ドラゴンボール ~もう一人の兄~   作:龍玉

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天下一大武道大会の前に

 

 

「あの世で修業ぅ?」

 

「あぁ!界王様が兄ちゃんもどうだって!」

 

 面接が終わり、新しい社員のバイオレットさんを加えた畑作業の終わり際に、悟空が地獄での修行を誘ってきた。なんでもあの世でも武道大会が開かれるらしく、北の銀河を代表した選手が必要になったらしいのだ。

 そこで界王様が考えたのは、すでに死んであの世で修業をしていた俺や悟空、クリリンたちといった面々を選手として登録するというものらしい。その一環としてあの世にいる強者との修行も行えるんだとか。

 悟空は今までの功績からあの世でも肉体を持ったままでいられるし、俺に関してはいろんな事情からデフォルトで肉体があるおかげで向こうで修業をしてもちゃんとタメになる。だから俺も行きたいけど…。

 

「あの世一武道会、だっけか。天下一大武道大会はどうするんだ?悟空もやる気だっただろ」

 

「へへへ、オラどっちもやりたいんだ!あの世の方は強くなりてぇから行きたいけど、天下一大武道大会の方は優勝賞品が欲しくてさ!チチにプレゼントしてぇからな!」

 

「強欲なやっちゃな…。まぁ悟空がいいなら大丈夫か。あぁそれと地獄での修行か。俺も行く!」

 

「よっし!じゃあ兄ちゃん、天下一大武道まで有給ってのつけといてくれ!結構溜まってるんだろ?」

 

「…まさかこの日の為に溜めてたのかお前。ん~ラディッツ達も修行に集中するだろうし、今期は出荷量減らしとくかぁ…」

 

 頭の中で今回の収穫で取れた野菜と市場に流す分を計算していると、隣にラディッツがやってきた。どうやらナッパたちとやっていた作業が終わったみたいだ。

 

「カカロット。あの世で修業するのはいいが、ベジータを置いて行っていいのか?あいつのことだから妬みそうだが…」

 

「それは無理だぞラディッツ兄ちゃん。ベジータのやつはあの世に肉体が無ぇから来たところで意味無ぇもん!」

 

「そういやそうだったな。俺が肉体ありで行けんのも体質からだし、クリリンたちは事情が事情だったしな」

 

「となると、俺も行けなさそうだな…。どうやってナッパを超えたもんか…」

 

「へっ。ラディッツが俺を簡単に超えれると思えねぇけどな!ハハハ!」

 

「やかましいぞ超サイヤ人になってもつるっぱげ頭が」

 

「なんだとテメェ!言ってはならねぇことを!!」

 

「ナッパさん!まだ計算が終わってないんですから、はやく野菜を持ってきてください!」

 

「うっ…!わ、わーったよ!ラディッツお前、あとで覚えとけよ…!」

 

 ナッパのやつ、早速バイオレットさんの尻に敷かれてんな…。ナッパの部下についてもらってよかった。たまにラディッツと喧嘩するから止めなきゃいけなくなるし、その手間分をバイオレットさんがしてくれるから楽できるわ~。

 

 と、そんなことは置いといて…悟空もそうだが、あの世に行くってことはこっちのあれこれができないってことだしな。色々と準備しないと…。パンジとリンは、なんかあったらすぐ助けを呼ぶようにいつも言ってるから大丈夫かな。リンの育児は基本的に二人でやってたから、少しの間なら任せてもいいだろうし。

 

…あ!蛇姫様用に野菜詰め合わせないと…!

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「―――着替えよし、飯よし、詰め合わせよし…足りなかったら戻ってきたらいっか!それじゃあパンジ、リン!たまに帰ってくるけど、家開けちまうから留守番頼んだ!」

 

「うん。帰ってくるときはちゃんと連絡してね。気を付けて~!」

 

「きおつけて~!」

 

 パンジとリンに手を振り、悟空のもとへと瞬間移動する。どうやら悟空も準備が完了していたようで、占いババ様と雑談していたようだ。こっちに気づいたようで、向こうも手を振ってる。

 

「悟空、早いな!なんか急用でもあったのか?」

 

「兄ちゃん!実はオラあの世の強いやつと会うのが楽しみで仕方なくてさ、待ちきれなくて早く来ちまった!ハハッ!」

 

「わしと話している時もその気配が滲み出ておったしのう…」

 

「どんだけ楽しみだったんだよ」

 

 まぁ普通はできないことだから、気になる気持ちはわかるけどな。

 そうそう、あの世一武道会に出るのは悟空だけだ。俺は悟空が出ている間は地獄めぐりでもしようと思ってる。会いたい人たちもいるしな。

 

 というわけで、占いババ様に野菜を渡して近況報告をした後、占いババ様の超能力で地獄に飛んできた。現れた場所は閻魔のおっちゃんの机のすぐそばだったようで、おっちゃんの仕事を間近で見ることが出来た。ハンコ押すのはっや。

