※香澄視点です。
あたしの4ターン目が始まって、そのターンの開始時。
あたしは、カードを引いて。そして、またあたしの周りを浮かぶ三つの弓に矢が装填され、相手の盤面に【無名の魔女】が1枚現れると同時に。【ルクバト】さんのランダム発動効果が発揮されます。
──が、しかし。
既に【エンドレス・プラネット】のコストが6になっているので、ここではランダムではなくて自分で選択することができます。
……そう、ですね。
現状、相手の盤面には【無名の魔女】が1枚しかありませんので、ここで相手の盤面にダメージを与えるカードである【人馬の一矢】を加える意味は、多分、あまりないと思います。
「……ターン開始時、【ルクバト】さんの効果で②を選択して、【極夜の意思】を1枚手札に加えます」
──あたしが、そう宣言すると同時。
手札には宣言通り【極夜の意思】が1枚加わり、そして【ルクバト】さんのコストが5へと低下。さらに、【エンドレス・プラネット】のコストが7へと上昇した後、先ほど装填されたばかりの矢が1つ、向こうのソーサラーへと飛んで行きました。
これで、こっちの手札の枚数が10枚になりまして、そして、向こう側の体力が残り19、です。
……そう、ですね。
今、ふと少し思ったのですが。今回は【不沈の太陽アッシズ・ラー】の手札除外と引き換えの1度限りの被ダメージ無効を使用してきませんでした。
そして、【綴じられた世界アカシック・インデックス】の効果で捨てたカードも、次の向こうのターン終了時には自動的に手札へと復帰する【叛乱の機構ルシフェル】を選択してのものでした。
……そう考えると、おそらくですが、向こう側にとって、『手札のカードを捨てる』や、『手札のカードを除外する』というのは、あまり気楽には支払えない代償なのかも知れません。
考えてみれば、今のところ。向こうは【綴じられた世界アカシック・インデックス】での勝利効果を狙っているような動きが多いように見えます。
仮に、ではありますが。そういう視点で見ると、『フィールドカード39種類』が必要です。そして、その数は。仮に、【綴じられた世界アカシック・インデックス】を除く全てのカードがそれぞれ異なるフィールドカードを生成するとして……全て使い切って、ようやくの数字です。
──ここまで考えて、ようやく。
自分の中での疑問がひとつ解消されたような気がします。
まあ、もっとも。
だからと言って、それであたしが何かできるというわけでもないのですが……。
……そうですね。
とりあえず、今は相手の動きをどうこうするよりも、自分のデッキを強く使うための動きを探すことに専念しましょう。
少なくとも、あたしよりもあっちの方が、あっちのデッキに対する理解度は上でしょうし。そんな状態で、憶測で妨害を狙うのは……あまりにも、リスクが高いと思います。
「……最初に、エンティティカードの召喚をします。そして召喚時効果は、①の選択を宣言します。──お願いします、【アルデバラン】さん」
自分でもよくわかるくらいの時間、ひたすらに悩んだ末。
あたしは、まずはコストが3のエンティティカードの召喚を行いました。
【極夜の金牛宮アルデバラン】
コスト3。エンティティ。攻撃力3、体力2《分類:極夜の魔女》
召喚時、①と②の効果の中からランダムに1つ発動する。
『①自分の手札に【金牛の邁進】を1枚加える』
『②自分の手札に【転彎抹角】を1枚加える』
これが盤面を離れる時、相手ソーサラーにこれの攻撃力と同じ値のダメージを与える。
……あたしの宣言の後。頭から二つの角を生やし、そして大きな牛に乗った《魔女》が、そこに現れました。
そして、手札に1枚のカード……【金牛の邁進】が、加わります。
【金牛の邁進】
コスト0。マジック。ファントム。《分類:極夜の魔女》
自分の盤面のエンティティカード1枚を選択し、それに『猛進』と『これが盤面から離れる時、自分のコストを1回復する』を付与する。
それから、召喚に反応して【エンドレス・プラネット】の効果でドローが行われますが……。
既に手札のカードが上限枚数の10枚に達しているので。【エンドレス・プラネット】の効果によって、それをそのまま捨てるか、その前に手札のカードを1枚捨てるかを選ぶ事ができます。
……そう、ですね。
ここは、手札のカードを1枚捨てて、次のカードを見た方が良さそうです。
