何度か小休止を挟みながら着々と進む混成部隊(仮)
ヘルメット団にしてはいい装備を着けた奴らが多いがほぼ鎧袖一触だ。
「もうシャーレの部室は目の前よ!」
ユウカ先輩が味方を鼓舞するように伝える。
もう建物が目に見える位置か…緊張していた体から力が抜けそうになるのを堪えて周囲を警戒する。……静か過ぎやしないか?
『聞こえますか?先生』
何かが繋がる音と同時に代行の声がした。
『今、この騒ぎを起こした生徒の名前が判明しました』
『ワカモ。百鬼夜行学院で停学になった後、矯正局を脱獄した生徒です』
代行曰く今回の様な乱闘パーティーを何度も主催した筋金入りのテロリスト予備軍だとか。仮想敵が推定ヘルメット団首領から美食か温泉まで跳ね上がったな。捕らえられるってことはヒナ先輩レベルは考え難いから妥当な所だと思う。
『くれぐれもお気をつけて。私もそちらへ向かいます』
そう言って通信が切れた音がした。と、同時に地響きと無限軌道の独特な駆動音が近づいてくる!
"皆、こっちへ!"
先生の声に全員が集合した瞬間に路地裏の壁を突き破って戦車が顔を出した。
"総員撤退!"
そのまま一度引く判断を下した先生の指示に従い全速で路地を駆け抜けて目的地から離れる方向へと離脱した…
「あれ、どうします?」
戦車を目の前にしてゲンナリしているユウカ先輩の背中を擦りながら作戦会議中だ。
"部室の真ん前に陣取られてるみたいだから避けては通れないね"
「戦車だけなら何とかしてみせますけど」
問題はワカモなる人物が居るっぽい事なんだよなぁ…
どう見てもヘルメット団じゃない奴が陣取ってる。
「同時に相手取るのは得策ではないかと」
ハスミ先輩の言う通り、戦車だけなら何とか出来る。
ワカモ1人なら囲んで撃てば何とかなるだろう。
今回はそれに+してヘルメット団が十数人居ることも問題に拍車をかけている。
「二手に別れるのはどうでしょう?」
チナツの案も有りだがどう分けたら良いんだ…?
戦車は私、ハスミ先輩が対処可能
美食相手以上ヒナ先輩未満と仮定するならワカモ相手には4人以上は欲しい。
ヘルメットを含むならそれ以上だ。人手が足りない。
"…私に指揮をさせて貰えないかな?"
先生が指揮を?
「何とかなりますか?」
スズミ先輩の端的な質問に力強く頷くと
"私に任せてほしい"
先生の真摯な声に全員が呑まれた。
「わかりました。指揮権を預けます。」
ハスミ先輩が暫定で取っていた指揮を先生に委ねる。
"ありがとう。…手短に話そう、林檎。"
「ッはい!なんでしょうか先生」
"君は戦車かワカモのどちらの方がやりやすいかな?"
戦車かワカモか…戦車の方が想定以上の動きをするとは考え難い。
「戦車ですね。まだ想像しやすい相手なので。」
"戦車1台を引き付けて遅滞戦闘をしたとして、ケガをしないように戦った場合どのくらい時間を稼げる?"
遅滞戦闘…?遅らせて戦えば良いのか…?
「良くわかりませんが、あのタイプなら恐らく10分。最大限に伸ばしたとして20分程度で限界がくるかと思います。」
"…うん、分かった。先ずは二手に部隊を分ける…"
林檎と他4人を別部隊にする。
戦車を相手に時間を稼いでくれている間に4人でワカモとヘルメット団の子達を制圧した後、林檎に合流する
…勿論、想定外の事が起きた場合はすぐに撤退してもらうよ。特に林檎、君には危険な箇所を任せる事になってしまってごめん…危なくなったらすぐに合流するか逃げてね。
すごいシンプルだが大丈夫だろうか?
…まぁ、此方は問題ないから安心してワカモとヘルメット団をシバいて来てくださいよ。
さて、久々の対戦車戦だ…テンション上げて行くか。
作者より頭の良いキャラは書けない=脳筋ゴリ押し先生の誕生です…