カードのテキストが長すぎます!   作:ピンノ

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※香澄視点です。



132話 石板あるいは天秤

 

 向こうのターンが終わりまして、それから、後攻6ターン目。つまり、こちらのターン……ですね。

 向こう側の動きが大きく変わりましたので、少しだけ、考えます。

 

 ……まず、先ほどのターン。

 向こうは、墓所のフィールドカードの数を増やすような動きを、ほとんどしていません。

 ですが、召喚したエンティティカードも、公開したカードも。どちらも、後々にフィールドカードの数を増やすような結果に繋がるカードではあります。

 

 ですから、盤面形成からの削り合いという方向性へと大きく方針を転換したというよりは、両面から勝ちへのパターンを作った……というのが正しい認識、なのかも知れません。

 

 ……と。

 まあ、これ以上考え込んでも仕方がありませんから。とりあえず、やれることをやって、手を進めてみる事にします。

 

 まずは、【ルクバト】さんの効果が発揮して。手札に2枚のカードが加わります。そして、それからドローをして。

 これで、手札のカード枚数は19枚……ですね。

 

 そして。その後。

 

 いつものように、三つの弓にそれぞれ矢が装填されまして。

 ……それから、そのうちの一つが放たれます。

 

 これで、向こうの体力は21です。

 直前のターンに大幅に回復されてしまったこともあって、削り切ろうとしたら、まだまだ大変そうな数字です。

 

 ……が、まあ。

 とりあえず、ソーサラーの体力については一度置いておいて。今は、向こうの盤面をどうにかしないといけません。

 

 

 「……カードの召喚をします。【ズベン・エル・ゲヌビ】さん」

 

 それで、色々と考えてみた結果。

 あたしが召喚したのは、コスト5のエンティティカード、です。

 

 そして、大きな天秤を持って盤面へと現れた【ズベン・エル・ゲヌビ】さんは。

 現れるや否や、その天秤を高々と掲げまして。

 

 その天秤から、眩しい光が発せられました。

 

 

 【極夜の天秤宮ズベン・エル・ゲヌビ】

 コスト5。エンティティ。攻撃力5、体力5《分類:極夜の魔女》

 召喚時、これ以外のお互いの盤面のエンティティ全ての体力を-5する。その後、自分の手札のカードを1枚デッキに戻し、それから①と②の効果の中からランダムに1つ発動する。

 『①自分の手札に【天秤の偏重】を1枚加える』

 『②自分の手札に【至公至平】を1枚加える』

 

 

 ……召喚時効果の、体力-5の効果によって。

 向こうの盤面のエンティティカードが、体力が6あった【延焼せし魔王の残滓】を除いた【残火】シリーズの全てが、破壊されていったようです。

 1度だけ受けるダメージを0にする効果や、能力ダメージを無効化する効果を持った【残火】もありましたが……体力を直接的にマイナスする効果は、ダメージではありませんから、防げなかったみたいです。

 

 あとは、それから。

 こちらの盤面に出現させてきた【罪業の石板】はと言いますと。こちらはあらゆる効果を無効化する特性である、『不可侵』を持っていますので。体力減算効果を、受け付けなかったようですね……。

 

 いっそ、これで体力の減算が通るのであれば、あと2回くらい同じことをして。被破壊時の相手ソーサラーへの勝利効果を発揮させて【インフィニティ・プラネット】でそれを無効化して手札に【可能性の萌芽】を加えてしまいたかったのですが、通らなかったものは、仕方がありません。

 

 そして、向こうの盤面のエンティティカードを破壊したことで。

 【罪業の石板】のコストが3になって、それから向こうのフィールドカードである【残火の戦場跡地】の効果によって、合計4のダメージが、あたしの方へと与えられます。

 

 ……その、向こう側が素直に破壊してくれるかは分かりませんが。

 いっそのこと、【罪業の石板】のコストを13にして、10ターン目に『不可侵』が剥がれるようにしてしまっても、いいかも知れません。

 

 

 えっと、それで。

 

 それからは、【インフィニティ・プラネット】の効果で召喚に反応したドロー効果が入って、手札の枚数が一気に3枚増えましたので。これで、上限枚数である20枚になりました。

 

