ドラゴンボール ~もう一人の兄~   作:龍玉

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活動報告にてとある報告があるため、ぜひご覧ください。


報告会

 

『CPでのお話』

 

 朝食を済ませ、悟空達を呼んでカプセルコーポレーションに集まる。今日は休日なのでみんな仕事も無く悟天達ちびっこ組もいるが、唯一悟飯とビーデルさんが私用でいない。一応全員には要件自体は伝えているのでグダグダはしないはずだけど、結構話すだろうから料理も用意した。作ってんの俺とチチさん達だけどな。10人以上のサイヤ人もいるから作る量もまぁまぁやばい。腕攣りそうなのをパンジとチチさんに心配されながらもなんとかやり切った……。今度はベジータも巻き込んでやるべきだなこれ。

 

「んめー!やっぱ兄ちゃんとチチの飯は美味いなぁ!」

 

「ほんとほんと!チチさんの料理もサイヤ人好みの味付けだね!」

 

「……で、夢の内容ってのはどんなんだったんだ兄貴。全員呼ぶってことは、それなりにやばいやつだったってことだろう?」

 

「ん、じゃあそろそろ本題に入るか。みんな、飯食いながらでいいから聞いてくれ!」

 

 ラディッツからちょうど話を振られたので話に入っていく。内容は当然、今日見ていた未来の話だ。できるだけ内容が抜け落ちないように注意しつつ、事細かに話していく。小さくなった悟空の話、宇宙へと旅立った三人、ベビー、超サイヤ人3のその先の姿、超17号、邪悪龍、神龍と共に旅立った俺と悟空……。

 話終わって口に水を含んでいると、悟空が思案顔になって何かを考えこんでいた。目線は俺やナッパ、ラディッツに生えている尻尾に向けられている。

 

「超サイヤ人4、か……。兄ちゃんが見た夢じゃあオラが最初になってたんだよな」

 

「そうだな。悟空、俺、ベジータの順で超サイヤ人4になっていったはずだ。他の面々は時間が無くてできていなかったみたいだけど……」

 

「でもオラ尻尾は生えてねぇぞ?どうやって尻尾を……」

 

「ケツから無理矢理尻尾を引っ張り出したらしいぞ?」

 

「え゛っ」

 

「ちょっと、そんなことよりも話すことがあるでしょう!?ドラゴンボールを使っちゃいけないって本当なの海君!?」

 

「え、多分?マイナスエネルギーってのが本当にあるんならこっちのドラゴンボールも同じだろうし、邪悪龍も一緒にいるはずだと思うけど……そこんとこどうなん神コロ様」

 

「神コロと呼ぶな。だが邪悪龍か……神の記憶では名だけが伝えられていた。ミスターポポも同様に伝承として聞いていたようだが、詳しい内容まではわからん」

 

「ピッコロでもわかんねぇのか。なら界王様に聞くべきなんかな?」

 

「界王以上に適任がいるだろう*1

 

 膝と手を着きながら「私の若返り計画が……!」と嘆いているブルマさんの横にいるベジータが言う。その手には先程まで焼かれていた牛肉が盛られていた。

 

「老界王神だ。チビのブウが地球にいた時にデンデがドラゴンボールの話を出した時、あの爺は大自然の混乱を招くとかほざいていた。カイのいう夢が本当だとするならば、あいつはその危険性を一番知っているということだろう」

 

……言われてみればそうだった。あの時はブウがすぐにやって来たから詳しい内容を聞くことが出来なかったけど、老界王神様はドラゴンボールの乱用について危惧していた。となると、邪悪龍が出ないようにするための方法も知っている可能性がある。まぁ大本はマイナスエネルギーの発生だからそれをどうにかすればいいんだろうけど。

 

「よし、ドラゴンボールのことは聞いてくる。今度界王神様とお茶してくるから、その時に聞けるだろうし」

 

「それが良いだろう。……しかしドラゴンボールが使えなくなるとはな、今までドラゴンボールに頼っていたツケというやつか」

 

「俺は仕方ないと思うけどなぁ。悟空や海もそうだけど、ドラゴンボールが無かったら死んじまってる人がたくさんいるわけだし」

 

