機動戦士ガンダム水星の魔女R シャディク・ゼネリの福音   作:いえるおるがP

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第一話 復活のシャディク・ゼネリ

「この地域は荒れてますね。建造物も半分くらいは廃墟だし、ここで人が暮らしているなんて……」

「十年前からそうだ。場所によっては、ここよりもひどいもんさ」

「そうなのですか? 過酷な環境ですね、地球って」

 グエルは若い部下を引き連れ、売上や自社製品を地球へと寄付する活動を行っていた。この日も、アーシアンへの物資支援、及び現地への訪問を行っていた。

「アーシアンからの信頼も徐々に集っていると思いますが、ジェタークCEOは何を目論んでいるのです?」

「地球と宇宙の経済格差。これを減らしたいだけだ」

「経済格差? 我が社の発展ではなく?」

「ああ」

「うーむ……やはりわからぬお人です、あなたは」

 夜になり、軌道エレベーターへと車を進める二人。途中、訪問先とは別の町を通りかかった。

「ここもダメそうですね。さっきよりも廃墟が多いし、自然と一体化してる建物もある」

「だが、人は住んでいるな。轢かないように注意して……」

 町の景観を眺めていると、一筋の赤い光が見えた。

「っ!? 待て! すぐ停めて伏せろ!」

 その光が建物とぶつかり、大きな音が響く。遠くではあるが、車が震えるほどの衝撃が伝わってきた。

 

「モビルスーツ!? 議会連合か!?」

 光が飛んできた元を見ると、ベネリット製のMSが数機飛んでいた。

 

 宇宙議会連合。あれ以来も密かに力を蓄え、再び企業連合の解体を目論んでいた背景がある。グエルも、そのことには気づいていた。

「ジェタークと地球とのつながりが漏れたか!?」

 射撃してきたMSが四機。こちらに向かって飛んできている。現地の武装組織がMSに乗って応戦を始めるも、敵より旧式な機体ばかりで相手にならず、次々と落とされていく。

「四機、ハインドリーにザウォート……あの時と同じだな」

「CEO! どちらへ!?」

「MSで出る!」

「自ら!? 無茶です!」

「ここの人達を守らねば、これまでやってきたことの意味がない!」

 グエルは車を降りて廃墟を駆け回り、MS倉庫を見つけた。倉庫内には、以前どこかで寄付したであろうディランザが一機だけ残っていた。

「CEO! ジェタークとアーシアンの癒着はバレてしまえば、奴らの思う壺です!!」

「だからと言って、見殺しにはできない! ディランザ、出るぞ!」

 発進するディランザ。しかし、このディランザは使い古された機体。MSの提供は、ジェターク社が直々に渡したことがバレないよう、地上でも手に入るような低品質の物を寄付していた。これでは、敵も同時期の機体とは言え、性能は幾分も劣ってしまう。

 しかし、彼の腕は、ホルダーだった頃からなまっていなかった。

「うああああああ!」

 ハインドリー・シュトルムの放つビームを掻い潜り、ビームトーチを胴体へ突き刺し、切り抜いていく。空上のザウォート・ヘヴィにはビームをばら撒きつつ弾を避け、相手にサーベルを抜かせる。フェイントを入れ、斬らせてから斬り返していく。残る遠距離を保つMSには牽制射撃をしつつ、味方のプロドロスに合図を送り、撃破していった。

 グエルが加勢してから二分後、とうとう四機を葬り、戦闘が終了したかのように思えた。

 しかし、建物の影に隠れたザウォートが、明後日の方向に飛んでいくのに気づいた。

「なっ、まだいたか!」

 グエルのディランザもバーニアを蒸かし、すぐに向かう。ザウォートの進路先には、一台の車が走っていた。それを狙っていると直感でわかった。

「やめろぉぉぉぉぉ!」

 叫ぶと同時に、胸部のビームを放ち牽制、そして盾のアタッチメントを外す。ザウォートはふわりと空に浮かんで回避、そのままライフルの照準を車に合わせ、引き金を引く。

「間に合え!!」

 ディランザが腕を振るうと同時に、輝く光線が地へと向かって放たれた。

 

