ドラゴンボール ~もう一人の兄~   作:龍玉

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病院にて目覚める戦士。そして平穏

 

 

 目が覚めた。なんか寝心地がいいなぁと思っていたけど、どうやら悟空が入院していた時みたいに病院のベッドで寝ていた。それと、なにか俺の上にいる。なんなら寝息も聞こえる。

 

見ると、赤髪を覗かせた帽子をかぶる女の人がいた。

 

「…パンジ」

 

 返事は帰ってこない。熟睡しているようだ。体を起こして周りを見回すと、俺の横にはラディッツやナッパ、クリリンに悟飯が眠っていた。傷は完治しているようで、元気そうだ。

 

パンジを起こさないように起き上がり、病院服から着替える。どうやらパンジが持ってきてくれていたようで、たまに出かける用のシャツとダウンジャケットにズボンがあった。

 

「…ありがと、パンジ」

 

「ん~…」

 

少し頭を撫でると、嬉しそうにはにかむ。どんな夢を見てるんだか…。

 

 外出するため、病院の先生に挨拶するとものすごく驚かれながらだが許可をもらえた。驚いた理由は、傷もないのに3日も寝ていた俺がナースコールもなく起き上がっているからだそうだ。そんな寝てたの俺?

 

まぁそれは置いといて。外に出て屋上まで飛び上がる。

 

風を感じながら気を集中させ、体の調子を確認する。

 

「……うん。大丈夫そうだな。なら…ハァッ!!」

 

 気合を入れて体中の気を解放する。といっても周りが壊れないように注意してたからちょっと揺れたぐらいだったけど…。

 

 そしてあの時の感覚を思い出しながら気を高めていく。髪が逆立つような感覚とともに、俺の周りが光り輝いた。

 

「ハアアアアァァァッッ!ダアアッ!!…よし、ちゃんとなれたな」

 

 界王拳以上のパワーと気。クウラとの戦いで覚醒した超サイヤ人へ、俺は至ることができた。

 

 

「…へへっ、悟空が帰ってくるのが楽しみだ!」

 

 

その後、急な気の爆発に驚いて臨戦態勢になったみんなとパンジにもみくちゃにされた。

 

 

 でもそれはそれとしてあいつに勝ったことをすっごい喜ばれた。ほんとよく勝ったよなぁ俺達…。

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 森の中、機甲戦隊に吹っ飛ばされたかもと思っていたカプセルが無事だったので、魚を取り出してまたみんなで焚火を囲んで焼き魚を楽しんでいた。

 

 

 俺、ウーロン、ナッパとクリリンに悟飯はもう一度作り直したカレーとともに魚を楽しんでいる中、唯一ラディッツだけが気まずそうにしていた。

 

…悟飯に謝ろうとしてんだろうけど、なかなかに居心地悪そうだな。まぁでも、もう俺から何かすることもないしなぁ…。

 

 魚を食い終わり、超サイヤ人のパワーを見せてくれとナッパにねだられたので場所を移動しようとしたとき、ラディッツが悟飯を呼んで違うところに向かった。飯を食ってるときに決意したんだろう。

 

「?おいおいラディッツのやつ、どこへ行きやがるんだ?」

 

「あのとき話してたことさ。ほっとこうぜ」

 

「…あ~!そういやそんなこともあったな」

 

「なんの話だ?二人とも」

 

「いやなに、あいつも成長したって話してただけさ」

 

「何言ってるかまったくわからん…」

 

まぁウーロンは全然関わってなかったもんな。

 

 

□■□■□

 

「ここならいいだろう…」

 

「ラディッツおじさん、どうしたんですか?」

 

「…悟飯。あの時、お前を攫ってすまなかったな」

 

「あの時って…おじさんが来たときのことですか?」

 

「あぁ。…地球でお前たちと過ごして、俺は考え始めたんだ。あの時の行為は、お前の心に傷を残してやいないかと…。どこかでお前に謝ろうと思ったが、なかなか言い出せなくてな…」

 

「…僕はもう大丈夫ですよ!ラディッツおじさん」

 

「な、なんだと?お前は俺になにか恨み言を吐いても許されるんだぞ」

 

「恨み言なんてありませんよ!だっておじさん、ずっとみんなと一緒に戦ってくれたじゃないですか」

 

「…っ」

 

「僕は、お父さんや海おじさんみたいに強くないから…ちょっとだけラディッツおじさんがうらやましかったりするんですよ?やっぱり僕も、みんなみたいに守れるぐらい戦えたらいいなって思ってますから」

 

「…そうか。なら今度、ピッコロも連れて一緒に鍛えるか?兄貴やカカロットも喜ぶだろう」

 

