悟空たちがギニュー達と戦っている間、ピッコロはどこか懐かしく感じた気のもとへ飛んでいた。この星に降り立った時も同じように感じたそれは、確かにここが自身の故郷だと実感させる。
「…戦いが始まった。おそらくだが孫たちだろう…。となるとこの巨大な邪悪な気はなんだ…。まさか、こいつがフリーザか…!」
もう少しで目的地にたどり着くとき、その気を感じる。今まで感じたことのないほどに巨大で邪悪な気を。よりそちらに意識をやると、こちらに来ようとしてるようにも思える。
はやく用件を済ませねば、そう考えたときにはたどり着いていた。
断崖絶壁ともいえるほどに細い岩の上に建っている家は、道中で見かけた家々よりも少し大きい。そしてその中には、おそらく戦士として鍛えていただろう気配と、子供らしき気配、そして大きくされど優しさを感じる気配を感じた。
すぐそばに降り立つと、ひとりでに戸が浮き上がり中から自身によく似たナメック星人が現れた。戦士らしき気配は、目の前の存在から感じる。
「お前は、ここに住むナメック星人か…」
「私はネイル。お前は…地球人たちが言っていたカタッツの子が分かたれた存在か」
「カタッツの子だと…?そうか、俺と神の野郎はもとはナメック星人。知っていてもおかしくはないか…」
「入るといい。最長老様に用があるのだろう」
ネイルというナメック星人の後ろに付き、中に入る。そこには、一人のナメック星人の子供と大きなナメック星人がいた。
おそらく子供の方は海がクリリンから聞いていたデンデという生き残りで、大きなナメック星人が話に聞いていた最長老だろう。
「ようこそ、カタッツの子よ…。あなたに出会えるとは、思ってもみなかった…」
「ピッコロだ。あんたが最長老だな、早速で悪いが、俺の潜在能力とやらを―――なんだ、俺の顔に何かついてるか?」
おそらくフリーザとやらは、すぐにここまで来るだろう。それまでに用件を済まそうと最長老を見ると、何か考え込んだように自分を見ていた。
その閉じた瞼から感じるのは、喜び、後悔、そして謝罪だ。
「あぁ、いえ…。思えば、幼いあなたを私はずっと一人にしてしまったのだと思いましてね…。すまなかったといいたかったのです」
「…そんなことはどうでもいい。たとえ一人だったとしても俺はここまで強くなった。貴様の気づかいは余計なお世話だ」
「そうですか…ふふっ、確かにあなたは分かたれたことでその力を大きく失いましたが、それでもより高みを目指しているのですね。それを知れてよかった…」
「…」
分かたれた。つまり自分と神が元に戻ると、今以上に強くなる…?
そこまで考えて頭を振る。どのみち自分と神がもとに戻ることなどあるわけがない。
「…さっさとしろ。俺の話などどうでもいい」
「…そうですね。ではこちらに来てください」
最長老の近くにより、その頭に大きな手が置かれる。ピッコロがその手に懐かしさを感じていると、頭上から声がかかる。
「なんだ。フリーザらしき気が動き出したんだ、早く行かねばならないんだぞ」
「…一つ、お願いしたいのです。どうか、私と同化していただきませんか」
「「!?」」
「あんたと、同化するだと?」
「そうです。私とあなたが合体することで戦闘力を向上させるのです。潜在能力を解放するよりも、こちらの方がよりパワーが得られるでしょう」
「…確かに魅力的だが、俺は俺でいたい。悪いが遠慮しておこう…」
「ご安心ください。私の意識があなたの意識と融合することはないようにします。…これは、私のわがままなのです。あなたと同化することであの邪悪な気を持ったものに勝利し、生き残ったナメック星人の子らの行く末を見守りたいのです。私の意識がなくとも…」
「…聖人じみた存在だと思っていたが、案外そうでもないらしいな。いいだろう、あんたと同化してやる」
「私も、この星に生きたナメック星人の親ですから。…ネイル、デンデ。どうか、無事でいてくださいね」
「最長老様…。はい、必ず…。今までありがとうございました」
「ぼ、僕も、絶対に生きていきます!今までありがとうございました…!」
微笑んだ最長老は、ピッコロへ自身のすべてを流し込んでいく。かなりの力の奔流にピッコロは少し怯むも耐え切り…最長老の姿が静かに消えた。
「…なるほど、確かにすさまじいパワーだ。これならフリーザにも…。っ!ネイル、デンデ。すぐにこの場を離れるんだ。どうやらやつが来たようだ…」
「ついに嗅ぎつけられたか…行こう、デンデ。巻き込まれてしまっては最長老様に申し訳がない」
「は、はい!最長老様―――いえ、ピッコロさん、どうかご武運を…!」
「必ずフリーザに勝ってくれ。頼んだぞ…」
「任せておけ」
デンデとネイルの二人とすれ違うように、遠い空から邪悪な気が目の前に降り立つ。小さな飛行船から降りたかと思えば、その姿から想像できない気が放たれる。
ピッコロは直感する。こいつが、フリーザか。