捨てるカードは……使い道がかなり限定的なので、【アルレシャ】さんの効果で手札に加わった【優游涵泳】、でいいでしょう。
──それを捨てて、カードを引きます。
あとは、それから。【エンドレス・プラネット】のコストが8へと変化して。
さらに、あたしのそばにあった弓がひとつ、矢を放ち。
……向こう側のソーサラーへと、1のダメージを与えます。
一応、これで向こうの残り体力は18、ですね。
……削れてはいますが、まだまだ先は遠そうです。
「……次に、【アルデバラン】さんを対象に、【金牛の邁進】を使用します」
そして。つい先ほど【アルデバラン】さんの効果で手札へと加わったばかりのカードを、使用しまして。
「それから、【レグルス】さんを召喚します」
……残っているコストは1。
ですので、ここで【極夜の意思】を使うことはできません。
なので、その代わり、というのもまた違いますが、ここではちょうどコストが1の、【レグルス】さんの召喚を行います。
──そうすることで、まず。
召喚時効果で【アルデバラン】さんを手札へと戻しまして。
その後、手札に戻したエンティティカードのコストの合計値の半分を、端数を切り捨てた上で【レグルス】さんの攻撃力に加算しますので……これで【レグルス】さんの攻撃力は、2になります。
……さらに、【アルデバラン】さんの効果。
盤面を離れる時、相手ソーサラーに攻撃力と同じ値……つまり、3のダメージを与える効果が働きます。
ただし、相手にはダメージ軽減がありますから……今回は、2のダメージになりますね。
……これで、相手の残り体力は16です。
そこからさらに、【金牛の邁進】の効果でコストを1回復した後、【エンドレス・プラネット】でカードを1枚引きまして。
「……それから、【レグルス】さんで、【無名の魔女】に攻撃します。……攻撃時効果は、②を、選択します」
【レグルス】さんは『猛進』と攻撃時ランダム発動効果がありますから、それを活かします。
それで、②の効果で手札に加わるカードはと言いますと……。
【獅子奮迅】
コスト1。マジック。ファントム。《分類:極夜の魔女》
自分の盤面のエンティティカード1枚を選択し、それの攻撃力と同じ値だけ相手ソーサラーにダメージを与える。その後、それを手札に戻す。
ぱっと見ですが、おそらくかなり強いカードなので。ぜひ、このターンの最後の残り1コストで使いたいところではありますが……。
ただ、手札の枚数が10枚なので。これを手札に加えるには、カードを1枚、捨てる必要があります。
……そうですね。勿体無いですが、手札に【サダルメリク】さんを持っていますし、ここは【サダルメリク】さんの効果で手札に加えた【宝瓶の毒水】でいいでしょう。
……そうして、それを捨てて。
手札に、新しく【獅子奮迅】を1枚加え入れまして。
──【エンドレス・プラネット】のコストが9になり、そして、このターン最後の矢が、放たれていきます。
ただ、あたしのターン中に、相手の盤面のエンティティカードである【無名の魔女】が破壊されましたので。向こうの今の2枚目のフィールドカードである【彼方なる霊園】の効果が働きますから、その効果で。向こうの盤面に、【手向けの鐘】というカードが出現します。
【手向けの鐘】
コスト3。エンティティ。攻撃力0、体力2《分類:静寂の祈念》
これは攻撃できない。
これは攻撃されない。
自分のターン開始時、自分のソーサラーを2回復させ、自分の盤面のエンティティカード全ての体力を1回復する。その後、これの体力を-1する。
被破壊時、エンティティカードをデッキから1枚引く。
……ただ、残念ながら。あれは『攻撃されない』効果を持っているので、攻撃の当て先にはできません。
「……あとは、【獅子奮迅】で【レグルス】さんを手札に戻して……これで、ターンを終わります」
そして、あたしが、そのカードを使用した瞬間。
……大剣が放たれ、そして、【レグルス】さんは、盤面からいなくなります。
これで、こちらの手札は10枚。そして、相手のソーサラー体力が15、という形になりました。
そして同時に、【エンドレス・プラネット】から、新しいフィールドカードへと変化するまで、あと1回……でもあります。
いまいち自分のデッキのことをきちんとわかっている自信はありませんが。
それにしては、そこそこ上手いことやれている方、なのではないでしょうか……?