ゲヘナのガンマン   作:トニートニー

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ガンマンと補習授業部 その2

 

 

車で橋を渡った後、美食研究会の提案で二手に別れる事になった。

先生とヒフミ先輩、コハルは美食研究会と一緒に車で。

ハナコ先輩とアズサ先輩、私は陽動しながら現地に向かう。

班分けの際に一悶着あったが…流石に先生は陽動組に入れられないだろ。大人しく車移動してくれ。

 

 

「じゃ、私達も行きますか」

 

「はい、張り切って行きましょう♡」

 

「了解。任務開始」

 

初対面の2人と行くのは若干不安だったが、アズサ先輩はブービートラップやらアンブッシュやらの特殊技能に長けていて陽動には最適な人物だった。なんでこの人特殊部隊みたいな動きしてるんだ?トリニティってそういう部隊作ってんの?

 

ハナコ先輩は言動が怪しいが、頭脳明晰とは彼女の事を言うのだろう。私やアズサ先輩が話しただけの情報から正確なルートを構築し、風紀委員と温泉開発部の位置をリアルタイムで更新して後方から支援してくれる。なんでこの人補習授業受けてんだ?トリニティってこのレベルでも赤点なの?

 

「そっちに行きましたよ林檎さん!」

 

おっと、私も仕事しないとな。

 

「悪いね、此処は通行止めなんだ」

 

目の前に来た温泉開発部の連中が襲ってくるが問題なく処理。…同時に6人以上来ないのはハナコ先輩が上手いことやってくれてるんだろうなぁ。ここまで来ると怖ぇよハナコ先輩…

 

「こっちは処理完了です」

 

いい調子だけど幹部連中がまだ見えてないのが不安だな。

…車両側に行ったとしたら美食研究会の皆に任せるしかないな。

ハルナ先輩が居るしヒナ先輩が来なければ何とかなる…

 

「敵の増援を確認した。風紀委員と温泉開発部が包囲しつつある」

 

アズサ先輩の声で気を引き締める。

 

「ハナコ先輩、何処か包囲が薄そうな所はありそうですか?」

 

「そう、ですね…北側ならまだマシだと思います」

 

北側ね…

 

「じゃ、お二人は北側を突っ切って下さい。私は南側で暴れてから逃げます」

 

二手に別れることを提案する。目標はあくまでも補習授業部が試験を受ける事なんだからこうするのが1番良いだろう。

 

「それだと林檎が捕まる可能性が高過ぎる。却下」

 

「そうですね〜。3人で行きましょう」

 

却下された。…今は問答してる暇もないか。

 

「…分かりました。何処から行きますか?」

 

「包囲されつつあるとはいえ、温泉開発部と風紀委員は協力してる訳じゃない。その隙をついて切り抜ける」

 

「そういう事でしたら北西方面が良いですね。互いの位置が近いので共倒れにさせられるかも知れません」

 

頼りになる先輩達だ。ハナコ先輩の意見通り北西方面に走り出す。

途中で何人か風紀委員と戦闘になり、その場の全員から追いかけられ始めた。

 

「そろそろ限界じゃないですかね!?」

 

陽動するにしてもここまで囲まれちゃ逃げないと捕まっちゃうよ、とアズサ先輩に声を掛けると急停止して前方を睨みつけた。あれは…火炎放射器?なんつーニッチな武器を使ってんだアイツ…うわ、アズサ先輩が戦闘始めちゃった。さっさと協力して火炎放射器潰さないと…

 

 

「ようやく追い詰めたぞ!」

 

あ?この足を舐められてそうな声は…

 

「げ…イオリ先輩じゃん…」

 

面倒な相手が来ちゃったよ。

 

「お前、林檎か!?なんでトリニティと一緒に居るんだ!?」

 

「友達からお願いされたもので」

 

適当に答えながら隙を探るが…無理だな。油断してくれてないわ。

 

「そこのトリニティ!お前等どういうつもりだ!何故ゲヘナ領に来た!?」

 

「えぇと、試験会場がゲヘナに指定されてまして…」

 

ハナコ先輩が律儀に答える…目配せされた。

えーっと、隙を作って逃げる感じ?…うーん、イオリ先輩引っかかってくれるかな?結構強いぞこの人。

 

「分かり易い嘘をつくな!」

 

「本当の事ですのに…」

 

4本指を立てながら両手を挙げて小さく降参のポーズをしている。…4つ目ね、了解。

イオリ先輩をアズサ先輩の仕掛けたブービートラップの方に引き寄せられるように立ち位置を変える。

 

「イオリ先輩、見逃してくれません?前に足舐められるの見逃してあげたじゃないですか」

 

取り敢えず煽ってみよう。…あ、顔赤くなった。

 

「お前ぇえ!折角忘れようとしてたのに!!」

 

うぉっ危ねえ、今掠ったぞ!この人の弾丸軌道が分かり辛い!!

お返しに1発撃ってみたけど難なく避けられた。

回避型かよ先輩…後5発で当てられるか?1発でも当たれば隙は作れそうだけど…

 

「避けるな!」

 

「先輩も避けてるじゃん!」

 

互いに撃っては避け撃っては避けを繰り返す。

このままだと装弾数の差で私の方が不利だな。先輩の銃もそこまで弾が入るようには見えないけどリボルバーよりは入るだろうし。

 

 

 

「そろそろ弾切れじゃないか?」

 

「バレてますよねそりゃ」

 

6発しか入らないもんな私の銃…数えるのは容易いわ。

 

「降参するなら手荒な真似はしないぞ?」

 

「遠慮しときます…ね!」

 

今までに5発、残りは1発だが…回避の癖は掴んだ。次で決める。

 

イオリ先輩が撃った弾丸を躱して先輩が移動し始める所を狙う。

 

最後の1発を撃つ。()()()()()()()()()

 

「ハッ、最後は呆気ない…」

 

イオリ先輩が私の銃弾を避けた先でアズサ先輩のブービートラップが炸裂した。4番のはトリモチだっけ?投網だったっけ?

 

確認すると白いトリモチに絡め取られたイオリ先輩がそこに居た。

 

「最後は呆気ないもんですね」

 

銃口から上がる硝煙をふっと吹き消しながら言う。

 

「林檎ちゃん!アズサちゃんが隙を作りました!撤退しますよ!」

 

おっと、アズサ先輩の方も終わったみたいだな。

 

「じゃ、イオリ先輩。失礼します」

 

「お、お前っ…覚えてろよぉぉ!」

 

おぉ怖っ…怖いんで忘れるように努力しますわ。

 

 

 

イオリ先輩を放置してハナコ先輩達に合流、アズサ先輩の方へ一気に走り去る。そのまま目的地まで全力疾走だ。

 

…車両組、ちゃんと試験会場に到着出来てればいいんだけど。さっき盛大に爆発音が聞こえて来てたからちょっと不安だわ。

…美食研究会と先生がついてるから大丈夫か。

なんのかんの風紀委員から逃げ切る実力者だし。

後は時間内に目的地に着ければ仕事はお終いだな!




1回保存をミスして書き直しました…当初とは少し違う形になりましたが楽しんで頂けると幸いです…
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