 ……ちなみに。

 それらの効果が一通り発動した後に、カードを1枚選んでデッキへと戻しまして。そうして、手札に加わったカードはと言いますと。

 

 

 【天秤の偏重】

 コスト0。マジック。ファントム。《分類:極夜の魔女》

 自分の盤面のエンティティ1枚を選択する。その攻撃力を+2、体力を-2する。その後、相手の盤面の最も体力の低いランダムなエンティティカード1枚の攻撃力を+2、体力を-2する。

 

 【至公至平】

 コスト1。マジック。ファントム。《分類:極夜の魔女》

 自分の盤面のエンティティカード1枚を選択する。それがこのターン中にエンティティカードを破壊していたならその枚数と同じ値だけお互いのソーサラーにダメージを与える。その後、それを手札に戻す。

 

 

 なんとなく、2枚とも使い道がありそうなカード……だと思います。

 特に、【至公至平】については。せっかくなので、そのまま【ズベン・エル・ゲヌビ】さんを対象に使ってしまって、4ダメージ──えっと、ダメージ軽減を加味すると3ダメージですが……として、使ってしまいたいくらいです。

 

 あとは、それから。

 ランダム発動効果が発動したことにより、また矢が一つ放たれていきまして。向こうのソーサラーの体力を1減らしていきます。

 

 「……それから、コスト0の【獅子の猛撃】を、【ズベン・エル・ゲヌビ】さんを対象に選んで、使います」

 

 【獅子の猛撃】は、選んだエンティティカードに対してなんらかの効果が働くわけではありません。ただ、その攻撃力を参照して、3段階の効果のうちのどれかへと効果が変化する、というものですね。

 

 ──それで。【ズベン・エル・ゲヌビ】さんは攻撃力が5ですので、相手の盤面の最も攻撃力の高いエンティティからランダムに1枚を破壊する効果が働きます。

 ただ、攻撃力が最も高い、とはいっても。そもそも向こうの盤面には【延焼せし魔王の残滓】しか存在しませんので、必然的に、それが破壊されます。

 

 ただ、【延焼せし魔王の残滓】は、被破壊時にコストの変動を保持して手札に戻る効果がありますので、向こうがそうしようと思えば、またあれを召喚することができます。

 

 ……が、まあ、手札に加わってしまうのは仕方がありませんし、とりあえず。

 少なくとも、これで向こうの盤面は、これで一掃できましたから、一旦はこれでいいのではないでしょうか。

 

 そして、【残火の戦場跡地】や【罪業の石板】の破壊に反応する効果は……ターン毎に回数制限がありますので、今回は発動しませんでした。ダメージはともかく、【罪業の石板】のコスト上昇はむしろして欲しいのですが……そんなことは、言っても仕方のないことですね……。

 

 

 「最後に、コスト0で【至公至平】を使います。……対象は【ズベン・エル・ゲヌビ】さん、です」

 

 それで、残りのコスト1も、使い切りまして。

 その効果によって、【ズベン・エル・ゲヌビ】さんを手札に戻して……それから、向こうのソーサラーへと3のダメージ、そしてダメージ軽減効果を特に持っていないこちら側へと、4のダメージが与えられます。

 

 「……これで、ターンを終わります」

 

 そして、ターンの終了時。

 【残火の戦場跡地】の効果で、こちらの盤面にエンティティカードが1枚ありますから、その数……つまり、1の回復が入りまして。

 ……それで、ターンは終了です。

 

 つまり、これで。

 向こうの体力が17。そして、こちらの体力は38。

 あとは、【インフィニティ・プラネット】のカウントしている、『これまでに自分が使用した《分類:極夜の魔女》を持つマジックカードの種類』が9つ、といったところです。

 

 ……残り体力に関しては、結局、なんだかんだで大分削られてしまったような感じがしますから、なんとも言えませんが。

 盤面の処理はできましたし、【インフィニティ・プラネット】のカウント数もいい感じに稼ぐことができていますので、まあまあ順調……と、言えるかも知れません。

 

 ……が、まあ。ただ、ひとつ。

 

 このターン、ランダム発動効果が2回しか発揮されませんでしたので、矢が一つ残ってしまいました。仕方がないとは思いますが……その、少し勿体無いような、気がしますね……。

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