カードのテキストが長すぎます!   作:ピンノ

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※香澄視点です。



37話 忙殺あるいは封殺

 

 テキストの確認を終えまして、【銀世界の主エターナルブリザードドラゴン】の効果については、大雑把に、わかりました。

 

 つまり、公開してあれば、毎ターン手札にカードが2枚加わって、それでこう……相手のエンティティにダメージを与えたりデバフを付与したりできる、みたいです。

 

 えっと、後は……あ、そうです。

 勝利条件が、お互いの盤面が《分類:氷晶の銀世界》を持つエンティティで満たされていること、だったと思います。

 

 

 ……それで、あたしはどうすればいいのでしょうか。

 

 とりあえず、盤面を埋めないように気をつければ、何とかなる……のでしょうか?

 

 「……あ、すみません、ありがとうございました」

 

 とりあえず、長々と読み続けるのも申し訳ないので、カードをお返しします。

 

 「──ん、もういいのね。じゃあ、ターンを終わるわ」

 

 雪菜さんは、『ファントムカード』を含めた4枚のカードを受け取ると、ターンの終了を宣言しました。

 

 「……で、ターンが終わるからフィールドの【吹き荒れる銀世界】の効果で自分の盤面と領域にある《分類:氷晶の銀世界》を持つカードの枚数と同じ数……つまり、【吹き荒れる銀世界】の1枚分だけ、あんたの盤面の《分類:氷晶の銀世界》を持たないランダムなエンティティ……まあ、あんたの盤面には【水の契約精霊】しかいないから、それに1ダメージを与えるわ」

 

 【水の契約精霊】は体力が1しかありませんので、1のダメージで破壊されてしまいます。

 

 まあ、どっちみち《契約精霊》は自分のターン開始時に自壊する効果を持っているので、あまり意味はないのですが……。

 

 とりあえず【水の契約精霊】を墓所へと移して、タブレット端末の『後攻:被破壊カード』の欄の中の、『破壊カード』のところに【水の契約精霊】、そして、同じ欄の『破壊要因』のところに【吹き荒れる銀世界】と入力します。

 

 

 「……えっと、他には何か、ありますか?」

 

 入力を終えたら、確認をします。

 

 

 「……そうね、特にないわ」

 

 あたしの確認に、雪菜さんが答えました。

 

 ……『イミテーション』を行う際は、とにかく確認が大事だそうです。

 ですので、しっかりと、確認を持った上での行動を心がけます。

 

 「は、はい……えっと、あたしのターン、です」

 

 えっと、まず青い石を『使用済みコストゾーン』から『未使用コストゾーン』に戻しまして……次に『未使用コストゾーン』に、青い石を追加します。

 

 そうしたら、カードを引いて、これで手札の枚数は6枚です。

 

 引いたカードは……マジックですね。

 【蛇印の共鳴】というカードです。

 

 【蛇印の共鳴】

 コスト13。マジック。《分類:星辰の魔女》

 手札とデッキのこのカードは、自分の盤面の《分類:遊星の魔法少女》と《分類:契約精霊》を持つエンティティが破壊された枚数の数だけコストを-1する。

 自分の盤面の《分類:遊星の魔法少女》を持つカードが1枚以上なら、《分類:遊星の魔法少女》を持つ全てのカードの攻撃力を+1する。

 2枚以上ならそれらは『猛進』を持つ。

 3枚以上ならそれらは攻撃力をさらに+1し、代わりに体力を-1する。

 4枚以上なら、『被破壊時、自分と相手のソーサラーに1ダメージを与える』を持つ。

 5枚なら、それらを即座に全て破壊する。

 

 

 分類名が妙ですね……。

 別なデッキから紛れ込んでしまったのでしょうか?

 

 ……と、いう冗談はさておきまして。

 

 5枚あるなら全体自壊、というのは明らかなデメリットですが、もしかしたら《氷晶の銀世界》相手なら有効だったり……するのでは、ないでしょうか?

 

 えっと、ただ、使えるようにするには《分類:遊星の魔法少女》、もしくは《分類:契約精霊》を持っているエンティティが破壊される必要があるっぽいので……しかし、積極的にエンティティを出していったら盤面が埋まってしまいますし、どうしたらいいのでしょうか?

 

 

 ……まあ、考えても分かりませんので。

 とりあえず、【水の魔法少女マーキュリー】でも召喚しましょう。

 

 「……えっと、コストを2支払って、【水の魔法少女マーキュリー】を、召喚します」

 

 石を2つ動かしまして、これで、このターン中使用可能なコストは残り0です。

 『後攻:召喚カード』の欄にも、しっかりと入力を行いました。

 

 「……そのまま、ターンを終わります」

 

 

 ……。

 

 ……?

