ドラゴンボール ~もう一人の兄~   作:龍玉

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セルゲームの始まり始まり

 

 

 目が覚める。周りを見渡すとたまに見ることのある部屋の風景。

…そういや神殿で休んでんだった。やっとの思いで地球に帰還し、シャモ星の人たちを見送った後にあのベジータが珍しく「全員休むぞ。例えナメック星人のガキに治されたとしても、メンタルは別の話だ。このまま戦ってもセルの野郎に勝てっこないだろう」と全員に進言。実際疲れはデンデのおかげで取れてはいるものの、精神面で凄まじい疲労感が襲ってきていたのは事実だった。

 なので俺、ベジータ、ピッコロ、ラディッツ、ナッパの五人はそのまま泥のように眠ることとした。悟空と二人の悟飯は家に帰って休むことに。クリリンたちは自分たちのいた家に帰った。

 

「…ナッパとラディッツは、まだ寝てるな。ピッコロは…外か。ベジータはもう出てるな」

 

 寝巻代わりにしていたジャージを脱ぎ、いつもの青いインナーと紫の道着に着替える。やっぱ戦うときはこれがいいな。別の道着を着るのもありかもだけど。

 

 ネイルさんやデンデ、ピッコロに挨拶をしてから瞬間移動でパンジのもとに向かうと、すでに起きていたようで先生と談笑していた。

 

「ただいま、パンジ。すぐ帰れなくてすまんかったな」

 

「あ、海さん!おかえり」

 

「おかえり。ピッコロさんから事情は聞いてたから、パンジさんも気にしてなかったよ」

 

「うん!」

 

「そうかぁ…よかった。…といってもこの後セルゲームがあるんだけどな」

 

「それはしょうがないよ」

 

 いやホント、この一週間マジで濃すぎる気がする。精神と時の部屋にで修業して、ピクニックして、惑星ベジータに連れてかれてブロリーと殺し合って…。最後だけ比重がデカすぎる気がするなぁ…。

 

「まぁいっか。いやでもホントしんどかった…」

 

「海さんたち、全員疲れ切ってたもんねー」

 

「傷が無いのにボロボロに見えたのは久しぶりだったなー」

 

 パンジと先生と話しながらまた気を休めていく。少しずつ、少しずつ時間が過ぎていき……その時が来た。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「悟空ー!ありゃ、俺が最後だったか?みんなもういるのか?」

 

「あ、兄ちゃん!あぁ、みんなもう準備出来てんぜ」

 

「ベジータは一足先に向かった。俺達も向かうぞ」

 

「…あれ、じっ様は?」

 

「武天老師様は遅れていくって言ってたよ。飛行スピードが足りないからって」

 

そういうことか。あぁでもじっ様が来るってことは、他の二人も一緒に来るのかな。

 

「よし、全員揃ったな!ミスターポポ、デンデ、ネイル、神殿を頼んだぞ」

 

「どうか お気をつけて」

 

「僕たちもここから応援してます!」

 

「どうかご武運を」

 

 そして、全員でセルが作った舞台まで飛ぶこととなった。あんまりこんな大人数で飛ぶこともないから新鮮な気持ちだな。

 

少しすると、見えてきた。なんか他にも人がいるな。でもあれベジータか!

 

「ようこそお揃いで」

 

「…それがお前の完全体か、セル。直で見るのは初めてだな」

 

「あぁ、そういえば孫海は見ていなかったか。どうかね?私のこの姿は」

 

「セミみたい」

 

「……」

 

…いやごめん、嘘言ったらバレるだろうしごまかしも無理だから素直に言っただけなんだよ。だから青筋立てないでくれって。あと悟空は吹き出すんじゃねぇよ。

 

「あ!16号だ!あいつ直ったんだ」

 

「クリリン、ありがとう。おかげ様でこの通り直った」

 

「16号!久しぶりだな~!…それと、助けれなくてごめん」

 

「孫海、お前も息災のようだな。…セルの力が想定よりも強大だっただけだ、気にしないでくれ」

 

…すまん、ありがとうな。……そういや悟空のやつって16号の抹殺対象だよな。どういう反応されるんだ?

