【悲報】転生ドワーフ、常識を忘れる   作:かりん2022

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鍛治師としての覚悟(元ドワーフ視点)

この世界の老舗である、妖刀テクノロジーや信長テクノロジーがちょっとした調合や鍛治のコツやダンジョン素材と引き換えにモリモリ怪獣のデータや既存技術を教えてくれるので、研究が捗っている。型落ちの機材とかも譲ってくれる破格の対応だ。

 

銃也は本当に頑張っている。

昼はダンジョン攻略、夜は勉強。

お友達の信成くんと切磋琢磨して非常に目に眩しい。

たまに素材の扱いや採取なんかを教えているが、ちゃんと試行錯誤していて偉い。

 

後、かなりの大金と引き換えに調合部屋を妖刀テクノロジーや信長テクノロジーにレンタルしている。ポーションはいくらあっても足りないそうで、その調合をしているのだ。

 

何はともあれ、この世界の技術はだいたい分かった。

弟子への指導要領も完成した。

異世界の指導要領をそのまんまってわけにはいかないからな。

まだ1年経ってないが、人間の寿命は短い。短縮出来るとこはどんどん短縮していくぞ。

 

 

「大体素材も集まったみたいだし、そろそろ、基礎を教えるぞ。助手が務まる程度には叩き込んでやる」

「はい!」

「そこのガキ。お前もちょっと手伝えや。お前の親父の依頼の準備だからな」

「了!」

 

 錬金術と異世界の鍛治技術、こちらの怪獣素材の扱いを教えていく。

 2人ともしっかり予習をしていたようで、するする授業が進んで俺も心地がいい。

 

 試作品をいくつか作った後、いよいよ、信輝さん達の刀だ。

 鎬を削りあってる企業で、うちと提携してて、同系統の商品を売っていて、息子さんがうちに来てる。

 商品第一号、試作品みたいな立ち位置とはいえ、絶対に手を抜くことはできねぇし、差もつけられねぇ。うちの象徴となるような刀を打たなきゃならねぇ。

 

「怪獣を何体か狩ってくんぞ。それの核を使う」

「「了!!」」

「お前らも多少腕を磨いたようだからな。今なら剣にも拒絶されねぇだろう」

「あっ 怪獣狩りなら僕も行く! 僕も剣を注文してるし」

「おうよ、助かる」

 

 というわけで、とっときの剣を保存している武器庫から、剣を選ばせる。

 

「凄い、鞘の上からでも威圧感がする」

「この辺りは一級品よ。ここまでくると、選ぶのは使い手じゃねぇ。剣だ」

 

 俺は愛用の剣である、成長する剣を選び、2人がいろんな剣に誘われて右往左往しながら選ぶのを待った。

 隊長だと名乗ってた男は迷いもしねぇで選んでやがったがな。人の側も剣の側も見る目があるってこったろう。

 

 この世界の人間が習得できる魔法、怪獣探知魔法で探す。

 なんか街中に何体かいるっぽいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どう見ても人間にしか見えない男が、コンビニ袋を下げて戸惑っていた。

 

「君達は一体なんなんだい? 怖いなぁ。僕に何か用?」

「俺は鍛冶師だ。素材を集めてて、お前の核は選ばれた。わりぃな」

 

 俺はスラリと剣を抜いた。

 

「え? いや、どう見ても人間……。狩るのは怪獣なんじゃ」

「銃也よ。お前さん、ちゃーんとこいつを見てみな。心の目でな」

「ああ、僕にもわかる。お前は人の振りをした怪獣だ」

 

 隊長さんが補足する。信成も、探知魔法を行使した。

 

「探知魔法だよ、習ったよね、銃也。でも、人として生活してるなら殺すのはまずいんじゃ」

「覚えとけ。本当にすげぇ剣は魂を持つ。そして、魂だって0からできるわけじゃねぇ。一流の剣は、大体、生きて喋って考えて、信念を持ってる奴を素材にしてる。銃也、信成。その剣だって、誇り高い、人間よりよっぽど賢い竜の心臓を使ったもんよ。本当に良い剣を作りたいなら、そこんとこ覚悟しとけ」

「えっ」

 

 銃也が信じられないという目で見てくる。

 気にせず俺は襲いかかり、男は正体を表した。

 

「清々しいぐらい自分勝手だね! 躊躇ぐらいしなよ」

「世界一の鍛治師の座はまともなままで得られるようなぬるいもんじゃねぇんだよ!」

 

 交戦していると、ツインテールの女の子が走ってきた。

 

「お兄ちゃん! あんたら、お兄ちゃんに何してんのよ!」

「逃げろ、未来!」

「どっちも逃さねぇよ!」

 

 庇い合う兄妹の首を刎ねようとした時、銃也が泣きながら俺にひっついてきた。ええい、銃也は有象無象の側か! 欠点なんてなさそうな男だと思ってたが、まさかの腑抜けだったとは! ま、ここから鍛えるだけだけどな。

 

 一方、隊長は上に報告をしていた。

 人型怪獣の発見は初めてらしい。

 2人の身柄と交換で大怪獣の素材をもらえる事となった。

 物はいいが古いんだよなぁ。

 

 その後、半年掛けて眠っていた大怪獣を見つけて襲うなどして、怪獣素材を集めていった。兄妹の両親は気配を断つ方法を覚えていて、狩るのが大変だった。討伐隊が色々手伝ってくれて本当に助かった。

 

 早速、注文してくれた奴らを呼んで、相性のいい素材を選んでもらうか。

 

 希望も聞いて、武器の適性を見て、忙しくなるな。

 

 しかし、仕入れを行っただけでドワーフ工房は冷酷無比なんていうのはやめて欲しい。

 命乞いをされるだけで動揺する銃也がやって行けるのか、不安だ。

 

 ちなみに怪獣の「パパ」はきっちり素材にしたが、兄妹は討伐隊預かりとなってしまっている。まあ成長してから狩ればいいか。

 




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