転生したら赤ガヴだった件   作:仮面大佐

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第20話 うつろいかわる

 ある夏の日。

 リムルは逃げ回っていた。

 

「うわ〜〜〜っ!何でこんな服装ばっかなんだよ‼︎」

 

 …………バニーガール姿で。

 その背後には、女物の服を持った朱菜、紫苑が居て、2人の背後にはシズさんがいた。

 

「よくお似合いですよ!リムル様〜!」

「まだまだありますよ〜!」

「や〜だ〜〜〜〜っ!」

「もうやめて〜〜〜っ!」

 

 女物の服を持った朱菜と紫苑がリムルを追いかけていき、リムルは逃げ回り、シズさんは赤面しながらそう叫んだ。

 どうしてこうなったのか。

 それを語るには、かなり遡らなければならない。

 


 

 ある日、皆を広場に集めて、俺たちは言う。

 

「という訳で、明日と明後日は、”お盆休み”という街の祝日にする!」

 

 リムルは皆に向かってそう叫んだ。

 そう。

 リムルがお盆休みを制定しようとしていた。

 それを聞いたゴブタが質問する。

 

「お盆休み?何すか?それ」

「お盆ってのは、ご先祖様に感謝して、家族や一族の絆を確認する日だ」

「タオリンの言う通りだ。うちは歴史の浅い街だが、暮らしている皆には、歴史があるだろう?」

「おお……………確かにな。」

「うむ。」

「そうだな。」

 

 ゴブタの質問に対して、俺とリムルはそう答える。

 まあ、この街の住人は、最初に会った時に居たゴブリン達を除くと、移り住んできた者が多いからな。

 実際、牙狼族に大鬼族、猪人頭族、蜥蜴人族といった感じに。

 リムルが口を開く。

 

「一年に一度くらいは、家族や一族で宴を開き、自分たちの種族の成り立ちや家族、兄弟同士の昔話をしたりしてみてくれ」

「一族で!」

「宴!」

「そして、別々の種族でも、今は同じ街の家族だ。自分たちの過去を知ったら、それを教え合い、今の仲間達とも絆を深めて欲しいんだ」

 

 リムルがそう言うと、リグルドとリグルがそう叫び、俺がそう締めくくる。

 すると、皆が歓声を上げる。

 

「流石、リムル様にタオリン様!」

「リムル様〜!タオリン様〜!」

 

 どうやら、受け入れそうだな。

 すると、ゴブタが口を開く。

 

「リムル様、タオリン様。ところで、お盆ってどういう意味っすか?」

 

 そういえば、お盆ってどういう成り立ちだったんだ?

 前世では、自然と定着してたし。

 すると、リムルが口を開く。

 

「えーっと……………あれだ!お盆にたくさんの料理を乗せて、家族と楽しむ!的な!」

「素晴らしい!なんて分かりやすいんだ!」

 

 リムルはそんな風に言う。

 まあ、分かりやすいのも良いかもな。

 すると、技術者が口を開く。

 

『告。お盆とは、太陰暦の7月に、先祖の霊を迎え、もてなし、送るまでの行事です。』

『へぇ〜……………』

 

 そんな感じか。

 まあ、詳しくは知らなかったけど、知れて良かったよ。

 


 

 その後、俺とリムルと紫苑とシズさんと絆翔は、ある場所に向かっていた。

 そこは、リムルの庵と俺の庵があり、それの受け渡しがあった。

 隣同士にあり、俺は片方の庵に入る。

 

「良いねぇ……………こういうの」

「街のどの家よりも小さいけど、大丈夫なの?」

「良いんだよ。こういう場所でのんびり過ごすのも」

「確かにな。なんか…………一人暮らしをしてた時みたいな気分になるな」

 

 俺がそう呟く中、シズさんがそう聞くと、俺はそう答えて、絆翔もそう言う。

 そう。

 こういう場所が欲しかったのだ。

 それにしても、この狭さは、一人暮らしを始めた時に住んでたアパートみたいな感じがするよな。

 もしかしたら、忘れられないのかもな。

 あの感じを。

 