 しかしその一撃は車ではなく、宙に浮いたディランザの盾に命中した。そして、ザウォートの自由落下に合わせ、ビームトーチを振り抜く。コックピット付近を貫いた。

「しまった!」

 周囲に轟音が響く。当たりどころが悪く、グエルはザウォートをそのまま爆発させてしまった。ディランザはその爆風に耐えたが、近くにあった車はひっくり返っていた。

「大丈夫か!?」

 ディランザから降りて、すぐに車のもとに向かうグエル。

 

「っふぅ……助かった。礼を言おう」

「なっ……その声は、まさか……!」

 車の中から出てきたのは、グエルにも見覚えのある青年だった。

 

「久しぶりだな、グエル」

「シャディク!?」

 

 シャディク・ゼネリ。何年も前の騒動で、実行犯として自首、長い公判の末に死刑判決になったはずの男。しかし、グエルの前に立っているのは、シャディクそっくりな人物。

 

「なぜお前が生きているんだ!? 死刑になったはずだろ!?」

「ああ。シャディク・ゼネリは死んだよ」

「何!?」

「今の俺は、名も無いただの青年さ」

掴みどころのない態度、声、容姿、どれをとってもシャディク・ゼネリそのものに見える。

「名前を捨てて、罪を償い切ったとでも言いたいのか!?」

「いや。俺は本当に死んだのさ」

「本当に死んだ……? じゃあ、目の前のお前は誰だ!?」

 

「GUND医療」

「え?」

「株式会社ガンダムが存続したことで、GUND技術の封印はなされなかった。新たに兵器転用する組織は現れていないが、非合法のGUND医療研究は行われている」

「GUND医療の闇医者……ということか?」

「そう。俺はあの日、確かに死刑を受け肉体は死に至った。だが、死刑執行犯の中には、俺の旧知の知り合いがいてね。遺体を回収してくれた」

 そう言いながら、シャディクは羽織っていた上着を半分脱いでいく。そこには、本来人間にはない色が見えた。

「うっ!? その身体は!?」

「GUNDの末路。簡単に言えばサイボーグさ。義手や義足の延長線上。傷んだ臓器は全部機械に置き換わっている」

「臓器だと!?」

「非合法の技術だからね。未だに認可されず、実用化に至らないGUND製の人工臓器を移植してもらった」

 鋼色の胸部を開き、中身を見せる。肺や心臓にあたる部分が金属質になっている。

「半分は機械だ。機械にシャディク・ゼネリの皮がついている、と言ってもいいかもしれないな」

「うぅ……」

 見慣れぬ光景に、グエルはわずかに吐き気を催していた。

「そう怯えるなよ。ミオリネの理想の行く末さ」

 

「そして、脳も機械に置き換わっている。完全に脳死したわけではなかったのだが、再生に至らなかった。そこで、死ぬ前に回収されたシャディク・ゼネリの人格データを装置に転写している。だからこそ、今の俺はシャディクであり、シャディクではない」

 

「そんな体になったお前が、なぜこんなところにいる? 何が目的で生き返った?」

「あの事件の後、事態は良い方向に進んではいたが、すぐに元通りになった」

「宇宙に資産が吸い上げられたことか」

「そうさ。結局、十年前と同じ状態に戻っている。お前もわかっているだろ。故にジェターク社はアーシアンを支援している」

「ああ」

「そこで、お前に頼みがある」

「なんだ?」

 

「俺の存在は連合にバレている。今の襲撃もそうだ」

「奴らの狙いはお前だったのか」

「そこで、俺を匿ってくれ。そして、地球復興のために力を貸してくれ。企業連合でも上澄みのジェターク社の力がなければ、俺の目的は果たせない」

 