「ほんとですか!?やったー!…あ、でもお母さんが怒っちゃうかも…!」

 

「あぁ…そういえばお前のお袋はかなり勉強を推していたな…。俺のお袋を思い出して、少しだけ恐ろしく思ったこともあったな…」

 

「ラディッツおじさんも、お母さんが怖かったんですか?」

 

「時々な。…そういえば、お袋はお前のばあちゃんになるのか」

 

「ぼ、僕のおばあちゃんってどんな人なんですか!?聞いてみたいです!」

 

「俺より兄貴の方が知ってるがな…。まぁ俺からしたらお袋は甘ったるくて、キレたら親父以上に恐ろしくて――」

 

 

 

□■□■□

 

 

 

 超サイヤ人の状態でナッパを持ち上げ、手のひらでぐるぐると大回転をしている途中でラディッツと悟飯が合流した。どちらも和やかな雰囲気で会話をしている。ちゃんと謝れたみたいだな。よかったよかった。

 ちなみにクリリンとウーロンは死んだ目でナッパを眺めてる。どうした。

 

「うおおおおおおおおおお!?ら、ラディッツ!!助けてくれえええええ!!!」

 

「…………兄貴、なにしてんだ?」

 

「力比べして負けたから罰ゲーム」

 

「う、うわぁ……」

 

 

 

悟飯が引いた目で見てる。なんだ、悟飯もしてほしいのか?言えばしてやるのに…。

 

 回転させた状態でナッパを地面に置き、ナッパが地面を掘り進んでいくのを横目に悟飯に近づく。見たことない勢いで逃げられたので確保してこちょこちょの刑に処した。うりうり~。

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

数ヶ月ぶりに地球に帰ってきたベジータが襲撃してきた。

 

「カアアアイイイイィィィ!!!」

 

「うるせぇ!!」

 

「ぐおおっ!?」

 

 最近の話だが、ついにグルメス王国の方に任せていた畜産業が軌道に乗ってきた。そして良い感じに食肉の量が取れたため、その報告書を見つつ次はどの野菜を育てるか悩んでいた時に凄まじい怒気と共に襲い掛かってきたので殴り飛ばして近くの山に叩きつけてしまった。

 

 

 

 

「…おいラディッツ」

 

「…なんだ」

 

「カイのやつ、一瞬だけ超サイヤ人になってベジータを吹っ飛ばしたよな」

 

「…それだけ煮詰まったときのストレスが溜まってたんだろう。兄貴がわざわざ超サイヤ人で殴り掛かるなんてな…」

 

 

 あーすっきり!ついでにベジータに畑で少し働いてもらうか。なんか最近、ブルマさんがベジータのこと気になってるぽいから、向こうに連絡しなきゃな。きゅうりとかなすとか、あとはレタスにキャベツ!ここら辺が旬だろうし、他のも育てる計画が今立てれたから手伝ってもらおっと!

 

「ベジータのやつ、プライドボロボロじゃねぇか?カカロットとカイの最下級戦士の二人が自分よりも先に超サイヤ人になったんだからよ」

 

「そういうあんたは、悔しくないのか?」

 

「ん、俺か?そりゃ悔しいっちゃ悔しいけどよ。それ以上にゾクゾクしてんだ!伝説は本当だったんだ、なら俺だってなれるはずだ!だったら俺もいつか超サイヤ人になってやるってな!」

 

「…そうか」

 

「なんだなんだラディッツ、そういうお前はどうなんだ?」

 

「…」

 

「…?おい、ラディッツ?」

 

「いや、何でもない。兄貴!少しいいか?」

 

「ん?なんだ?」

 

 回収にいったらまた暴れたベジータを気絶させて戻ってくると、収穫し終わった野菜を運び終えたラディッツに声をかけられた。

 

 要件を聞くと、なんでも1週間ほどの有給が欲しいんだとか。別に構わないと返すと、「助かる」の一言で会話が終わってしまう。

 

 種植えを終えてベジータに日給手当を出した後、ナッパに何を話していたのか聞いてみた。なんでも超サイヤ人の話題を話してたんだとか。

 

 ラディッツにその話を振ると、どこか決意したかのような顔をしていたらしいが、そこで会話を終えてしまったとのこと。

 

 

 

……ラディッツのやつ、もしかして超サイヤ人になろうとしてるのか?

 

 

 




大きく戦闘力が変化した組の戦闘力~

海:1000万
クリリン:60万
悟飯:100万
ピッコロ:250万
ナッパ:700万
ラディッツ:700万
クリリンがかなり上昇しているのは、クウラとの戦い後に修行をナッパたちに着けてもらっていたためです。他の地球人組の天津飯やヤムチャも同様に修行をつけてもらい、同等程度までパワーアップをしています。
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