ドラゴンボール ~もう一人の兄~   作:龍玉

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新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!
というわけで新年一発目は雑話モドキとなっております。雑話モドキと言いながら一部分すっごく長くなったのは何故なのか…。


謹賀新年!!

 

『新しい一年』

 

――――ゴーーーーン…………

 

「……年も明けたか。今年もよろしくお願いします」

 

「はい、今年もよろしくお願いします」

 

「父さん母さん、よろしくお願いします」

 

 天下一武道会が終わって数カ月、エイジ774も過ぎ去ってエイジ775となった。数カ月の間はかなりの平和な時期だったなぁ。天下一武道会後の打ち上げがあったり地獄に行って父さんのチームメンバーさん達と酒盛りしたり……。今は年越しそばを啜りながら除夜の鐘を聞いてた。地球に来てから聞くようになったけど、中々乙なものだ。悟空もチチさん達と一緒に年を越しているころだろうか。

 

「よし、歯磨きして寝ようか」

 

「「はーい」」

 

今年一年、良い年になるといいな。

 

 

◇◆◇◆◇

 

『大掃除』

 

 年明けから数日後。みんなと一緒に参拝したりおみくじで凶を引いたラディッツと大吉を引いたナッパが喧嘩したりまたみんなで鍋を囲んだりの楽しい気分を切り替え、今日はとある予定で神殿にやってきた。

 

それは………

 

「よし!新年始めの大掃除in神殿!やってくぞ!!」

 

『おー!』

 

「皆さん、どうもありがとうございます!ボクやポポさんとネイルさんでは、どうしても神殿の掃除は時間が掛かってしまって……」

 

「本当に 助かる。ありがとう」

 

「私からも礼を言わせてほしい、本当にありがとう。これだけの人数がいれば、掃除も今日中には終われるだろう」

 

「お礼を言われるほどのことじゃありませんよ。ボク達も神殿には何度も助けられてますから、お安い御用ですよ!ね、ピッコロさん!」

 

「そうだな……魔人ブウの時は避難場所として世話になったしな。それにゴテンクスと細っちょの魔人ブウが粉々に砕いたりと迷惑を掛けた」

 

「「うっ……」」

 

「悟天達が気に病むことでもねぇさ。逆にその程度で済んだのが凄ぇぐらいだしな」

 

 他のみんなでわいわいしながら準備を進め、誰がどこら辺をするかを決めて掃除をしていった。といっても、下界の家みたいに家具を動かしたりはせず、箒で掃いたり布で壁を拭いたりが主だった掃除となる。まぁデンデ達じゃないと入れない部屋とかあるから気いつけないといけない部分もあるけど、まぁ何とかなるだろ。

 

 ちなみにだが。

 

「私達は神殿の二階のようだな。タピオン、ミノシア、ついてくるんだ」

 

「あぁ。行こうかミノシア」

 

「はい、兄さま!」

 

 久しぶりに地球に帰ってきたセルとその同行者が掃除メンバーにいたりする。マジで知らない人達が横にいて最初はちょっとびっくりしたっけ。確かあの時は……

 

 

△▼△▼△

 

 

―――孫海、聞こえているか?

 

「んおっ?セルか?」

 

―――聞こえているようだな。急な連絡となってすまないが、久しぶりに地球に戻ろうと思っていてね。紹介したい友人がいるのさ。

 

 家の大掃除が済み、三人でゆったりとしていた頃にその念話は届いた。久しぶりに聞く声に驚きはしたものの、相手がセルと分かったので特に慌てることはない。

 

「そうか、戻ってくんのか!すぐに悟空達呼ぶから、そこに瞬間移動してくれ!」

 

―――助かる。そちらでは新年を迎えたころだろうに、世話を焼かしてしまってすまない。

 

「いいっていいって!そんじゃまた後で!……よし、ちょっと俺出てくる!後で呼びに来るから、少し待っててくれ!」

 

「気を付けてね~」

 

「父さん、誰と話してたの?セルって言ってたけど……」

 

「昔、一緒に地球を守った仲間さ。そんじゃ行ってきます!」

 

 そして悟空達に連絡し、いつもの面子と一緒にセルを待っていると、俺達の前に瞬間移動で三人の人影が現れた。一人は予想していたセルであったものの、もう二人は一切見たことのない人物だった。

 二人ともツンツンとした逆立った赤髪をしており、昔風の道着を着ながら剣を背負った青年たちだった。顔立ちが少し似ているところから、恐らく兄弟なんだろう。

 