 

「お互い頑張ろうな!」

 

「…オレはお前を殺すために造られたんだ。そのことを忘れるな、孫悟空」

 

「えっでも兄ちゃんとは普通に話してんじゃねぇか」

 

「俺に聞くな。コンピュータにエラーが発生したためにこのような対応になっている。オレもそれを好ましく思っているために何もしていないだけだ。悪いが孫悟空、お前は別だ」

 

「…暗いやつだなこいつ」

 

 あぁこういう対応になるんだ。まぁ妥当っちゃ妥当か。だからって俺を羨まし気に見るんじゃねぇよ悟空。俺もこうなるなんて知らなかったんだからさ。

 

…てかあれサタンか?めちゃくちゃびっくりした目でこっち見てんぞ。てか周りに見えないようにこっちに手招きしてるし。

 

なになに、どうしたの。

 

 

(か、海さん!なんでここにいらっしゃるんで!?)

 

(いや、セルと戦うためだけど…)

 

(どんなトリックを使ったのか存じませんが、今すぐ帰ってください!無事で済むのかわからないんですよ!?)

 

(…いや、マークもそうだろ。悪いこと言わないからマークも帰りな)

 

(私は帰れませんよ…!ファンの期待を裏切るわけにはいきませんし、私は世界チャンピオンですから逃げる選択肢はありません!!さぁ、ここは私に任せて!)

 

…普通に心配されてしまった。その気持ちは素直にありがたいし嬉しいんだけどな。でもこの日の為に鍛えてきたと返すと、めちゃくちゃ顔を歪ませて、(なら、最初は私に戦わせてください!海さんの出番を無くしてやりますよ!)と言ってきた。

 

……。………。…………死にそうになったら助けるか。

 

『ミスターサタン、何を話していらっしゃったのですか?』

 

「なに、私の知り合いがこの日の為に鍛えて来たらしくてな。だが私が最初にセルを倒してやろうと意気込んでみれば、納得した様子で帰っていったよ!」

 

『なるほど!となればあの男性たちはその付き添いということですな。ですが残念!おそらくですが、彼らの出番はないことでしょう!なぜならこのミスターサタンによってあのセルはけちょんけちょんにされるのですから!』

 

「え~!兄ちゃんなんで先にやらせちまうんだよ!オラが最初にやろうって思ってたのに!」

 

「悪いな悟空。マークなりのプライドもあるらしくてさ…。すまんが最初はあいつにやらしたくて…みんなもいいか?」

 

「ちっ…。好きにしろ」

 

「オレも大丈夫なんですけど、いいんですか?もしかしたら殺されてしまうかも…」

 

「その時は俺がインターセプトするよ」

 

 なんとか全員から了承を得たので、サタンに手を振ってオッケーがもらえたことを伝える。…あ、ペコリって頭下げた。礼儀正しいな。

 

「時間だ。さっさと舞台に上がるんだ」

 

「ふっふっふ…今に見ているんだな」

 

「サターン!ファイトー!死なない程度に

 

「兄ちゃんも勝つって思ってねぇじゃんか」

 

悟空口に野菜突っ込まれたいか?事実だけど。

 

『さぁ!舞台袖からの応援を受けながらミスターサタンがセルの前に立ちました!ついに試合開始です!』

 

 サタンが瓦割をしてパフォーマンスをしたかと思うと、そのまま試合が開始した。何処か困惑した様子のセル。なんなら(コイツ、本物の馬鹿だ…)と言いたげな目をしながらサタンの攻撃を受け続けている。

…普通の人基準ならかなりの攻撃なんだけどな…。セルからしたら羽毛がふわふわしてる感覚なんだろうな。

 

「うるさい!」

 

「おうッ――――」

 

『あっ………』

 

…吹っ飛んだな。でもまぁ死んで、ないな。回収しに行くか…。

 

「どんまいサタン。これやるから元気だしな」

 

「あ痛たたたた…!か、海さん、申し訳ありません…」

 

「全然気にしてないぞ」

 

 サタンに肩を貸してアナウンサーさんのもとに瞬間移動する。めちゃくちゃアナウンサーさんびっくりしてんな。

 

「じゃあそこで休んどけ。あとは任せろ」

 

「は、はい…。あとこの飲み物はなんなんでしょうか」

 

「仙豆エキス。瀕死になったら飲むといいよ」

 

 

「さぁ、早くセルゲームを始めるぞ。孫悟空、お前から始めるのか?」

 

「あぁ、そのつもりだ。早くやろうぜ!」

 

 みんなのもとに戻ったころには、すでに悟空が舞台に上がっていた。他のみんなも見守る中、ついにセルと悟空の戦いが始まる。

 

 

 

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