ゲヘナのガンマン   作:トニートニー

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※今回少し勘違いが含まれますがご容赦下さい


ガンマンとアルバイト その3

 

 

人の成長は環境による所が大きいと思う。

 

返り討ちにした強盗共を縛り上げるソラ先輩を眺めながらしみじみと感じる。…何時の間にかヴァルキューレ顔負けの手際の良さになっていた。次は反撃の方法でも仕込んでみるか…いや、ダメか。ソラ先輩暴力嫌いっぽいしなー…

 

 

"すごい音がしたけど大丈夫!?"

 

「あー、何でもないですよ。ただの強盗です」

 

最近は少し減ってきたんですけどねー、とソラ先輩と笑い合う。

先生は疲れた顔で溜息をつくと

 

"そう…それなら良いんだけど、気をつけてね"

 

シャーレへと帰っていった。…大分キてるな先生。

 

「…大丈夫でしょうか?かなりお疲れのようでしたけど」

 

ソラ先輩も心配しているようで縛り上げた強盗を此方に引き渡しながら言う。…ホントに慣れてきたなぁ。

 

「ま、仕事が忙しいんでしょう。先生はひっぱりダコですから」

 

受け取った強盗を表に放り出してヴァルキューレ待ちになると壁の穴を新しいポスターで隠しながらソラ先輩が返してくる。

 

「最近はミレニアムの方に行ってるみたいですよ」

 

ミレニアム、ね。相変わらず色んな所を飛び回ってるんだな…そういやまたネル先輩と対戦の約束してたっけか。また今度顔出すとしよう。

 

「先生は何処へでも行きますからね」

 

「お仕事とはいえちゃんとお休みしてるんでしょうか…?」

 

んー…先輩の話を聞いたのと、実際に先生を見るに。

 

「休日は無さそうですよね」

 

本人が休む気無さそうだし。私はああは成れそうもないわ。滅私奉公とは先生の為にあるような言葉だよなぁ…

 

「この間もエナジードリンクとカップ麺を買われてましたから」

 

体調が心配ですね…と呟く先輩。

 

これはまさか…?いや、外野が手を出して変に曲げるのは宜しくない。

 

「…そうですね。栄養が偏りそうです」

 

当たり障りない返事をする。変に意識をさせないように気をつけねば…こういうのは眺めて楽しむものだしな。

 

「林檎さん…ちゃんと聞いてますか?」

 

目の前に手を振りながら声を掛けてくる。

 

「勿論、聞いてますよ先輩」

 

おっと少し上の空になってたな、申し訳ない。顔に出さないように気をつけながらしっかりと目を見つめながら返すと、さっと目をそらされた。

 

「先輩?」

 

何で目を逸らされたんだ?…別に返り血がついてるわけでも無いのに…

 

「何か顔についてますか?」

 

知らぬ間に何か付いたか?自分の顔を触りながら続けると、漸く先輩から返答が有った。

 

「な、な、何でもないです!何もついてません!」

 

ワタワタと慌てた様子で否定してくる。

んん、まぁなんでもないなら良いんだけども。

 

「本当に?…何か有ったらちゃんと言ってくださいよ?」

 

コクコクと頷く先輩を尻目に、漸く来たヴァルキューレの子に強盗を引き渡す。最近は向こうも慣れたもので事情聴取もこの場でサクサク終わる。

 

手馴れるのもどうかとは思うがスピーディに話が済むのは楽で良いわ。

 

 

「先輩、引き渡し終了しました…今日はもう暇になりそうですね」

 

「…そ、そうですね」

 

 

 

うーん、何か変な雰囲気なんだけど。

良し、話題を変えよう。

 

「そういえば最近ミレニアムまで行って対戦ゲームやってみたんですけど、最近のゲームって凄いですね。リアルさといい、音といい…そのうちD.U.まで輸出されるといいんですが。先輩はゲームとかやったりしますか?」

 

「え、えぇとはい、少しだけ…前にRPGをやりました」

 

「RPG…勇者とか魔王とかの奴です?」

 

ふんわりした知識で問いかける。…私はその辺の知識には疎い。まぁ、詳しいと胸を張れるものも無いが…

 

「はい、難しすぎてクリアできませんでしたが…」

 

RPGって難しいとかあるのか?レベルを上げてぶん殴れば解決するって何かで見たことあるんだけど…

 

「謎解きが難しかったんですか?」

 

RPGの難易度=謎解きの難易度と安直に考えての発言である。

 

「いえ…どうやっても最初のスライムが倒せなくて断念しました」

 

煤けた雰囲気を出しながら話す先輩。

最初の敵に勝てないならもうそれは設計ミスかバグだと思うが…

どういう事なのか聞こうと先輩の方をみると

 

 

「レベルを上げようと他の敵を探してもスライムしか出てこないしこっちの攻撃は効かないしそもそも銃って何なのそういう世界観じゃなかったじゃないですかストーリーも序盤から意味不明だしもうああ言う仕様で全員消して終わりにするストーリーでも驚かないというか…」

 

 

目から光が消えてブツブツと恨み言を言い始めた。

やべ、何か地雷踏んだっぽい。

 

「先輩、落ち着いて下さい!」

 

無理やり目線を合わせて語りかける。……イオリ先輩とかシロコ先輩相手なら一発叩いて正気に戻せるけどソラ先輩はなぁ一発殴ったら正気取り戻す前に意識が吹っ飛びかねん。

 

「い、い、いえ、あ、あの…」

 

良し、動揺で上書き出来たな!…さてどうやって落ち着かせるかな……

 

「大丈夫です、先輩。此処には私と先輩しか居ません」

 

だから安心して下さい。

 

「………」

 

…なんで顔を背けられるんだ?

 

 

 

 

 

 

その後ソラ先輩が目を合わせて話してくれる様になるまで2時間程掛かった。…仲良くなれてきてると思っていたがまだまだだったかと思うとそうでもなさそうだし、最近の子の気持ちは判らんな…

 

 

地元(ゲヘナ)だったら殴り合って仲良くなっておしまい!だけどソラ先輩相手にそんな事出来ないしな〜…

ま、郷に入らば郷に従えというし気長にやって行きましょうかね。

 

 

 

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