【挿絵表示】
表情差分をあらすじにも載せようと思いますので、ぜひ御覧ください。
精神と時の部屋に入って半月ぐらいが経った。
すでに俺も悟飯も超サイヤ人が自然体でいられるようになったから、今はより激しい戦闘でも維持できるように悟飯と組手をしている。これができたら悟飯はより強い体づくり、俺はこれからしようとすることの練習だ。
「悟飯、もっと腰に力を入れろ!もっと捻りを加えられるはずだ!」
「はいっ!」
悟飯のジャブを防ぎ、本命と言える一撃がさっきやった組手以上の威力で俺の交差した腕を打つ。かなり重かったからか、この空間の大気を震わせる。うん、良い一撃になったな。
「よし、良い感じだぞ!次は蹴りで、その次は防御…フェイントも加えていくから、騙されず全部捌けるようにしてくぞ!」
「わかりました…!」
さすがは悟空の血を引いてるだけあってスポンジみたいに俺の言ったことを自分なりに咀嚼し、やりやすい形に落とし込んで戦闘に組み込んでいる。今も蹴り上げてきたが、俺が防御しようとしたところを綺麗に避けつつ俺に一撃を入れてきた。もともと技術を磨いているだけあって、今の俺でも少しきついな。
防御もうまく防げるようにするため、視界なしの状態でやってもらったがかなりの高精度で俺の攻撃を防げるようになっている。これでもパンチや蹴りを組み合わせながら本命の気弾を放ったりしたんだが、パンチは俺の拳に合わせるように悟飯も打ち返し、蹴りは回転するようにしながら上に避けて隠して放っていた気弾をその勢いを利用して手刀で切り裂いた。空気の感じ方や少しの音からの予測、気の感知もより磨きがかかってきたな。
「オッケーだ!今日はここまでにしよう。明日はシャドーボクシングで何もない状況からの予測がもっと細かくできるようにしていこうか。その後はもっと一撃が重くなるように、この道着を着てやるぞ。んじゃ、寝るか!」
「はい!海おじさん、ありがとうございました」
「どういたしまして。…まぁ、俺からしたら感謝を言いたいのは俺の方なんだけどな。相手してるだけでかなり修行になるし」
「そう言ってくれると、今まで頑張ってきた努力が報われる気がしますね」
「そいつは今の問題が終わってから言いな」
「はは、そうでしたね」
…うん。悟飯から感じてた気の揺らぎも修行を続けているうちに収まったな。よかったよかった。
そんじゃ、寝るとしますかね。寝てるだけで体に負荷がかかるから、ほんとしんどい。たまに気温もおかしくなるから、超サイヤ人化は必須だなぁここは。
「おやすみ~悟飯」
「おやすみなさい、海おじさん」
◆◇◆◇◆
1年半が経った。すでに悟飯は超サイヤ人の壁を超えることができ、今はとにかく体を鍛えている。もっと強く、固く、素早くなかったらセルには勝てっこないからな。
ちなみに俺は一定のラインまで鍛えることができたので、今は体内の気の操作に集中している。周りの環境の変化にも対応しながらの気の操作は困難で、俺のやりたいようにやることができない。ほんといい場所だな、ここ。しんどすぎるからちゃんと外に出たら休憩するのが必要だけど。
「ハッ!やあッ!かぁめぇはぁめぇ…波アアアアッ!!」
「…いいパンチにいいキック、いい威力のかめはめ波ができるようになってんな。悟飯」
「ハァ、ハァ…はい!もうどれだけ激しく動いても超サイヤ人の姿を維持できるようになりましたから」
「へへ、なら俺も早く完成させないとな…」
「海おじさんがしようとしてることって、なんなんですか?聞いたことが無いんですが…」
「んー…。秘密!」
「えっそんなぁ!オレ、気になるんですけど…」
「言わねぇから当ててみな~」
…からかったから悟飯がムスッとした顔で俺を見ている。修行が始まってすぐのころは見えなかった一面だ。多分、子供の時の悟飯の部分がどこかに残っていたのだろう。そしてそれを無自覚のままに大切にしていた。だから今のこの場面で見ることができた。それが出せるぐらいに余裕を持つことができているという所作の表れであるそれは、セルに勝利できるということも表していた。
ほんと、こっちの悟飯と言い混血のサイヤ人は伸ばせば伸ばすほどどんどん成長して見ててワクワクするなぁ。
…さてと、集中するか。あと半月しかないから急がないとな…。てか髪切るか。時々切ってたけどまた伸びてきたし。
◆◇◆◇◆
半月が経った。もう出なければならない。
「かなりボロボロになったなぁ…。出たら新しいのピッコロに作ってもらうか」
「いいですね、オレもピッコロさんに作ってもらおうと思います。こっちのオレもそうしたみたいだし」
忘れ物とかが無いように確認した後に神殿から出ると、ピッコロにラディッツ、ナッパやクリリンたちが待っていた。