「そもそもとして地球も吹っ飛んじまうから、ツケ云々を言うべきじゃないと思うけどな」

 

「おっ、女と会っても緊張しないことをドラゴンボールに願おうとした奴は言うことが違うな!」

 

「うるせぇ!?昔は俺も尖ってただけだ!というかナッパ、なんでお前がそれを知ってんだ!?」

 

 スッ……とクリリンに指をさすナッパ。その時にはすでにクリリンは逃亡を図っており、界王拳を発動させたヤムチャが後を追い始める。クリリンの娘さんのマーロンちゃんが楽しそうにクリリンの逃亡劇を眺めていた。何やってんだか……。

 

「あのクソ爺、何がヘルファイター17号だ!死んでまで迷惑かけやがるなんてね……」

 

「孫海、何か対策はできないか?もしお前の言う通りならば、ドクターゲロによって17号が死んでしまう」

 

「対策って言ってもな……そもそもとしてだけど、ミューってやつが地獄に行ったことでゲロと共謀し始めたはずだ。だから閻魔のおっちゃんにミューが来たら何もできないようにしてもらったり会わせないようにしてもらったりするぐらいしか無理じゃないか?」

 

「待て。ドクターミューがいるということは、ベビーという化け物も存在していることに他ならない。超17号の話も大事だが、それ以前にベビーの対策もしなければならないだろう」

 

「……なぁベジータ、ツフル人って本当にいたのか?俺は覚えちゃいねぇが……」

 

「オレもその話を聞くまでは忘れていたがな……確かに俺達サイヤ人が惑星ベジータとする前の星はプラントという星だった。原住民の名もツフル人だったはずだ」

 

「ツフル人ねぇ……わざわざガキの姿になってまで復讐たぁご苦労なこった。ご丁寧にサイヤ人の王子様のベジータに乗っ取っていやがったらしいしな」

 

「……チッ!」

 

 めちゃくちゃ不満そうだなベジータ。いや、それもそうか。自分を乗っ取ったやつがいたにも関わらず、ベジータ本人は何も出来ずにいたわけだしな。相手が傷口一つあれば寄生してくる気色悪いやつだったとしても、された側からしたらキレそうになるのも仕方ないだろう。

 ……そういや、ベビーは相手の体内に入ったうえで寄生するんだよな?もし俺の中に入ったらどうなんだろ。入ってくるベビーはどう考えても邪悪な存在で、産み付けられる卵もまた同様の筈。んでもってセルの話が本当なら、俺の細胞は邪悪な存在・害をもたらす存在を逆に侵食しまくって完全に浄化する生物兵器みたいな細胞だったはず。……もし俺の中に入ってたら綺麗なベビーになってたんじゃね……?いや考えても仕方ないか。俺宇宙に出る予定も無いし、会ったとて最初からバリアー張って傷口に入らないようにするから意味がないだろう。

 

「邪悪龍かぁ……超サイヤ人4っちゅうやつじゃなきゃ勝負になんねえやつなんだろ?オラも戦ってみてぇけどなぁ……!」

 

「難しいこと言うなぁ悟空。本来邪悪龍が出るってことは宇宙が滅ぶのと同じだぞ?実際一星龍のせいで俺はチリ一つ残さず消滅してるし、悟空に至っては死んだかどうかも分かんないし……。戦うにしても、悟空とベジータがフュージョンした姿のゴジータ、しかも超サイヤ人4レベルじゃないときついぜ?」

 

「けどよ、未来だからって今のオラ達が戦えないことにはなんないさ。確かに今のままじゃ勝てねぇかもしんねぇけど……それでも、オラぜってぇに負けたくねぇ……!邪悪龍にも、兄ちゃんの見た未来のオラ達にも!」

 

「……お前はホント、自慢の弟だよ」

 

「フン、貴様らに先を越されてたまるか。オレも今以上に強くなって見せる……そして貴様ら諸共引きずりおろしてやる!」

 

「おいおい王子様よぉ、オレも忘れんじゃねぇよ?」

 

