カードのテキストが長すぎます!   作:ピンノ

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※香澄視点です。



38話 円滑あるいは停滞

 

 少し考えてみましたが、解決策なんて何もわかりません。

 

 ……ですので、現実逃避も兼ねて、ターン開始前の処理を終えたあたしは、とりあえずカードを1枚引きます。

 

 引いたカードは……。

 

 【蛇使いの魔女ラサルハグェ】ですね。

 ──引き直しの時にデッキに戻したカードとは違うやつですが、同じ名前のカードです。

 

 ……まあ、同じ名前のカードなので、当然効果も全く同じなのですが。

 

 えっと、では何が違うかと言いますと、スリーブの表面に、印が付いているんです。

 具体的には、全く同じ形の印が、色違いで赤、黄、青、というようにプリントされています。

 

 もっと正確に言うと、触った時にわからないようにすることと、劣化によって色が剥がれてしまわないように、スリーブの内側に印刷されていたりするのですが……まあ、それは一旦置いておきまして。

 

 ……どうしてそんなものがあるのかと言いますと、『カードをデッキに戻して、そのカードに何かしらの効果を付与する』といったような効果があった時に、どれがどれかわからなくなってしまうことを防止するため、です。

 

 もっとも、【蛇使いの魔女ラサルハグェ】の効果は、自身をデッキに戻す効果こそありますが、付与する効果の対象は同名カード全てに対して、なので、この印が今回活用される、と言うわけではありませんが……。

 

 ……とりあえず、考え事は一旦ここまでにしまして。

 【蛇使いの魔女ラサルハグェ】の効果は自動的に発動する効果なので、必ず発動させる必要がありますから、最優先で効果処理をしなければいけません。

 

 「……えっと、手札のカードを公開します。公開するカードは、【蛇使いの魔女ラサルハグェ】です」

 

 まずは、カードを、『公開手札ゾーン』に、一旦置きます。

 

 

 ……続いて、【解き放たれた意思】というカードを、『ファントムカード』の山から探し出して、『公開ファントムカードゾーン』に置きます。

 

 【解き放たれた意思】

 コスト0。マジック。ファントム《分類:遊星の魔法少女》

 自分のデッキと墓所と手札の《分類:契約精霊》、《分類:星辰の魔女》を持つカード全てはゲームから除外される。この効果によってデッキと手札から除外した《分類:契約精霊》があるなら、それに対応する《分類:遊星の魔法少女》カードを生成し、デッキに加える。その後、これの効果によって除外された手札のカードの枚数と同じだけカードを引く。

 自分のソーサラーに『自分のターン中に1度だけ、『拙速』を持つカードを1枚まで選択し、それの持つ『拙速』を『神速』に変えてもよい』と『《分類:遊星の魔法少女》を持つエンティティを召喚した時、それの攻撃力と体力を+2する』を付与する。

 自分のデッキと手札に《分類》を持たないカードがあるなら、その全てのコストを10にする。

 

 

 【蛇使いの魔女ラサルハグェ】が破壊されないと手札に加えることのできないカードですが、多分強い効果だと思います。

 

 「……えっと、公開するカードは以上です」

 

 カード本体と、関連するカードの公開を終えたので、その旨を宣言します。

 

 「ん、わかったわ」

 

 雪菜さんは、カードを手に取って読むことはせず、あっさりとそう言いました。

 

 

 ──もしかして、カードの効果を全部暗記してるっていうことなのでしょうか……?

 

 内心戦々恐々としながらも、【蛇使いの魔女ラサルハグェ】の公開した時の効果で、デッキからランダムな《契約精霊》カードを手札に加えます。

 

 ……ですので、デッキからまず《契約精霊》カードを抜き出しまして。

 そこからシャッフルをした後、そこから1枚、雪菜さんに引いてもらいます。

 

 そうして引いてもらったカードを手札に加えたら、またそれらをデッキに戻します。

 

 「……えっと、公開したカードも戻しますが、その……いいですか?」

 

 【蛇使いの魔女ラサルハグェ】は、公開した後にデッキに戻る効果がありますので、『公開手札ゾーン』から、移動します。

 