 

「おー、孫悟空に孫海。もう来たのか。界王様から話は聞いているぞ、早速向かうといい」

 

「閻魔のおっちゃん、久しぶり!」

 

「お久しぶりです~」

 

「では、わしは帰るとするかの」

 

「占いババもありがとな、そんじゃまた!」

 

「ありがとうございました!」

 

 占いババ様が地獄から現世に戻ろうとしたとき、占いババ様がなにか思い出したようでこちらに振り返った。

 

「そうじゃそうじゃ海、お前さんにお礼を言いたいと言っておった者がいての。今度地上に帰るときは教えておくれ。そんじゃ」

 

「え?あ、はい…え?誰だ…」

 

「兄ちゃんが小っちゃい時の人なんじゃねぇか?よく出張行ってたし」

 

「そうかもなぁ。そんじゃ悟空、先地獄に行っといてくれ。俺蛇姫様に野菜渡してくるし」

 

「わかった!閻魔のおっちゃん、またな!」

 

「気を付けるんじゃぞー。…さてと、お前さんは天国行き、お前さんは―――」

 

 悟空が一足先に地獄に行くのと閻魔のおっちゃんが仕事しているのを横目に蛇の道に向かう。蛇姫のところには超サイヤ人になればすぐ着くだろうし、すぐに合流できんだろ。

 さてと、蛇姫たちは元気にしてるかな~。

 

◇◆◇◆◇

 

「お?兄ちゃんも来たか!あれ、なんでそんな疲れてんだ?」

 

「……あぁ、まー。うん…。色々あってさ…」

 

「???まぁいっか。それより兄ちゃん兄ちゃん!聞いてくれよ、さっきメタモル星人ってやつに教えてもらった凄ぇ技があってさ!ちょっと試したくて…」

 

「凄い技?まぁ構わんけど…」

 

「やった!そんじゃあ兄ちゃん、ちょっとこっち側に立ってくれ!そんでオラのポーズと鏡合わせに…」

 

「……なにこの奇怪なポーズ。これでえぇっと…?」

 

「フュー…!」

 

「は?おい待て、ちょっ―――」

 

「ジョン!ハッ!!」

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「…ん?おぉ、カイ!久しぶりじゃねぇか、元気、に…」

 

「……おぉ、トーマさん…!それに皆さんも、死んでからもお元気で…!」

 

「そりゃ元気だけどさ、あんたはどうしたんだい…?」

 

「カイお前、こんなにやつれてたか?もっと元気だったような…」

 

「…お疲れ様だ」

 

「ありがとうございます…そんなことより!折角会えたんですし、ちょっとお喋りしましょ!」

 

「それは、酒か!いいねぇ、やるとするか!」

 

◇◆◇◆◇

 

「超サイヤ人の壁を、さらに超える?」

 

「あぁ!悟飯みたいに、オラ達も壁を越えようと思うんだ!」

 

「なるほど…いいね。俺も目指すか、壁越え!」

 

「そんじゃオラ、一旦魂だけになってくる!魂だけなら気がいくらでも出せるからな」

 

「ゑ?悟空俺それできないんだけど…」

 

「……まぁ兄ちゃんならいける!ガンバ!」

 

「あっこら待て抜け駆けすんな!?おい瞬間移動で逃げんな!」

 

◇◆◇◆◇

 

 

 あの世で修業を始め、悟空があの世一武道会で優勝した後のこと。界王様のところで体を休めていると、テレビでとある放送が流れていた。

 時々現世に戻っていたから何度かCMで見ていた、天下一大武道大会の放送だ。

 

『世界的大富豪のギョーサンマネー氏が開催する、天下一大武道大会に特別ゲストとして参加することとなった、四つの銀河を代表するぶっちぎりの戦士たちがただいま、地球に到着しました!おおっと、早くも盛り上がっております!私は宇宙人に会うのが初めてなので、とても感激しております!』

 

『それでは、ギョーサンマネー氏にお尋ねします―――』

 

 

「海、そろそろ始まるそうだぞ。悟空は帰る準備ができておるのか?」

 

「たぶんそろそろだと思いますけど…」

 

「兄ちゃーん!チチにもまた帰るって言ったから帰ろーぜ!」

 

「オッケー!界王様、それじゃまた今度修行しに来ますね!」

 

「おー。お前さんらの試合も楽しみにしておるぞ!」

 

「「界王様、バイバーイ!」」

 

さーてと、久しぶりの試合だ!楽しみだなぁ…!

 

「そういや兄ちゃん、昨日ぐらいに未来の悟飯とトランクスが帰ってきたぞ!人造人間もメタルクウラも倒したみたいだしよ」

 

「まじか!?じゃあ二人も参加すんのかな?」

 

 そうなってくると優勝、かなりきついな~…。ベジータも悟空がでるから自分も出るって言ってたし、どうなることやら…。

 

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