「……ふむ、久しぶりに地球に戻ってきたが、どうやら変わりないようだな。ご機嫌麗しゅう地球の戦士達、壮健なようでなによりだ」

 

「久しぶりだな~セル!前よりずっと強ぇみたいだな!そんでそっちの二人が……?」

 

「おっと、紹介を忘れていたな。この二人は宇宙で出会った私の友人の……」

 

「ミノシアです!」

 

「タピオンと言います。あなた達が、セルの言っていた地球の方々ですね」

 

「おう!オラ、孫悟空だ!」

 

「悟空の兄の孫海だ」

 

「ベジータだ」

 

 他に来ていたクリリンやナッパ、ラディッツに天津飯といったセルゲームに関わっていた面子+αの自己紹介も終わったあたりで、セルと彼らの出会いを聞くことができた。

 遡ること数週間、時期的には魔人ブウと地獄の異変があったころ辺りから最近に至る話だった。その頃のセルは宇宙を旅し、フリーザ軍の残党兵を吸収しながら武者修行を続けていたらしい。その道中で謎のオルゴールを見つけ、興味本位で開けようとしたものの、セルのパワーをもってしても開くことができず、宇宙中を右往左往していたらしい。しかもその途中でまた新しいオルゴールを見つけるわ、ホイとかいう変な魔術師に襲われるわと大変だったらしい。

 

「……ちょっと待てよ。話しぶり的にそこの二人とオルゴールが関係してるみてぇだけどよ、いまいち関係性が掴めねぇんだが?」

 

「そうだぞセル。この単細胞でもわかるように説明しろ」

 

「だぁれが単細胞だ!テメェおちょくってんのか!?」

 

「ちょ、ちょっとラディッツおじさん達!今はケンカしないでくださいよ!」

 

「……こいつらは放っておいて、さっさと説明しろ」

 

「相も変わらずケンカが大好きな奴らだな……。さて、オルゴールの説明だったな。それなら私よりも……」

 

「俺達に説明させてください」

 

「セルよりも、僕達の方がそのオルゴールに詳しいですから!」

 

 セルから変わり、タピオンとミノシアの二人がオルゴールの話をしてくれた。そして二人から語られたのは、ある星に存在した魔神と勇者の話だった。

 

「俺達は今から1000年程前に、南の銀河に存在したコナッツ星で過ごしていたんです。ある時、宇宙から魔術師の一派が流れ着き、コナッツ星のあらゆる悪の気を集めていた魔神様の像を幻魔人ヒルデガーンへと変えてしまった」

 

「南の銀河って……」

 

「ブロリーが破壊した銀河だ。元々ボージャック達が封印されていた星も存在していたはずだが……」

 

「ボージャック……銀河を荒らしまわっていたヘラー一族のリーダーですが、まさか地球に……?」

 

「少し前にやってきてな。俺達で返り討ちにして、今は兄貴の会社で映画俳優をやってる」

 

「え、映画俳優……??」

 

「ねぇねぇトランクス君、ボージャックおじちゃん次は何やるって言ってたっけ?」

 

「他の人たちが仲間の冒険物語だってよ。ザンギャさんが女戦士で、ゴクアさんが勇者、ブージンさんが僧侶、ボージャックさんが荒くれ、ビドーさんがトリックスターだったはず。前は用心棒の映画やってなかったっけ」

 

「……ま、魔人ブウのことといい、地球って凄いところなんだなぁ……」

 

「ハチャメチャが押し寄せてくるから、絶対に飽きはしないぞ?タピオン、続きを頼もうか」

 

「あ、あぁ……」

 

 ボージャック一味の変容具合に少し驚きながらも、タピオンが続きを話し始める。タピオン曰く、ヒルデガーンが出現してコナッツ星は壊滅状態にまで追い込まれたのだとか。

 

「コナッツ星がどんな大きさかわからんから確実ではないけど、星一つ分の悪の気を集めてたんだろ?地獄で俺達が戦ったジャネンバレベルってことか……」

 

「つまり、魔人ブウ以上の化け物ということか!?あの時は兄貴と親父がフュージョンしたから何とかなったが、タピオンはどんな方法でやり過ごしたっていうんだ……」

 

「それは……俺とミノシアが持つこの「封印のオカリナ」を吹き、ヒルデガーンが狼狽えた瞬間を神官様が上半身と下半身に切断したんです」

 

