ドラゴンボール ~もう一人の兄~   作:龍玉

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変わったこと、変わらなかったこと

 

 

 そろそろ悟飯たちが言っていた時が来るだろうと思っていた日に、天下一武道会が開かれた。

 優勝は昔会った少年、マークだった。今はミスターサタンって名乗ってるけど。ちなみに準優勝は昔の天下一武道会で予選にて対決したパンプットさんが獲得したとのこと。

 

 インタビューで俺がブリーフさんに作ってもらったリストバンドを使って今まで鍛えていたらしく、優勝は取れなかったものの準優勝まで勝ち残れて嬉しく思う。いつか俺にリベンジを果たしたいって言っていた。嬉しいこと言ってくれるじゃん。

 

 そうそう、最近はジュニアの部もあるらしくそちらではサタンの娘さんが優勝したとか。

 

 かなりめでたいので顔を覚えられているかわからないものの、折角なので野菜を届けてこようと思う。

 

さすがに瞬間移動は不味いので、舞空術でサタンの家にやってきた。

 

ノックしてもしも~し。

 

「…あら?もしかして、産業組合サイヤの社長さんの孫海さんですか?なにか御用でしょうか」

 

「こんにちは!実は俺、向こうが覚えてるかはわからないんだけどミスターサタンと知り合いでね。天下一武道会を優勝しただろ?それのお祝いにって思って!」

 

「あらそうなんですか!少々お待ちください…」

 

 使用人らしき人が応対をしてくれたため、スムーズに話が通ったみたいだ。

 

 少し待っていると、なにやら物々しい雰囲気が立ち込めたかと思えば大層なミュージックが流れ出し、家からマークがやってきた。

 

「ようこそ、客人!私こそが、格闘技チャンピオンのミスターサタンだ!!」

 

「お~久しぶりだなマーク」

 

「…む?どこかで聞いたことのあるような声だな…」

 

「やっぱ覚えてないか。俺だよ俺、マークがガキの時に桃白白と戦った孫海だよ!」

 

「その名前はさっきも聞いたが…いや待て、桃白白!?…ま、まさか…!あのときわたしを助けてくれた少年か!?」

 

 そうだよ~なんて返したところ、さっきまでの仰々しい雰囲気が霞となって俺のもとに走ってきたかと思うと、俺の手を掴んでぶんぶん上下に振り回してきた。どうやらさっきまでのはキャラづくりの一環とのこと。

 

 そして祝い品として家の野菜とかグルメス王国で取れた肉とかをあげると大層喜んでくれた。なんでも、サタンの家でもうちの野菜や肉は人気らしく値段が高ければいいと思ってるサタンでも売りに出てたら買うぐらいに気に入ってもらってるとか。奥さんと娘さんも喜んでもらえそうなので、ちゃんと家族共に元気でいることを約束してさよならした。

 

「またな、マーク!」

 

「孫海さんもお元気でー!」

 

 サタンの家を後にし、家に帰る。あと一週間もすれば運命の日が来るから、会社を一時的に休業状態にしないとな…。最近はパンジに無理をさせられないから、俺が中心的に動かないと!

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 5月12日。ついにその日が来た。

 すでにベジータを除くみんなが集合しており、いつでも向かうことができそうだ。

 それに、クリリンと天津飯、ヤムチャは特に成長している。界王拳も学んできたらしいから、三人ならフリーザ相手でも戦えそうだ。餃子はパワーよりも超能力を伸ばしていたようで、纏う気がみんなより少し滑らかだ。

 

 ちなみになぜかトランクスを抱いたブルマも来ていた。なんで来てんだよ危ないだろ。

 

 あと仙豆を届けにヤジロベーも来てくれたが、危ないのでヤジロベーは帰った。そっか…でも仕方ないもんな。

 

 そして、悟飯たちの言っていた10時になる…。しかし、何も起きない。下にある街も特に異変はない。

 

「…全員、妙だと思わないか。すでに10時を回っているのに敵の気配が全くない…」

 

「確かにな…未来の俺たちが死ぬような化け物が現れるはずなのに、その予兆すらない…」

 

「おいラディッツ、お前はどうだ?」

 

