ドラゴンボール ~もう一人の兄~   作:龍玉

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大大大決戦!

 

 

 

「兄ちゃん、オラのこと背負えっか?そっちの方が速く動けそうなんだ」

 

 

「任せとけ。舌噛むんじゃないぞ!」

 

 

 

「バラライカ、わしの後ろに付いておけ。貴様は接近に強い戦闘タイプではない」

 

 

「了解しました。では魔術を用いて?」

 

 

「そうじゃ、決して前に出るんじゃないぞ」

 

 

 俺達は首に悟空が乗る肩車の形になり、向こうはピッコロ大魔王の後ろにバラライカとかいうやつが付き添う形になった。

 

というか、魔術か。つまり先にヤツをぶっ殺せば…。

 

 

「…行くぜ?悟空!」

 

「応ッ!」

 

 

 丸まった形となり、陸上の選手のようなスタートダッシュを決める。クラウチングスタートというやつだ。しかし走りこむのではなく、低空飛行しているからスピードは筋斗雲以上だ。それにあいつら、俺たちに反応しきってないぞ!俺が悟空ほど動けると思ってなかったな!

 

 

「っ!バラライカ!」

 

「了解…」

 

 

「先手は、俺達さ!」

 

「如意棒!」

 

 バラライカが作り出したと思われる炎の髑髏を上へ下へとかいくぐり、一気に接近する。迎撃しようとするピッコロ大魔王の振り下ろし攻撃を蹴り上げながら飛び上がり、悟空の如意棒を重力を乗せた一撃とし、脳天へ直撃させる。バラライカが何かしようとするので、悟空をいったん空中へ投げ飛ばしバラライカへ殴り掛かる。

 

 

「ずあっ!!」

 

 

「ッ!六重結界…!」

 

 

 右フックでその腹を風通しよくしてやろうと放つも、六芒星のようなバリアが現れて防がれる。ならばと気弾を連続発射し、煙に隠れる。

 そしてバラライカとピッコロ大魔王をもろともかめはめ波で吹っ飛ばそうとする――構えを取りつつ、二人の注目を俺に集める。でも俺が本命じゃない!

 狙い通り俺に注目したようで、ピッコロ大魔王からは指先からの光線、バラライカからは重力波らしきものが放たれる。

 別にかめはめ波を本当に撃とうとしたわけではないので、光らせるのをキャンセルして光線を回避。重力波らしきものは上向きのものらしいので少しかすることで一気に上へ上昇する。

 桃白白の時もそうだったが、俺ばっかりに注目してていいのかい?

 

 

「伸びろ、如意棒!!」

 

 

「うぅっ!?」

 

「大魔王様ッ!?」

 

 

 上から連続して突き出される如意棒の嵐をピッコロ大魔王もバラライカも何もできないまま浴びせられ、一気に大ダメージを負う―――と思っていたが、バラライカがすべてを喰らいきる寸前にさっきのバリアで覆ったらしく、途中からはじかれる音に変化した。

 

 ちっ、やっぱりあのバリアが厄介だな。ちゃんと俺も悟空も普通に殴ったらあいつを一気に致命傷に追い込めんだけど、あれがあまりにも固すぎる…!

 

 

 すぐさま悟空を首に乗せる形でキャッチし、息を一旦整える。向こうも煙が晴れたようでこちらを睨んでいる。

 

 

「兄ちゃんすげぇな…!オラ超神水を飲んで眠ってた力を引き出したのに、兄ちゃんは飲んでないんだろ?どうやって強くなったんだ兄ちゃん!」

 

 

「超神水?それに眠った力…そうか、それで悟空からあれの気配が…」

 

 

「ぐ、うぅ…!この、ガキども!!」

 

「大魔王様、お怪我は…!?」

 

「大事ない。バラライカ、やつらを一瞬止めろ。それで一切合切を終わらせる!」

 

「承りました…」

 

 

 

 バラライカが何かを口ずさむと、ピッコロ大魔王の気配が希薄になる。くそっ!魔術だからってなんだってしていいわけじゃないんだぞ!これでかなり攻めづらくなった…!

 

 

「兄ちゃん、下だ!」

 

「っ!?っぶね!」

 

 

 地獄の底から湧き出たような稲妻を回避し、バラライカを狙って突撃しようとして飛んできた火柱を浴びそうになり、慌てて上へ上昇する。瞬間、空模様が怪しくなり、雲の隙間から一対の竜巻が俺たちめがけて飛んでくる。

 あいつもピッコロ大魔王レベルじゃないだけで、やっぱり化け物ってか…!

 

今度は悟空を弱めに上へ投げ飛ばし、前を悟空、後ろを俺が担当する。

 

 

「「かめはめッ!波ァァァァァ!!」」

 

 

 ともに雲ごと竜巻を吹っ飛ばし、すぐさま悟空を回収し、バラライカを狙いに行く――あいつどこ行った?