 

 あたしが、やり切った、と思って待っていると。

 雪菜さんは、まるで、何かを待つように、ターンを始めようとしてくれません。

 

 「……ターン終了時効果」

 

 あたしが困惑していると、ぼそりと、小さい声で、雪菜さんが呟きます。

 

 

 ……あ、そうでした……。

 

 「……えっと、すみません。【水の魔法少女マーキュリー】のターン終了時効果で、あたしは【マーキュリー・アクセル】を1枚手札に加えます……」

 

 少し、いえ、かなりの気まずい気持ちを隠しながら。

 あたしは、【マーキュリー・アクセル】を『公開ファントムカードゾーン』から1枚、手札に加えました。

 

 「……後はないかしら?」

 

 言われて、改めてテーブルの上を見渡しますが……多分、大丈夫です。

 

 「あ、はい。えっと、以上です」

 

 「──じゃあ、私のターンね」

 

 雪菜さんは、淀みのない動作で、『未使用コストゾーン』の青い石を3つにします。

 

 「……まず、公開している【銀世界の主エターナルブリザードドラゴン】の効果で【銀の双眸】と【銀の抱擁】を加えるわ」

 

 そして、そう言いながら、雪菜さんはカードを2枚、手札に増やします。

 

 「で、カードを引くわ」

 

 さらに、デッキからカードを1枚引きまして。

 一気に3枚増えたことで、『公開カードゾーン』にある例のレジェンダリーも含めて、手札の枚数は7枚になりました。

 

 「最初に【ホワイトラット】を召喚するわ」

 

 青い石を『使用済みコストゾーン』に移して、【ホワイトラット】を盤面へと置いて。

 そして、タブレット端末への入力も、雪菜さんはそのままの流れで済ませてしまいます。

 

 【ホワイトラット】

 コスト1。エンティティ。攻撃力0、体力2《分類:氷晶の銀世界》

 『不可視』

 攻撃時、戦闘相手の攻撃力を-1する。

 

 

 ……えっと、イラストは、幻想的な白いネズミで、可愛いですね。

 

 「次に【銀の抱擁】を【水の魔法少女マーキュリー】に向けて使用するわ」

 

 さらに青い石を1つ動かしまして、使用したのはマジックです。

 

 タブレット端末の操作を終えた後、雪菜さんは、『1』と書かれた赤い小さなプレートを、【水の魔法少女マーキュリー】の上に置きます。

 そして、さらに、『付与分類:氷晶の銀世界』と書かれたプレートも、同様に、カードの上へと置きました。

 

 ……えっと、この赤い小さなプレートは、『変化後の攻撃力』を意味していまして、他にも、色違いの青バージョンも存在します。

 

 青バージョンは、同じような意味ですが、攻撃力ではなくて体力の方を、表します。

 

 ……今更ではありますが、『イミテーション』を本格的にやる場合、デッキを作るだけでなく、タブレット端末や、こういった小物類も集める必要がありますので……その、世間的には、中々、手を出しづらい印象が強い部分もあります。

 

 『ファントムビルド』の効果を最大限再現するためなのは分かりますが、大量の『ファントムカード』と言い、集めるのがちょっと……いえ、何でもないです。

 

 ……こうしてすぐ関係ないことを考えるのは、直していかないと、ですね。すみません。

 

 「これで、ターンは終わりよ。で、ターン終了時、あんたの盤面に《分類:氷晶の銀世界》を持つエンティティが1枚だけいるから、【銀世界の主エターナルブリザードドラゴン】のコストを1だけ下げるわ」

 

 言い終わると、雪菜さんは、『-1』と書かれた黒いプレートを、『公開カードゾーン』にあるそのカードの上に、乗っけます。

 

 「これで、ターン終了時の処理は終わりよ」

 

 ……えっと、《吹き荒れる銀世界》の効果は……と、思いましたが、そうでした。

 

 あれは、《分類:氷晶の銀世界》を持たないエンティティにダメージ、なので、つまり、今は対象がいないのです。

 

 「……あ、はい。えっと、あたしのターン、ですね」

 

 ……青い石を3つ手に持ちながら、考えます。

 

 このままでは、おそらく【水の魔法少女マーキュリー】は攻撃力が0になって、置物と化すことになる、でしょう。

 

 一応、ターン終了時に【マーキュリー・アクセル】を加える効果があるので、ただの置物というわけではありませんが……。

 

 

 ……ううん、その、これって、一体、どうしたらいいんでしょうか……?

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