「終わったか、海。悟飯もどうやら上手くいったようだな」
「おう。あとは休憩しつつ特訓していく感じだな」
「はい、ピッコロさん。オレも壁を超えることができました」
「兄貴も悟空のように超サイヤ人を維持しているのか…」
「俺も目指さねぇと足手まといにもならねぇな…。よし、さっさと行くぞラディッツ!置いてっちまうぞ!」
「言わなくても分かってんだよ!兄貴、また後でな!」
「おー」
手を振って神殿に駆け込むナッパとラディッツを見送る。あいつらセルに負けてからずっと二人で鍛錬してたみたいだし、かなり強くなってんな。二人の成長も楽しみだ。
ピッコロに頼んで着替えつつ、荷物をまとめていく。あとは悟空のもとに行かないとな。あ、先に悟空たちには行っててもらうか。瞬間移動の方がパンジに負担掛けなくて済むし。
「そんじゃ、俺たちは悟空のとこに行ってくるよ。みんな、またな」
「みなさん、また後で会いましょうね!」
「おう!海と未来の悟飯もまたな!」
「待っていろよ海。俺の狼牙風風拳の進化した姿を見せてやるからな」
「俺も、界王拳を極めて気功砲と組み合わせられるように修行をしようと思う。楽しみにしていてくれ」
「あぁ、聞いてるだけでワクワクしてくるよ!」
みんなと別れ、カリン塔を過ぎたあたりから悟飯と別れる。悟飯に伝えといたから、悟空たちも先に向かっててくれるだろ。早くパンジのこと迎えに行くか。
◆◇◆◇◆
「ただいまパンジ。かなり家を空けちゃったな…」
「あ、おかえりなさい!急にどうしたの?まだ帰ってこれないんじゃないかなって思ってたんだけど…」
「悟空にピクニックに誘われてな。パンジも連れて行こうと思って。瞬間移動でだけど」
「…ピクニック?」
「なぜこんな状況でピクニックに行くかはわからないけど…。まぁ瞬間移動でなら負担もかからないだろうし、行ってよし!」
「サンキュー先生!そんじゃ、準備ができたら行こうか!」
「えっ、えっ?う、うん。…ふふ、ちょっと楽しみ」
微笑んだパンジに軽くキスをして準備に取り掛かる。御飯はチチさんが作ってくれてるらしいから、軽く食えるものを持っていこうかな…。パンジが食べれるものも考えとかないとな。
というわけで。荷物も持って着替えも終わったので、先生に見送られながら悟空のもとに瞬間移動で飛ぶと、いい日差しを浴びることのできる場所に悟空たちがいた。
湖を悟空と悟飯が眺め、それをチチさんと未来の悟飯がお茶を飲みながら眺めている。
「悟空、遅くなった。軽く料理してたら熱入っちまってな…」
「オッス、兄ちゃん!兄ちゃんの料理か!?ひゃ~オラ楽しみで仕方ねぇよ!なぁ悟飯!チチの飯と兄ちゃんの飯を一気に食えるぞ!」
「「そうですね…あっ」」
「…く、ふふ…!ほ、ほんとに悟飯君が二人いるのね…!こんな不思議なこともあるんだ」
「ホント、退屈しない日ばかりだべ」
未来の悟飯を交えながらの団欒は新鮮なもので、悟飯が二人いるという食卓はなかなかに楽しいものだった。間違えて「悟飯ー?」だけで言ってしまうと2人が同時に反応するので見てて面白かったなぁ。
食事が終わったので、散歩でもしようかなと思っていると、悟空に呼ばれた。
「どうした悟空?そんな釣り竿なんか持って」
「ちょっと兄ちゃんに相談したいことがあって。あと悟飯と釣りしてぇなって思ってさ!昔のことなんだけど、いつか釣りに行こうって約束したんだよ。なっ、悟飯!大人の悟飯も知ってんだろ?」
「はい!僕、いつかお父さん達としたいなぁって…」
「フリーザと会う前ですから、もしかしたら海さんは聞いてなかったんじゃないですかね」
「あー…聞いてねぇかも。でも釣りか、いいな!パンジはどうする?」
「私?そうだな…じゃあ、私はチチさんとお喋りしてきていいかな?」
「おう、女性同士盛り上がることもあるだろうしな。じゃあまた後で!」
「はーい」
パンジをチチさんのもとに送り、悟空の横に座って釣り糸を垂らす。魚の気配が結構するから、誰が一番釣れるか楽しみだな〜。
「…で、俺に相談ってなんだ?悟空」
「…実はなぁ――――」
◇◆◇◆◇
釣りが終わり、折角だから釣った魚食おうぜとなり焼き魚パーティーをしたあとに俺とパンジは悟空達と別れることとなった。今は家でお茶を飲んでゆったりしている。
「…こういう日も、やっぱりサイヤ人でも必要って思うなぁ」
「私は、海さんと一緒にいれるからこんなにゆっくりできるって思うの」
「そうだったら、パンジの役に立ててる気がして嬉しいな」
パンジと話して、一緒に寝て。セルゲームが始まる日が近づいてると思えない日を、ゆったりとした気持ちで過ごせた。