「こんにちは。私はフリーザというものです。早速ですが、ドラゴンボールの願いの叶え方を教えてほしいのですが…」
「悪いが、ここに住んでいたナメック星人たちを虐殺した貴様に教えることなど一つもない。ここで死んでいけ」
「そうですか…。あなたも頑固なものですね。では、死んでもらいましょうか!」
「ッ!!」
「―――なっ」
フリーザの双眼から放たれたビームを弾くと、その顔から驚愕の念を感じる。ピッコロのことをただの路傍の石だと考えていたのだろう。
「貴様が何かする前に、さっさと殺してしまおう…。ナメック星人たちの、仇だ…!!」
「ぐうっ!?」
フリーザ以上のスピードでその顔面を殴り飛ばし、空中へ投げ出されたフリーザを追いかける。風を切るような音とともにフリーザに追いつき、その体めがけて蹴りを放つ。めり込んだ足によって唾液が飛び散るのを冷めた目で見つつ、地面に叩きつける。
このままとどめを、そう思った瞬間だった。フリーザが巨大化したかと思うと、苦しそうな声を出しながらその姿を変えていく。頭は長く、体中から突起物が生えだしてきた。
気配も大きく変わり、今の自分と同じかもしれないほどだ。
「ふうっ…!まさかこの姿を見るものが現れるとは思ってなかったですね…!!」
「貴様、変身をすることでパワーアップしたのか…!」
「パワーアップ…くっくっく…!パワーアップではありません、これはただ少しずつ本気になってるだけですよ…。そして私はあと一回変身を残している…!」
「なんだと…ッ!?だが、貴様にその隙を与えなければいいだけの話だ!」
「そう簡単にいくといいですねッ!!」
フリーザの放つ気弾の嵐によって自身が来ていた重り付きターバンと頭巾がボロボロになっていくのを横目にフリーザに突撃する。切り裂くように手刀を放つも、先ほどとは比べ物にならないスピードで回避される。
先ほどよりも強くなっただけでなく、より速くなったようだ。
「ずあっ!!」
「むうぅッ!?」
しかしより速くなったのはピッコロも同様。同等のスピードでフリーザに近づけば向こうは驚き、その隙をつくように連打を浴びせていく。二桁を超えた攻撃を与えていると、視界が逆転して一気に投げ飛ばされる。
どうやら足に尻尾を絡ませることで無理やり攻撃を中断させたようだ。
「魔貫光殺砲ッ!!」
「チィッ!?厄介な技を使う…!」
距離を取ることで変身の時間を作ろうとしたため、全力ではないものの当たれば致命傷となる魔貫光殺砲を放って変身を中断させる。
向こうが変身する前に勝負を決めたい。しかし少しずつこちらを舐めてかかっていたその態度は消えており、もう少しすれば本気で自分を殺しに来るだろうことは予想がついていた。しかも変身を許してしまえば、今以上の力が飛んでくる。
(最長老との同化でも、やつの本気がやってきたらどうしようもない!なんという化け物だ…!癪な話だが、あのベジータの野郎とナッパとやらの力も必要だ。孫たちは今どこに…!?)
思考を張り巡らしながらフリーザの指から放たれたレーザーを回避し、上空からの絨毯爆撃で島ごとフリーザを攻撃する。
その攻撃によってスカウターを破壊されながら、フリーザも同規模のレーザーの発射で対抗する。
煙が消えると、両者の姿が見えてきた。フリーザは爆撃による焼け跡と地面に叩きつけられたことで青いあざができていた。
ピッコロは体中のあちこちにレーザーの走った後が残り、血がそこらから流れている。
「――ハアッッ!!」
「キエエッ!!」
同時に殴り掛かろうと飛び込んだ瞬間、ピッコロの腕が一気にのびてフリーザよりも先にその頬を殴り飛ばす。
追撃しようと力を溜めると、はたと気づく。覚えのある気配がフリーザの近くにいる。
「この気配は…まさかベジータ、それに悟飯ッ!?まずいッ!!」
フリーザを追いかけると、予想通りベジータと悟飯がいた。
悟飯たちに逃げるように声をかけようとした瞬間、そのすぐそばから身震いするかのような気配がした。背筋が凍るかと思ったその気配からすさまじい圧が放たれ、自分を射抜くような視線を感じる。
先ほどまでとは違うその姿は、さっぱりとした小さな姿。しかし潜在する力は、まるで自分が蟻になったかのような差を感じる。
宇宙の帝王の、真の姿だった。
ピッコロさん:110万(150万)→ターバンとかが無くなる→150万(190万)
意識はピッコロさんのままですが、能力とかは最長老様からそのままピッコロさんに流れているので、ドラゴンボールは石になっていません。
ちなみにベジータ達はナメック語が使えないため、ドラゴンボールを使うのをあきらめて戦闘服をクリリンたちに着せた後少しの仮眠をとっている最中、フリーザとピッコロの戦闘が始まって飛び起きて周囲を見渡すと、すぐそばでフリーザの最終形態を目にした状況です。
追記
同化したらドラゴンボールが使えなくなるのを完全に忘れていました。現時点でドラゴンボールは石になってる状態です。申し訳ありません。