【悲報】転生ドワーフ、常識を忘れる   作:かりん2022

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塩で埋め立てられそうなライバル社息子(ライバルくん視点)

信長テクノロジー。

銃を主に開発している、戦国時代から続く技術集団である。

長い苦難の時代が続いたが、近年、刀を主に開発していた妖刀テクノロジーを買収する話も出ているほど、飛ぶ鳥落とす勢いになっている。

 

銃の時代が来るまで、本当に長かった。

 

妖刀テクノロジーの三男銃也と同級生になった時は本当に大変だった。

 

終始余裕があるフリを演じ、文武共に凄く頑張った。

皆が、僕を見上げてくれる。でも僕には大きな秘密があった。

 

怪獣素材を使った戦闘スーツの同調率が0なのである。

何度測っても0。僕は長男なのに。

幸い、研究で成果を上げていて、お前はそれでいいと父上は言ってくれているけれど、その屈辱といったらなかった。

弟は脅威の80%。

 

僕は惨めなことに慣れていない。絶対慣れない。耐え難い。

でも、高校生になったら絶対に同調率について聞かれる。見下される。

絶望していた時に、銃也が就職の挨拶に来た。

 

初めは驚いた。小さなベンチャーに就職して高額商品を怪しげな薬と共に押し売りしてるって聞けばそれは驚く。

必死に遠回しに買わないようにお願いしてくるので不思議に思って調べたら、なんとその飴は同調率を上げるらしい。数が限られているので辞退させたいのだ。

 

同調率を上げる。それは%? それとも固定値? それが問題だ。

 

僕は飴を舐める。体がポカポカしてきた。まるで殻が割れて、そこから熱い中身が出てくるようだ。

 

剣はそもそも合う感じがしなかったので、研究室にプレゼントする。父上もそうしたようだ。

僕は飴さえあればいい。

 

しっかり舐め終わり、しばらく安静にして、そしてドキドキしながらスーツを着た。

感じる。スーツの脈動を……!

 

僕はぎゅっと閉じた目を開いた。

 

00%

 

「えっ」

 

 僕は落胆を感じながらも我が目を疑う。

 そんな、こんなパワーがもりもり湧いてくる感じなのに。

 

「同調率、100%です! あ、ありえない!!!!」

 

 えっ 怖い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕は当然ながら、研究室で色々調べられた。

 0%が100%である。誰だってそうなる。僕だってそうなる。

 

 ドワーフ工房妖精宴の名前は次の日には関係者全員が知っていた。

 

 僕は鳴物入りで討伐隊への体験入隊をする事ができた。

 そこで研究されながら訓練する感じだ。

 

「ふっざけんなドーピングで100%!?? 僕もその飴使わせろ! どれだけ血反吐吐く思いで鍛えてると思ってるんだ」

 

 憧れの隊長が錯乱している。

 わかる。0.1%上げるのに血道を上げる中で、0→100はエグイ。

 一応、僕だって訓練はしてきたし、隊長だって訓練に付き合ってくれたりしたのでそれは知ってるはずだけど。

 

「あ、あの! 精一杯頑張ります! よろしくお願いします!」

「いいか、力ってのは使いこなせなきゃ意味がない! とことんしごいてやる!」

「了!!!」

 

 そんなわけで、訓練だけでなく実戦も経験させてもらった。

 怪獣がワンパンで倒せた。みんなびっくりしてた。

 銃だの刀だの剣だの言ってる中で、まさかの拳である。

 その上、なんか怪獣の居場所もわかるのでサポートもあまり必要がない。

 まさしくこの拳があれば十分! って奴である。

 

 実家のこともあり、めちゃくちゃ褒められて持ち上げられるが、僕としてはドーピングの成果ですと言うしかない。ここで天狗にはなれない。

 何故なら、この後、みんなも100%になるかもしれないから。

 

 そんな銃也だが、討伐隊にバイトのお願いをしてきたらしい。

 なんでも、小規模のベンチャー故に人数が少なく、肉体労働が必要なのに人手がないらしい。依頼料応相談。飴含む必要なもの支給、「お土産」も応相談。危険あり。

 

 一応、志願者のみだし、お給料も色をつけてもらえるそうだが、当然ながら全ての隊員が参加を希望した。とはいえ、募集は100人が上限だった。飴の数の問題らしい。隊長は隊長権限でそこに無理やり入った。

 

 そして、鶴嘴片手に向かった先はダンジョンだった。

 ゴーレムに向かって鶴嘴を振るい、マジックバッグに詰めて帰還する簡単なお仕事です。マジックバッグってなんだ。

 

 第三倉庫のものはなんでも使ってもいいとのことだったけど、不思議なアイテムが盛りだくさんである。それも全て銃也が後で作って入れ替えしないといけないらしい。

 

「出来るの?」

「出来るかじゃなくてやるんだよ」

 

 そう笑った銃也に、僕はメラメラと燃えるものを感じた。負けてられない。

 

 僕は新人用書庫の物をとにかく読んで、ダンジョンを攻略し、第三倉庫の装備の使い方を習熟し、訓練も怪獣討伐も頑張った。

 銃也は作業を禁じられているが、こちらは禁じられてないしお土産もらい放題。

 妖精宴が今後飛躍するのは分かりきっている。チャンスは妖精宴が準備中の今しかない。刀社長は、怪獣の極秘データとトレードでなんと飴などのデータを公開登録してくれた。これで誰でも許可なく飴が作れる。

 僕も研究を頑張った。中学生時代から成果はちゃんと出せているのだ。僕は。

 

 ダンジョン参加者だが、同調率がモリモリ成長した。

 隊長は100%を突破した。怖い。

 当人の隊長もドンびいていた。

 皆が100%とかあるかもとは思ったが、誰も100%突破するなんて思わないじゃん……。

 えっ どういう理屈でどういう事なの?

 準備段階でこれだけ旋風を巻き起こすのだ。

 本格稼働したらどうなってしまうのか。

 僕達は戦々恐々としていた。

 




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