※香澄視点です。
ターンが移りまして、雪菜さんのターンです。
ターン開始時に発動する効果を含めた処理を終えまして、雪菜さんの現在の手札の枚数は、8枚です。
4ターン目なので、コストを青い石の数も4つ、ですね。
「コスト2で【足跡の発掘】を使用するわ」
雪菜さんが使用したのは、マジックでした。
カードを少し貸してもらい、カードのテキストを確認させていただいている間に、雪菜さんは、迷いなくマジックを使用する時の処理をこなしていきます。
【足跡の発掘】
コスト2。マジック。《分類:氷晶の銀世界》
自分のデッキに《分類》を持たないカードがあるなら、それをランダムに1枚手札に加え、それに『ターン終了時、手札にあるこれはデッキに戻る』を付与する。
「じゃ、選んでくれるかしら」
ちょうど読み終わったくらいのタイミングで、雪菜さんがカードの束を差し出してきました。
手札に加える枚数は1枚だったので、1枚引いて、渡します。
「……なるほどね。じゃ、コスト2で【レリック・タービン】を召喚するわ」
あたしが渡したカードをちらりと見て、雪菜さんは、それをそのまま盤面へと置きました。
【レリック・タービン】
コスト2。エンティティ。攻撃力0、体力2《分類:なし》
このエンティティは攻撃できず、攻撃されても反撃できない。
ターン終了時、自分の手札の最もコストの低いカードをランダムに1枚捨て、自分のソーサラーは『次のターン開始時、そのターン中のみ使用可能な追加コストを1得る』を持つ。
召喚処理を行い、これでこのターンに使える残りのコストは0になりました。
「……で、あとは【ホワイトラット】で【水の魔法少女マーキュリー】に攻撃するわ」
【ホワイトラット】の攻撃時の効果で、【水の魔法少女マーキュリー】の攻撃力がさらに-1されて、攻撃力が0になってしまいます。
「これで、ターンを終わるわ」
ターン終了時、【吹き荒れる銀世界】の効果によって、あたしの盤面の3枚の《契約精霊》が、全て破壊されました。
……これで、破壊された《契約精霊》の種類は4つなので……【蛇印の共鳴】のコストは、9、ということになります。
そして、【レリック・タービン】の効果で手札のカードを1枚捨てたり、【銀世界の主エターナルブリザードドラゴン】のコストをさらに1減らして、コストを28にしたりと、ターン終了時の処理もしまして。
……あたしのターンになりました。
雪菜さんと比べればまだまだたどたどしくはありますが、少なくとも最初よりは少しだけマシになってきた手つきで、ターンを開始します。
引いたカードは……【天の契約精霊】ですね。
本体の効果は、やっぱり他の《契約精霊》と同じで、これはターン終了時に、【天の魔法少女ウーラヌス】というカードを加えるカードです。
それで、肝心の、本体じゃない方──『ファントムカード』の方はと言いますと……。
【天の魔法少女ウーラヌス】
コスト2。エンティティ。ファントム。攻撃力1、体力2《分類:遊星の魔法少女》
『誘引』
召喚時、デッキからカードを1枚引き、その後自分の手札のカード1枚をデッキに加える。
自分のターン終了時、【ウーラヌス・フォーキャスト】を1枚手札に加える。
【ウーラヌス・フォーキャスト】
コスト3。マジック。ファントム《分類:遊星の魔法少女》
3ターンの間、自分は『ターン終了時に手札のカード1枚を選択し、デッキに加える』と『ターン開始時にデッキからカードを1枚引く』を持つ。
えっと、まあ……つまり、手札を入れ替えるタイプのカード、ですね。
弱いカードではないと思いますが、その、多分ですが、今はダメージを出せるカードを出した方が強そう……と言いますか、【レリック・タービン】を破壊しないと、おそらく、ずっと追加コストを使い続けられてしまいますので……。
……ここでは、多分あれの破壊ができるカードを使うのが優先……な気がします。
──あたし、もしかして少し冴えているのでは……?