「親父、何抜け駆けしようとしてやがる」

 

「テメェもだろうが、ラディッツ!」

 

「……ほんと、サイヤ人は血気盛んねぇ」

 

「んだ。悟空さ達が楽しそうなのはいいだべが……」

 

「難しい話だよね~」

 

「でもちゃんと帰って来てくれるから、安心して送り出すこともできるんですよねぇ」

 

「「「確かに~」」」

 

 飯も無くなり、いい時間なのでお開きとなった。超サイヤ人4のことやその他諸々のことはまだ解決してないので再度集まるつもりだけど、ちょっと集まりづらいかもな……あぁいや、また明日から仕事があるとはいえ、俺の調整次第で如何様にも日程調整はできる。まぁ勝手にするのは説教確定なので、ちゃんと相談しないとな。父さん母さんもグルメス王国の方で一緒に働いてもらってるから、距離的な問題とかでそこ等辺の調整がめんどそうだなぁ……。

 

「お父さんお父さん!ボク達も超サイヤ人4になれるかな!?」

 

「悟天の馬鹿!海さん達みたいな尻尾が無いと無理だって話じゃないか!まずは超サイヤ人3になんなきゃ」

 

「でも父さんの話ぶり的に、ブルマさんの開発した装置があれば俺達でも大猿になれるんじゃないか?」

 

「それだ!リンってば頭が冴えてるな~!」

 

「「「それじゃあ―――」」」

 

「マジで黄金の大猿になったら被害がやばいんだからまだ駄目に決まってんだろ」

 

「「「え~!」」」

 

三人そろってぶー垂れんじゃないよ。というかリン、興味あったんだな……。

 

 

『弟に春』

 

 

 とある日曜日の夕方、パンジから頼まれた買い物の途中のことだった。目当てのお米が足りそうになかったのでスーパーを梯子していると、あるモールの中からラディッツと一人の女の子が一緒に出てくるところとばったり出くわしてしまった。思わず持っていた買い物用バッグを落としてしまい、二人して「あっ……」と腑抜けた声が漏れてしまう。現在進行形で俺とラディッツが見つめ合っている状況だ。一緒にいる女の子……確か、天下一武道会のときだったかな?あの時悟飯を応援する高校生っぽい子達の中に、彼女もいたような気がする。名前は確か……イレーザ、だっけ。彼女は俺のことを覚えているのか、同じように固まってしまっている。

 

「……」

 

「……」

 

「……えっと」

 

「「……」」

 

(……ど、どうすればいいの~!?助けてビーデル~!!シャプナ~!)

 

……ど、どうりゃいいんだ?俺はこの場合どう動くのが正解なんだ?悟空達に相談するべきか?いや絶対に父さんが飛んでくるな……。

 ていうかラディッツって今非常勤とはいえ講師……ん?あぁいや、もうすでに講師から外れてたわ。元々ガイダンスのために行ってたのと急な空きに対応するぐらいしか出てなかったみたいだから、学校の学期が終わるのと一緒にラディッツもやめてたはず。結構人気だったみたいで惜しむ声が多いってオレンジスターハイスクールの先生がぼやいてたっけ。

 ラディッツが犯罪者になる可能性も消えたから、なんとか話の場を変えたいんだけど……どないしよ、ほんと。

 

「とりあえず、近くのカフェにでも行こうか……あ、俺が出すから気にせず頼んでくれ」

 

「あ、あぁ。助かる」

 

「ありがとう、ございます」

 

すっごい緊張してんな……。

 

◇◆◇◆◇

 

 出来たてでまだ熱いカフェオレを口に含み、少しだけ息をつく。目の前には、一息つくことが出来たからか肩の力がちょっと抜けたイレーザさんとラディッツがいた。少しそわそわするような、今までで一度も見たことのないラディッツの姿に少し頬が緩んでしまいそうになるのを抑えつつ、もう少しだけ二人の様子を確認する。

 といっても剣呑な気配は一切せず、どちらかと言うとポジティブな雰囲気すらする。元々講師だったってのもあったから、その繋がりで出会ったのかね?