 

 

「重重力…」

 

 

「ぎぃう!?」

 

 

「ぐ、おお!?」

 

 

 

 惑星ベジータの時とは比にならない重力が全方向から押し寄せてくる。あそこの重力、多分だけど地球のときの10倍だぞ!?何倍だよこれ…!

 

 

「地面に、落ちろ!!」

 

 

「「うわあぁぁぁぁ!!??」」

 

 

 上方向からつぶされる感覚に変わり、一気に地面が近くなる。ッッ!!まずい!わざわざ空中じゃなくて地面に落とすなんて、あまりにも無駄すぎる!だったらそのままつぶしちまえばいいのに…!

 

…くっそ…!悟空、ちょっと耐えてくれよ!!

 

 

「う、おおおぉぉぉ!!」

 

「ぎぎぎ、ぎぎぎゅうう…」

 

 やばい、悟空から人形が喋ってつぶされそうになったら鳴るような声が出てる。でもこうでもしないとまずい―――

 

 

 

「爆力魔波ッ!!!」

 

 

「ッッ!!悟空、俺の後ろに!!」

 

 

「兄ちゃん!?」

 

 

 間近に迫った光線。バラライカはその場から避けるためか、重力はもうない。

 つまり、こいつを耐えきればこっちに天秤が傾く!!

 

 

「はあぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

「死ねぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

 腕をクロスし、焼けつくような感覚に耐える。さっき撃とうとしたのはコイツだったのか!?落ちきって撃たせたら街が吹っ飛んでんぞ…!

 

 

 一瞬ともいえる感覚。しかし自身の後ろにしがみつく悟空の熱が、現実を確かに感じさせ――ついに、耐えきる。

 

「―――?」

 

「―――」

 

 

 一瞬だけのやりとり。そしてそのまま地面に落下し、悟空を下敷きに俺も落ちる。半身が悟空を覆い隠す形だ。

 

 

「ハアッハアッ…バラライカ、よくやった。こやつらを始末したら、貴様に褒美を与えよう」

 

 

「もったいなきお言葉、感謝の極み…」

 

 

「くっくっく…ちょうどよく重なっておるな。バラライカ、とどめを刺せ…!」

 

「承知いたしました…」

 

 

 俺たちの少し上に現れた、まるで氷河とも思えるようなツララ。先端がそのまま落ちれば、死ぬこと間違いなしだ。

 

 

 

「―――死ね」

 

 

「―――お前らがな」

 

 

 

 俺の体ごと悟空を貫こうとした瞬間、裏拳でツララを破壊。その勢いのまま悟空を持ち上げ、その両手が自由に動けるようにする。

 

その手には、青白く光るエネルギーの塊――かめはめ波だ。

 

 

―――兄ちゃん、わざと落ちてオラのこと隠せる?

 

 

―――任せろ。

 

 

 

 落ちる瞬間、そんなやり取りをした。俺が隠したのは、悟空のかめはめ波の動作。俺が覆いつつその身に力を入れてしまえば、外側からかめはめ波を用意してるなんてわかるわけがない。

 だからこれは、お前らへの手向けだ!!

 

 

「かめはめぇ!!波ァァァァァ!!!」

 

 

「なん―――!?」

 

 

「大魔王様―――!!」

 

 

 

 悟空の放ったかめはめ波が二人を巻き込んで並木を押し倒し、おそらく悟空とピッコロ大魔王の戦いによって壊れたであろう家に突っ込み、大爆発を起こす。

 

 だけど残心を行い、気を抜かない。すぐさま悟空と如意棒を拾い、構えをとる。あの一瞬、赤い光が見えた。あいつが作った六重結界とかいう奴だろう。だからおそらく、大ダメージを与えられても致命傷まではいってない。

 

 

「―――ぐおぉぉぉ!!」

 

 

「!!悟空っ!」

 

「わかった!!」

 

 

 悟空が眼前で如意棒を回転させ、前方から飛んでくる光線を防ぐ。さらに地面から巨大な岩が飛び出してくるため、悟空に光線を防いでもらいながら岩を回避し、やつらに接近する。

 そして、間合いに入った。

 

 

刹那の視線の交差。

 

 

 バラライカに気弾を発射し魔術の妨害を、悟空がピッコロ大魔王の手刀を回避して顎を如意棒でたたき上げる。スピードで勝てると思うなよ…!

