ゴリアテ撃破後、私はヘリに乗せられて近場の病院まで護送されたためその後の話は人伝に聞いたものになる。
ホシノ先輩は対策委員会の皆と先生が無事救出したとの事。…アヤネがヘリから降りてきた時は驚いたが、さっさとホシノ先輩の方へと送り出したのは正解だったな。
折角皆で頑張ったんだから揃って出迎える方が良いだろ。
便利屋の皆はそれはもう奮闘してくれたようだった。最終的に北側の援軍を片付けたヒナ先輩達が合流して更地にしたとのこと。
…ヒナ先輩の姿が見えたにも関わらず逃走しないで協力したらしい。その場は見逃すとの事で無事便利屋も脱出したとヒナ先輩から聞いた。
ファウストの姐さんは何時の間にか姿を消していたって話だが、わざわざ正体を隠して助けてくれたんだ。先生に多少強請っても許されるだろう。
カイザー理事はゴリアテから引きずり出して当局に引き渡したそうだ。気がついてからもうわ言を呟いていたそうだから捜査には時間が掛かりそうとの事。
見舞いに来てくれた対策委員会からラーメンを奢ってもらう約束もしたし、私的には満足の行く決着だな。
そして検査入院を終えて退院した私は晴れ晴れとした気持ちでゲヘナへと帰ったのだった。…ロードバイクもそろそろ納車されるし、良いことづくめだわ!
「うぉおぉおぉ!!」
速い、速いぞ!!
漸く手に入れたロードバイクで走ってるがこれ前傾姿勢過ぎて地面が近く感じるな!
お陰で体感速度がすげーわ…感覚的に80km位出てる気がする。
路面は選ばないといけないが、コイツは良いモノだわ。レッドウィンター以外ならコレでどこまでも行けるぞ!
私はテンション上げて足をブン回し、アビドス市街地へと向かった。
「お待たせしました、シロコ先輩」
「時間通りだから大丈夫」
少し息切れしながら待ち合わせの場所まで行くとシロコ先輩は既に先に待っていた。
「新しいロードバイクはどう?」
「最高ですね!」
まだ前傾姿勢に慣れてないんで変なとこ筋肉痛になりそうですわ。
乗った感想を興奮交じりに話すと、シロコ先輩は満足そうに
「ん、良かった。じゃ、行こうか」
「了解です!」
今日はシロコ先輩とツーリングだ。…初心者向けのコースを考えてくれたとの事だから安心だな!
と、思っていたがシロコ先輩基準の初心者コースって意味を鑑みるべきだったかもしれない…そろそろ足がヤバい。
わかっちゃいたがシロコ先輩、体力お化けだわ。
「…大丈夫?」
「はい…と言いたいですがそろそろ足が限界です…」
既に180km位走ってない?…それでもまだ日が落ちてないって事はそれなり以上のスピードで走ってたんだなぁ。
途中から無心で漕いでたからあんま覚えてないが。
「ん、もうそろそろゴールだから頑張って」
「はい…気合い、入れて漕ぎます…!」
もう最後は気力で漕いでた。
何処に向かってるのか不明のまま、シロコ先輩の背中を追いかける。
「…着いた。良く頑張ったね」
「…はい。次までにもう少し体力つけて置かないとですね…」
これじゃ、シロコ先輩は余り楽しめなかっただろうなぁ…
疲労困憊になりながら申し訳なく思っていると
「あ、やっと来た!シロコ先輩、遅いですよ!」
「林檎ちゃん、大丈夫ですかー?大分疲れちゃってるみたいですけど☆」
「シロコ先輩、どれだけ連れ回したんですか?」
「シロコちゃん、張り切ってたからね〜」
対策委員会の皆がそこに居た。
…ここ、柴関ラーメンじゃん。気づかなかったわ。
「ん、予定通り。ちゃんと連れてきた」
「予定通り、ですか?…」
何か約束してたっけ?…頭がまだ上手く回らん。
「ラーメン奢ったげるって約束したじゃない?それでシロコ先輩とのツーリングの終わりに皆でご馳走しようって話になったんだけど」
これは日を改めた方が良いかな…とシロコ先輩の方をジト目で見るセリカ。
あぁ、入院中の話か……ふぅ、漸く息が整ってきた。
「シロコ先輩、ホシノ先輩、ノノミ先輩、セリカ、アヤネ」
対策委員会の皆の名前を呼ぶ。全員がこちらを向いた。
「ありがとうございます。ゴチになります!!」
柴関ラーメンでご馳走になったラーメンはツーリングで疲れた身体に染み入るようで、何時もより美味しく感じた。
対策委員会の皆とワイワイ話しながら食べたからかも知れない。
これからもこんな時間を過ごせるようになったんなら、やっぱり今回の一件はハッピーエンドと言っていいだろう。
そんな事をゲヘナへとペダルを漕ぎながら考えていた。
第二部 完
アビドス編第一章が終了しました。
色々課題も多く見つかりましたので今後に活かして行こうと思います…