カードのテキストが長すぎます!   作:ピンノ

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※香澄視点です。



75話 除去あるいは継続

 

 8回目の奈々実さんのターンになりまして、雪菜さんの盤面にある3枚の【ひび割れた氷塊】が、同時に1ずつのダメージを受けます。

 

 

 「うーん……どうしよっかなー」

 

 奈々実さんの盤面は【原生の捕食者】1枚と【ひび割れた氷塊】4枚によって、満杯になり、塞がれてしまっている状態ですので……領域に設置されている【侵食の大地】の、ターン開始時に盤面にエンティティを出現させる効果が、機能しません。

 

 これにはさすがの奈々実さんも困ったように目をつぶり……そして、肩をすくめて、デッキのカードを引きました。

 

 

 「……おー」

 

 そして、ターン開始時のドローを行った奈々実さんですが、引いたカードを見て、小さく声を上げました。

 

 

 「うん、よーし。じゃあ、もうちょっとだけがんばろっかー」

 

 

 ……奈々実さんは、今しがた引いたカードへと。

 そのまま、その指先を向けていきます。

 

 

 「──手札から、【原生の繁茂】を使うよー」

 

 ……それは、この試合2枚目の、盤面リセットのカードでした。

 

 

 カードが使用され、奈々実さんのコストが3消費された後。

 

 お互いの盤面のエンティティ全てに、自分の盤面に【原生の捕食者】1枚を出現させる被破壊時効果が付与されまして、そして、コスト3以下のお互いの盤面のエンティティ……つまり、コストが2になった状態で召喚された【グレートマンモス】も含めた全てのエンティティが、破壊されて。

 

 ──そうして、最終的に。

 お互いの盤面は、5枚全てが、【原生の捕食者】で埋め尽くされました。

 

 

 ……そして、奈々実さん自身は、カードを2枚引きまして。

 これにより、手札の枚数を10枚にしました。

 

 「あとはー……【原生の捕食者】1枚で、向こうの【原生の捕食者】1枚を攻撃するよー」

 

 奈々実さんは、今回は一度に全てを攻撃させず、まず、1枚だけを攻撃させることに、したようです。

 

 ……当然、と、言いますか。

 相打ちになりまして、盤面に、1枚分の空きができます。

 

 

 「……うーん、それからー【飛来する原生】を召喚しようかなー」

 

 

 ……そして、その空きを埋めるように召喚されたのは。

 【原生の捕食者】と似たような雰囲気を持つものの、異様なまでに羽根が発達し、身体を支えていた脚の大半が、獲物を狩るための鋭い鉤爪へと変異した、ものでした。

 

 【飛来する原生】

 コスト3。エンティティ。攻撃力4、体力1《分類:原生の侵食》

 『拙速』

 これは『防衛』や『挺身』を無視して攻撃できる。

 被破壊時、自分の盤面に【原生の捕食者】があるなら、ランダムなそれ1枚に『被破壊時、自分の盤面に【飛来する原生】を出現させる』を付与する。

 

 そして、召喚に反応し、【侵食の大地】が、さらなる被破壊時効果を付与します。

 

 「じゃあ、【飛来する原生】で、そっちの【原生の捕食者】に攻撃するよー」

 

 ……さらに、再び相打ちが発生しまして。

 

 破壊された【飛来する原生】は、自分の盤面の【原生の捕食者】へと、被破壊時効果を付与し。さらにそれから、自分の盤面に【原生の捕食者】を出現させます。

 

 「で、今効果が付いた【原生の捕食者】で、【原生の捕食者】に攻撃するねー」

 

 それから、このターン3度目の相打ちで、【飛来する原生】が再度盤面へと現れます。

 

 ……そして、また【飛来する原生】が【原生の捕食者】に、そして、さらに効果の付いた【原生の捕食者】が攻撃を行う……ということが行われまして。

 

 

 奈々実さんの盤面には、1枚の【飛来する原生】と、3枚の【原生の捕食者】が、残りました。

 

 ──えっと、相打ちに盤面出現効果に……と繰り返されたせいで、やや計算が難しかったですが、この一連の行動で、一気にお互いの盤面で破壊された《分類:原生の侵食》を持つエンティティの数は10、増えましたので……。

 

 今の『お互いの盤面で破壊された《分類:原生の侵食》を持つエンティティの合計』は、33枚……と、いうことになりますね……。

 

 

 「──最後に、【飛来する原生】でソーサラーに攻撃したらー……。ターンを終わるねー」

 

