カードのテキストが長すぎます!   作:ピンノ

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※香澄視点です。

※また、前話にて【綴じられた世界アカシック・インデックス】の、『手札のカードを捨てる事を条件としたドロー効果』のドロー発生タイミングが『手札のカードを捨てた時』から『手札のカードを捨てた次のターン開始時』へと変更されております。紛らわしく、大変申し訳ありませんが、ご了承ください……。



121話 夜天あるいは獅子宮の魔女

 

 ……ターンが回ってきて、あたしの番が始まります。

 一応、手札には、1コストしか使えない1ターン目からでもできることはありそうですが。本当なら、レジェンダリーカードがあるならそれが手札に来ていれば、あたしが今から何を目指せばいいのかが分かりそうで、望ましかったのですが。

 

 まあ、レジェンダリーカードはデッキに1枚しかない……はずなので、仕方がないと言えば仕方がないのでしょう。

 

 ──と。

 そう思って、手札のカードへと手を伸ばした、その瞬間でした。

 

 ……突然、デッキの中から1枚のカードが飛び出しまして。

 そして、あたしの場の中の領域部分にあたる場所へと、それはそのまま流れるように設置され。

 

 そして急に、夜の空のような。黒い色の中で流れ星のような形をした赤い光が明滅する……馴染み深いけれど、初めて見るような。そんな光景が、広がりました。

 

 そして同時に。

 なんだか力が湧いてくるような。そんな、不思議な感覚があります。

 

 

 ……えっと。

 つまり、これは。

 

 ──おそらく、カードの効果で自動的に設置されたフィールドカードによる光景の展開で、間違いないでしょう。

 

 ……カードの名前は、【エンドレス・プラネット】。

 確か、《星辰の魔女》デッキのフィールドカードは【ターモイル・プラネット】で、《遊星の魔法少女》デッキのフィールドカードは【リペインテッド・プラネット】でした。

 ぱっと見、展開される景色や、名前の響きなどはそれらと似た名前ではありますが。

 

 しかし同時に。どうやらこれは、それらとはまた、全く別のカードみたいです。

 ……などと、色々と考えて見ましたが。ぱっと見の印象だけで考えても、何も始まりません。

 

 やっぱり、効果がわからないのではどうしようもありませんので。

 ……また、しっかりとカードの効果を読んでみます。

 

 

 【エンドレス・プラネット】

 コスト0。フィールド。レジェンダリー。《分類:極夜の魔女》

 自分のターン開始時、デッキにあるこれは自分の領域へと設置される。

 これは相手のカードの効果で破壊されず、除外されない。

 これが領域へと設置された時、自分のソーサラーの体力最大値を50にし、最大まで回復する。

 お互いのソーサラーは、ターン中に3回まで、自分の盤面にエンティティカードを召喚する度、カードを1枚引く。また、お互いのソーサラーは、自分の手札にカードが増える時、既に手札の枚数が上限であったなら、そのカードを墓所に送るか、代わりに自分の手札のカードを墓所に送るか選択することができる。

 自分のターン中、複数効果の中からランダムに効果が発動する効果を持つ効果が発動した時、これのコストを+1する。その後、これのコストが10以上になったなら、これを破壊する。

 これのコストが5以上なら、自分のターン中、複数効果の中からランダムに効果が発動する効果を持つ効果が発動する時、ランダムに発動するのではなく選択して発動させる。

 自分の《分類:極夜の魔女》を持つエンティティカードは全て、『カードの能力によって破壊されない』を持つものとして扱う。

 被破壊時、自分の領域に【インフィニティ・プラネット】を出現させる。

 

 

 ……やっぱり、と、言いますか。

 何となく、そんな気はしていましたが。しかし、あえて言います。

 

 カードの効果が、長すぎます……。

 

 ……いえ、その。

 こんなことは、ファントムビルドのカードを見るたびに思っていたことではあるのですが。

 

 しかしやっぱり、自分でバトル場に立ったらまた違って感じたりするのかな、とか、自分自身のカードであればそんな風には思わないのかな、なんて。そういうことも、思っていたりもしていたのですが。

 

 ……そんなことは、ありませんでした。

 

 とは言え、長過ぎてわからない、なんて言って諦めるようでは意味がありません。あたしはこのバトルで、どうにか自分の意思の強さ……みたいなものを、証明する必要があるのです。

 

 

 ──まず。

 コストは0。それから、ターン開始時に無条件設置。

 ……無条件、設置。

 

 あ、これ無条件なんですね。

 

 ……と、失礼しました。先に進まないと、ですね。

 フィールドカードですし、そういうこともある……でしょう。きっと。

 

 それから、相手のカード効果による破壊と除外への耐性。

 ……確か、向こうのフィールドカードにもあった気がしましたが、こっちのフィールドカードにもあるんですね。

 とは言え、特に影響は大きくはなさそうなのでノーコメントですが……。

 

 そして、『領域へと設置された時、自分のソーサラーの体力最大値を50にし、最大まで回復する』。

 

 ……。

 

 ……?

