ドラゴンボール ~もう一人の兄~   作:龍玉

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界王様を訪ねておよそ25万里

 

 

 

「げほ、おえぇ…ハァ、ハァ……終わった、か」

 

 

「ちく、しょう…まさか、カカロットが捨身で、来るとはな…」

 

 

「残念だが、孫悟空はドラゴンボールといういいものがあるからな。それで生き返ることができるんだ。死人が蘇るような願いでもかなえてくれる優れものさ…」

 

 

「…く、はっはっは…馬鹿なやつだ…俺がつけているこのスカウターは、残りの二人と通信している…。1年後、俺よりも強いのが来るのさ…ハッハッハ…ッつ!ゲホッ…!」

 

 

「……ベジータと、もう一人、か…」

 

 

「知っていたか…クク、あの世でお前たちがあがくのを、楽しみに見ている、ぞ…。さぁ、さっさと殺せ…」

 

 

「…ずあッ!…死んだか。もう一人のサイヤ人は…息は、あるな」

 

 

「ピッコロー!」

 

 

 クリリンたちが飛行機に乗ってやってきた。どうやら様子を見に来たようだ。

 ラディッツのこと、どう説明したもんかな…。

 

 その後、ラディッツとのあれこれ、そしてやってきたもう一人のサイヤ人との争いについてピッコロが説明してくれた。

 

 

「そうか、そんなことが…」

 

 

「クリリン、ドラゴンボールを頼んだ。俺はこんな状態だしな…」

 

「わ、わかった!悟空、安心しとけよ!悟飯もちゃんと無事だ、行く途中で拾って今は飛行機で眠ってる!」

 

「そ、そうか…チチにどやされないですむや…。兄ちゃん、あんなこと頼んですまねぇな…」

 

「二度とあんな願いは受け入れんからな…」

 

「ハハハ…そんじゃあみんな、頼ん、だ…」

 

 

悟空が息を引き取り、それを見送ったあと。

 

なぜか悟空とともに神様に肩を抱かれて仰々しい部屋にいた。は?

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

「――というわけで、この者たちを修行させたく、生身で伺ったわけなのです。海に至っては魂が不完全なので、肉体は現世からそのままの状態ですが…どうか閻魔大王様、こやつらが界王様のもとへ向かうことをお許しください」

 

 

「う~むなるほど。お前さんらの功績はたしかに素晴らしいがな、天国に行けるものらがわざわざ危険な蛇の道を通り界王様にあいにいくというのはな…。そもそも孫海に至っては、魂の半分が消えているような状態だしな。本来地獄にも行くこともできない身をあの世に来させるのは…」

 

 

「やっぱり兄ちゃん、現世じゃないと生きてけないんか…」

 

「らしいな…」

 

 

 神様からの説明を聞くと、どうやら地獄の先にいる界王様というところで修業を受けてもらおうと悟空と俺を呼んだらしい。俺は魂の状態で通らすと消滅するから肉体込みで来たとのこと。

 なんで俺の魂そんな脆いんだよ…。

 

 ちなみに俺らの前にターレスが来たらしいが、素直に地獄行を受け入れたらしい。でもまぁあいつのことだし蘇るチャンスがあったら復讐には来そうだな…。

 

「よかろう!そんなに行きたいのなら行くがよい。だが落ちてもわしは知らんからな」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「ありがとうございます」

 

「ありがとうな閻魔のおっちゃん!」

 

おいこら悟空。おっちゃんてお前…。

 

 

 というわけで許可ももらえたので、案内人さんを待つこととなった。あそうだ、今のうちに聞いておこうかな。

 

 

「閻魔のおっちゃん」

 

「お前もそう呼ぶんかい…」

 

言いやすそうなんで。

 

 

「俺の魂?ってなんで脆いんですか?子供のときに紫の猫さんにも言われたんですけど」

 

「あぁ…それはな、お前さんは本来は生まれることがなかった存在だったからじゃ」

 

「兄ちゃんが、生まれることがなかった…?」

 

 

…え、どゆこと?俺本来だったら影も形もなかったん?