「封印のオカリナって?」

 

「封印のオカリナは、僕達が背負っているこの剣と共に魔神様へと捧げられていた神器のことを言います。勇者のみが持つことを許された特別なものなんです」

 

「勇者!?じゃ、じゃあタピオンさんとミノシアさんって、本当に勇者なの!?」

 

「そうだよ。ヒルデガーンを封印して、神官様から正式に勇者として認められたんだ!」

 

「す、すっげぇ~……!ねぇねぇ、その剣見てもいい!?」

 

「僕も、僕も!」

 

「オレも、見てみたい……!」

 

「全然構わないよ!あ、でもよく切れるから刃先は持たないでね」

 

 子供たちがミノシアの持つ剣に夢中になり、剣技を披露し始める。それを見ていたタピオンの目は、とても穏やかな目をしていた。

 

「……俺達は、それぞれの体にヒルデガーンを封印し、魔術師の一派がヒルデガーンを手に入れないためにオルゴールへとさらに封印したんです。そして上半身と下半身が合体しようとしても大丈夫なように、別々の銀河へと放たれた……そして」

 

「1000年の時が経ち、宇宙を旅していたセルに拾われた……」

 

「これだけの時間が経っていますから、俺達の知り合いはすでに亡くなっているでしょう。……封印されている時も、ミノシアが心配でした。もしも封印が解かれ、俺かミノシアが殺されてしまったら。もしもヒルデガーンが倒されても、ミノシアは寂しい思いをしないか、と……だけど、それも杞憂だったみたいです」

 

「……そうだな」

 

 剣技のお礼に超界王拳を披露するリンに驚愕し、フュージョンに失敗してデブになったゴテンクスに涙が出るくらい笑ったり、ちゃんとゴテンクスになった姿に興奮したりと忙しない様子のミノシアを見ながらタピオンはごちる。兄としての思いに共感しながら俺もその姿を目に納める。1000年もの月日が経ち、周辺の様子が大きく様変わりしていたんだ。元々の常識が通用しないときもあったかもしれないだろう。そう考えると、セルが二人を見つけたのは本当に幸運だったんだな。

 ……あれ?でも待てよ……。

 

「なぁタピオン、もしかして今もヒルデガーンを封印してんのか……?」

 

「あ、そういやそうだった!どんな奴なんだ?オラ戦ってみてぇぞ!」

 

「おいカカロット、抜け駆けしようとするんじゃない!」

 

「いえ、もうヒルデガーンは存在しません」

 

「「「「そ、そんなぁ……」」」」

 

「おいこら戦闘狂ども」

 

気持ちはわかるけど、わかるけど!魔人ブウレベルのバケモンが地球に来たら被害がやばいだろうが!

 

「だけど、どうやって倒したんだ?タピオンさんとミノシア君からは魔人ブウレベルの気を感じれないし、セルが倒したのか?」

 

「さすがはクリリン、大まかにはあっている」

 

「大まかには?」

 

「私は一度、完全に復活したヒルデガーンに敗れたのさ」

 

「合体したのか!?」

 

「致命傷を負っていたホイが後をつけていたようでな。新ナメック星のドラゴンボールを使わせてもらった時に不意を突かれ、ヒルデガーンの合体を成功させてしまってね」

 

「そういや、ナメック星のドラゴンボールの願いは完全に使い切ってなかった……だからセルが願いを叶えに行くのに間に合ったのか」

 

 一つ目で地球を復活させ、二つ目で地球人を蘇らせた。三つめはそのまま叶え切らず、地球のドラゴンボールで記憶を消そうと話していたんだよな、あの時は。まさか巡り巡ってセルへと行き着くとは……。

 

「蘇って早々にホイを吸収したものの、完全に復活したヒルデガーンに先手を取られてしまってね。あの時ナメック星人が助けてくれなければ、死んでいたのは私たちだったろう……」

 

「あの時セルの潜在的なパワーに焦りを覚えたのか、ヒルデガーンも脱皮をすることでさらに成長していましたからね」

 

「成長って、マジでジャネンバみたいだな……」

 

「しかも攻撃が当たる寸前に霧となることで実体を消す能力も持っていたようで、一切ダメージが入らない始末だったな」

 

「ほぼジャネンバじゃねぇか!?フュージョンとか無しでよく勝ったな!?」

 

「タピオンとミノシアのおかげでね。二人がオカリナを使ってヒルデガーンを怯ませている隙に、私がヒルデガーンを吸収したのさ」

 