「具体的には、どうするつもりだ?」

「宇宙議会連合を潰す。企業連と議会連合では、未だに議会連合の方が強い」

「また暴れるつもりか?」

「現状を打開するためには、誰かが進んで壊さねばならない。そして、それを完遂できた時にシャディク・ゼネリは役目を終え、本当の死を迎える」

「ちょっと待て。議会連合を潰した後はどうするんだ? 企業連合も残るのは不都合だろ?」

「だから、トップに最も近い男に頼んでいるのさ」

「俺は会社の社長なだけだ。ジェターク社も、企業連合のトップには昇り詰めていない」

「お前に全て託す。何をするにしても、大勢殺した犯罪者は後の世には必要ない。違うか?」

 

 一方的なシャディクの提案に、グエルは悩んだ。志は同じでも、やり方が極端すぎるとは思ったのだ。そして、シャディクは自分が助からない道を選ぼうとしている。十年前と同じように。しかし、それは地球復興においては都合がいいのも事実であった。ただ、それを踏まえても悩ましいことではあった。

 

「グエル。お前にしか頼めない」

 だが、かつての友の頼みというだけで、グエルは踏み込む覚悟を決めた。

 

「わかった。地球の惨状を変えたいのは俺も同じだ」

「交渉成立だな。短い間、よろしく頼む」

「……ああ」

風に舞う砂にまみれた町。寂れた地で、革命が始まろうとしていた。

 グエルとシャディクは、夜風を浴びながら歩いていく。

「だが、お前を匿う以上は、ジェタークの社員として俺達のもとで働いてもらう」

「ああ。そうしてくれるとありがたい」

「そのために、偽名で社員名義を作ろう」

「ルイエ・ルグゾ」

「え?」

「俺の新たな名前さ。予め決めておいた」

「そうか……じゃあ、ルイエ。最初の仕事だ」

そう言うと、グエルは目の前の車を開ける。

「CEO! ご無事で! あの、そちらの方は?」

「古くからの知り合いでな。今日からウチで雇うことになった」

「ルイエ・ルクゾです。どうぞ、よろしくお願いします」

「ああ、そうなのですか。よろしく。若いからといって、ウチは容赦ないですからね」

「ええ、構いません。何もしないよりはマシですから」

「そうですか。じゃあ、軌道エレベーターまで行きますよ」

 グエルの部下が車を走らせた。

「しかし、そのまま入社させるわけにはいかないな。これを羽織れ。後、髪は切れよ」

「ありがとうございます、ジェタークCEO」

 彼の振る舞いはすっかり新入社員のものとなっていた。

 

 

 

…………

 

 

 

「兄さん! お帰り!」

「ただいま。いつもすまないな、ラウダ」

「兄さんの頼みにはもう慣れたよ。今更断らないさ」

 

 ジェターク社の社長室。グエル達は本社に帰ってきていた。地球訪問は日帰りできることは少なく、二、三日かけて行う。その間は、弟のラウダにCEO代理を任せていた。ジェターク社の社員でりながら、一時期CEOを務めていたこともあり、誰よりも適任だとグエルは考えていた。

 

「兄さん、後ろにいるのは誰だい?」

 グエルの後ろには、フードを深くかぶったシャディクがいた。

「ああ、新入りだ。ただ、ちょっと訳ありでな。帰ってきて早々で悪いが、少し席を外してくれないか?」

「え? ああ、わかったよ。けど、顔くらい見せてもいいんじゃないかな? ここで働くんでしょ?」

「事情があってな。話が決まったら、お前達にも見せるさ」

「まあ、兄さんがそういうなら」

 不服ながらも、ラウダは部屋を後にした。

 

「さて、この部屋なら聞かれる心配もない。さあ、やっとお前と話せるな、シャディク」

 グエルが話を切り出した。

「その名で呼ばれると、学生だった頃を思い出すな」

 フードを取ったシャディクは、瞳を閉じて、笑みを浮かべた

「思い出話に花を咲かせたいところだが、今はそうじゃないな」

 グエルの表情が引き締まる。

「さて、なにを話せばいいかな」

 シャディクは笑顔を保っていた。

 

