カードのテキストが長すぎます!   作:ピンノ

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※宙羽視点です。



91話 宙あるいは一矢

 

 コイントスをして、先攻は私。そして、後攻は香澄になった。

 

 ……まず、最初の手札は。

 悪くない。──初動で使いづらいカードが2枚程あるから、それは引き直すけど、それ以外は、いい感じ。

 

 手札の引き直しを終えて。改めて、手札となる5枚のカードを見て。

 ……それから、向こうを、見る。

 

 向こう側を見たら……何度か見たことのある、香澄の青い目が、ちょうどこちらを見ていた。

 

 ……正面から見るのは初めてで、印象としては、何だか不思議な感じ。

 

 「……じゃあ、ターンを始める」

 

 私がそう言ったら。

 

 「……わかった。わたしも、それで構わない」

 

 ──彼女は淡々とした返事を返して、頷いた。

 

 一応。香澄は、既に学校で何度も『ファントムビルド』をしたことがある。

 ……だから、彼女がバトル中に、人格が変わったように、態度が大きく変わることは、有名な話。

 

 ──ただ、なんて言うか。

 

 私と今の香澄で、お互い無口系の……キャラ被り、してる。

 

 ……。

 と、いうのは、少し冗談。

 

 だけど、実際、口数が少ないタイプなのは、一緒。

 

 ……まあ、別にどうでもいいけど。

 実際、さっきバトルを仕掛けたのは。どうせ時間を潰すなら……まあ、壁と『ファントムビルド』やるよりはマシかなって、思っただけだから。

 

 ──それで、まずは1ターン目。

 

 「コスト1のマジック。【望遠の瞬き】」

 

 

 【望遠の瞬き】

 コスト1。マジック。《分類:軌跡の終点》

 自分の手札の中から、このターンの自分の使用可能コストよりも高いコストの、レジェンダリーでもファントムカードでもないカードを全て複製し、デッキに加える。その後、お互いはカードを1枚引く。

 

 

 今使った【望遠の瞬き】を除いた、手札のカード4枚を全部複製して、デッキに加える。

 

 それから、私たちは。お互いに、カードを1枚ずつ引いた。

 

 「……終わり」

 

 「……そう。なら、手札の公開を宣言する。──【ルクバト】」

 

 宣言と同時に、ケンタウロス……?みたいなヒトが、弓を構えながら、幻影としてうっすらと姿を現した。

 

 ……効果は、相手のターンの終了時に、専用のマジックカードを生成して、手札に加える効果。

 で、マジックカードの方は、2コストで任意対象に3ダメージ、もしくは自壊。自壊したら、コスト3回復。

 

 加える枚数に制限はあるみたいだけど、それまでは毎ターン加えるみたいだし、すごく面倒。

 

 ……まあ、香澄が強いのは知ってたし、カードの効果が面倒なのも、わかりきってた話。

 

 カードの効果が強い、というのは。

 ……もう、そういうもの、としか言いようがなくて。

 

 そこに、考えるような事柄はない。

 

 ──香澄が、ターンの終了を宣言した。

 だから、カードを1枚引く。

 

 「……コスト2、【文明の到達】」

 

 ターンが始まって、ノータイムで。

 最初の引き直しの時点で手札にあった、マジックカードを使用する。

 

 

 【文明の到達】

 コスト2。マジック。《分類:軌跡の終点》

 自分はカードを1枚捨てる。その後、お互いのソーサラーは、自分のデッキから最もコストの低いカードを1枚加える。

 

 

 捨てるカードを、1枚。選んで、捨てる。

 ……それから、私たちは、またデッキからカードを引く。

 

 今回は、無作為に引くのではなく。

 『最もコストの低いカード』を、手札に加える。

 

 つまり、サーチ。……特定のカードを探しに行く、ということ。

 ──そして、私がこのカードを使って引いてくるカードは、決まっている。

 

 「……コスト0。【彼方への探査】」

 

 私のデッキで、最もコストが低いのは、0コストのカード。

 そのカードは1枚しかなくて、そして、勝利効果へと繋がる……つまり、レジェンダリーと呼ばれるカード。

 

 