「良いねぇ………………」

「タオリン……………感慨に耽ってんな」

「そうだね」

 

 俺がそう呟く中、シズさんと絆翔はそんな風に話をしていた。

 


 

 一方、ゴブタと白老は、川で釣りをしていた。

 カワセミの鳴き声が響く。

 そんな中、ゴブタがぼやく。

 

「あ〜あ。せっかくの休みなのに、師匠と釣りなんて……………。さっきから、全然当たりが無いっすよ〜」

「それは、お主に邪念があるからじゃ」

 

 ゴブタがそう文句を言うと、白老は釣り糸を垂らしながらそう言う。

 

「剣の道と釣りは、通ずる物がある。己を自然と一体化し、魔力の流れに溶け込むのじゃ。さすれば、魚はおろか、目の前の敵すらも、お前を捉えられは……………ん?」

 

 白老はそう言いながら、空を見上げる。

 ふと気づき、ゴブタの方を向くと、そこには、胸元に『オサラバっス』と書かれた板がぶら下げられている案山子があった。

 それを見て、白老は目を見開き、驚く。

 

「なっ………………⁉︎あのゴブタが、わしの目を欺くとは……………」

 

 白老はそう言いながら、手を顔に当てる。

 

「はぁ……………弟子の成長は、嬉しくもあり、寂しくもあるのう……………。明日からの修行の量は、成長に合わせ、10倍じゃな」

「冗談っす!ここに居るっす!!」

 

 白老がそう言うのを聞いて、ゴブタが草むらから出てくる。

 修行が厳しくなるのを避けたいのか。

 


 

 一方、俺たちは、部屋に入る。

 そこには、紅丸が木の板と睨めっこをしていた。

 紅丸も、随分と変わったよな。

 最初に会った時は、野武士みたいな感じだったのに、今や、立派な軍司令官だな。

 そう思っていると、リムルが紅丸に声をかける。

 

「よっ。何してんだ?」

「部隊の編成を見直しています」

「大変だな」

「街も大きくなって、人員も増えましたし」

 

 紅丸はそう言って、木の板を揃えて、カップを持って、洗い場に行く。

 

「白老のしごきのおかけで、皆の腕もメキメキ上がっています。大きな戦のない今こそ、小さな穴も見逃さず、無敵の軍団を!」

 

 紅丸はカップを洗い、机を拭く。

 紅丸も、頼もしいよな。

 すると、ドアがノックされる。

 

「失礼します」

「ん?」

「お茶をお持ちしました」

「ありがとう」

 

 朱菜が入ってきて、洗い場の方に向かう。

 リムルは、紅丸に向かって言う。

 

「お前、変わったな。」

「ハッハハ。俺は今も昔も変わらず、俺ですよ」

「そっか」

 

 リムルの言葉に、紅丸はそう返す。

 すると、朱菜が笑う。

 

「フフフ」

「ん?」

 

 朱菜の反応に、紅丸が振り向くと、朱菜は棚の上を指で擦る。

 埃が溜まっていたようだ。

 

「うわぁー……………!!」

 

 紅丸がそれを見ると、即座にその棚の方に向かい、布巾で拭く。

 

「いや、変わったよ」

 

 それを見て、俺はそう呟く。

 確実に朱菜の尻に敷かれてるよな。

 


 

 突然だが、隠密の仕事は多岐に渡る。

 護衛、密偵、そして調査と暗殺。

 私情を挟まず、音もなく、冷徹に、完璧に。

 全ては、主人のために。

 それが、隠密の定め。

 そんな蒼影は、蒼華を連れて、歩いていた。

 

「コボルトの集落の抗争だが……………会話のニュアンスも正確に報告する必要がある。内容は覚えているか?」

「はっ!一言一句、漏らさずに」

「では、西の族長と東の族長。お前はどちらをやる?」

 

 蒼影の質問に、蒼華がそう答えると、蒼影はそう聞く。

 

「は?え?えっと……………では、西の族長を」

「……………ツッコミ役か。随分と自信家になったな。では、ボケは任せろ。語尾はワンだ!」

「え?分かりました」

「ツ……………ツッコミ?は…………はい!ですワン……………」

 