『吸収したぁ!?』

 

 その反応を好機と見たのか、実際にセルの体が霧となって移動する。触れようとしても通り抜けるだけで、本当に実体が存在しない。ただの霧じゃないようで、霧ごと蒸発させようにも苦労しそうな雰囲気を感じる。

 

「けどよ、そのヒルデガーンっちゅうのは悪の気が集合した存在なんだろ?セルオメェ、本当に大丈夫だったんか?」

 

「心配には及ばないさ。孫海、君のおかげでね」

 

「は?俺?…………まさか」

 

「私を侵食しようとした悪の気を増殖した君の細胞が食いつくしてしまったのさ。おかげで頗る快調だよ」

 

『えぇ……』

 

 こっわ。俺の細胞こっっっわ。つまり星一つ分の悪の気でできた存在に俺の細胞を叩き込んだら絶対に善の存在になるってことだろ?一種の生物兵器かなんかだろそれ。

 

「だけどそのおかげで、なんの後遺症もなくヒルデガーンは完全に消滅したんだ。本当にありがとう孫海。あなたがいなければ、セルは宇宙に旅をせずにいたかもしれない。そうなれば、ホイがヒルデガーンを手に入れていた可能性だってある」

 

「そ、そういわれると少し弱いな……」

 

「よかったじゃねぇか兄ちゃん!兄ちゃんの細胞がセルに無かったらこうなってねぇっちゅうことだろ?いいこと尽くしだしな!」

 

「……そうだな。折角強くなったセルに勇者が来てくれたんだ、喜ばない方が失礼か」

 

 その後錆落としと言う銘でセルやタピオン達と手合わせを行い、仲を深めたことで大掃除にも参加してくれるようになった。ミノシアと子供たちはすごく仲良くなったし、タピオンもミノシアとトランクス達のもみくちゃに巻き込まれて嬉しそうに笑っていた。

 

 

△▼△▼△

 

 

―――みたいな知り合い方だったな。今にして思えば、本当に良いこと尽くしだったんだなぁ……。

 

「兄ちゃん、そんなとこで何してんだ?オラ達も早く行こうぜ!」

 

「ん、あぁ……タピオン達が来た時のことを思い出しててな」

 

「あぁ、あん時のことか!や~セルのやつ、ホントに強くなっててオラおでれぇたぞ!もっともっと強くなんねぇと、すぐ追い越されちまうかもな……!」

 

「そう言いながらセルにどでかいのをかましてたのはどこの誰だったっけな」

 

「うっ……!?で、でもよ、あれぐらいじゃねぇとジリ貧だったからなぁ……」

 

「それは否定できんでけどなぁ。だからって天下一レベルの大技はやばいって」

 

 セルと悟空が手合わせを行った時、フルパワーの超サイヤ人3になった悟空は、セルが実体のまま攻撃を放とうとする一瞬を突いた攻撃をした。だけどあまりの一撃にセルもワンパンされ、あまり余ったエネルギーでその体を貫いてしまった。打った本人の悟空も大慌てでドラゴンボールを集めに行こうとするし、見ていた全員もパニックになった。気絶から復帰したセルが再生してなかったら、勢いのままに悟空がドラゴンボールを使っていたかもしれない。

 

「タピオンとミノシアの説教は辛かったなぁ……チチを思い出したや」

 

「タピオンの淡々とした説教は見ててぶるっちまいそうだったもんな。……あ、俺こっちやるから、悟空はそっち頼んだ」

 

「わかった!終わったら呼ぶかんな」

 

「あいよ~」

 

 悟空と別れ、何かの物置を掃除していく。悟空は向かい側にあった部屋で、昔神殿で修行をしていた時に寝泊まりしていた部屋だった。鼻歌を歌ってるようで、ちゃんとサボらずにやってるみたいだな。

 一通りの掃除も終わり、どかしていた家具などを元に戻し終えていた時のことだった。廊下から誰か読んでいる気がする。聞き覚えのある声だけど、何故か名前を思い出せない。でも聞いたことのある声だから、俺の知っている誰かの声の筈。

 

「誰か呼んだかー?」

 

………………。誰もいない。悟空の鼻歌が聞こえるぐらいしか物音はせず、呼ぶ声も途切れた。

 

「さっきの声、こっちから聞こえてたような……?あれ、この部屋って……」

 

 勘だ寄りで進んでみると、見覚えのある扉が目に入った。昔俺が入った部屋の扉は、あの時と変わらずに鎮座している。未来の悟飯とピッコロが来た時は無かったし、悟空と通った時も無かったような……。でも神殿だから、変なことも起こりうるものだろう。

 

『―――』

 

「………!ここから聞こえる……」

 

 あの時聞いた声と、さっき聞いた声が重なる。そうだ、どこで聞いたのかを思い出した。あの時聞いた声とさっきの声は同じものだ。じゃあもしかして、この声の正体は……中の、究極ドラゴンボール?神様が壊したって言ってたはずのドラゴンボールが……?

