会話難し過ぎますね…精進します
「…はい、それでは今日の所は帰って頂いて大丈夫です。ご協力有難うございました。」
ヒナ先輩に連れられて風紀委員会本部まで来た私は漸く解放される運びとなった。
想像していた通り、過去の件についても根掘り葉掘り聞かれたが特に記憶に残ったモノ以外はほぼ忘れてしまっていたため聴取は難航、結局解放されたのは夜が更けてからという有様である。
(1〜2ヶ月前の事なんてもう詳しく覚えてないってのに)
そもそも先月までは何の因果か日刊トラブル巻き込まれ件数が平均3件を越えていたのだ。ゲヘナにおいてぶっ飛ばした奴の顔なんか覚えてないし、場所だって曖昧になる。
記憶に残るのは苦戦した相手か他所様の学園や自治区絡みのトラブルだが強者相手は大抵美食研究会か温泉開発部、時々風紀委員のため相手側がぶち込まれて解決済みか風紀委員側も知っている事だけ。後者に関しては捜査権限が各学園、自治区にあるため話しても意味が薄い。
結果、曖昧な記憶で覚えてる様なそうでないような…と言った具合の私に匙を投げたのかちょっとした騒動で大事件とは関係ないものばかりの聴取だったからか解放の流れになった。
(腹減ったなぁ…)
昼飯を食べに外出したのに結局夕飯の時間まで拘束されるとは思わなかった。
この時間では流石に給食部も帰ってるだろうし、不良'sから巻き上げた金の残りじゃコンビニでパンも買えない。
今日の所は大人しく空きっ腹を抱えて寝るか…と覚悟して本部出口を通る時に昼に話した声に呼び止められた。
「あら、今から帰るの?」
「ええ、私の記憶力不足で聴取が長引いてしまいまして」
「…毎回受けてくれればもっと短く済むでしょう」
「最初の方は受けてましたよ?」
「それを継続して頂戴」
「面倒なんでイヤです」
溜息をつかれた。呆れられてしまったようだが1日に最大6回も聴取されるとか勘弁して欲しい。
「それで、ヒナ先輩はなんでこんな時間まで居るんです?」
私と聴取してた人と遅番?以外帰ってるものだと思っていた。
ヒナ先輩が帰れないレベルのドンパチがあったのだろうか?
ゲヘナだと週毎には開催されてる気がするな…考えない事にしよう
「いいえ、ただの書類仕事よ」
心も読めるのかこの人。どうやったら勝てるんだ…?
「顔に全部でてる…別に心が読める訳じゃない、貴方が分かり易すぎるのと後は推測」
「そんなわかり易いですか?」
「目線や表情だけで多くの事が判るわ」
「…精進します」
どう頑張れば良いのか解らないが。
しかし書類仕事か…この人、書類やらせるより現場専門で回って貰った方が良いんじゃないか?この人が居る方が絶対勝つだろう。
(私はあまり頭良くないから分からんし、関係無いけど)
「ヒナ先輩は今から帰りですか?」
「えぇ、喫緊のものは片付けたから」
ヒナ先輩がそう言うと同時に"グゥ~"と音が鳴った。
「…夕飯、と言うには遅いけれど何か食べていく?」
「恥ずかしながら、手持ちが無くて…」
「私が出すわ。事情聴取が原因でしょうし」
「お言葉に甘えさせていただきます…」
その後は2人で深夜営業しているラーメン屋で食事を奢ってもらい、
他愛ない雑談を交わして帰路につく途中で、
この恩はいずれ必ず返します、と言うと
聴取に協力してもらったお礼と思って頂戴と返された。
それでも、恩には報いますよ、と戯けながら返すと微笑みながら
「じゃあ…そうね。もし他の人が困っていたら」
その時に貴方の矜持が許すのならば
「できる範囲で良いから、助けてあげてね」
そんな言葉で締め括られた。
治外法権云々はアビドス周りの話からの推測です。多分連邦生徒会が機能している場合はヴァルキューレが臨機応変に対処したのかなぁ?と思っています。