ドラゴンボール ~もう一人の兄~   作:龍玉

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不幸中の幸い

 

 

△月◎日

 

 

 昨日はそのまま寝ちゃったからその分を今日書いていこうと思う。

 

 昨日ついに地球にたどり着いた。しかも落ちた場所は山の中!人里に落ちなくてマジでよかった……!

 ただやっぱり突入時の振動に酔っちゃったから、すぐ外の確認ができなかったのは失敗だ。いつか治さないとな。

 

 しかも俺が酔ってダウンしている間に起きちゃったカカロットが外に這い出ちゃったし、ほんとダメダメだぁ…。

 

 けれど不幸中の幸いで、なんとカカロットをばかりか見知らぬ俺まで拾ってくれる人に出会えた!泣きっ面に蜂だと思ってたけど、何とかなりそうでよかった。

 

拾ってくれた人の名前は孫 悟飯というらしい。白いひげを蓄えたおじいちゃんだ。でも見た感じ武術をやってる人なのかな?体ががっしりしてるし、体幹もしっかりしてる人だ。

 

 ちなみに気づいたときにはカカロットが抱きかかえられてたけど、特に暴れたりはしてなかった。初めて見る人に興味を抱いたのか、悟飯さんのひげを触ろうと手を伸ばしてた。……ちょっと俺も触ってみたいな、なんて思ったのは内緒だ。

 

 そういえば悟飯さんがカカロットのことを孫悟空と呼んでいた。多分、地球での名前を付けてくれたんだと思う。

 

 そうだ、悟飯さんは俺たちがサイヤ人ってことを知らない……!どうしよう!?なんて説明すればいいんだ!?

 

 が、そんなことを考えてもその時の俺は酔ってまともに動けない状態だったから、「あー」とか「うー」しか喋れなかった。悟飯さんは体調が悪いんだと察してくれたみたいで、「こりゃいかん。すぐに連れて行かんと」って言いながら家まで連れて行ってくれた。しかも俺の体調がよくなるまでカカロットと一緒に世話をしてくれる尽くしっぷりだ。なんて優しい人なんだ……。

 

 おかげで今は元気ピンピンだ。だから悟飯さんに事情を説明しようと思ったんだけど……なんて説明すればいいんだろう。

 

 サイヤ人のことをあっぴろげに言っちゃえば済む話だけど、悟飯さんでも信じてくれるかわかんないし、もし信じてくれたらどんな風に思われるかわかんない。

 かといってぼかしながら伝えるのはここまで世話をしてくれた悟飯さんに不義理を働くことになる。それだけはいやだ。今日だってカカロットが服を着るのを嫌がって暴れるのを一緒に何とかしようとしてくれるぐらいにいい人なんだ、隠し事はしたくない……でも全部言うのもな…。

 

 ps.悟飯さんがカカロットだけ名前を付けるのはかわいそうだということで、俺にも名前を付けてくれた。といっても俺はすでにカイっていう名前があるからそれを伝えたら、悟飯さんの名字の孫をくれた。

 だから地球での俺の名前は孫 海となった。

 カイの字が変わってる理由を聞くと、カカロットが悟空という名前に空が入ってるから、兄の俺はカイの字をそのままもじって海となったらしい。

 

 

△月〇日

 

 

 丸一日悩んでしまっていたからか、悟飯さんも俺の様子に気づいちゃったらしい。でも深く聞かれることはなかった。

 

 どうして聞かなかったのか聞くと、悟飯さんは笑って教えてくれた。

 

「海よ、おまえさんは優しい子じゃ。まだあって数日しかたっていなくともわかる。そんなおまえさんがずっと悩むことがあるのなら、それは誰かのことを思ってのことじゃろう。なら、無理に聞くわけにはいかんからのう」

 

 それを聞いて、胸がキュッてなった。痛いわけじゃない。嬉しかったんだ。なにも聞かないでくれたその優しさが、母さんや父さんを思い出したから。

 

 悟飯さんは俺のことをもう一人の孫だと言ってくれた。なら、俺が悟飯さんにできることは元気に育っていつか恩返しすることだ。大きくなって、カカロットと一緒になにかサプライズしたい。

 

 決めた。悟飯さんに武術を教えてもらって強くなろう。強くなって成長して、悟飯さんが拾ってくれた子供はすごいやつなんだって知ってもらおう。

 

 カカロットもそう考えてくれたらうれしいな。誰かと一緒に過ごすって、やっぱりいい気持ちになるんだし。

 

 

★月×日

 

 

カカロットがめちゃくちゃ暴れ散らかしてる。助けて。

 

 カカロットが暴れ始めたのは地球に着いてから少し経った後だ。悟飯さんに頼んで畑を作り、そこで野菜とかを育てようとしたときに、背中のカカロットが嫌がり始めた。

 

 あまりにも急なことだったし、今までそんなこともなかったから、まさかイヤイヤ期にはいったのか!?なんて考えてたけど、あまりにも暴れるもんだから畑づくりは中断して悟飯さんにヘルプを頼んだ。

 会った時にあんなに懐いたのなら、もしかしたら悟飯さんに抱っこされるほうがいいと思い始めたんじゃって考えたからだ。(そう考えたらなんか悲しくなってきた)

 

 が、悟飯さんに抱っこされても嫌がった。ちょっとホッとしちゃったけど、そんなこと感じてる場合じゃなかった。悟飯さんでも無理ならどうしようもない。やばいどうしよう。

 

 

☆月☆日

 

 

 なんとかカカロットのイヤイヤ期に慣れてきて、畑も完成した。これからは野菜を作っていこうと思う。もともとは悟飯さんと一緒に自生してる山菜とかをとるようにしてたけど、作れるなら畑野菜も食べたほうがいいからね。

 

 というか今のペースで採ってたら山にある山菜がいつか消えちゃいそうだし、早く栽培していかなきゃな。こんな時に栽培マンがいたらなぁ。

 惑星ベジータにいるとき、父さんとかトテッポさんがいらないからってくれた栽培マンにお願いして、俺がいないときの畑の世話をしてもらっていた。やり方を教えたらすごく真面目にやってくれてたっけ。でも長い間畑の世話ばっかり頼んでたからか、従来の栽培マンより人間臭くなっていつからか首にタオルをかけるようになってたな。不思議なこともあるもんだ。

 

………あいつらも死んじゃったんだよな。

 

 ちなみに畑に植える種は、悟飯さんがたまに人里に行くときについて行ってお店で買ったものだ。昔育ててた野菜っぽいのが多くてすごく助かった。

 

 ps.最近カカロットが家を飛び出すことが増えた。歩けるようになってからは頻度が多くなってる気がする。なんかあったらまずいから、絶対に追いかけることにしてる。

 ちなみにどれだけ阻止しようとしても持ち前の瞬発力でいつも抜け出してくる。なんでそんなに動けるの???まだ生まれてからそんなに経ってないよな???

 

 

―月―日

 

 

ぜんしんがいたい。

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