カードのテキストが長すぎます!   作:ピンノ

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※香澄視点です。



36話 地図あるいは銀世界

 

 自分の『ファントムカード』はいつでも見ることができるので、それも見ながら考えまして。

 

 結局、3枚の《契約精霊》はそのままに、残りの2枚を引き直した結果、手札は《契約精霊》が4枚と【惑う占星】という形になりました。

 

 一方で、それに対して雪菜さんは、少し考えた後、5枚全部を引き直しています。

 

 ……ちなみに、4枚の《契約精霊》の内訳としましては、【水】と【地】が1枚ずつと、【冥】が2枚、です。

 

 まず、新しく手札に加わった【惑う占星】については、こんな感じです。

 

 【惑う占星】

 コスト4。マジック。《分類:遊星の魔法少女》

 【リペインテッド・プラネット】を生成し、設置する。その後、デッキからランダムな《分類:契約精霊》か《分類:遊星の魔法少女》を持つエンティティを2枚手札に加える。

 

 えっと、では、続いて、《契約精霊》のも合わせて『ファントムカード』の方も見ていきます。

 

 ──と、その前に、先に説明を挟みますが、『拙速』という効果がありまして、これは、盤面に出て来たばかりのターンでも攻撃できる、『神速』という効果の下位互換です。

 どう下位互換なのかと言いますと、『拙速』は、盤面に出て来たばかりのターンに攻撃をしようとすると、その攻撃をしている間だけ、攻撃力が半分(端数切り捨て)になります。

 

 例えば、攻撃力が15のエンティティで『拙速』を持っていた場合、盤面に出て来たターンに攻撃すると、その時だけ、攻撃力は7として扱われる、という感じですね。

 

 ……と、まあそんな感じで。

 では、『ファントムカード』の効果を並べていきます。

 

 【リペインテッド・プラネット】

 コスト6。フィールド。ファントム。《分類:遊星の魔法少女》

 お互いのソーサラーは、自分のカードの効果によって手札にカードを加えた時(カードを引く効果には適用しない)、加わったカードがマジックなら自分の体力を1回復する。

 ターン中に1度まで、お互いのソーサラーは、自分の召喚するエンティティが『召喚時、相手の盤面のカード1枚にこれの攻撃力と同じダメージを与え、次の自分のターン開始時まで『防衛』を持つ』を持つものとして良い。

 お互いは自分の盤面に同一の《分類》を持つエンティティが4枚以上並んでいたなら、それらはターン終了時、攻撃力と体力を+1して、『次の自分のターン開始時まで受けるダメージを-1する』を持つ。

 

 

 【水の魔法少女マーキュリー】

 コスト2。エンティティ。ファントム。攻撃力2、体力1《分類:遊星の魔法少女》

 自分のターン終了時、【マーキュリー・アクセル】を1枚手札に加える。

 

 

 【マーキュリー・アクセル】

 コスト1。マジック。ファントム。《分類:遊星の魔法少女》

 自分の盤面の《分類:遊星の魔法少女》を持つエンティティ1枚を選択し、それに『拙速』を付与する。

 

 

 【地の魔法少女アース】

 コスト8。エンティティ。ファントム。攻撃力2、体力5《分類:遊星の魔法少女》

 『防衛』

 『拙速』

 召喚時、自分の盤面の《分類:遊星の魔法少女》を持つエンティティの体力を最大まで回復する。

 自分のターン終了時、【アース・リビルド】を1枚手札に加える。

 

 

 【アース・リビルド】

 コスト7。マジック。ファントム《分類:遊星の魔法少女》

 自分の盤面の《分類:遊星の魔法少女》を持つエンティティすべてを2回復する。

 その後、墓所に《分類:遊星の魔法少女》を持つエンティティがあるなら、ランダムに5枚まで盤面に出現させる。

 

 

 【冥府の魔法少女プルト】

 コスト4。エンティティ。ファントム。攻撃力4、体力4《分類:遊星の魔法少女》

 『防衛』

 『拙速』

 召喚時、相手の盤面のエンティティ1枚を選択し、破壊する。

 自分のターン終了時、【プルト・タルタロス】を1枚手札に加える。

 

 

 【プルト・タルタロス】

 コスト4。マジック。ファントム《分類:遊星の魔法少女》

 自分の盤面の、まだ攻撃を行っていない《分類:遊星の魔法少女》エンティティすべてを手札に戻す。その後、その合計コストを最大値とした中で、最もコストの高いランダムな相手の盤面のエンティティ1枚を破壊する。

 

 

 ……フィールドについては一旦置いておきまして。

 《契約精霊》はターン終了時に、対応する《魔法少女》を手札に加えます。

 そして、《魔法少女》はターン終了時に、対応するマジックカードを加えます。

 

 その、何と言いますか、ややこしい……ですね。

 

 基本的な挙動は似通っているのに、役割がおそらく全然違うので、どれを優先するかを、多分しっかり考える必要がありそうな気がします。

 

 

 「──さて、準備はいい?」

 

 向かい合って椅子に座る雪菜さんが、聞いてきました。

 

 「……えっと、はい、たぶん……大丈夫です」

 

 「そ、じゃあ、まずは私のターンね」

 

 まずは、雪菜さんは、綺麗な青くて小さい石を1つ、テーブルの自分側のところ、正確には、『未使用コストゾーン』と呼ばれる場所に置きます。

 

 ……これは、ただの石ではなく、そのターンに使用可能なコストを表しています。

 

 

 そうして始まった雪菜さんの番ですが、しかし、手札のカードに手を触れる気配がありません。

 

 「……パスよ。何もしないでターンを終わるわ」

 

 ……5枚引き直していることも考えて、もしかして、イマイチ引きが悪いような感じなのでしょうか?

