ドラゴンボール ~もう一人の兄~   作:龍玉

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未来を見据えて

 

 

 未来の悟飯とトランクスが未来に帰り、またみんなで集合するのを約束してから数週間後。

 

 俺と悟空とピッコロ、そしてラディッツとナッパは自動車の教習所に来ていた。

 巻き込まれた悟空以外の全員がどこか遠い目をしている。

 

……いやね?悟空が仕事終わりにピッコロと悟飯連れて修行に行ったまではよかったんだよ。んでナッパが最近良い居酒屋見つけたから三人で行くかって誘ってくれた時に急に悟空から念話が届いたんだ。しかも俺だけじゃなくナッパとラディッツも名指しで。

 

 なんかあったんかねって感じで居酒屋を後回しにして、悟空の家に向かったら怖い笑顔を浮かべるチチさんがそこにいた。

 たまに修行する日を間違えて悟飯を連れて行こうとする悟空にキレるチチさんの顔だったから、若干ナッパとラディッツが怯えてたな…。

 

 で、何があったか聞くと、なんでも悟空とピッコロは免許を持ってないって話があったんだとか。それで悟空が「ま、待ってくれよチチ!オラとピッコロだけじゃなくて、ナッパと兄ちゃんたちも持ってねぇんだよ!」とかいらんことを言ったらしい。

 そして真偽を確かめるため、俺を呼んだんだとか。悟空が瞬間移動しなくてもすぐ行けるからいいけどさ、なに余計なこと言ってんだゴラァ…。このあと三人でちょっとつまみながらなんか話そうとしてたのによぉ…。まぁ別の機会にしたらいいんだけどさ。

 

 ちなみに俺たちは持ってない。だって運ぶ野菜の量が量だし、車でいちいち往復しようものなら経費が発生するから。そんなんだったら俺達で飛んで運んだ方が無料だし速いし…。

 

 そして修行という名目で悟空についていく形で教習所に向かうこととなったのだった。

 

「…カカロット。何余計なことを言ってくれてんだ…。ピッコロはともかく、テメェのせいで兄貴とナッパもついでに巻き込まれたんだぞ…」

 

「いやぁ悪ぃ悪ぃ!オラも野菜は飛んで運んでたから、別に車なんていらねぇかなって思っててさ」

 

「おいラディッツ、俺はともかくとはなんだ。そもそも俺が車を使うことなぞありえないんだぞ」

 

「まぁいいじゃねぇかピッコロ。たまにはこんなのもいいだろうよ!」

 

「ナッパ!貴様は知らんかもしれないがな、俺はピッコロ大魔王なんだぞ!なのにこんな、こんな…!」

 

「ほらさっさといくぞお前ら。チチさんがもう予約してくれてたみたいだし、さっさと受けに行こう」

 

 

 ギャーギャー言ってるピッコロを窘め、教習所の予約を確認する。どうやら実技が基本となるらしい。ペーパーテストもあるらしいが、それはもっと複雑な車に乗る場合のようだ。俺達が最初に乗るのは簡単なもののため、まぁ悟空とかナッパでもいけんだろ…。

 

 

 

 その考えが甘かったと確信するのは、試験が始まってすぐのことだった。

 

 

 

「なぁなぁじいちゃん、どうやって進めばいいんだ?」

 

「アクセルを踏むんじゃ」

 

「あく…?…オラちゃんと風呂入ってんぞ?」

 

「悪臭じゃなくてアクセルじゃ!」

 

 

「くっ…ハンドリングというのがあまりにも難しすぎる…!地球人はこんなことが必修事項なのか!?」

 

「最初は難しいでしょうから、ゆっくりやっていきましょうね」

 

 

「おいおい、なんかこの車ちいさくねぇか?狭っ苦しいぜ…」

 

「す、すみません…教習用の車で最大サイズがこちらとなるので、これ以上は…」

 

「くそったれ…」

 

 

「…大丈夫か、あいつら。ピッコロぐらいじゃねぇかまともに乗れてんの。あとギリでナッパ」

 

