ドラゴンボール ~もう一人の兄~   作:龍玉

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一日だけソシャゲに逃げてました。


刹那の反抗準備

 

 

 悟空、ナッパ、ラディッツ、俺の四人で悟飯らしき気のもとへ飛んでいく。少し遠いところから感じるのは先ほどの邪悪な気配。そしてすぐそばからはピッコロの気配がした。おそらく潜在能力を解放したんだろうけど、クリリンたちが解放したといっていた時に比べるとけた違いにパワーアップしている。そんなにピッコロの潜在能力はすごかったのか…?

 

 すると、遠くの方からナメック星人らしき気が飛んでくるのを感じる。大人と子供の気のようだ。

 

 

「みんな、ナメック星人っぽい気配が飛んできてる。多分味方だろうし、合流してくるからラディッツ達は先に行っててくれ!」

 

「兄ちゃんも急いでな!」

 

「わかった兄貴。行くぞナッパ!」

 

「俺に舐めた口聞くんじゃねえよラディッツ!」

 

「知るか!」

 

 口喧嘩しながら三人が向こうへ飛んでいく。その間にナメック星人らしき気へと飛んでいくと、ピッコロ似のナメック星人と子供ナメック星人がいた。多分、クリリンが話してたデンデって子だろう。

 どうやら向こうの戦いから避難してきたようだ。

 

 

「君、デンデって子か!大丈夫だったか!?」

 

「あなたは、クリリンさんが言っていた孫海さん?」

 

「!お前が、孫海…」

 

「えっと、あなたは誰?」

 

「私はネイル。最長老様の護衛だったものだ」

 

「だった…?それじゃまるで最長老様とやらが亡くなったみたいじゃないか」

 

「亡くなったのではない。地球から来たナメック星人のピッコロと同化をなされた」

 

「ど、同化…?」

 

 

 何でも、ナメック星人同士は片方が片方に吸収されることでパワーを一気に増幅させることができるのらしい。そしてピッコロは潜在能力を解放するのではなく、最長老様と同化することでその戦闘力を上げたのだとか。

 だがその代償に、このナメック星のドラゴンボールは使えなくなったらしい。同化してしまってピッコロと最長老様が混ざったことにより、最長老の座に当たる人がいなくなったことで機能しなくなったらしい。

 

 一応、ピッコロから誰かを最長老に指名したらまた使えるようになるらしい。けどこんな状況で指名してる余裕はないし、生き残ったナメック星人は目の前の二人のみだろう。というかそれよりもやばいことに気づいた。

 

 

「ドラゴンボールが使えないって、使わせたくなかった俺達からしたら嬉しい話でもあるけど、フリーザからしたら最悪な話だな…!ドラゴンボールが使いたかった奴さんからしたらもう星を残す理由もないから、最悪の場合この星を消すかもな…」

 

「そ、そんな…!」

 

「ピッコロが、フリーザに勝つことを願うしかないか…」

 

「それか、フリーザ以外の全員を地球に転移させるかだな。地球のドラゴンボールは今集めてる途中だし」

 

「地球にもドラゴンボールがあるんですか!?」

 

「あぁ、それで地球に転移することができたら、少しの余裕ができるな…」

 

 

でもまだ集めれてないだろう。そうなったらどうにか時間稼ぎをしないとな…。

 

 

「くっそ~…仙豆はあと二つだろ?俺の仙豆ドリンクも一人分…。6人分には程遠いし、誰を回復させるか…」

 

「回復?なぜ回復を…」

 

「えっとな―――」

 

 

 俺達サイヤ人の特性を説明すると、二人は納得した。そしておずおずと、しかし決心した様子でデンデが俺に口を開いた。

 

 

「ぼ、僕なら傷を治せます!多分、瀕死の状態でも治せるはず…!」

 

「なんだって!?仙豆いらずじゃねぇか!」

 

「デンデは戦闘タイプではなく、龍族のナメック星人なのだ。地球人たちが最長老様を訪れた後、潜在能力を解放されたことでその才能を開花させた」

 

 

マジか、なら瀕死になって回復させるのを繰り返せばまだ抵抗できるぞ…!

なら早く行かないと…!

 

 

「二人とも、すまんがついてきてくれ!もしピッコロが倒しきれなかったときに備えて全員で準備しときたいんだ!」

 

「ぼ、僕にできることがあるのならば!」

 

「目くらましならば私にもできる。ともに行こう」

 

 界王拳を発動し、二人を引っ張る形で悟飯たちのもとへ向かう。

 そして、気付く。ベジータらしき気配のすぐそばに何かがいる。ピッコロじゃない。それよりももっと強く、恐ろしい。

 

 

「ッ…」

 

「な、に…ッ」

 

「こ、これは…!?」

 

 すぐそばに降り立ち、岩山から体を隠すようにしながら様子を確認すると、白い肌と紫の光る甲殻らしきものをその体に持つ何かがいた。

 フリーザだ。どこか苛立った様子で、上空にいるピッコロを見つめている。

 

 まずい、まずいまずいまずい!なんだあの気!?まるで底が見えない…!今の俺たちじゃ絶対に勝てない!!