「お前がやろうとしていることの、具体的な計画を聞きたい」

「計画か……」

「議会連合を潰そうとしているのなら、何か切り札があるんだろ?」

「察しがいいな」

「無駄に付き合ってたわけじゃない」

 シャディクは目を細めながら微笑む。

 

「あるよ、切り札」

「どんな?」

 

「議会連合の連中はGUND-ARMの製造を続けている」

「何?」

 グエルは一瞬、理解できなかった。

「奴らは量産タイプのルブリスを隠し持っていた。それを用いて、GUND兵器の開発・研究を続けている」

 しばらくして、グエルもようやく話を飲み込めた。

「バカな!? ガンダムは全て破棄されたはずだ! クイン・ハーバーの格納庫だって、一機も残っていないはずじゃないのか!?」

「あそこだけじゃなかったってことさ。隠し場所はいくらでもある」

「氷山の一角だったってことか!? 議会連合め……」

 グエルの拳が引き締まる。シャディクは淡々と話を続けた。

 

「前の騒動では公には出なかったことだが、議会連合はオックス・アースを接収し、表向きには存続させて、ガンダムの製造および売買を続けていたのさ。戦争シェアリングなどというものが無くとも、アーシアンは奴らの手の上で踊らされる運命だった」

「なるほどな。予想はしていたことだが、今もなお残っているとは……」

 

 想像以上に、今の事態が深刻だと気付くグエル。しかし、彼はこれが答えになっていないことにも気が付いていた。

「その話のウラは、どうやって取ったんだ?」

「これも古い伝手さ。ガンダムを扱っていた組織に心当たりがあってね」

「……フォルドの夜明けか」

 

 フォルドの夜明け……アーシアンの武装組織であり、地球上に拠点を置く。十年前にプラント・クエタを襲撃した者達である。その際にグエルも巻き込まれ、人質となった。しかし、その時の経験が今の彼を形作っている。フォルドの夜明けもかつて、二機のガンダムを保有していた。その提供元も、議会連合の傀儡となったオックス・アースである。

 

「フォルドの夜明けは解散となったが、彼らは似たような組織として活動している。現在、連合がガンダムを保有している証拠も、彼らが持っている」

「わかった。この話は信じよう」

 グエルは頷くが、未だに納得できない点があった。

「だが、それならそのことを公表すればいいだけじゃないか。議会連合が非人道的な兵器を作っているとわかれば、それだけで失脚するだろうに」

 

「そうできない理由は二つ。一つは、関わっている者全員のリストがない」

「全員のリスト?」

「今回の件は、議会連合のタカ派の人間が多く関わっている可能性がある。一人の責任で逃げられれば、解決にならない。関与者全員を追放する必要がある」

「だが、それは後からでも問題ないんじゃないか? ガンダム製造の疑惑があれば、現場を抑えるまでの時間が稼げるだろ? 話のウラが取れてるなら、その情報だけでも突きつけられるはずだ」

「二つ目の理由は、それを訴えるには立場が必要だからだ」

「なるほど……それで、CEOの俺か」

「議会連合のスキャンダルは、お前が発表してくれ」

「いきなり大仕事を背負わされたな……」

「すまないな、お前には押し付けてばかりで」

「もう慣れたさ。だが、俺が話をするだけじゃ信用されずにかき消される。フォルドの連中の証拠を渡してくれ」

「彼らから証拠を受け取るためには、相応の対価も必要になる。それでも、取引に応じるか?」

「ああ。これが一番確実なんだろ? 報償は用意しよう」

「だが、お前の手に渡すまでも手間だ。フォルドからジェターク社へ、いきなり手に渡ったというのは不自然過ぎる。俺の介入も読まれるだろう」

「じゃあ、どうするんだ?」

 