「孫海さん、初めての方にしてはお上手ですね…!なにか別の機種をお乗りに?」

 

「いや、マジでこれが初めてですね」

 

 

 慣れれば行けそうだし、ペーパーテスト受けに行くのもありかもな。

 

 

□■□■□

 

 

俺、ナッパ、ラディッツの教習が終了し、無事三人とも合格した。そして残りの悟空とピッコロは、まだ帰ってこない。

 

 なんなら遠くの方で悟空とピッコロの気配が止まっているのがわかる。何してんだあいつら。

 

「兄貴、俺はペーパーテストに挑戦してみようと思うが、兄貴もするか?」

 

「おっ、なら俺も参加しようかね~。参加料は全然足りるし」

 

「なら俺もやるぜ。待っている間は暇だしな」

 

 

 テストが終了した。俺とラディッツは合格し、ナッパはギリギリで落ちてしまったので追試験を受け、見事合格。

 しかし悟空とピッコロが帰ってきたのは、暇だったので三人でイメトレをしている時だった。なんでも幼稚園のバスを助けてたら遅くなったんだとか。別にそれは構わんよ、逆にいいことしたなとほめてやりたい。でもなんで山の中腹あたりで止まってたんだ???絶対に教官の言葉を履き違えて暴走しただろ。

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 悟空が免許をなんとか取得し、チチさんと悟飯と悟空の三人が車を買いに行った次の日。

 

俺は悟空から瞬間移動について教わっていた。

 

「この技はヤードラットって星のやつらから教えてもらった技なんだけどよ、オラも修得すんのにえれぇ苦労したぞ!」

 

「そんな難しいのか…。でも悟空、俺なら早く身に着けられるかもって言ってたよな。あれってどういう意味だ?」

 

「だって兄ちゃん、神様みたいな技が得意じゃんか。ならオラよりも気を応用する系の技を学ぶのも得意かなって」

 

「あ~…」

 

 確かにそうかもしれん。実際俺って記憶の読み取りとか千里眼ってやつとか、結構使えるからな。なんなら最近は草木の声も聞こうと思えば聞けるし。

 

早速瞬間移動の練習をすることとなった。

 

 これは場所ではなく、人を思い浮かべてその人の気を読み取る必要があるとのこと。知ってる人のいない場所には行けないらしいが、もしかすると俺なら場所を考えるだけで行けるかもしれないとのこと。

 そっか、草木の声が聴けるってことは、それぞれの気も読み取れるってことでもあるからできなくもないのか…。

めちゃくちゃ難しいけどな。

 

「じゃあ兄ちゃん、一回オラがしてみるから体で感じてみてくれ」

 

「オッケー!」

 

悟空の肩に手を置き、少し待つ。

 

 

 

――ピシュン!!

 

 

 どこかわからない、光があたりを行きかっている場所に行ったと思った瞬間にラディッツ達がいる畑にいた。

 

 

「よしっ!着いたぞ兄ちゃん」

 

「お~…これが瞬間移動か」

 

「なんだカカロット、兄貴に瞬間移動について教えてるのか?」

 

「あぁ!兄ちゃんならオラより早く習得できそうだしな」

 

「けっ!ただただ強ぇだけじゃなくそんな技術も学べるとはな。もう嫉妬も沸きやしねぇぜ」

 

「でもナッパの方が俺よりタフじゃんか」

 

「当たり前だ!俺がどれだけ鍛えてきたと思ってやがる!ぎひひひひ…どうだ、悔しいか?」

 

「ふっつーに悔しい。いつか追い越してやるからな…」

 

「はんっ!そう簡単に俺よりタフになれると思うなよ!」

 

 軽口をたたき合い、ラディッツから取れた野菜について報告を受けてから最初にいた場所に戻ってきた。

 

「どうだ兄ちゃん、行けそうか?」

 

「あぁ。コツは掴めそうだ」

 

 というわけで、練習風景をダイジェストで紹介してみようと思う。

 

