※宙羽視点です。
……7度目の香澄の番。
カードを1枚引いて、それは手札に加えられず。
代わりに墓所のカードの枚数が1枚分増える。
──デッキの枚数は、残り16枚。
「……コスト1、【虚無の記録】」
それから、さっきのターンに私が押し付けたカードを1枚使って。
カードが2枚捨てられて、代わりにカードが1枚引かれる。
……デッキ枚数は、これで15枚。
「……コスト6で、【アルゲディ】の召喚」
……それから召喚されたのは、元々のコストが5のエンティティ。
名前は【磨羯の魔女アルゲディ】。それから、攻撃力が3で体力が5のエンティティカード。
あまり試合に関係ないけど、コストが加算された状態であることを考えると、これは元々持っていたカードだということ。
……それで。『神速』や破壊効果への耐性は、特になし。
【宙の先】の付与効果は、問題なく作用する。
──あとは、召喚時に、『自分と相手の両方の盤面に、エンティティが1枚以上あるなら、それらを1枚ずつ選んで破壊し、その後、それらのカードを墓所に加えずにデッキに加える』という効果があるけど。
召喚時にはお互いの盤面にエンティティがいないから、発動せず。
……これで、このターンのコストは使い切った。
「……手札のカードの公開を行う。【ルクバト】」
──そして、コストを使わなくてもできる行為。
……手札カードの公開を、行って。
「……ターンを終了する」
……そのまま、香澄はターンを終えた。
そして、ターン終了時。
【磨羯の魔女アルゲディ】が元々持ってた、ターン終了時に働く効果が機能する。
──それは、『自分のターン終了時、このカードを破壊し、その後これは墓所ではなくデッキへ加わる』……という、効果。
──そして。
【磨羯の魔女アルゲディ】の被破壊時効果。
それは、『手札にエンティティカードが2枚以上あるなら、その中から2枚選んで、それらの能力を失わせた状態で盤面に出して破壊する。その後、この効果で破壊された自分のエンティティのコストの合計を上限とした中で、最もコストの高い《分類:星辰の魔女》を持つカード1枚を手札に加えて、そのコストを-2する』というもの。
……香澄が、手札から2枚のエンティティカードを選択する。
選択されたエンティティカードは、2枚の【天秤の魔女ズベン・エル・ゲヌビ】。コストが5のエンティティカードが2枚で、合計コストは10。
……つまり、10コスト以内で、かつ、最もコストの高い《分類:星辰の魔女》を持つカードが香澄の手札へと加わっていく。
──だから、これで。
また1枚デッキのカードの枚数が減って。
……それから、さらにその後。
【ターモイル・プラネット】の効果が使用される。
だから、つまり。
デッキ枚数が増えて減って増えての、残り枚数16枚。
……そして、ついでに。手札の枚数は残り6枚。
これで、次。
……私のターン。
手札上限でカードは引けず。墓所へ。
今更だけど、一応自分のデッキの残り枚数もカウントするなら。
……残り枚数は、28枚。
自分自身のデッキ切れは、今の所。気にする必要がない。
「……【虚無の記録】を2枚使う」
捨てるカードは、どうするか。
使いにくそうなカード、試合に影響が無さそうなカード。
……例えば、これとか。
【信号の途絶】
コスト9。マジック。《分類:軌跡の終点》
自分の盤面のエンティティを全て破壊し、自分のデッキのカードを全て除外する。その後、墓所にあるカードから、レジェンダリーでもファントムカードでもないカードを全て複製し、デッキに加える。
……デッキ切れまで余裕がなくなったりした時に使うことはあるかもだけど、元々あまり使う機会のないカードだし、ちょうどいい。
あとは……まあ、何でもいいか。
……適当に、勝ち筋に繋がらなさそうなカードをあと3枚。選んで捨てる。
そして、カードを2枚引いて。
……手札の枚数は、残り6枚。
「……コスト8。【彼方への探査】」
また、ターンに使えるコストの最大値で、このカードを使う。
……そうして、手札の5枚のカードのコストが全て8減算された。
「……コスト0。【不可思議なる邂逅】を2枚使う」
……これは、今のターンには、実質効果のないカード。
正確には、効果自体は今のターンからあるけど。
