※香澄視点です。
「それじゃあ、まずは手札のカードを公開するよ!」
「公開するカードは【アッシズ・ラー】」
……3ターン目の動きは、手札のカードの公開から始まりました。
公開されたカードは【不沈の太陽アッシズ・ラー】という名前のカードで、これは、水無川さんのレジェンダリーカード、ですね。
効果としては、こんな感じです。
【不沈の太陽アッシズ・ラー】
コスト10。エンティティ。レジェンダリー。攻撃力10、体力10《分類:砂塵の太陽》
自分のターン中、手札にあるこのカードは任意のタイミングで公開してよい。
手札にあるこのカードが公開されたとき、領域に【永劫の太陽】を1枚設置する。
自分のターン終了時、手札にあるこれが既に公開されているなら、お互いの盤面のエンティティ全てに2ダメージを与える。その後、自分の手札にあるカードを1枚除外しても良い。この効果でカードを除外したなら、自分のソーサラーに『次に受けるダメージを0にする』を付与する。
召喚時、お互いの盤面のエンティティ全てに10ダメージ。
自分のターン終了時、これ以外にお互いの盤面にエンティティカードが存在しないならこの試合に勝利する。これ以外にエンティティカードが存在していたなら、代わりに、これは『不可侵』を持ち、お互いの盤面のエンティティ全てに10ダメージを与える。
……そして。公開時効果によって、夏の日差しですらも比較にならないような。まるで、全てを焼き尽くしてしまうのではないかと思えるほどに、大きく眩しい太陽が、空へと浮かび上がります。
【永劫の太陽】
コスト0。フィールド。ファントム。《分類:砂塵の太陽》
お互いのソーサラーは、自分の盤面に攻撃力4以下のエンティティを召喚する時、それが『拙速』や『神速』を持っていないなら、それに『これが受けるダメージは2倍になる』と『拙速』を付与する。また、それが元から『拙速』を持っていたなら、代わりに『これが受けるダメージは2倍になる』と『神速』を付与する。
お互いのソーサラーは、カードを1枚引くたび、1のダメージを受ける。
お互いのソーサラーは、自分のターン終了時、体力を2回復する。
……えっと、【不沈の太陽アッシズ・ラー】の公開中に発揮する、お互いの盤面へのダメージと、フィールドカードの【永劫の太陽】で低攻撃力エンティティ召喚に反応しての『拙速』と『神速』の付与、それからドロー反応ダメージなどによって、試合を高速化するデッキ……というのが、水無川さんのデッキの特徴です。
もしかして、ここから体力の削り合いを狙っている……と、いうことなのでしょうか。
あるいは、それとも単に。条件付きではありますが、自分のソーサラーに『次に受けるダメージを0にする』を付与する効果や、ターン終了時に体力を回復する効果を狙って……ということなのでしょうか。
「次。マジックカードの使用を宣言する」
「使用するのは、【博愛の慈悲】」
……そして。
使用されたのは、月城先生のデッキのレジェンダリーカードで、そして、コスト3のマジックカードです。
つまり、このターンに使えるコストを、あの1枚で全て使い切った形になりますね……。
効果としては、領域に【審判の雷雲】というフィールドカードの設置と、それから、デッキに【再臨せし全知】を加えるというような感じのものだった気がします。
が、しかし。フィールドカードはもう設置可能な空きがないので、【審判の雷雲】は墓所へと送られて行きます。
……月城先生のデッキは、条件を満たしていたエンティティカードに《罪禍の刻印》という分類を付与して、それから【審判の雷雲】でターン終了時にそれを自動的に破壊。そして、その破壊が起こったターンに【再臨せし全知】のコストが変動して……というのが特徴です。
しかし、おそらくですが。
あのデッキに《罪禍の刻印》を相手カードに付与できるカードは、無い……のではないかと、思います。
そして、もしもそうだとすれば。【審判の雷雲】は何もしないカードにしかならないので……こうして墓所のフィールドカードの種類稼ぎの足しとして運用したのは、納得できるような気がします。
「これで、こっちはターンを終了するよ!」
