ガンマンとミレニアム
アビドスでの一件から数週間程たった訳だが、私は相変わらずの生活を送っている。バイト行って柴関行って偶にヘルメットに絡まれる、時々シロコ先輩とツーリングを追加すればほぼ一週間のスケジュールが埋まる。
アレから先生もデカい事件に巻き込まれてる様子は無いし、対策委員会も元気にヘルメットをシバいたり賞金首を狩っている。
こう言っちゃ何だがルーティン化すると一週間で飽きて来るな…そろそろ別の事に手を出してみるか?と、言う訳でやって来ましたミレニアム自治区!
「はぁ、凄いサイバー感…」
良くわからんテクノロジーぽい何かを使用している街並みに圧倒される。D.U.もそうだったがミレニアムはそれに輪を掛けて未来チックだわ…
さて、お目当てのモンは何処だったかな〜?確かユウカ先輩に聞いた限りじゃこの辺に…お、見つけたぞ。
今回ミレニアムを訪れた目的はゲームセンターである。
…ゲヘナのはちょっと治安が悪すぎて遊ぶ前に
それに対して
良し、取り敢えず片っ端から遊んでいくか!
■□■□■
おっしゃ、勝った!
格闘ゲームで挑戦者を返り討ちにしたりされたりする事十数回。
いやー、丁度良いレベルの相手がいて助かるわ〜。
何度か勝ったり負けたりしてる内に同じ奴が相手だとわかり、人読みと反射神経にモノを言わせた高速じゃんけんの応酬で勝ち越し始めているが…相手も似たような動きで対応してくるって事はこのゲームには疎いけど実戦に強いタイプか?
流石にもうそろそろ諦めるか?…まだ掛かってくるか、その意気や良し。トコトン負かして格の差ってのを教えてやるぜ!
………もうそろそろ良くない?私もう指疲れてきたんだけど…とにかく相手に有利な行動を押し付ける方向にチェンジし始めてから意地になった相手が馬鹿みたいに連コインして来るようになった。…あ、ミスった。…負けた。流石に指が限界だわ。
筐体から離れて大きく伸びをする。指のストレッチをしながら反対側の筐体を横目で見てみると…小さいヤンキーメイドがそこに居た。どんなファッションだ?と聞きたくなる様なメイド服とスカジャンの組合せだが不思議としっくりくる見た目をしている。
観察している事がバレて目が合ったが…コイツどっかのヘルメット団首領か?メンチの切り方が堂に入りすぎててやべぇよ……最後に一声掛けてから帰るべ。
「おつかれさんでした…今日のところは私の負けだな」
「…ああ?通算じゃあたしの方が負けてただろ?」
目つきは鋭いが別に粗暴って訳でもない。…撃ってこないって事はゲヘナじゃないな。
「最後は私が負けたし、もう指が言う事聞かないからこれ以上やったら全敗するわ」
だから私の負けなんだ、とチビヤンキーに伝える。余り納得いってない顔だったが飲み込んでくれたようだ。続けて質問してくる。
「お前、あんま見ねぇ顔だがミレニアムの生徒か?」
あ、今日はロードバイク乗って来てるから私服着てて判らんのか。
「いや、ゲヘナ。1年の西條林檎。此処には初めて来たから見たこと無いのは当然だ」
まぁ、教えても別に問題ないだろ。
「そーいうあんたは?」
「あたしはミレニアムの3年、美甘ネルだ」
よろしくな、後輩。と笑顔を浮かべる…いや、好戦的すぎだろその笑顔。怖ぇよこの先輩…
「押忍、よろしくお願いします先輩」
少し改まって返すと妙な顔をして元の喋り方で良いと言う。ありがたい。
「んじゃ、また遊びに来いよ。そん時はまた勝負しようぜ」
「もちろん。…次は何本先取か決めてからやろう」
別れの挨拶を交わし、ゲヘナへと帰る。
もう夕日が沈み始めているのをみて相当長い事遊んでいたらしいと実感する。…偶には悪くないかもな。
時計仕掛けの花のパヴァーヌ編開始です…と言いたい所ですがどうやってもゲーム開発部に絡めるルートが思いつかなかったため、ほぼ日常回を数回やりつつ時間をエデン条約編まで進めたいと思います