
「異論はござらぬ」
「あなた様方に会えて、自分達は幸運であります!」
紅丸の言葉に、俺たちはそう聞いて、白老、蒼影が答える。
すると、紫苑はリムルの方にやってくる。
「フフフフッ!」
「うっ!ううっ………」
「私は、リムル様の秘書兼護衛ですよ!絶対に離れませんからね!」
「我らの命、果てるまで!」
「う………うん」
「そ、そうか」
こうして、紅丸達鬼人は、俺たちの仲間になったのだった。
今回はここまでです。
大変長らくお待たせしました。
今回は、魔王ゲルド戦です。
ブシュエルフォームやケーキングフォームを駆使して、魔王ゲルドに勝ちました。
そして、魔王ゲルドの過去と決意を知り、タオリンはその決意を受け継ぐ事にしました。
タオリンでは、魔王ゲルドを救う事はできなかったので。
次回は、終戦の話し合いです。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ルートストマックで登場したゼリーカスタムノワールですが、この小説では、ファルムスの反撃の際に出そうかなと思います。
今後の展開でリクエストがあれば、活動報告から受け付けています。
いよいよ、転スラの映画の公開が近いですね。
どうなるのか、楽しみです。