 その宣言と共に、【飛来する原生】の攻撃により雪菜さんに2のダメージが入りまして。

 

 

 ……それで、ターンが移ります。

 コスト自体は2、余っていますが。どうやら、そちらは、使わないようで。

 

 ──その代わり……と、言いますか、【吹き荒れる銀世界】の効果で、手札のカードを1枚捨てて、8枚にするようです。

 

 

 ……えっと、一気に、ある種の盤面のロック状態を解除できたということは強いと思いますが。

 今ここであのカードを使うことは、少しだけ、ハイリスクな行動にも見えなくは無い……かも知れません。

 

 

 ──そして、ターンが回ってきた雪菜さんはと言いますと。

 一度、盤面のエンティティを指差しながら数えまして。

 

 それから、迷いのない手つきで、1枚のカードに、手を伸ばしました。

 

 

 「……コスト4で、【ホワイトアウト】を使用します」

 

 ……その、マジックカードが使用されますと。

 激しい吹雪が、さらに、その激しさを増して……。

 

 一瞬、何も見えないくらいに、辺りが真っ白に、なりました。

 

 ……そして、視界が元に戻りますと。

 奈々実さんの盤面に、【ひび割れた氷塊】が1つ、盤面に、増えていました。

 

 

 【ホワイトアウト】

 コスト0。マジック。《分類:氷晶の銀世界》

 自分のターン終了時、自分の盤面に《分類:氷晶の銀世界》を持つエンティティがあるなら、手札にあるこのカードのコストを+1する。

 相手の手札のレジェンダリーでないエンティティカードすべては、次の相手のターン終了時まで、このカードのコストの半分の値(端数切り捨て)だけコストを加算し、使用した時、これのコストが3以上だったなら、さらに、相手の盤面に【ひび割れた氷塊】を1枚出現させる。

 

 

 ……えっと、元のコストは0のようですが、使用した際はコストが4になっていましたので……。

 

 

 奈々実さんの手札のエンティティカードは、全てコストが+2された……と、いうことでしょうか。

 

 マジックカードやフィールドカード、レジェンダリーのカードに対しては効果が無いようですが……かなり動きは制限されるでしょうし、次のターン、かなり大きな影響がありそうです。

 

 

 「……それから、【ダイヤモンド・ダスト】を使用します」

 

 さらに、コストを4消費してマジックカードの使用、ですね。

 

 マジックの効果で、手札のカードを1枚複製して、1枚を捨て……。

 そして、自分の盤面に【ひび割れた氷塊】を出現させた後、お互いの盤面の《分類:氷晶の銀世界》を持つエンティティ全て……つまり、両者1枚ずつの【ひび割れた氷塊】両方の攻撃力を-1、体力を+1しましたので……。

 

 それぞれ、攻撃力は0から変わらず、体力が3に、なりました。

 

 それから、《分類:氷晶の銀世界》を持たないお互いの盤面のエンティティ全てに《分類:氷晶の銀世界》を付与する効果が働きますので……。

 

 奈々実さんの盤面には、これで5枚の《分類:氷晶の銀世界》を持つエンティティが存在することになりました。

 

 

 「……これで、ターンを終わります」

 

 ……そして、ターンの終了時。

 【銀世界の主エターナルブリザードドラゴン】のコストを-5して、12まで引き下げまして。

 あとは、カードを2枚捨てて、それから、体力を最大の25に戻して。

 

 奈々実さんの盤面には《分類:氷晶の銀世界》を持たないエンティティが存在していないので、【吹き荒れる銀世界】のダメージ効果も不発で終わり、ターンが、移っていきます。

 

 ……えっと、毎ターン手札に加えている【銀の双眸】や【吹き荒れる銀世界】のダメージ効果で、盤面の処理はしようと思えばできたはず……ですが、つまり、敢えてしなかった、ということになります。

 

 ──これは、【原生の捕食者】の、攻撃力加算効果を加味した上でも、盤面の合計攻撃力は2が3枚と4が1枚で……10ですので、あえて処理せずに《分類:氷晶の銀世界》を付与するだけして放置しても受け切れる、という判断なのでしょう……おそらく。

 

 

 ……何と言いますか、これは、かなり攻めた選択肢に見えますが……。

 

 しかし、また盤面を埋め尽くすことができていますし、手札のエンティティカードもコストが上がって身動きが取りづらくなっているはずなので。

 見た目よりも計算された動き……なのではないでしょうか。

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