 

 

「生まれる可能性はあったが、本来ならば生まれることはなかったということだ。だが無垢の状態のお前さんはそれが嫌で、魂を犠牲に生まれることができたというわけだ。その代償に魂の半分は消え、その外郭はゴムのように伸びてしまった…。それゆえ、死んでしまった時にあの世とこの世の境を超える力を持てず、ぶつかって消滅してしまう。魂がよそから入ったりしない限りはどうしようもない」

 

「…閻魔のおっちゃんは、それを知ってたんですか?」

 

「知っておった。といっても、無垢の時のお前さんから聞いたわけだがな…。すでにその代償を知ってなお、お前さんは生まれようとした。ゆえにわしとしても止めずに見守っていた」

 

…そっか。じゃあやっぱりどうしようもないだろうな。ドラゴンボールでは叶いそうにないし…。

 

 

「一度の死は大丈夫だと思うがな。だから見逃しているわけだし」

 

 

「?なんか言ったかおっちゃん」

 

「いや、ただの独り言だ。さぁ行くがよい。準備もできたようだしな」

 

 

 もやもやするが、一先ず蛇の道に向かうこととなった。そしてたどり着いて目につくのは、果ての見えない長い、長い道だった。

 

 

「ひゃ~!なっげぇな!どんだけあんだ!?」

 

「言い伝えによりますと、およそ100万kmと言われています」

 

「「100万!!??なっが~!!」」

 

 

長すぎんだろ…!?地球一周どころじゃないだろそれ!

 

 

道の長さに驚きつつ、じっ様に言伝を頼み蛇の道に挑むこととなった。なっが~…。

 

 

「あ、なぁ悟空。こういうのはどうだ?」

 

「ん?なんだ兄ちゃん」

 

 

 俺が考えたのは、片方が舞空術で片方を背負い、もう片方は体力の温存をする。疲れてきたら交代してもう一回。これを繰り返せばかなり早めに界王様のとこに着くんじゃないだろうか。

 悟空からもオッケーをもらい、早速行うことに。案内人さんにずるいとか言われたけど仕方ないだろ急いでんだから。

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

「……なぁ悟空」

 

 

「ん?どうしたんだ兄ちゃん」

 

 

「お前重くね?」

 

 

「え?そうかなぁ…。神様からもらった道着しか着てねぇぞ?」

 

 

「そうか…」

 

 

「「……」」

 

 

「いややっぱ重いだろ」

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

「ここらで休憩しようか。俺は現世の肉体のままだから、食事はしないとな…」

 

「兄ちゃん、―――とかどうすんだ?」

 

「……仮説トイレがカプセルに入ってるから、それ使うよ…」

 

「ひゃ~、準備いいなぁ兄ちゃん!」

 

「ただの避難セットだよ…」

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

「なぁ兄ちゃん、あの城なんだろな?もしかして界王様のところか!?」

 

 

「にしては気配が変だぞ?ちょっと弱い気がする…。一応避けて通ろうか」

 

「おう!……ん?な、なんか引っ張られて…!?」

 

「え、ちょっ、俺が飲み込まれる!?」

 

「ゲェッ!?に、兄ちゃーん!!」

 

「悟空ウゥゥゥゥゥゥゥ……―――――」

 

 

 

「ま、まずいことになっちまったや…」

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

「あ、やっと出れた…はぁ疲れた」

 

「兄ちゃん!無事だったんか!」

 

「あぁなんとかな…天界の野菜入りカプセル持っててよかった…。なかったらもっと引き止められてたな。すまん、何日ぐらい経ったかわかるか?」

 

「わかんねぇけど、三ヶ月は経ったんじゃねえかな。オラ暇だったから蛇の道で鍛えてたぞ!」

 

「3か…!?嘘だろ中じゃそんな経ってないはずだぞ!?」

 

「時間が違うんじゃねえかなぁ」

 

「うあ~…そういや蛇姫って人変な術使ってんなぁとは思ってたけど、それかぁ…。ほんとに待たせてごめん…」

 

「いいよ別に。兄ちゃんもいろいろあったみたいだし」

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

「あ!先っぽだ!」

 

 

「つうことはここが終点か…!でも何もないな…」

 

 

「な、なんで何も無ぇんだ…ん?兄ちゃん、上になんか丸いのがある!多分あそこだ!」

 

 

「ほんとか!っし、行くか!」

 

 

「おー!」

 

 

 

 




かかった日数:4ヶ月ほど
ちなみにラディッツは回収され、病院で入院中です。
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