 

 えっと。ちょっと、よく分からない……ですが。

 ……まさか、と思って確認して見たら、本当に体力が50になっていました。

 

 ひょっとして、ですが。これが出てきた時の、あの不思議な感覚は。

 もしかして、この効果によるもの……なのでしょうか……?

 

 えっと。体力50というのは、つまり、25が通常のソーサラーの最大体力値ですので、その2倍、ということですね。

 ……はっきり言って、何がどうなっているのかは分かりませんが。まあ、ラッキー!とでも思っておけばいいのでしょうか。

 

 

 とりあえず、一旦次に行きましょう。

 

 ……次は、常に発揮される効果で。お互いに影響のあるやつです。

 ターン中3回、という条件付きで、召喚に反応しての1ドロー。それから、手札にカードが増えた時にそれを捨てるか先に手札に来ていたカードを捨てるかを選択できる効果、ですね。

 

 ドローができるのは嬉しいですし、何より、手札のカードがロックされなくなるというのはおそらくかなり強い……ような気がします。

 

 そして、自分のターン中に『複数効果の中からランダムに効果が発動する効果を持つ効果が発動した時』という、効果と発動という言葉が連続してよく分からないようなわかるような、という条件で、領域内でコストの増加。

 

 ……コストが5以上になったら、ランダムから選択へ。そして、10以上になったらあれを破壊。破壊時効果もあって……そしたら、何かが、あそこに出てくる。と。

 

 後は最後に、これもまた常に発揮される効果で。

 どうやら、自分の《分類:極夜の魔女》を持つエンティティカードは全て、『カードの能力によって破壊されない』を持つものとして扱うそうです。

 

 ……なんか、全体的にちょっとずるい、ような。

 ま、まあ、レジェンダリーカードですし。きっと、そういうものなのでしょう。

 

 ……とりあえず、カードの効果はわかりました。

 

 一応、パッと破壊された後に出てくる方も流し読みして見ましたが、さらに強化されたバージョンのやつが出てくるみたいなので、あの効果と発動という言葉が連続して出てくるやつに反応して増えるカウントを増やすのが目標、という事になるのでしょう。

 

 一旦は、わかったつもりになったので。

 ……手札のカードを、使用します。

 

 「……コスト1を使用して、エンティティカードを召喚します。──まずは、先陣です。行ってください、【レグルス】さん」

 

 ……あたしが、カードに手を触れて、そう、宣言をしますと。

 一振りの、浮遊する大剣を携えた魔女が。勢いよく、飛び出していきました。

 

 

 【極夜の獅子宮レグルス】

 コスト1。エンティティ。攻撃力1、体力1《分類:極夜の魔女》

 『猛進』

 これは2回攻撃できる。

 これが受けるダメージをこれの攻撃力と同じ値だけ減少させる。

 召喚時、自分の盤面のエンティティカード全てを手札に戻す。その後、自分の攻撃力を手札に戻したエンティティカードのコストの合計値の半分(端数切り捨て)だけ加算する。

 攻撃時、①と②の効果の中からランダムに1つ発動する。

 『①自分の手札に【獅子の猛撃】を1枚加える』

 『②自分の手札に【獅子奮迅】を1枚加える』

 

 相手の盤面にエンティティカードがありませんので、せっかくの『猛進』が活かせないのは、残念ですが。

 しかし、盤面に残れば2回も攻撃できますし、その上でダメージ軽減もあります。

 

 攻撃力が1なので、攻撃できたところで、ソーサラーへの直接ダメージは相手のダメージ軽減で0に抑えられてしまう結果にはなりますが……それでも、カウントは一気に2つも進むので、おそらく無視しづらいでしょう。

 

 あまり、自信があるわけではありませんが。

 ……きっと、様子見としては悪く無さそうなカード、ではないでしょうか……?

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