 

 「えっと、あたしのターン……ですね」

 

 ……さて、どうしましょうか。

 『未使用コストゾーン』に青い石を置きながら、考えます。

 

 《契約精霊》は、全部1コストなので、手札には4枚出せるカードがあることにはなりますが……。

 

 ……どれを、出すのがいいのでしょうか。

 

 やっぱり、無難に低コストのカードを加えるのから順番に出していけばいい……ですかね……?

 まあ、すぐ使えないカードを手札に加えても……では、あると思います……ので。

 

 「えっと、コスト1を消費して……【水の契約精霊】を召喚、します」

 

 石を1つ、『使用後コストゾーン』と呼ばれる場所に移しまして、手札から、カードを1枚、盤面に置きます。

 

 置いた後は、『バトルログ』と書かれた画面が表示されたタブレット端末の、『後攻:召喚カード』の欄に【水の契約精霊】と入力します。

 

 「……そして、このカードは『ファントムカード』を生成する効果を持っていますので、関連する『ファントムカード』の共有を、します」

 

 続いて、『イミテーション』では、テキストに記載されている『ファントムカード』がある場合、それを公開する決まりがあります。

 

 『ファントムカード』の山から、【水の魔法少女マーキュリー】と【マーキュリー・アクセル】を抜き出して、表面にして、『公開ファントムカードゾーン』と呼ばれる場所に置き直します。

 

 雪菜さんは、既にカードの効果を把握しているのか、チラッと目を向けただけでしたが。

 ……ここに置かれているカードは、お互いに、手に取ってカードの効果を見ることができます。

 

 「えっと、これで、ターンを終わります」

 

 先程置いたカードから、【水の魔法少女マーキュリー】を1枚手札に加えまして。

 これで、あたしのターンは終了です。

 

 「じゃ、私の番ね」

 

 雪菜さんは、青い石をまた1つ置きまして。

 それから続いて、カードを1枚、デッキから引きます。

 

 そうして、2ターン目。

 

 「コスト1で【雪山の地図】を使うわ」

 

 ……それは、カードの場所からして、ついさっき引いたカードのようでした。

 

 タブレット端末の『先攻:使用マジック』の欄に、雪菜さんがカードの名前を入力していきます。

 

 【雪山の地図】

 コスト1。マジック。《分類:氷晶の銀世界》

 自分の手札のカード2枚をコストの低い順にデッキに戻す。その後、デッキから最もコストの高いカードをランダムに1枚手札に加える。

 

 墓所に置かれる前に、カードをお借りしまして、効果を読みます。

 

 えっと、序盤にはちょっと使いづらそうなカードに見えますが……。

 

 雪菜さんは、カードをデッキに戻して、それから、デッキのカードを全部見ながら、コストの1番高いカードを探します。

 

 『イミテーション』は物理的なカードであり、こういう時に不正をしようと思えばできてしまうので、本当であれば、ジャッジの人が確認している中でやるものではあるのですが、いないので仕方がありません。

 

 まさかあたしが確認するわけにもいかないので、今日ここでは、お互い不正はしないものとして信じ合うしか無いのです。

 

 「じゃ、シャッフルお願い」

 

 ……そうして、デッキからカードを加え終わって、その後シャッフルも済ませた雪菜さんは、あたしにデッキを手渡してきます。

 

 シャッフルをする時は、お互いの手で、というのが、『イミテーション』の基本ルールです。

 

 疑っているわけではありませんが、ルールなので、軽くシャッフルをしてから、返却します。

 

 ……こうして、デッキからカードをサーチ……特定の条件に当てはまるカードを探して手札に加える行為などでの、デッキを操作した際に必要な処理を終えまして。

 

 雪菜さんの手札のカードの枚数は4枚になりました。

 

 そして。

 

 「【雪山の地図】で加えた、コストの最も高いカード……【銀世界の主エターナルブリザードドラゴン】を公開するわ」

 

 『公開手札ゾーン』に置かれたそのカードは。

 特有のホログラム加工がされたそのカードは、まさしく、《氷晶の銀世界》デッキの、レジェンダリーのカードでした。

 

 ……なるほど、です。

 あのレジェンダリーは、コストが30と、非常に高いです。

 ──つまり、【雪山の地図】は、【銀世界の主エターナルブリザードドラゴン】を、確定で手札に加えられるカード、というわけなんですね。

 

 今そのカードを手札に加えた意図までは分かりませんが……。

 きっと、何か、意味があるのでしょう。

 

 

 ……領域に、【吹き荒れる銀世界】、『公開ファントムカードゾーン』に、【銀の双眸】と【銀の抱擁】……2枚のマジックカードが、雪菜さんの手で置かれていきます。

 

 ……。

 

 ……えっと、すみません、ターン終了の前に、ちょっと、カードのテキストを確認しても……よろしいでしょうか……?

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