ゲヘナのガンマン   作:トニートニー

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※注意!羽沼マコトが半分オリキャラ化してます。許せる方は引き続き楽しんで頂けると幸いです。



ガンマンと後日談?

 

 

結局TSC2をソラ先輩に布教するのは失敗した。

テイルズサガ…まで言った瞬間に耳を塞いでしゃがみ込んで震え出したからだ。可愛らしいがそんなトラウマになってたのか。ごめんごめん、何でもするからと平謝りしてあやした結果、何故か飯を奢ることになっていたのには驚いたが。

ま、飯を食うのはまた今度日程を決めて行くとして。

 

 

今は目の前の難問をどうにかしないとな。

 

「キキキッ、久しいな林檎」

 

「ええ、お久しぶりですマコト先輩」

 

バイト帰りに路地裏で声を掛けられた。それだけならいつものことだが相手が悪い。ゲヘナ学園の意思決定機関、万魔殿の長であるマコト先輩に捕まってるこの状況からどう切り抜けるかが大事だ。

 

「ゲヘナ領から出ているなんて珍しいですね」

 

「たまにはゲヘナの外を歩く事くらいあるぞ?」

 

滅多にないだろうに。それこそイブキ絡み以外でゲヘナの外に出向いている先輩を見たことがない。

 

「そう言う貴様はどういった理由でこんな所に居る?」

 

「バイト帰りですね」

 

D.U.まで足をのばしている理由、私はいつも通りバイトした帰りだが…マコト先輩直々に動かなきゃ行けないような大事件を起こした奴らが居るのか?

 

「ま、そうだろうな」

 

「まさかとは思いますが、私に何かご用で?」

 

まるで私の行動をお見通しと言わんばかりの発言に冗談交じりで返すと

 

「そのまさかだ。少々聞きたいことがあってな」

 

…何かやらかしたっけ?アビドスの件はヒナ先輩が内々に済ましてくれたし、その前のシャーレの件はそもそも風紀委員会主体の話だし。

 

「心当りがまるでありませんが」

 

「嘘だろ貴様アレだけ暴れておいてなんで言い切れる…」

 

「?全部解決済みですし。」

 

その他の返り討った連中は皆捕縛されたか諦めた、若しくは復讐の準備中だろう。

 

「私を訴えたヤツは居ない。なら私は潔白でしょう?」

 

法に訴えられるような品行方正な輩に手を挙げた記憶は…まぁ、無いとは言わないが。一応和解している。風紀委員会の連中とか。

 

「キキキッ…ゲヘナらしい在り方で何よりだ」

 

気に入ったらしい。なんのかんの言いながらゲヘナの雰囲気は嫌いじゃないし、冥利に尽きるな。

 

 

 

 

「そんなゲヘナらしい貴様が、何故トリニティ領まで足を伸ばした?」

 

先程まで談笑していたとは思えない、怜悧な声が私を刺した。

 

「…土産を買いに行っただけですよ」

 

何も後ろめたい事が無いのだから正直に答える。

 

「そうか!確かにトリニティの菓子は絶品だからな、イブキにも時折せがまれるから良くわかるとも!」

 

少々大袈裟に、芝居がかった仕草で続ける。

…何時の間にか囲まれてるな。まだ敵意を向けてきては居ないが、突破するとなると少し面倒だ。

 

「そこでトリニティの連中に絡まれるのも当然の成り行きと言う訳だ」

 

だから私は基本的に通販を利用している。と続けて戯けた先輩は再度こちらを見つめながら問いかけてくる。

 

「だがそこからが判らん。…何故、正義実現委員会の副長と連絡を取った?貴様と奴にどういった関係がある?」

 

「連邦生徒会への陳情の際に協力しまして。…風紀委員会の火宮チナツに聞いてもらえれば分かりますよ」

 

万魔殿と風紀委員会はあまり仲が良くないが、仕事とあればそれを飲み込んで動いてくれるはず…

 

「成る程…シャーレの先生とやらの事は聞いている。その一件でミレニアム、トリニティ、ゲヘナの三大校が協力していたと言うのも報告を受けている」

 

少し考えるように間を取る先輩。…これも演技なんだろうなぁ。

 

「林檎。正実の副長と何を話した?」

 

真剣に私を見つめる先輩に答える。

 

「どうして捕まったのかを。そして私が如何に無罪であるかをお話しました」

 

先を続けろ、と言わんばかりの眼光を見つめ返しながら続ける。

 

「その後は尋問担当者に代わったので詳しい内容は聞けていませんが…最後にハスミ先輩から暫くトリニティには近づかないほうが良い、と言われました」

 

これで知ってることは全部ゲロった訳だが。…包囲がジリジリ狭まってるのを鑑みると、納得してもらえなかったか?