 

 

「兄貴…!まずいことになった…」

 

「!?ラディッツ!?なんで後ろに…あっ、界王拳で追い越しちまってたのか…!」

 

 後ろからラディッツ達が声をかけてきた。悟空とナッパもいる。聞けば、少し前に悟飯たちのすぐそばにピッコロとフリーザらしき気配が突撃するのを察し、少しの間止まってしまっていたらしい。その間に界王拳を使った俺たちが追い越しちまったのか…。

 

 

「兄ちゃん、あれがフリーザなんか!?すっげぇな、今のオラじゃまるで勝てる気がしねぇや…!」

 

「く、くそったれ…呑気な奴だ!俺は震えが止まらねぇってのに…!」

 

 

 ナッパはなまじフリーザ本人に会ったことがあるからよりその恐怖を感じるのだろう。今まで会っていた存在の恐ろしさをここで生に感じているのだから。

 

てかそんなこと言ってる場合じゃない…!

 

「デンデ、回復って今すぐできるか…!?」

 

「で、できます」

 

「…!そうか、今すぐするのか」

 

「おい兄貴、何を言ってるんだ?」

 

「実はな…」

 

 ラディッツ達にデンデの能力を伝え、俺が考えたことについて説明する。

 サイヤ人は他者からの攻撃で瀕死になり、そこから回復すると戦闘力が爆発したかのようにアップする。そしてこの場には他者を全快させることのできるデンデとサイヤ人の俺たちがいる。

 つまり、向こうに気づかれる前に全員で攻撃しあい、それを治してもらってあいつに突撃するのだ。最優先治療対象は悟空で、その次に俺、ラディッツ、ナッパだ。

 理由は最も強く、界王拳を悟空は使えるためだ。

 

 

「というわけで、同時に攻撃しあってすぐにデンデに治してもらうぞ!」

 

「わ、わかった!ならオラはラディッツ兄ちゃんに」

 

「俺が兄貴に」

 

「俺がナッパ」

 

「俺がカカロットか。おいナメック星人のガキ!絶対にとちるんじゃねぇぞ!お前がミスったら全員お陀仏だ…!」

 

「は、ハイッ!」

 

「ならば私がフリーザの妨害をするべきだな…」

 

 

 いくら気を抑えて攻撃しても音で向こうにバレるだろう。だから俺たちは即死しない威力を意識してやらないといけないし、デンデはあいつがこっちに向かってくる前に回復してもらう必要があるし、ネイルさんには少しでも時間を稼いでもらわないといけない。仙豆とドリンクが残ってるとはいえ、変わらずデンデが命綱だ…!デンデが死んだら何もかもが終わる可能性が高い!

 

息を整え、俺の掛け声で始まる。ずれたら失敗…!ミスは許されない…!

 

 

「――行くぞ!」

 

 

 

「「「「ハアッ!!」」」」

 

 

 

 

「いきます!」

 

「ッ!!もう気づかれた…!」

 

 

「…今のはなんだ?また虫けらが来たのか?」

 

「この気配は、孫たちか!」

 

 

「あ、あの気配は…!?カカロット!?それにカイも…!」

 

「お父さんだ!それにおじさんたちの気も感じる!」

 

「ほ、ほんとだ!悟空に海とラディッツにナッパだ!それと、デンデとネイルさんもいるのか!?」

 

 

 それぞれの光線がそれぞれの胸を貫き、全員が倒れ伏す。

 瞬間、いやな予感が走ったのかフリーザから光線が飛んでくる。死の間際の俺では全く見ることのできなかった光線を、その身を賭してネイルさんが弾く。ずっと構えていたことが功を奏したようだ。だが今の一撃でネイルさんはもうボロボロだ。次は無理だろう。

 

たった一撃でかなり戦えるだろうネイルさんがボロボロだとか、なんつーパワーだよ…。

 

 目の前が暗くなっていく間に、すぐそばで倒れ伏していた山吹色の道着が光りだす。暖かな陽だまりの中にいるようなその光を感じているそばで、悟空が立ち上がる。

 

血を吐いていたとは思えないその堂々とした姿を見て理解する。

 

 

まだ、俺たちはあの絶望に反抗できる、と。

 

 

 

 

 




本来の歴史との違いで少しだけ早くデンデが潜在能力を解放しています。
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