「俺も何も感じないな…」

 

「おかしいぞ、未来の地球をめちゃくちゃにしたやつらなんだろ?なんで何も起きない―――!?」

 

 爆発音が鳴り響いた。上を見ると、ヤジロベーが乗ってきた車が爆散した様子が確認できる。その近くに、浮遊している誰かが2人いるのもわかった。

 

「ヤジロベー!!」

 

「あいつらがやったんだ!っ街に降りたぞ!」

 

「…っ!い、一切気を感じなかった…!ど、どういうことだ…!?」

 

「じ、人造人間だからだ…。機械なら、気もないから僕たちじゃ気づけなかったんだ…!」

 

「全員散らばって探すぞ!悟空は俺と、クリリンはピッコロ、天津飯と餃子はナッパ、ヤムチャはラディッツと動くんだ!悟飯、お前はヤジロベーを助けに行ってくれ!」

 

『わかった!!』

 

「わかりました!」

 

「いいか、相手はおそらくだがレッドリボン軍のマークを身に着けてる!それを目印に探すんだ!」

 

 もしもあいつらがその人造人間なら、まずいことになるぞ…!!

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

悟空と共に街に降り立ち、人造人間を探している時だった。

 何かが爆発するような音がすぐ近くで聞こえてきた。

 

『界王拳、かめはめ波ッ!!』

 

『ウィークエンドッ!!』

 

「!!ラディッツ兄ちゃんだ!」

 

「それにヤムチャか!?でもラディッツの気功波だけが見えたぞ。ヤムチャのかめはめ波は…?」

 

「そんなことより、あいつら逃げ出したぞ!早く向かおう!」

 

「ちぃっ!」

 

 ウィークエンドに飲み込まれて空中に投げ出された人造人間らしき姿が向こうにある岩山めがけて逃げるのがわかり、途中でみんなと合流しつつ追いかけることとなった。

 

 そして追いついた場所にいた二人は、人間らしさのない二人の男だった。一人は白い肌の真ん丸なやつ。もう一人は年を取った男だった。

 

「ラディッツ!あいつらか!?」

 

「そうだ!全員注意しろ!あいつらは手のひらでエネルギーを吸収するぞ!」

 

「さっき、俺のかめはめ波もあの爺のやつと丸いやつの二人係で飲み込まれちまった…!」

 

「――孫悟空、そして孫海。やはり来たか…。それにピッコロ、天津飯もか」

 

…!?なんで俺の名前を…いや、コイツにレッドリボン軍の記録が残ってんなら、知っていてもおかしくない…!

いやでも、ならなんでピッコロと天津飯の名前を?

 

「ハァ、ハァ…オメェら、なんでピッコロと天津飯の名前を…!」

 

「…悟空?」

 

「いいだろう、教えてやる」

 

 悟空のやつ、なんでもう息が切れてるんだ。この距離なら体力も全然使ってないだろ。

 

 ここで人造人間20号と名乗ったやつらから話を聞けた。俺達を虫型スパイで監視しており、ナメック星までのことを見ていたこと。ずっと俺と悟空を倒すため、研究を続けていたこと。そして絶対に俺たちに勝つ未来はないということ…。

 

 しかしここで悟空が超サイヤ人となり、丸いやつと戦闘を開始した。

 

 だがあまりにもおかしい。今まで俺とかと修行をしていた時のキレもなければ、パンチの重みもない。

そしてついには人造人間の攻撃も回避することも難しくなってきた。

…一つだけ心当たりがある。

 

「悟空のやつ、心臓病がここで発病したんだ…!」

 

「な、なんだって!?でも未来から来たやつが特効薬をくれたんだろ!?」

 

「い、いや、お父さんに症状が出ることがなかったから飲んでないんだよ…!」

 

「なんだって…」

 

ついには胸を抑え始め、人造人間に首を掴まれた。

 

「まずい、薬はここにないぞ…!兄貴、行くぞ!」

 

「おう!」

 

助けに行こうとした瞬間、目の前に爺が現れた。

 

「ここから先は行かせん…」

 

「っ邪魔だっ!!」

 

