闇銀行…ブラックマーケットでも特に警備が厳重な要所。
何かが起これば街中のマーケットガードが血眼で集まってくるだろう。
モノを奪う所までは私のちょっと雑な頭でも可能だが、その後の逃走が成功するビジョンが浮かばなかった…先生、ホントに頼むぞ…
"皆、配置に着いた?"
通信機越しに先生の声が聞こえる。
『1号、準備オッケ〜』
『2号、いつでもいける。』
『3号準備完了だお♧』
『4号、何時でもいけるわ!』
『ご、5号、準備完了です』
『0号、準備完了です』
シャーレ奪還以来だな、と若干現実逃避しながら皆の通信を聞いていると
『…6号?』
やべ、返事しないと。
『6号、準備完了』
"では作戦通りに。トラブル発生時は逐一指示を出すから聞き逃さず冷静にね。"
さぁ、闇銀行を襲うぞ…テンション上げて行こう!
闇銀行内部。時間通りに全ての照明が消える。素早く覆面を着けてマーケットガードの位置に向い、無力化する。
すげーな。事前に先生が言った通りの位置、動線で来やがった。
銃声、これは2号と4号だ。
威嚇兼相手の耳と目を集中させる為の威嚇射撃のため気にしない。
残りの2人は1号が無力化してるハズ…私が1人縛り上げる間に2人やれる当たり器用な人だ。
暗視装置も無しに何で2人も素早く処理出来るんだ?
『1号、処理完了〜』
『6号、処理完了』
"良し、復電して!"
『はい!灯り戻ります!』
明るく成った銀行内。縛って転がされたマーケットガード。
…戦隊モノの様に並んだ5人。露店で買った安物のジャケットと覆面が怪しさを際立たせている。
…2人伸して並ぶ余裕まであるのか1号。
「全員、その場に伏せて!」
「言う事聞かないと酷い目にあいますよ☆」
「あはは…みなさん、ケガしちゃいけないので伏せてくださいね…」
銀行員が慌てて非常ボタンを押すが…
「うへ~、無駄無駄〜。外部との接続、通信は切断済みだよ~」
先生半端ないな。ブラックマーケットの一部とはいえ完全に情報を遮断しやがった。
「ほらっ、そこ動かない!伏せたままでいろっつってんの!」
あ、アイツ銃を向けて来てんな。
銀行員の1人がゆっくりと4号(セリカ)へ銃口を向けようとしているのを見つけた。
素早く側に寄り後頭部に銃口を当てる。
「なぁ、話聞いてたか兄ちゃん…アタシらは伏せてろって言ってんだぜ?」
言葉と同時にゴリッと銃口を押し当てると諦めた様に銃を手放した。…よし、良い子だ。
銃を蹴飛ばして警戒に戻るとなにやら5号(ヒフミ先輩)がアタフタしている。
あぁ、1人だけ見た目が異様だからな。リーダー扱いされちまってるわ。ちと悪ノリ気味だが…ま、どうせやるなら派手に弾ける方が楽しいだろ。
「リーダー!こっちは大人しくなったぜ!!」
「あうう…6号さんまで……何かテンション高くないですか?」
悪い、フザケられるタイミングならフザケたいんだ私は。
テンションは店に来る強盗をエミュレートしてる…妙にしっくりくるのが癪だな。
そうこうしてる内に2号(シロコ先輩)が受付に居た奴に集金記録を要求していた。
…んん?ヤケにバックが膨らんでないか?
「ど、どうぞ!これでもかと詰めましたからどうか命だけはっ!」
「あ、う、うーん…」
困ってるな。少し手助けに行くか。
「おい、余計なモン入れてんじゃねぇよ!!」
銃口をゴリゴリ押し付けながら
「10秒以内に集金記録だけ寄越せ! 10!…9!…」
問答無用でカウントしていくと銀行員は慌てた様子でその場で金塊や株券、札束を放り捨てて鞄を渡す。…めっちゃ飛んでったな。
「シロ…2号先輩、6号、ブツは?」
おい、4号。ちゃんとなり切れよ…私が恥ずかしくなっちゃうだろ…
「…ん、確保した。」
「それじゃ逃げるよ〜!全員撤収!」
「アディオース☆」
「ケ、ケガ人は居ないみたいですし…すみませんでした!さよならっ!」
よっしゃ、逃げるべ。
「奴らを追えッ!絶対に逃がすな!!」
後ろから銀行員の怒鳴り声が聞こえてくるが…
"良し…全シャッター閉鎖。30分後にロックダウンモード解除を設定。…後は指定したルートで脱出を。お疲れ様"
防犯シャッターが閉まり、檻の中の連中が追いかけてくる事は無かった。
いやー何とかなるモンなんですね!
しかしわけわからん技術だわ。先生、もしかしてミレニアム出身だったりする?
ユウカ先輩とか喜んで話に乗ってきそうだけど…あ、内緒なんですね。了解です…
ブラックマーケットの外縁部に付き、完全に変装を解く寸前で
「や、やっと追いついた…!!」
ゲヘナの問題児が姿を現した。
何故便利屋が此処にいる…!?
強盗終了です。
人が多いと相変わらず難しい…