 そのため、カードの効果をちゃんと共有できているか確認する必要があるのですが……。

 

 「大丈夫よ」

 

 ……まあ、必要無さそうだと思っていても、確認はすることそのものに意味がありますので。

 

 【蛇使いの魔女ラサルハグェ】をデッキに戻して、ここで、シャッフルもします。

 

 ──お互いの手によるシャッフルを終え、そして、タブレット端末の『後攻:デッキ付与効果』の欄にも記入しまして。

 ……これでようやく、一連の処理が終わりました。

 

 ……では、改めまして、手札のカードを見ましょうか。

 

 どうやら、新しく加わったカードは【火の契約精霊】のようですね。

 他の《契約精霊》と同じような効果で、【火の魔法少女マーズ】を加えるカードです。

 

 やはり、《契約精霊》は、それ単体ではよくわかりません。

 

 ですので、『ファントムカード』の山から、関連するカードを探して、見てみます。

 

 【火の魔法少女マーズ】

 コスト4。エンティティ。ファントム。攻撃力4、体力2《分類:遊星の魔法少女》

 『拙速』

 自分のターン終了時、【マーズ・ブレイズ】を1枚手札に加える。

 

 【マーズ・ブレイズ】

 コスト2。マジック。ファントム《分類:遊星の魔法少女》

 相手の盤面の古い順に、合計4ダメージを自動で振り分けて与え、余った分のダメージを相手ソーサラーに与える。

 

 ……ダメージを与える系のカード、っていう感じですね。

 ──何となく、悪くなさそうな気がします。

 

 「えっと、盤面の【水の魔法少女マーキュリー】で攻撃します。……攻撃対象は、ソーサラー、です」

 

……とりあえず、コストを使うのもいいですが、忘れないうちに、元々盤面にあるカードでの攻撃だけしてしまいます。

 

 攻撃対象としては、雪菜さんはまだ盤面にエンティティがいないので……必然的に、ソーサラーへと直接攻撃をすることになります。

 

 タブレット端末の、『先攻:残りHP』の数字を、1減らして24にします。

 

 

 ……攻撃処理も終えたので、カードを使っていきましょう。

 

 ところで、先に攻撃するのと、カードを使うのではどっちが先の方がいい、とかってあるのでしょうか……?

 

 ……いえ、今はあんまり関係ない、ですね。

 

 

 「……えっと、コストを1使って【火の契約精霊】を召喚します」

 

 石を1つ動かして、カードを盤面に置きます。

 『ファントムカード』の公開や端末への入力などといった召喚時の処理もしっかり行いまして、とりあえず、残った石は2つになりました。

 

 ……他にできそうなことといえば、《契約精霊》をあと2枚召喚するか、【マーキュリー・アクセル】を使うかですが……【マーキュリー・アクセル】を使える対象が、今のところ【水の魔法少女マーキュリー】しかいない状態なので、使っても意味がありません。

 

 「残ったコストで、【地の契約精霊】と【冥の契約精霊】を1枚ずつ召喚します」

 

 結局、2枚のカードを召喚して、ターンを終えることにしました。

 

 「……これで、ターンを終わります」

 

 追加の2枚分の召喚処理を終えて、ターンを終了します。

 

 「えっと、それで、ターン終了時に……【火の魔法少女マーズ】と、【地の魔法少女アース】、【冥の魔法少女プルト】を、手札に加えます」

 

 宣言したカードを3枚、『公開ファントムカードゾーン』から手札に加えまして……後は……あ、また忘れるところでした。

 

 「……あっと、それから、【水の魔法少女マーキュリー】の効果で、【マーキュリー・アクセル】も、手札に、加えます」

 

 ちょっと順番がおかしくはなってしまいましたが、ギリセーフということで見逃してもらいましょう……。

 

 あたしの手札の枚数は、これで、8枚です。

 

 ……既に2枚あることもあって、その、なんだか、今後増殖していく【マーキュリー・アクセル】で手札が圧迫されていきそうな気がするのですが……その、気のせい、でしょうか……?

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