一回目。

 

「…あれ?天津飯のとこに来ちゃった。じい様のとこに行こうとしたのに…」

 

「海!?なぜおまえがここに…」

 

「瞬間移動の練習~」

 

「あっ!海さんじゃないですか、お久しぶりです!」

 

「おーランチさん!お久しぶりですね~。あれ、桃白白は?」

 

「私用があるって仰っていたから、今はここにいないよ。ねぇねぇ海、僕もそれできるかな」

 

「餃子は超能力が使えるしな、こんど悟空に聞いてみたらどうだ?」

 

 

二回目。

 

 

「っと、今度は…ブリーフさんのところか。ブルマさんの近くではあるけど、失敗かな…」

 

「おや、海君じゃないか!どこから現れたんじゃ?」

 

「瞬間移動っていうのできました~」

 

「しゅ、瞬間移動?なんとも奇怪な技術を身に着けたの~。そうそう、重力装置の改善が終わっての、今なら300倍まで行けるようになったぞ。今はベジータ君が使っておるじゃろうが…」

 

「ほんとですか!折角なので使っていきますね!」

 

「気を付けての~」

 

 

五回目。

 

 

「………どこここ?」

 

 

十回目。

 

 

「…………見覚えがあるけど、ここに来たかったわけじゃないんだけど。てかここ神殿の部屋で飛んできた山じゃねぇか。縄が括られた木もあるし…」

 

 

「…あいつら元気にしてるかな。変な山の神?とかいうやつに狙われてた女の子の家族の人達もそうだけど、あの二人も誘われてたみたいだし…」

 

「どうせあいつ死んでねぇだろ。超サイヤ人の練習がてら潰しに行くか…」

 

「その後は…適当にぶらついて帰るかー」

 

 

十五回目。

 

 

「…おっ?悟空、か?」

 

「あり?兄ちゃんなんでいんだ?もしかして、瞬間移動成功したのか!」

 

「ぽいな!よっしゃあもっともっと精度を高めてくるわ!」

 

「おう!気い付けてなー!」

 

 

 さぁてと、ちょっと日数経っちまってるけど、修行は欠かしてねぇからな!こっからもっと追い込んでいくぜ!

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

とある日。カメハウスにある客人が来ていた。

 

「亀の。いるか」

 

「む?誰じゃこんな時間、に…お、お前さんは桃白白!海から話は聞いておったが、かなり様変わりしたの…」

 

「そんなことはどうでもいい。亀よ、お前さんはこれからの戦い、どうするつもりじゃ」

 

「…むぅ。わしはもう付いていくことができん次元となった。今わしにできることと言ったら、せいぜいがわしの技を教えるくらいじゃ」

 

「そうだ、お前には技があるだろう。それを磨くぞ」

 

「む、どういうことじゃ?お前さん何を考えておるんじゃ」

 

「…魔封波を学びたいのだ」

 

「ま、魔封波!?」

 

「お前はよく知っているだろう。我が兄とお前の師匠、武泰斗様が編み出した封印の技…。確かにわしらはもう次の世代の戦いに付いて行くことはできんだろう。だが、もしもあやつらが敗北した時、誰かが戦わねばならん。それがわしらじゃ。違うか?」

 

「…確かにそうじゃ。やはりわしも、年を取ったようだのう。視野が狭くなったようでかなわんわい」

 

「そんなことを言えるなら、まだまだいけるようだな。では、準備をするぞ」

 

「まさかわしがまた鍛えなおすことになるとはのう…時代は変わったものじゃ。お前さんものう」

 

「…わしも孫海に殴り飛ばされなければ、ここまで変わることはなかっただろう。武人としての誇りを思い出すことができたことは、あやつに感謝せねばならんな」

 

「感謝はわしらの技で返すことにしようぞ、桃白白」

 

「そうだな…さぁ、行くか。兄も待っておる」

 

「ほっほっほ!鶴のと修行をするなど、いつぶりかのう!ワクワクしてきたわい!」

 

 

 

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