今のターンは、もう働く機会がない。
【不可思議なる邂逅】
コスト12。マジック。《分類:軌跡の終点》
自分のターン終了時、このターン中に使用したカード全ての元のコストの合計が10以上なら、デッキまたは手札にあるこれのコストを-2する。
自分のソーサラーは『自分のターン毎に1度だけ、自分の盤面にエンティティが出現した時にそれが『神速』を持っていたなら、それの攻撃力を0にし、それに『攻撃時、自分の盤面に他のエンティティが存在しないなら、相手の盤面のランダムなエンティティ1枚を破壊する』と『1ターンの間に攻撃できる回数を+1する』と『このターンの間、これはダメージを受けない』を付与する』を持つ。
……つまり、どういうことか。
──名称指定はないけど、私のデッキには【虚無を翔ぶ探索者】以外にエンティティカードが出てくる機会がない。
……だから、相手にエンティティカードを盤面へと押し付けられるようなことでもなければ。次に盤面に出現する【虚無を翔ぶ探索者】に、効果付与が乗るようになった、ということ。
付与される効果は、3つ。
……内容は、省略するけど。
で、それを2枚使ったことで。
【虚無を翔ぶ探索者】の攻撃回数が合計+2……つまり、3回攻撃できるようになる。……それから後の効果は、おまけみたいなものだからあまり考えなくていいとして。
それで、【虚無を翔ぶ探索者】の攻撃回数が増えれば墓所の【宙の先】の数も稼ぎやすくなるし、【宙の先】の被破壊時効果による回復の回数も増やせるし、それから『お互いにカードを引く』回数も増やすことができる。
つまり。……いいことしかない、ということ。
……本当は、もっと早くから使いたかった、けど。
──これは元々のコストが12。
自分自身の効果で-4、【彼方への探査】で-8されて、それでようやく0コストになったから。……今のターンになってやっと使えた、みたいな感じ。
「……コスト0。【望遠の瞬き】」
……手札のカード複製効果は、『このターンの自分の使用可能コストよりも高いコストの、レジェンダリーでもファントムカードでもないカード』という条件があるから機能しないけど。
純粋に、『その後、お互いはカードを1枚引く』という効果だけ使う。
……これで香澄のデッキ枚数が、また1枚減った。
「……【虚無を翔ぶ探索者】で攻撃」
それから追加で【虚無を翔ぶ探索者】による攻撃。
お互いにカードを引いて、墓所にある【宙の先】の枚数が7枚になって。
それから私の体力が16まで回復する。
今使えそうなカードは、あと1枚。
……とりあえず、使っておいたら何か起こりそうなカードを適当に残してたけど。思ったより、『お互いにカードを引く』カードが手札にない。
……つまり、『お互いにカードを引く』効果があまり使えてない今のターン。
ターン終了時に、また【不可避の一矢】が香澄の手札に加わる。
ただ、それも今のターンだけ。
……次のターンからは、【虚無を翔ぶ探索者】の3回攻撃で、手札のカードに蓋ができるはず。
「……コスト0。【世界の狭間】」
【世界の狭間】
コスト11。マジック。《分類:軌跡の終点》
自分のターン終了時、『神速』を持つエンティティが盤面から除外されていたなら、デッキまたは手札にあるこれのコストを-1する。
お互いの盤面のエンティティ全てを破壊する。
お互いのソーサラーに『自分のターン開始時、自分の手札に【虚無の記録】を1枚加える』を付与する。
……これも、同じく。
ようやく使えるようになったカードのひとつ。
──盤面にあるのは、自分の【虚無を翔ぶ探索者】だけだから、それを破壊して。
いつもターン終了時に使っている【虚無を翔ぶ探索者】の効果発動は、『これが盤面から離れる時』という条件だから。
……無事に、いつも通り。カードを捨てる代わりに【彼方への探査】を回収してそのコストを変動させる効果は働く。
……これで、手札のカードの枚数が3枚の、【彼方への探査】のコストが6。
「……ターンを終わる」
……順番は前後したけど、いつも通り。
香澄が墓所のカードをデッキに戻して、デッキの枚数は残り16。
手札の枚数が8枚で、2枚分の隙間があるけど。
……【不可避の一矢】と【虚無の記録】で埋まるから。
デッキのカードを1枚だけ、捨てることにはなるはず。