 

「……ふぅ。一息付けたことだし、事情を聞いてもいいか?イレーザさん、だったか。君もいいかい?」

 

「は、はい!」

 

「……あぁ」

 

「まぁまずは、二人の関係か。ラディッツが元講師だったのは覚えてるけど、その関係でか?」

 

「いや、少し違う」

 

「違う?じゃあそっちと関係なく出会ったのか。じゃあ尚更なんで?」

 

「じ、実は……!」

 

「うん」

 

 イレーザさんの返事を待つためにカフェオレを一口。んー、ここの豆はいいな。後味の良い苦みと甘みが来る。悟空も最近はコーヒーに挑戦し始めたし、うちでも豆の栽培をしようかね。さすがに0からの栽培になるから、試行錯誤はかなり重ねないといけなさそうだけど―――

 

「ら、ラディッツさんとの交際を認めてくれませんか!お義兄さん!!」

 

「んグッフッッ!?ゲホッゲホッ!」

 

「兄貴!?大丈夫か!」

 

「だ、大丈夫……てか、お義兄さんって気が早くないか……?」

 

「た、確かに……」

 

 噎せた状態から何とか復帰し、息を整える。噴出さなかっただけ頑張ったぞ俺。ていうか、え?交際?ラディッツと?イレーザさんが?ラディッツって今何歳だ……39ぐらいだったか。で、イレーザさんは高校生だから17~18歳……一回りも二回りも年の差があんじゃねぇか!!

 

「あー……。とりあえず父さんに出頭しようか、ラディッツ」

 

「待て!?一も二も無く親父に即報告は待ってくれ!」

 

「じゃあナッパか?」

 

「いらんトラブルが出来るだけだろ!?」

 

「そりゃそうか。じゃあまぁ、お二人の馴れ初めを教えてほしいな」

 

「は、はい。実は今日の午前のことなんですけど―――」

 

◇◆◇◆◇

 

 今日の午前中、ラディッツは少し遠出でもしてみようかと散歩に出かけていたらしい。ラディッツやナッパといったうちで働いているサイヤ人組やボージャック達といった面々は宿舎に近い家に住んでもらっている。初期からいるラディッツナッパの二人は畑に近い所なのだが、ボージャック達の場合は仕事も考えてできるだけ都に近い場所に建てており、少し前から父さん母さんもそっち方面に新しく建てた家に住んでもらっている。そのため、時々ラディッツや俺が父さんたちに会いに行くことがあるのだが……その回数が多いからか、近くの都に行く頻度も結構ある。故に遠出と言うことでこっちまで来たのだとか。

 そしてその散歩の拍子に、ラディッツは普段着でも買っていこうかとあのモールに行った際、何やら喧嘩のような口論が聞こえたんだとか。

 

「な、な!俺達とお茶しに行こうぜ!」

 

「ちょっとだけだからさ、いいだろ別に?」

 

「結構よ。ビーデルたちと待ち合わせしてるから、あんた達とお茶する予定は入らないのよ」

 

「ビーデルだってよ!あのミスターサタンの娘じゃねぇか!」

 

「ビーデルちゃんも連れてでいいから行こうぜ!」

 

「ちょっと、離しなさいよ!」

 

「おい」

 

「あ?なん―――ひっ!?」

 

 ラディッツ曰く、モールの入り口近くで現場を見かけたようで、素行が良いとは言えなさそうな男が二人してイレーザさんに絡んでいたらしく、ラディッツもあまり気を良くしなかったのか三人に声を掛けたらしい。そして振り返った男二人はラディッツから滲み出るサイヤ人としての気配に速攻で心が折れたらしく、声を掛けた時にはすでに小鹿のように震えていたとイレーザさんが話してくれた。

 

「迷惑という言葉を知らんのか、貴様らは」

 

「「ひ、ひぃっ!?」」

 

「目障りだ、消え失せろ!」

 

「「は、はいいいいいいい!!!」」

 

「ちっ……戦闘力5以下の雑魚どもが。……おい」

 

「えっ?あ、はい……」

 

「……その、怪我は無いか」

 