「……ターン終了時、【アッシズ・ラー】の公開中効果を使用することを宣言する」
……テロスさんとアルケーさんは、どうやら、これでターンを終了するようでして。ターン終了の宣言がなされ……自動的に発動する、ターン終了時効果が起動して行きます。
まず、【侵食の大地】の効果。
【原生の捕食者】1枚が、向こうの盤面に1枚、出現します。
そして、【不沈の太陽アッシズ・ラー】の効果。
お互いの盤面のエンティティカード全てに2ダメージが与えられますので……私の盤面の2枚の【アルレシャ】さんや、【無名の魔女】が破壊され、そして先ほど出てきたばかりの、向こう側の【原生の捕食者】も破壊されて行きます。
さらに、追加で任意で発動する【不沈の太陽アッシズ・ラー】の効果。
手札のカードを1枚除外して、自分のソーサラーに『次に受けるダメージを0にする』を付与するというもの。
これで、向こうの手札のカードが6枚に、なりまして。
それと同時に、なんだか半透明な壁のような……バリア、とでもいうのでしょうか。そんなものが、アルケーさんとテロスさんを守るかのように現れました。
……それから、フィールドカード【永劫の太陽】の効果。
向こうのソーサラーの体力が2回復しまして。体力は24になりました。
これで、ターン終了時の効果は終わり……と、思った瞬間。
今度は、向こうのデッキからカードが1枚現れました。
──現れたカードは、フィールドカード【世界樹ユグドラシル】というカード、ですね。
確か、以前観に行ったプロの大型大会で惜しくも優勝を逃してしまった、凪宮選手という方のレジェンダリーカードで……。
確か、あれには『自分のターン中、自分のカードがゲームから除外されたなら、デッキにあるこれは領域へと設置される』という効果がありますから。
おそらく、その効果が『不沈の太陽アッシズ・ラー』のターン終了時効果の手札のカード除外に反応した、ということでしょう。
……しかし残念ながら、と言いますか。
向こう側の領域には空きスペースが無いので、領域には設置されることはなく。
【審判の雷雲】と同様に、そのまま墓所へと送られて行きました。
──そうして。
これで本当に、ターン終了時効果は終わり、のようです。
……ターンが移ってきましたので、カードを引きながら、考えます。
まず、一気に墓所のフィールドカードの種類が2種類も増えましたので。これで、向こうの墓所にあるフィールドカードの種類は5種類……ですね。
このままのペースなら、そこまで早くはないように感じますが、ターンが進むごとに使えるコストが増えるので……そこがどうなるでしょうか、といった感じです。
……と、そんなことを考えている間に。
ターン開始時効果が、起動しまして。
まず、【ルクバト】さんのランダム効果と、それからコスト減少。
コストが7になりまして。そうして、選ばれた効果は……。
……②の効果、でした。
②の効果ということは、手札に加わったカードはと言いますと……。
【極夜の意思】
コスト2。マジック。ファントム。《分類:極夜の魔女》
自分の盤面のエンティティ1枚を選択する。それを手札に戻し、自分のコストを3回復する。カードを1枚引く。
……盤面のカードを手札に戻して、コストが1回復するカード、ですね。ドローする効果もついていますから、なんとなく、①で加えるカードよりもお得感がすごい……ような気がします。
──そして、それと同時に。
向こうの盤面に、【無名の魔女】が1枚、出現します。
それから、ターン開始に合わせて、私の周りに浮かんでいる三つの弓に、それぞれ矢が自動的に番えられまして。
……その内の一つが、そのまま、矢を放ちました。
『次に受けるダメージを0にする』という効果が付与されていましたので、ダメージは与えられませんでしたが。
しかし、その、バリア……みたいなのは割れて消えました。
これで、ランダム発動の効果の起動が4回。
……つまり、次の次からは発動する効果が選べるようになる、ということです。
──そして、それから。
手札のカードは、今加えたカードを含めて9枚、ですね。
そろそろ、手札のカード枚数が上限になってしまいそうなので、そこも気をつけないと……です。