 【彼方への探査】

 コスト0。マジック。レジェンダリー。《分類:軌跡の終点》

 自分の盤面に【虚無を翔ぶ探索者】1枚を出現させる。その後、このターンの間、自分の手札の《分類:軌跡の終点》を持つカード全てを、これのコストと同じ値だけ減算する(最小値0)。

 

 

 マジックカードの使用と同時。私の盤面に、1枚のエンティティが現れる。

 ──それは、いわゆる、アンドロイド……というような。

 

 機械の身体に、機械の翼を持つ。……ヒト型の、物体。

 

 ……そして、それは。

 盤面へと出現すると同時に、自身のコストを1だけ加算した。

 

 【虚無を翔ぶ探索者】

 コスト0。エンティティ。ファントム。攻撃力0、体力1 《分類:軌跡の終点》

 『神速』

 出現時、この試合中に出現した自分の【虚無を翔ぶ探索者】の枚数(これを含む)と同じ値だけ、これのコストを加算する(最大値10)。

 攻撃後、これが破壊されておらず、さらに、自分の盤面に他のエンティティが存在していないなら、自分の領域にあるフィールドカードを破壊し、【宙の先】を1枚生成して自分の領域に設置する。

 自分のターン終了時、自分の手札のカードを1枚捨て、その後、これを除外する。

 これが盤面から離れる時、自分の手札に【彼方への探査】を1枚加え、そのコストに盤面から離れるこれのコストと同じ値だけ加算する(最大値10)。

 

 

 今出てきたエンティティ……【虚無を翔ぶ探索者】は、攻撃力は0だけど、『神速』を持っている。……だから。

 

 「……そのまま【虚無を翔ぶ探索者】で、ソーサラーに攻撃」

 

 香澄に、0のダメージが与えられる。

 ……つまり、ダメージはない、ということ。

 

 ──だけど。

 攻撃後に発動する効果が、ある。

 

 ……効果は、連鎖して。

 

 ──空間が、書き換えられる。

 ……地面も、空もない。暗闇の中へと、放り出される。

 

 

 【宙の先】

 コスト0。フィールド。ファントム。《分類:軌跡の終点》

 お互いのソーサラーは、自分の盤面にエンティティが出るたびに、それが『神速』を持っていないなら、それに『これは自分のターン終了時、破壊される』を付与する。

 お互いのソーサラーは、エンティティがソーサラーに対して攻撃する度、カードを1枚引く。

 自分のターン開始時、それが10ターン目以降で、自分の墓所に同一のフィールドカードが30枚以上あるなら、この試合に勝利する。

 被破壊時、自分のソーサラーを1回復する。

 

 

 今設置されたフィールドカード、【宙の先】は。

 エンティティのソーサラーへの攻撃へと反応して、お互いにカードを引く効果があるけれど。

 

 今出てきたのは、【虚無を翔ぶ探索者】の、攻撃後。

 

 ……つまり、カードを引く効果が働くのは、最初からこれが設置されている、次のターンから。

 

 これで、今やることは終わり。

 

 「……ターン終わり」

 

 私は、ターンを終えて。……カードを、1枚選ぶ。

 

 選んだカードは、【虚無を翔ぶ探索者】の効果によって捨てられて、さらにその、【虚無を翔ぶ探索者】は、除外される。

 

 ……それから、【虚無を翔ぶ探索者】は、盤面を離れるときに、自分の手札に【彼方への探査】を1枚加えて、そのコストに、自分自身のコストと同じ値だけ加算する、から。

 

 ──私の手札に、コストが1の【彼方への探査】が、加わった。

 

 ……これで、やっと。

 私のターンが完全に、終わって。

 

 香澄のターンに、移っていく。

 ……はずだけど、その前に。

 

 手札で公開されている、【人馬の魔女ルクバト】の効果で。

 香澄の手札に、【不可避の一矢】という、マジックカードが加わった。

 

 ……そうして、お互いの、ターン終了時効果が全て発動しきって。

 2ターン目の香澄の番が、始まる。

 

 ……香澄は、ターン開始と同時に、カードを引く。

 手札のカードの枚数は、9枚になった。

 

 「……【不可避の一矢】。対象はソーサラー」

 

 ──青い瞳の香澄は、迷いなく。

 先程手札に加えたマジックカードの使用で、コストを使い切り。

 

 「……ターン終了」

 

 そのまま、あっさりと。ターンの終了を、宣言した。

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