 逃げ帰った男達をつまらなそうに見送ると、今度はイレーザさんの掴まれていた腕を目線をやっては少し気遣わし気にイレーザさんに声を掛けたらしい。この時イレーザさんは、さっきの二人を追い払った時のような気配が欠片もなくなり、逆に心配そうにこちらを見るラディッツの姿にギャップを感じながらどこかドキドキしたとのこと。隣で聞いてたラディッツはそっぽを向き始めてた。

 

「な、無いです……」

 

「そうか。なら、次からは気をつけるんだな」

 

「ま、待ってください!その、ちょっとだけお話しませんか!?」

 

「?別に構わんが……」

 

 そうして二人で話をしていると、約束の時間になったのか悟飯たちがやって来たらしい。元々イレーザさんは悟飯たちとモールに行く予定だったらしく、合流する時間まで待っていた時に迷惑なナンパ野郎たちに捕まりかけたのだとか。

 だけど約束の時間になって合流しに来た悟飯からしたらなぜか同級生の横にラディッツがいるし、ビーデルさんからしたらいつぞやに修行を一緒にしていた男性が、シャプナ―という同級生の子からしたら見たことのない男性が知り合いと仲良さげに話している所だったからそれはそれは驚かれたみたいだ。まぁイレーザさんの説明を聞いたら納得したらしく、三人そろってラディッツに感謝していたらしい。さすがに甥っ子を含めた高校生たちに感謝されたのが効いたのか、ちょっと恥ずかしげだったらしい。そう言ったイレーザさんは現在進行形でラディッツに口を塞がれてもがもが言ってる。仲いいね君ら。

 が、ここでラディッツが少しポカをやらかしたとのこと。

 

「悟飯、約束の時間に合わせるのは良いが、彼女を一人で待たせるんじゃない」

 

「え?」

 

「ん?」

 

「「へっ!?」」

 

 ラディッツの弁明を聞いてみるに、どうやらラディッツ本人はビーデルさんと悟飯が一緒に修行をしていたことは知っているが、まさか二人が付き合っていたとは知らなかったらしい。しかし彼女がいるということだけは知っていたので、ならばイレーザさんが悟飯と付き合っている人なのだと勘違いしてしまっていたのだとか。まぁ言われた本人たちは固まってしまったし、いち早く再起したイレーザさんはかなり恥ずかしかったのかかなり強めにラディッツの背中をバシバシ叩いていたらしい。

 

「あー……悟飯の叔父さん、だったよな?」

 

「あぁ、そうだが」

 

「悟飯と付き合ってんのはビーデルの方だぞ?」

 

「……なん、だと?」

 

 シャプナー君の助け舟によってなんとかラディッツの勘違いも修正され、間違えてしまった謝罪と共に悟飯たちのお昼代をラディッツが払おうと四人についていくことになったとか。四人がお昼を楽しんでいる時は空気に徹し、ゲームセンターへ遊びに行った時は保護者の立ち位置でずっと見守っていたという話も聞けた。ほんとラディッツのやつ、地球に来た頃と比べるとかなり変わったなぁ……。

 

 そしてその帰り際、悟飯達と別れてイレーザさんはラディッツと一緒に帰ることにしたらしい。元々悟飯達と別のルートで待ち合わせ場所に向かっていたことやナンパのことも考えた結果、ラディッツの車に乗って帰った方がいいと判断したんだとか。まぁラディッツ本人は全然武空術で来てたから車をカプセルに入れてなかったら背中に乗せて帰宅することになっていただろう。一緒に免許を取らせて本当に良かった。

 そしてその帰り道のこと。ラディッツが本来の目的だった普段着のことを思い出し、イレーザさんがそれに乗っかって服屋に寄り道した時の話だった。不意にイレーザさんがラディッツに話しかけたらしい。

 

「ねぇラディッツさん」

 

「なんだ」

 

「あたしさ、悟飯君と付き合ってるって勘違いされてうれしかったんだ」

 

「うれしかっただと?」

 

訝し気に尋ねるラディッツに笑って頷き、少し愁いを帯びた瞳で商品に視線を戻して口を開く。

 

