たった1日で大金を稼いできやがった。
どんだけ商才とコネがあるんだ、銃也のやつ。
銃也が帰ってきたのは深夜だったので、次の日に工房を案内した。
そして、2人で帳簿をつける。すげぇ、物が良いとはいえ、1日でこれだけ稼いできただと?
流石人間種は商売が上手い。いや、俺も前前世と現世は人間だけどな?
「凄いな、お前」
「もっと褒めて❤️ 改装も信頼できる場所を紹介しますよ!」
「凄すぎる。当面の資金はこれで十分だな。もう注文も貰ってるし、サクサク動くぞ。最新機材を入れて工房を人間用に直した後は、仕入れに行くか」
「仕入れ?」
「ああ」
という事で引っ越しと改築と諸々の事務手続きである。
これはセキュリティのしっかりした倉庫に入る事となった。
インターネットなどの環境はやっぱりあった方がいいし、怪獣素材の搬入ができないと話にならないからな。それに現代の最新機材とかも欲しかった。
これらの作業は一週間掛かった。
その後、怪獣素材を買い取っていく。銃也は本当に使える。
顔が効くし、詳しいし、やる気がある。会話から言って、鍛治も齧ってるわこいつ。これはもう信じる信じないなんて言ってないで、きちんと一番弟子として育て上げてやらなきゃいけねぇ。
「よし、怪獣素材は十分だな。後は装備だな」
「装備は確かに重要ですね」
「おうよ。優秀な社員を亡くさねぇように、奮発するぞ」
「ありがとうございます!」
風走りの靴、身体強化の腕輪、守護の加護を掛けた革鎧。
発光石に帰還石。
後は渡した剣に、解体用の短剣。
そして大事なツルハシ。そして水と食料。マジックバッグ。
「入るなって言った入口すぐの部屋があるだろ。あそこから行くのよ。ダンジョン部屋と言ってな。ダンジョンへの扉と、風呂や大部屋、解体部屋や倉庫への扉があるんだ。まあ仕入れに使う部屋だな」
銃也を連れてダンジョンに入り、魔物を避けて奥まで進み、ゴーレムを強襲して鶴はしで石塊にして、それをマジックバッグに収納して帰還石を使う。
やってみせ、させてみせ、褒めて伸ばす。
無事帰還石の発動も出来たな。よしよし。
「見ていたように、危なくなったら帰還石を使え。5人とそいつらが背負える量まで運べる。これが手本だ。そうだな。1人だと危ないから、次の仕事はスカウトだ。鉱夫を連れてこい。最初の帰還石は支給、完全歩合制で素材買取で……いや。お前に裁量は任す。1000万の資金とダンジョン部屋、仕入れ用第三倉庫にあるもん全部。これを利用して、このリストの素材を揃えてこっちのダンジョン用第二倉庫に入れろ。これがお前の倉庫だ。空の第五書庫の鍵もやる。整理も忘れずにな。お前の使う分だから、お前が欲しい素材は追加で採取しろ。図鑑も鑑定メガネも装備も帰還石も全部第三倉庫に入ってる。新入り用の書庫も開放しておく。一年やる。やっちゃいけない事はダンジョンコアを壊す事だけだ、おっと帳簿付と報告書も忘れるなよ」
「はい!」
「俺は怪獣素材の解析をしてるから。リストの素材を揃えて、書庫の資料を見て、自分の作りてぇもんが決まったら声を掛けな。ちゃんと教えてやるから、勝手に作業はするな」
「はい!」
そして、俺は怪獣素材の解析に入った。
翌日。怪獣素材を突いていると、呼び鈴が鳴って弟子が出迎えた。
軍隊としか思えないフル装備の集団が次から次へと入ってくる。
ダンジョン部屋は椅子やテーブルを用意してあり、その場で会議ができるようにしている。
「あっ師匠! 討伐隊の皆さんが空き時間にバイトしてくれるそうです」
「どういうコネ持ってんだ、お前さん……。怪我はすんなよ。もしも怪我をした時は、出来るだけ帰還して医師の元で傷口をきれいにしてからポーションを使え。鉄火場だからって戦闘中に下手にぶっかけると曲がったまま治ったりするからな」
「はい! 第三倉庫の中身は本当に全部使っても?」
「ありゃオメーの作ったもんで入れ替えるんだよ。綺麗に空にして雑巾掛けもするんだぞ。使えないのがあったら二束三文で売っちまえ。で、代わりにお前の作ったもんで埋めて見せんのよ。だから歴代目録ノートはとっとけよ。後で笑い物にすんのに使うから」
「はい!」
普通はこういえば怯むもんだが、銃也は元気に返事をして、第三倉庫の中身をダンジョン部屋に運んで行く。
えらいテキパキと司令所みたいなの作ってるけど、俺がわざわざダンジョン開放した意味わかってるかな、あいつ。
あ、ちゃんと自分も出撃した。
そうよ。戦い方をしらねぇ奴が命を預かる剣は作れねぇのよ。
剣を作るならちったぁ自分でも振ってみないとな。
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