 そう言って、蒼影達は、俺たちがいる部屋の中に入る。

 ちなみに、俺とリムルには大ウケした。

 


 

 その後、鬼人達が集まっていた。

 そこには、大鬼族の里の同胞達の墓があった。

 墓の前には、途中で折れ、ボロボロの刀が飾ってあった。

 紅丸達は、お供えをした後、お酒を飲み、朱菜が作ったおせちを食べる。

 白老は、酒を飲み終えると、口を開く。

 

「うんっ…………はぁ……………若のお姿、亡き殿に似てまいりましたな」

「んだ。紅丸様は、里にいた頃より、ずっと逞しく見えるだよ」

「煽てるなよ。全て、リムル様とタオリン様のおかげさ」

 

 白老と黒兵衛がそう言う中、紅丸はそう答える。

 紅丸は、置いてある刀を見て、白老に質問する。

 

「なあ、白老。父上は若い時、どのようなお人だったのだ?」

「……………あの頃は、まだ里も小さく、そして殿は……………ホホホホホ。若とは比べ物にならぬほど、とんでもないワルでした」

 

 紅丸の質問に、白老はそう答える。

 それを聞いた紅丸と朱菜は、驚きながら口を開く。

 

「えっ!?」

「あっ………………そんなお話、聞いたこと……………」

「無いでしょうなあ。何せ、お二人が生まれるずっと前の話じゃ。フッホホホ……………。いやあ、まったく。良い日和じゃ」

 

 紅丸と朱菜がそう言うと、白老は笑う。

 そして、そう言う。

 何を思ったのか。

 


 

 一方、ブルムンド王国のカフェでは。

 

「ふぅ………………」

「どうしたでやんす?」

「うーん…………なんだろ。シズさん、元気かなあって。久しぶりにシズさんの夢を見たから」

「そうだな…………。夢に関しては、俺も見た」

「あっしもでやすよ」

「あ……………」

 

 三人はそう話す。

 シズさんへの思いを馳せているのか。

 しばらくして、三人は歩き出す。

 

「そういや、夢ん中のシズさん、どうだった?」

「えーっとねぇ。バニー姿で、魔物に追っかけられてた」

「あ〜。ふっ。似合ってたな」

「そういう趣味だったんでやんすね〜」

 

 三人は、そんな風に話していた。

 一方、俺、リムル、シズさん、絆翔、ラキア、コメルで食事をしていると、シズさんが震える。

 

「っ⁉︎」

「うん?どうしたんだ、シズさん?」

「大丈夫?」

「大丈夫だよ。なんか………………とんでもない風評被害を受けた様な気がして……………」

「うん?」

「おおかた、あの3人がなんか噂してんじゃねぇの?」

「知るか」

 

 シズさんがそう言うのを見て、俺達は首を傾げた。

 ちなみに、ラキアとコメルがいる理由は、シズさんは学校でたまに教師をやっていて、コメルから誘われたからだ。

 


 

 一方、シス湖にある蜥蜴人族(リザードマン)の里では、蒼華と蒼銘が帰省していた。

 

「ほう。お盆とな。素晴らしい祝日だな」

「はい」

「そして、我が一族の逸れ者より、こちらを」

「近う寄れ」

「「はっ!」」

 

 アビルはお盆について、素晴らしい祝日だと感じていた。

 蒼銘は、ガビルから受け取っていた完全回復薬を取り出す。

 アビルがそう言うと、蒼銘が持ってたフル・ポーションを配下が受け取る。

 

「そうか。元気でやっているのだな」

「はい。相変わらずですが、イキイキと働いています」

「ふん。全く、あいつは……………。大儀であった!」

「はっ!それでは、私達はこれにて。」

 

 アビルはフル・ポーションを見てそう聞くと、蒼銘はそう答える。

 それを聞いたアビルはそう呟くと、二人を労った。

 蒼華達が下がろうとすると、アビルが声をかける。

 

「待て。時に蒼華」

「あっ………………!」

「あっ」

「そなたに縁談が。そなたに縁談が……………」

 