……なんて、そんなことを思いながら。
「えっと、コスト4で【火の魔法少女マーズ】を召喚します……!」
ほんの少しだけ自信を持って、あたしは、カードを盤面へと置きました。
「その、【火の魔法少女マーズ】は『拙速』を待ってますので……そのまま、【レリック・タービン】に攻撃します」
召喚処理も終えて、予定通り、【レリック・タービン】の破壊もします。
『拙速』によって攻撃力は一時的に半分になりますが、元の攻撃力が4なので、十分届きます。
「……これで、ターン終了です」
【水の魔法少女マーキュリー】は攻撃力が0ですので、攻撃しても意味がないので何もせず、ターンの終了を宣言しました。
そして、ターン終了時に、今度は忘れずに盤面のエンティティ……【水の魔法少女マーキュリー】と【火の魔法少女マーズ】の効果による『ファントムカード』の入手もしまして……。
手札の枚数が、上限の10枚になってしまいました……。
「……じゃあ、私のターンね」
なぜか、雪菜さんが少しだけ、怪訝な目を向けてきたような、そんな気がしました。
……しかし、それは一瞬の出来事だったので、多分気のせいだったんだと、思います。
雪菜さんは、5つの青い石を『未使用コストゾーン』に置き、そして、1つの赤い石を、同じく『未使用コストゾーン』へと置きました。
……えっと、ちなみに、赤い石は、そのターン中にだけ使える追加コストを、意味しています。
それから、公開している【銀世界の主エターナルブリザードドラゴン】の効果の起動がありまして。
雪菜さんの【銀世界の主エターナルブリザードドラゴン】の効果とターン開始のドローで、手札の枚数は9枚になりました。
「コスト6で【ホワイトウルフ】を召喚するわ」
赤い石も青い石も全て一気に使い、雪菜さんは1枚のエンティティカードの召喚を行いました。
【ホワイトウルフ】
コスト6。エンティティ。攻撃力4、体力1《分類:氷晶の銀世界》
『猛進』
召喚時、自分の領域に《分類:氷晶の銀世界》を持つフィールドが設置されているなら、自分の盤面に【ホワイトウルフ】1枚を出現させる。
自分のターン終了時、このエンティティが攻撃していなかったなら、手札に戻り、お互いの盤面に【ひび割れた氷塊】を1枚出現させる。
【ホワイトウルフ】を召喚した時に、雪菜さんはさらに、『ファントムカード』の山から【ホワイトウルフ】を1枚、盤面へと置きました。
【ホワイトウルフ】が【ホワイトウルフ】を出すのは、召喚時だけみたいですので、さらにそこから連鎖する……ということはありません。
……召喚処理については、今更ですが、そろそろ少しくどいと思いますので、割愛しまして。
「ターンを終了するわ」
元々盤面にいた【ホワイトラット】と、『猛進』を持つ【ホワイトウルフ】という、このターンに攻撃することができるエンティティはいましたが……それらに攻撃させる意味がないと判断したのか、攻撃はせず。
雪菜さんは、ターン終了の宣言をしました。
【火の魔法少女マーズ】に対して、どうやら、雪菜さんは何もしないことにしたようです。
「ターン終了時、【ホワイトウルフ】2枚を手札に戻すわ」
……そして同時に、その【ホワイトウルフ】の効果で、お互いの盤面に【ひび割れた氷塊】という『ファントムカード』が、2つずつ、設置されるようです。
【ひび割れた氷塊】
コスト0。エンティティ。ファントム。攻撃力0、体力2《分類:氷晶の銀世界》
これは攻撃できない。
相手のターン開始時、これは1ダメージを受ける。
「で、【吹き荒れる銀世界】の効果で《分類:氷晶の銀世界》を持たないランダムなあんたのエンティティにダメージが飛ぶけど……対象になるのは【火の魔法少女マーズ】しかいないから、自動的にそこにダメージがまとまって……4ダメージね」
あ、何もしないは何もしないでも、それは、放置するということではなくて、すでに出ているカードの持つ効果で処理できるから、何もしなかった、というだけだったんですね……。
「後は、【吹き荒れる銀世界】の効果でカードを3枚捨てて、その枚数分の値……つまり、3だけ自分の体力を回復させるわ」
……【ホワイトウルフ】が手札に戻った辺りで、あたしはぼんやりと「雪菜さんの手札も10枚だなあ」と思って見ていたのですが……そんな効果があったんですね。
──と、言いますか、よく見て見たら、そのカードを捨てる効果は、お互いに使えるみたいですので……。
ちゃんと効果を見ていたら、あたしも次のターンに手札を溢れさせずに済んだんですね……。
……えっと、それで、回復効果では、初期値を上回ることはできませんから、雪菜さん自身の体力の数値は、24から1だけ増えて、25に、なりました。
「最後に、【銀世界の主エターナルブリザードドラゴン】のコストを下げて、これで効果処理は終了よ」
宣言と同時に、コストの低下処理を行いますが、今のあたしの盤面には、《分類:氷晶の銀世界》を持っているカードは、【水の魔法少女マーキュリー】だけでなく、2枚の【ひび割れた氷塊】がありますので……。
……コストが一気に3も減少して、25まで、一気にコストが下がってしまいました。