 爺を殴り飛ばし、悟空を助けようとした瞬間に丸いやつが吹っ飛んだ。吹っ飛ばしたやつの正体は、来ていなかったベジータその人だった。

 

「カカロットを倒すのは俺の役だ…。お前たちガラクタ人形の出る幕じゃねぇ」

 

「べ、ベジータ!」

 

「カイ、ラディッツ、貴様らはそこで見ておけ!俺があのガラクタどもを屑鉄にするところをな…!」

 

 悟空がヤムチャによって家まで運ばれてるうちに、ベジータが戦いを始めた。だが、ただのベジータじゃない⋯あいつも超サイヤ人になってあの丸いやつを圧倒し始めた。

 

 そしてついには破壊し、仙豆を食って全快したのだった。

だけどそれに危機感を抱いた爺が逃げ出したため、また全員で追いかけっこが始まった。

 

 

 なんとか追いついたと思っても向こうは気が感じられない存在、見つけるのも困難でピッコロも気を吸い取られてしまった。

 

 が、なんとか悟飯が間に合ったため、ぎりぎり助けに入れた。

 

 するとそこにトランクスと悟飯がやってきた。だけどその様子はおかしい。

 

「悟飯、トランクス!」

 

「えっ!?悟飯!?何言ってんだ海、悟飯ならここに…」

 

 

「誰ですか、あいつは…!?」

 

「皆さん、あいつらと戦ってたんじゃ…!」

 

「!?だ、誰って、テメェらの言ってた人造人間だろ!!」

 

「ぼ、僕たちが戦ってきたのは、少年の人造人間と少女の人造人間です!あんな年寄りじゃない!」

 

『なんだと!?』

 

 全員が驚いていると向こうから何かが来た。かなりの音を出してるから、あれは飛行機、か?

…まさか、ブルマさんか!?

 

「!!今だ!貴様らには絶対に勝ち目がないと言ったことはホントだ!!17号と18号が今に貴様らを殺しに来るぞ!!!」

 

「17号っ!?」

 

「18号だと…!?」

 

「…あいつらだ。オレたちが戦った人造人間の番号だ!!」

 

 爺の宣言のあと、目の前を爆風が荒れ狂ったことであいつの姿を見失ってしまった。

 

急いで追いかけようとしたとき、ブルマさんが気になることを言っていた。あの爺がドクター・ゲロ本人らしいのだ。…つまり、俺たちが死ぬのを見るまで生き延びたくて改造したってことか。桃白白とは全然違う理由で改造しやがったな。

 

 そして全員でヤツの研究所に向かうことになり、一足先に向かい始めたベジータを俺とトランクス、悟飯の三人で追いかけることになった。

 二人の感覚が正しいのであれば、あの時の俺と未来の人造人間はトントンらしい。ならクリリンたちと一緒に無理やり各個撃破に持ち込めばなんとかなる!

 

向かう途中、トランクスがぼやいた。

 

「嘘じゃないか母さん…。あいつは、いいところなんてかけらもない!赤ん坊の俺も、母さんも助けようとしなかった…!心底悪なんだよ、あいつは…!」

 

「…トランクス」

 

…そうか、トランクスは今のベジータを知らないから、ブルマ視点でのあいつのことしか聞いてないのか…。

 

「トランクス、仕方ないよ。あいつはサイヤ人のプライドを持ったベジータなんだ、期待しない方がいい」

 

「で、でも…!」

 

 

 もともとサイヤ人に仲間意識なんてないんだ。そこに家族愛もなければ、同族意識なんてない。悟空とか母さんが異常なだけで、あれが正常ともいえるからな…。

 

「それに、あいつはまだ親としての自覚がない。それが芽生えるには、もっと時間を掛けなきゃいけないだろう…」

 

「…親としての、自覚…」

 

そういうと考え込んだのか、トランクスは黙り込む。

 

 かなりの時間四人で探しているけど、影も形も見当たらない。ついにはベジータもキレ始めたころ、近くでクリリンの気配がデカくなった。あっちだ!

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

 そしてみんなが人造人間のラボで扉をぶち破ったであろう頃。

 

森の中で俺は、ベジータ相手に臨戦態勢で構えていた。

 

 

 

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