 意を決して中に入ってみれば、あの時と変わらずにドラゴンボールがそこに集まっていた。違うとしたら、埃が取り除かれて綺麗になっていることぐらいだろうか。中心にあった四星球を手に取り、光に当てて覗き込んでみる。

 

「……やっぱり黒い星だ。変わってないな……」

 

 他のドラゴンボールを覗き込んでも黒い星で、赤は一切見当たらない。確認し終えてドラゴンボールを台座に戻す。

 

『―――』

 

「……は?」

 

 不意にドラゴンボールが浮き上がり、少しずつこちらへとにじり寄ってくる。危機感を覚えて回避すれば、さっきまでいたところにドラゴンボールが突撃してきていた。……これ、ちょっとやばいか?

 

『―――』

 

「っちょっとやばいどころじゃないな!?うおおっ!?」

 

 すぐさま超サイヤ人3へと変身して扉から飛び出し、ボロボロになる壁に目もくれずに逃げ出す。すぐ後ろを見れば、俺以上のスピードで追ってきてるって、マジで言ってんの!?

 

「ご、悟空!助けてくれ!」

 

「んえ?兄ちゃんどうしたんだ……げぇっ!?ど、ドラゴンボールが兄ちゃんを追いかけまわしてる!?と、止められねぇ……っ!?」

 

 同じく超サイヤ人3となった悟空がドラゴンボールを掴むも、引きずるようにして俺を追いかけ始める。勢いは増すばかりだ。騒動に気づいたみんながドラゴンボールを掴んで抑えようとしても、まったく止まりやしない。七星球を掴んでいたピッコロが「海!外に逃げるんだ!そこなら全力で逃げられるだろう!?」と叫び、それに合わせて究極ドラゴンボール達がみんなを振り下ろしてまた俺へと向かい始める。……こうなったら外に逃げるしかないか……!

 

「っくっそ!なんで俺のことを追ってくるんだよぉ!?」

 

『―――』

 

「が―――――」

 

神殿の外に飛び出した瞬間、急加速したドラゴンボールが俺と衝突した。そして目の前が真っ暗になり―――

 

◇◆◇◆◇

 

「大丈夫か兄ちゃん!?」

 

「お父さん、仙豆は!?」

 

「持ってっぞ!兄ちゃん、無理矢理で悪ぃけど食ってくれ……!」

 

「待てカカロット、妙だ。カイのやつに傷も無ければ、ドラゴンボールも無い」

 

「……そういや、あのドラゴンボールが何処にも無ぇ……」

 

 大掃除を中止して倒れ伏した海を仲間達で囲い込む。その中には当然ピッコロもデンデもいた。そしてその二人は、唯一海の変化に気づいていた。

 

「ぴ、ピッコロさん、海さんの魂が……!」

 

「あぁ、満たされている……。あいつの話では、孫達の両親が霊の状態のまま海の魂に入り込むことで満たしていたと聞いている。だが今の海にその二人の魂は入っていない……ならば、今海の魂の中にあるのは――――」

 

「究極ドラゴンボール、ですか……!?」

 

「信じられんが、恐らく……」

 

 神としての記憶を持っているピッコロは、究極ドラゴンボールが秘めた危険性を一番理解している。だがそのドラゴンボールが見たことのない挙動をして海を追いかけまわし、挙句その身の奥深くの魂と融合した。

 

 

 

「孫海、あのドラゴンボールに一体何をした……?」

 

 

 




 余談ですが、ビドーがモンスターの群れに囲まれた状況で危機を逃れるためにハッスルダンスを踊ったシーンでは見ていた観客たち全員が立ち上がり、音楽に合わせて同じハッスルダンスを踊ったとか。後に「何故かあの踊りは一緒に踊らなければいけないと感じた」と語られたとかなんとか。
次回も雑話です。
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