ゲヘナのガンマン   作:トニートニー

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ガンマンと戦車

 

 

 

戦車とタイマン張れだなんて他の奴が聞いたらひっくり返るんじゃないだろうか…いやヒナ先輩は素で戦車ぶち抜きかねないから真顔になるかもな。そもそも戦車砲効くんだろうか?今度聞いてみよう。

 

 

先生はここで待ってれば戦車が来るからそこを叩いてくれって言ってたけどホントにくるのか…?通信機で確認したいがあっちの邪魔する訳にもいかないしなぁ…

 

あぁ、でもここなら周り気にしなくて良いし本気で避けても問題ないから楽だ……私は結局1人で戦うのが性に合ってるのかもしれないな。

 

…これが終わったら先生に何か奢って貰おう。腹減ってるから暇になると変な事考えるんだ。そうに違いない。

 

 

雑念を振り払うように頭を振ると少しスッキリした気がする。

単純な頭で良かった。

 

無限軌道とエンジンの音が近づいて来た。

さて、対戦車戦は久々だけどどうなるか…何とか10分は持たせないとな!

 

 

 

 

 

戦車の目の前に歩いて行く。

 

最初に出会した時と同じ見た目、同軸機銃等は見当たらない。

 

警戒したのか停止してこちらに砲塔が向く。

 

相手の姿は外から見えないが、こちらの姿は見えているだろう。

 

思い切り中指を立てて挑発してやる事にした。

 

「態々デカい玩具を用意するとはご苦労なこった。そのままスクラップにしてやるよ!」

 

発射音。音と炎に包まれて人に向けるサイズじゃ無い砲弾が真横を通り過ぎて背後の崖を削る。

 

再装填する間に接近しようとするが相手も接近させまいと下がる。

 

再度発射音。砲弾が今度は直撃コースを通るのが確認できたため走りながら体を右前に倒すようにして回避。

向こうからしたらすり抜けた様に見えた事だろう。

 

再装填間際に一発砲塔に撃ち込んでみる。内部で跳弾して弾き出された。粗製乱造品なら穴が開くまでは行かないにしろ傷くらいはつくんだが。結構良いもの使ってるな。相手の戦力を上方修正する。

 

下がる先が崖に囲まれてどうしょうもなくなった事に気付いたのか3発目を撃つと同時に此方に突っ込んできた。

直撃コース、さっきと同じ避け方だと戦車に轢かれる。

 

タイミングを合わせて跳び上がる。足元を戦車が通過するタイミングで無理やりキューポラを掴んで上部に着地した。

 

左肘が痛い…でももう関係無い。取り付いたら後は此方のものだ。

 

衝撃音で撥ねたと思ったのか停止する戦車の上で装甲の薄い天板から装填手が居るであろう場所に1発、運転席と思われる場所に2発、指揮官席に2発撃ち込んだ。

 

 

 

 

 

以前、ヘルメット団だかを相手にした時に同じ様な事を言われた気がするが私の使う愛銃は少し、いやかなり変わっている。

その時は素の威力が拳銃弾にしては高いというものだったが正しくは違う。私の銃弾は距離が近い程威力が跳ね上がるのだ。

 

…当たり前だって言いたいのは分かる。でもその当たり前を凌駕して威力が上がる。それこそ0距離で撃てばヘイロー持ちでも死にかねない。

 

まぁ、その分距離による威力減衰も酷いが。

真っ直ぐ飛ぶギリギリの距離だと豆投げた時位の威力しか出ない。

 

多分ヒナ先輩にダメージ与えるならほぼ取っ組み合う距離で撃つ必要が有るだろう。そんな距離であのデストロイヤーは回避出来ないからボコボコにされて終わりだろうが。

 

 

 

 

 

 

長々と説明したがまぁ、要は古い戦車相手なら装甲の中でも比較的薄い天板に限り至近距離で撃てば貫通させられる(中身ごと始末出来る)という訳で。

 

結果として沈黙した戦車が足元に鎮座している。

 

中の奴が気絶してるか確かめないといけないがこの戦車、開け方分からねぇな。適当にヒンジがありそうな所を掠らせて撃ってくか?

 

 

そんなこんなで格闘してると先生から通信が入った。

 

"無事かい!?今から応援に向かうから後1分頑張ってほしい!無理なら撤退を!!"

 

あー…っと。10分持たせられたか?

…やべ、まだ8分じゃん。持たせられなかったわ…

 

「こちら西條、戦車の無力化を……今確認してるとこです」

 

"え?"

 

「すみません…10分持たせられませんでした…」

 

"うん??取り敢えず無事なんだよね?"

 

「はい、左肘を少々痛めましたがそれ以外は問題ないです」

 

"もうすぐそちらに着くから大人しくしてて"

 

「はい…」

 

 

マズい!10分だなんて言わなきゃ良かった!!

 

機銃が付いてない戦車なんてただのカモだし、幾らでも遅らせられると思ってたけど想定以上に良質品だったから搭乗者以外狙うところがなかったのが敗因か…

 

仕方ない、大人しく叱られよう。約束を守れなかった上に言い訳まで重ねたらカッコ悪い事この上ない。

 

 

 

 

 

 

 

この後、合流した先輩達に驚かれたり褒められたりした。

 

その後は先生による感謝と謝罪と説教という謎のフルコース。

結果的に良かったもののわからない事は素直に分かりませんと言えと懇々と叱られた。

 

遅滞戦闘って下がりながら時間稼ぎする事なのか。

じゃあ相手を煽ってもっと追っかけさせてから飛び乗ればよかったんだな。勉強になった。

 

 

そういう事じゃないと更に説教が追加された。解せぬ。

 

 

 

 

 

 

 




はじめて戦闘描写に重きを置いてみましたがこれも難しいです…

対戦車戦闘で思い付いた絵面が 901ATT だったためか読み返すと大分引っ張られてますね…
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