 アビルがそう言うと、蒼華は振り返る。

 ただし、蒼華の目から、光が消えていた。

 アビルは配下から木の板を受け取り、蒼華に見せる。

 

「ほれ!この男など、どうだ?」

 

 アビルが見せた絵には、薔薇の花を咥えた蜥蜴人族が居た。

 それを見た蒼華は。

 

「ご辞退申し上げます」

『即答だなぁ……………』

「んんんん⁉︎それなら……………これで!」

「結構です」

「ダメか!じゃあ、こっち!やっはー、いやいや、こいつもなかなか……………!うーん……………あっ、えーい!もう好きなの一枚抜いてみいよー‼︎」

 

 蒼華が即答したのを見て、蒼銘がそう思う中、アビルは別の人の絵を見せていく。

 だが、蒼華は容赦なく断っていき、アビルはヤケクソと言わんがばかりにそう叫んでいた。

 アビルがそう叫ぶ中、蒼華は思った。

 

『これだから帰りたくないんだよなあ……………』

『蒼華。モテモテだねぇ』

『揶揄わないで』

 

 蒼華がそう思う中、蒼銘は思念伝達で揶揄う。

 


 

 一方、傀儡国ジスターヴでは。

 

「『この世界には、魔物を統べる王、魔王が居る。そう。私こそが、このジスターヴを統べる……………王だ。』フフフフ……………」

 

 クレイマンが笑う中、雷鳴が轟き、時計が不気味な声を出す。

 クレイマンは時計を止めると、椅子から立ち上がる。

 

「そろそろ、魔王達の宴(ワルプルギス)の企みの時間です」

 

 クレイマンはそう言って、部屋から出る。

 しばらく歩くと、厨房に入る。

 中に入ると、自動的に灯りが灯される。

 クレイマンはお茶の準備をしながら、ある事を考えていた。

 

「『魔王カリオンは、粗野だが、本物を見極める目と、素直な感性がある。急遽参加のフレイ。女性らしさと繊細さは、私と共感出来るだろう。そして……………ミリム・ナーヴァ。最古参の魔王とはいえ、既にその嗜好は念入りに調査済み。』対策は万全だ。さあ、早く来い魔王達よ。私の野望の為に!」

 

 クレイマンはそう言いながら、ミトンとエプロン、バンダナを付ける。

 カリオン、フレイ、ミリムという3人の魔王の嗜好を調べていたのだ。

 

「ふ〜んふんふん。『お手製の美味しいスコーンも、もうじき焼きあがる!』」

 

 クレイマンは鼻歌を歌いながら、スコーンを焼く。

 それを見ていたティアは。

 

「……………楽しそうだね、クレイマン」

 

 そう呟いた。

 クレイマンのスコーン製作は続いていたのだった。

 


 

 一方、俺は突然、震えがした。

 

「っ⁉︎」

「どうしたの、タオリン君?」

「何かあったのか?」

「なんか……………誰かに目をつけられた気がするな……………。ちょっと、水を飲んでくる」

「あ?」

 

 寒気がして震え上がると、シズさんと絆翔はそう聞いてくる。

 それに対して、俺はそう答えると、ラキアは首を傾げていた。

 なんか、ついでに見定めるみたいな感じををされた気がするな。

 喉も渇いたので、井戸水を飲みに行くことに。

 途中、リムルと合流して、井戸の方に向かう。

 井戸には、リグルが居た。

 

「あっ!リグル〜!」

「ん?あっ、リムル様、タオリン様!」

「水をもらえないか?」

 

 俺たちがそう言うと、リグルはコップに水を入れて渡す。

 

「どうぞ。地下水だから、冷えてますよ」

「サンキュー!」

「ありがとう」

 

 俺たちは、水を飲む。

 暑い日には、冷たい水は良いよな。

 すると、リグルが口を開く。

 

「いやぁ……………街も立派になりましたね」

「ん?」

「ちょっと前からは、考えられない光景ですよ」

 

 リグルはそう言う。

 確かに、この街は発展していっている。

 すると、リムルが口を開く。

 