 

 

「ハァッ!!」

 

 

「うぐぅっ!?」

 

 

「やぁっ!!」

 

 

「ごあぁっ!??」

 

 

 すぐさま追撃をと思い、飛び上がる――その瞬間、重力波によって吹き飛ばされる。あまりの強さに如意棒は吹き飛び、肩車が解除されて地面に転がる。

 

 

「そのまま、潰れてしまえ!!」

 

 

「う、ぐうぅぅ!!?」

 

 

 咄嗟に悟空の頭上に移動し、押しつぶしてくる重力に耐える。おそらくやつが放つ重力は、高い位置に来ている方に来るから悟空に影響が行くことはない…!でも、少しでも気を抜くと体中悲鳴が上がりそうだ…!!

 

 

「そのまま、抑えておけ…!フッ―――!!」

 

 

「ぶっ――!??」

 

 

 岩石が俺の顔に直撃し、意識が途絶えかける。さらに圧力が高まり、両腕から骨が砕けるような音が聞こえた。

 

 

「が、あぁぁ…!?」

 

 

「に、兄ちゃん!今すぐオラと代わって――!?ッッ!!ぎぎ…」

 

「はっはっは!!貴様も地面にはいつくばって押し潰れてしまえ!!」

 

 

 立とうとした悟空の左足と左手に光線が命中し、また地面に倒れる。ここで俺が堕ちたら、悟空ごと押し潰されちまう…!バラライカは一切喋らない。ずっと重力を飛ばすのに集中している。

 

 

「教えてやろう!こやつはわし以上に魔術に精通した魔族として生まれた!そして貴様らに浴びせている重力は――50倍だ!すでに貴様の腕は死んだも同然、耐えているのが不思議なくらいだ!!」

 

 

 

50倍…!?そりゃ感じたことないわけだよ…!!っまずい、意識が安定しない…!!

 

 

「くーくっくっく!さぁ、終いだ!!」

 

 

 

 

 

「気功砲ゥゥゥゥゥ!!!」

 

 

 

 

 

 

「な、なにぃ!!??」

 

 

「っ!!重力がき、消えた…!ぐッ…」

 

 

 

真横からすさまじい圧力が二人を襲いかかり、二人まとめて吹っ飛ぶ。天津飯さんだ…!

バラライカがヒビだらけの結界を作って防ごうとするものの、咄嗟の行動のため防ぎきれずまとめて吹っ飛ぶ。

 で、でも追撃はできない…!三人とも、動くことができない。天津飯さんは全力ぎりぎりの気功砲による反動、俺たちは足すらまともに動かない。くそったれ!!

 

 

 

「この、死にぞこないがぁ!!」

 

 

「ぐううぅ!!?」

 

「天津飯!!」

 

 

 生き残ったピッコロ大魔王が天津飯さんめがけて光線を放ち、天津飯さんの姿が見えなくなる。ち、ちくしょう!頼みの綱が…!

 

 

「これで、貴様らの負けだ…!ついて来い、バラライカ!!」

 

「はっ…!」

 

 

やつらが飛びあがり、空中で止まる。とどめを刺す気だな…!?

 

 

「兄ちゃん、オラの尻尾を噛んで!!」

 

「!?っお、おう!!」

 

 

 

 目の前に悟空の尻尾が現れたので、力の限りで尻尾を噛みしめる。まさか、あそこに届かせるつもりか!

 

 

「暗黒の世界の支配者に逆らった愚か者たちよ!!ここで、死ねぇぇぇぇ!!!」

 

 

「ッ油断したなぁ!!!腕を一本残しているぞ!!!」

 

 

 悟空の残った腕からかめはめ波が飛び出し、上空めがけて上がり続けていく。勢いは止まらず、突っ込んできたピッコロ大魔王たちめがけて悟空が大猿のごとき気配とともに右腕を掲げる。貫くつもりか!!なら―――!!

 

 

 

「はっあぁぁぁぁァァぁぁ!!!」

 

 

 悟空の尻尾が一気に打ち上げられ、俺を射出する。そして、体を反転させて右足をやつらに向ける!!

 これで、貫く!!

 

 

「ッ!大魔王さま、後ろへ―――!!」

 

 

「バラライカ―――!?」

 

 

 

結界が展開されるが構うもんか!!そのままぶち抜く!!

 

ひび割れた結界を砕き、バラライカの体を貫き――ピッコロ大魔王の光弾を喰らう。

 

 

 

「はじき返してくれるわ!!」

 

 

「がッ―――」

 

 

 

 

 

 

 

 でも、本命は、俺じゃない。いつだって俺は、悟空を覆い隠す、カーテンの役割を果たす…!

 

 

 

 

 

 

 

「オラのすべてを、この拳にかけるッ!!!貫けぇぇぇぇぇッ!!!」

 

 

 

「な、なにぃぃぃぃぃぃ!!??」

 

 

 

 

吹っ飛びながら、悟空がピッコロ大魔王を貫く瞬間を見届ける。

 

 

 

 

やっと、勝った。

 

 

 

 

 

 

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