何時でも走り出せる様に体勢を少し変えて待つ。

 

マコト先輩は少しの間顎に手を当てて考えた後、右手を大きく上に挙げた。すると包囲していた連中が引いていき、先輩と2人だけ残される形になった。

 

 

 

「すまんな、林檎。問題ないと言っても聞かん奴らがいたため一芝居打たせて貰った。連中ときたら、トリニティそれも幹部クラスとの密談など言語道断!と来たものだ…どうせ大した話をした訳でもあるまいに、神経質な奴等よ」

 

…助かった。流石にゲヘナの半分以上を敵に回して立ち回るのは面倒極まる…

 

「いえ、別に構いませんよ…もうダメかと思いましたが」

 

少し嫌味を言うとカラカラ笑って答えてくれる。

 

「何を言うかと思えば!貴様を本気で拘束する気ならあの程度の人員では来ないとも!」

 

ヒナを引っ張り出して(単騎で突っ込ませて)お終いだ。

 

少し嫌な顔をしながら言う先輩。ヒナ先輩とマコト先輩、あんま仲が良くないんだよな…その割に互いの事を認めているようだし、良く判らん間柄だわ。

 

「ヒナ先輩相手にどうにか出来る人なんて片手で足りるレベルでしょうに。蟻を潰すのに戦車持ち出してどうすんですか…」

 

溜息と共に返答すると、悪戯げに嗤いながら言う。

 

「私は貴様の素質を高く買っている。最大限警戒するのは何も間違ってはいない」

 

相変わらずの自信家っぷりだ。流石自由と混沌のゲヘナ学園で頭領をやっているだけの事はある。

 

「それよりもだ。捕まったなら何故私に連絡をしなかった?ゲヘナの生徒を1人釈放させることなど造作も無いぞ?」

 

少し拗ねた様に問いかけてくる先輩。

まぁ、考えなくはなかったが…この人を頼るとなぁ…

 

「その代わり何を要求されるか分かったもんじゃないですから」

 

タダで助けてくれる人じゃないし。大抵は釈放してもらってから万魔殿で下働き(パシリ)が確定している。

 

「キキキッ、良く解ってるじゃないか。…万魔殿(我々)は貴様を何時でも歓迎するぞ」

 

「身軽なのが性に合ってますからお断りします」

 

先程とはうって変わって楽しそうに嗤う先輩。

話し終わると颯爽と踵を返して路地を出ていく。

 

「あぁ、そうだ。正実の副長の言葉だがな」

 

…暫くトリニティに来ないほうが良いってやつか。

 

途中で足を止めて顔だけ振り向きながら続ける。

 

「貴様のやりたいようにやれ。我々(ゲヘナ)流儀(やり方)とはそういうものだ」

 

今度こそ足を止めずに路地から出ていく。大通りに出る所で万魔殿のマークが入った車が止まり、先輩が乗り込んで発進した。

 

 

 

 

 

何とかなったのは良いんだが今のやり取りを思い出すと私、かなり疑われてたのか?

ただトリニティ領に買い物しに行っただけなのに…ちょっと撃ち合いもしたが。正義実現委員会の幹部に泣きついたりもしたけど…別に建物ぶっ壊した訳でもないのにマコト先輩が直々に来るなんて相当ヤバい案件が絡んでんじゃないか…?

 

ま、良いか。先輩も好きにしろって言ってたし!

 

私は私のやりたい様にやって行くさ。

ゲヘナに向けてペダルを踏み込みながら軽く考えていた私は、まだこの後に起きるエデン条約を巡る騒動を知る由もなく。

ただ平穏な日々を謳歌していた。

 

 

 

間章 完




間章は一旦終了です。
パヴァーヌ編に絡められないか考えましたが導線が思いつかず、結局外様で少し関係を持つに留まりました。

今作のマコト様は仕事が出来るタイプのボスキャラで行かせて頂きます…最初に書こうかと思っていた性格改変マコト様を入れるのは大いに迷いましたが、今後の話の都合上こうした方がスムーズに進むと考えた為です。原作マコト様ファンの方には申し訳ございませんが拙作ではこの様なキャラクターであると認識して頂けると幸いです。
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