「なあ、思ったんだけど………」

「ん?」

「どうした?」

「森でお前達に最初に出会った時にさ……………。あの時、リグルが俺に話しかけてくれなかったら、この街は出来てなかったかもしれないんだなあって」

「そう言われれば、そうなんですかね?」

 

 確かに。

 森でリムルと会った時、口を開いたのはリグルだった。

 そういう意味では、リグル達との出会いが、この街を作ったんだなと思うな。

 運命みたいな感じがする。

 

「そう思うと、面白いよな」

「そうですよね」

「アッハハハハ……………だろ?大事にしなきゃ」

「ええ。何せ、今日はゴブリン邂逅祭ですから」

「そうだったな」

 

 そういえば、そんな感じだったな。

 その夜、俺たちは宴会を始める。

 俺とリムルは、挨拶をする。

 

「えーっと……………今日はなんだっけ……………」

「第一次都市計画完了!大浴場開設!第三農場開墾!」

「あと、黒兵衛鍛治工房新設!ヒポクテ草栽培ノルマ達成!第6回ゴブリン邂逅祭!えーっと…………その他諸々の記念で……………まあ、とにかく乾杯だ!」

 

 リムルが言う事を忘れる中、俺がフォローして、乾杯の音頭をする。

 祭りの会場からは、賑やかな声が多く響く。

 それを、シズさんはにこやかに見守っていた。

 


 

 その翌日、リムルは鏡を見ていた。

 シズさんの肉体を、リムルはコピーさせてもらった。

 シズさんの体をコピーさせてもらったからには、情けない真似は出来ないというのを聞いた事がある。

 そう思う中、リムルはある事に気づく。

 

「うわっ……………って!なんだこの服⁉︎」

 

 リムルは自分の姿を見て、そんな風に叫んだ。

 そう。

 バニーガール姿だった。

 リムルが戸惑う中、朱菜、紫苑が現れる。

 

「とーってもよくお似合いですよ!」

「もっとたくさんお着替えしましょうね〜!」

 

 そう言って、朱菜はメイド服、紫苑は、スク水を持ちながら迫ってくる。

 それを見て、リムルは。

 

「いや!や〜だ〜!!」

 

 リムルはそう叫んで逃走する。

 それを見ていたシズさんは。

 

「お願い、やめて〜〜っ‼︎」

「アハハハ……………」

 

 シズさんはそう言って、顔を赤くしながら駆け出していき、俺は苦笑する。

 シズさんの外見に似ているので、ある意味で自分が着せ替え人形になっていると感じて、悶えていた。

 


 

 その後、俺たちはお供えをしていた。

 これは、シズさんからのお願いで、シズさんのお母さんと、シズさんが出会い、殺めてしまったピリノという少女を弔う物だそうだ。

 

「シズさん、これで良いかな?」

「うん。ありがとうね。2人とも」

「線香に似た物は作れたよ」

「うん」

 

 俺たちはそう話す。

 なんとか、線香に似た物を作る事ができたのだ。

 線香を入れると、俺たちは手を合わせて、目を閉じる。

 

『お母さん、私、元気でやってるよ。ピリノちゃんも、ごめんね。私のせいで、あなたを死なせてしまった。あなたの分まで、私は生きていく。リムルさんとタオリン君の為にも』

 

 シズさんはそんな風に思っていた。

 俺たちの背後に何かが居る気配がした。

 その気配は、2人いて、その2人は、シズさんの方を笑顔で見ていた…………気がした。

 すると、シズさんは振り返る。

 

「……………っ」

「シズさん?どうしたんだ?」

「今……………誰かいたような…………」

「……………………」

 

 シズさんはそう言う。

 もしかしたら、お盆で来ていたのかもしれない。

 2人の魂が。

 そんな不思議な事があった、お盆の日だった。




今回はここまでです。
今回は、お盆の話です。
ゴチゾウはあまり出せなかったです。
色々と不思議な話もありました。
そして、次回はガゼル王がやってくる話になります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今後の展開などでリクエストがあれば、活動報告から承っております。
一応、タオリンもリムルと一緒にイングラシアに向かう予定です。
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