「元々悟飯君が転校してきた時、ちょっとだけ考えたことがあるんだ。悟飯君かわいい顔しながらかっこいいとこあるし、しかも優しいじゃん。そんな良い子と付き合ってみたいって」

 

「……」

 

「でもさ、ビーデルのことを思い出したんだ。あの子、結構飛び出して行っちゃうから心配しちゃうことも多くて。事件が起きた時なんか、授業をほっぽり出しちゃうんだよ?先生は咎めたりしないけど、どうしてもねぇ……」

 

「そこで、悟飯ということか」

 

「そ。飛び出して行っちゃうのはビーデルもそうだけど、悟飯君もそうじゃない?少し前に有名になった金色の戦士、あれって悟飯君よね?」

 

「……さ、さぁな」

 

「(わかりやすいなぁ)あたし、思ったんだ。多分ビーデルと悟飯君はお似合いな二人なんだって。片方が飛び出したら一緒に行くし、一緒に助け合える。そんな割れ鍋に綴じ蓋な二人の仲をお邪魔するのは、あの子達の友達として嫌だなって」

 

 続けて「悟飯君といる時、ビーデルってばすっごくいい笑顔見せるのよ!なんというか、ミスターサタンの娘ってプレッシャーが無くなる感じっていうか」と言い、二人の恋路を応援していることをラディッツに伝えたらしい。するとラディッツ本人は何気なしに、それこそイレーザさんと同じように商品に目をやりながら彼女に伝えた。それが相手にとっての会心の一撃なのかも知らずに。

 

「イレーザ、お前も凄くいい女じゃないか?」

 

「……え?」

 

「悟飯とビーデルの二人のことを考えて身を引いたんだろう?少なくとも普通のやつにはおいそれと出来ん選択だと俺は思うがな」

 

「……そう、かな」

 

「あぁ、お前にもすぐにいい男が見つかるだろうよ。俺が欲しいくらいなんだから、保証してやる」

 

「」

 

「……どうした?」

 

◇◆◇◆◇

 

「―――で、その言葉にスイッチが入ってラディッツに猛アタックした結果、卒業までは様子見だけどとにかく好きになったということは伝えて付き合い始めた、と……」

 

「はい!」

 

 凄ぇなこの子、ラディッツが根負けするぐらいにはその場で猛アタックしたってことか?どんだけ追い詰めたらラディッツからOKの言葉が貰えるんだか……。

 

「俺とエンカウントしたのはそのデートの終わり際だったってことか。そりゃ悪いことしたな……よし。俺からしちゃ反対する理由も無いし、父さん母さんには上手いこと説明しとくよ。最悪の場合母さんが突撃してくるかもだが、そこはまぁガンバとしか」

 

「が、頑張ります」

 

「……で、ラディッツはいつまで突っ伏してんだよ。そんなに出来立てほかほかの馴れ初めを聞いてほしくなかったんか?」

 

「ころしてきのしたにうめてくれ」

 

誰がやるかボケ。自分で射止めたんだ、しっかりと受け止めてやれよ?

 

 

*1
界王「わしの出番が!?」




『がんばれミノシアくん』

「ふむ。地球から離れて少し経つが、何か支障はあるだろうか」
「いや、特にない。しいて言うなら、孫悟空たちからもらった野菜などの消費があまり多くないことだろうか」
「セルもそうだけど、僕達も大食いってわけじゃないもんね」
「それは仕方あるまい。いつでも会えるとは言え、彼らも私たちのことを心配してくれているのだからな。さて、そろそろどこかしらの星に着くころだろうか……む、あの星のようだ。二人とも、降りる準備をしようか」


『ギル!ギルルルル!!』
「このガラクタぁッ!宇宙船の計測器を飲み込みおって、許さんぞぉ!!」
「兄さま、セルを止めなくていいの?」
「理性を飛ばしていないならば大丈夫さ。すみません、こちらはおいくらなんでしょうか」
「お、兄ちゃんいい目してんじゃんねぇか!こいつはな―――」
「も~兄さまってば……仕方ない、僕が止めるかぁ。二人ともー!ケンカしないのー!」

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