「グエル、近々ジェターク支社を地上に置くつもりはないか?」

「ああ、既に地球支部の建築は始まっている」

「そうか。ずいぶんと出世したな、グエル」

「茶化すな。なぜそんなことを聞く?」

 

「元フォルドの連中を向かわせる」

 

「な、何を考えている!?」

「宇宙の大企業が地球に足を伸ばそうとしていることに反感を持った武装組織。自らの母性に入ることを許さんと建造現場を襲撃。しかし、そこはジェターク社。あっさりと迎撃し、見事撃退してみせる。戦闘の後処理をしていると、議会連合のスキャンダルの入ったUSBを偶然入手」

「……そういう筋書きか。だが、戦闘を行えば死人が出る可能性がある」

「多少の犠牲はやむを得ないが、フォルド側にはこの筋書きを周知するよう伝えておく」

 

 シャディクの話を聞き、思わず黙りこんでしまうグエル。相変わらず、行動前の計画は練り込まれていた。

「どうだ? 俺のシナリオ」

「……死人を出さず実現できるなら、悪くない」

「そうか。早速だが、フォルドと連絡を取る手筈を」

 早まるシャディクの前に、グエルは立ちふさがる。

「待て。お前は友人であると同時に、今は一社員でもある」

「えっ?」

「お前には、しばらくMS整備とテストパイロットをやってもらう」

「整備? テストパイロット?」

「お前がこの先何を考えているかはわからないが、恐らくはMSでの戦闘を行う機会もあるだろう」

「…………気を遣わせたな」

「死なれたら困るからな」

「そうか……ありがとう」

 

 今になって、グエルは彼に違和感を感じていた。グエルがそれまで見てきた着飾った態度でもなく、己の怒りをぶつける姿でもなく、素直に礼を言っている。しかし、彼の姿はあの頃のシャディクそのもので、それは疑いようもなかった。

 

「ただ、お前はジェターク社にとって爆弾になる。若手には顔が割れてないだろうが、絶対に身分がバレないようにな」

「わかっているさ」

「社寮の地図を渡す。お前の部屋にも印をつけた。今日はゆっくり休めよ」

「ああ」

 シャディクは再びフードを被り、社長室を出た。

 話し終えたシャディクは、ジェターク社のMSドックに来ていた。中には、MSが何機も並んでいた。学園仕様と思しきディランザのような機体、軍用のディランザ・ソル、ジェタークにしては細身のディランザもあった。新旧揃い踏みとなっている。

 

「こんな時間に何をしている」

 ふと、後ろから話しかけられた。振り向くと、ラウダがいた。

「すみません、自分が乗るであろうMSを見ておきたくて」

 新入社員として振る舞うシャディク。

「声は変えなかったのだな」

「はい?」

「兄さんから聞いた。快く歓迎とはいかないが、兄さんが決めたことだ」

 どうやら、彼がシャディクであるということは伝わっているらしい。

「心配するな。他の社員には秘密にする。お前と面識のある者には伝えざる得ないけどな」

「そうか……少し気が楽だ」

「大変だな、期待を背負うのは」

「それはお互い様じゃないか、ラウダ?」

「だな」

 旧知の仲同士、二人とも笑みを浮かべながら話していた。

 

「アーシアンと連絡を取りたいんだってな?」

「ああ。ジェターク社からの通信は使えない。俺とのつながりが露呈する」

「地球に降下できれば、通信はできるな?」

「手配できる」

「であれば、二週間後だ」

「二週間後?」

「地球支部の建設に、人員、物資ともに応援が必要となった。若手の力を借りたい」

「……そういうことか」

「その際、作業用のMSも何機か降ろすが、それらは護衛用も兼ねている。この機会を生かしてくれ」

「わかった。どこまでも気遣われてしまったか」

「たまたまだ。早く寮に戻れよ」

「ああ、おやすみ」

 

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