ゲヘナのガンマン   作:トニートニー

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ヒフミちゃんのアウトロー成分とヒロイン成分の比率がしっちゃかめっちゃかに成ってしまってキャラ崩壊してるかも知れません


ガンマンとペロロ

 

「あー…そこの育ちの良さそうな君、困ってる?」

 

私は意を決して間に割り込むことにした。何時ぞやヒナ先輩に奢って貰った時の言葉を思い出したからだ。

 

(相手トリニティだけどまぁ、カウントしても良いでしょ)

 

声を掛けられた子はビクリと体を震わせると私を見つめて小さく頷いた…様に見えた。

 

「ンだテメェ!割り込むんじゃねぇよ!」

 

「そうだそうだ!アタシ達が先に見つけたんだぞ!」

 

「いや、どう見ても一緒に行きたいです!って感じじゃなくない?」

 

トリニティの子…トリ子はほわほわした見た目とは裏腹に

 

「はい!私には大事な用があるので貴方達とはご一緒できません!ごめんなさい!!」

 

ハッキリと断った。意外と肝が据わってる奴だなトリ子…

 

「はぁ…んじゃもういいわ」

 

絡んでいたヘルメットAが呟いて銃口をトリ子に向ける

 

「気絶してから来てもらうからよォ!」

 

危機一髪、トリ子を突き飛ばして弾丸を回避させる事に成功するも代わりに左肩に喰らってしまった。久しぶりに被弾したが痛いなコレッ…

 

「お姉さん!?」

 

「バカが!コイツの次はお前だ金蔓ッ」

 

痛いが動けない程じゃない、右手さえ動けばクイックドロウは可能だ。いつも通り早撃ちで2発撃とうとした瞬間

 

"ガキンッ"

 

銃から嫌な音が鳴って2発目が不発に終わった!?

不良弾じゃない、回転不良?こんな時に!

 

1人は仕留めたがもう1人が此方に向けて発砲しようとしている

 

もう一発撃てれば…駄目だシリンダーが回らない!

避ける…いや、駄目だ射線上にトリ子がいる!

トリ子抱えて遮蔽物に飛び込む…遮蔽物ないな!

一か八かで突っ込むしかないか…!

 

「伏せて下さい!」

 

トリ子の声に反応して突っ込むためのベクトルを無理やり下方向にずらしてヘッドスライディングの形でヘルメットBに滑り込んだ。

 

「何だとぉ!」

 

その瞬間トリ子の方から銃弾が殺到しヘルメットBを強かに撃った。

ヘルメットBが沈黙したのを確認してトリ子の方を確認するとブルパップ式アサルトライフルを構えたまま立ち尽くしていた。

ふぅ…この分なら1人でもどうにかしてたねこりゃ。

 

「あの、大丈夫ですか?」

 

「んん〜、ちと動きが鈍くなるかも位だから大丈夫」

 

「そっちは大丈夫だった?いきなり突き飛ばしちゃってごめんね」

 

「いえ!大丈夫です!」

 

失礼だけどトリニティらしくない子だなぁ。

あまりスレた感じもしないし新入生なのか?

 

「助けて頂きありがとうございました」

 

「いえいえ、こちらこそ助けて頂きありがとうございます」

 

お礼を言いあって少し笑い、銃が故障している事を思い出した私は早々にこの場を引き上げる事を提案すると

 

「もしよろしければそのガンスミスさんの所まで同行しましょうか?」

 

銃も故障してしまったみたいですし…と続けるトリ子。

逃げに徹すれば大丈夫だと思うが…このまま別れるとさっきの二の舞になりかねないか?

 

「じゃあ、お言葉に甘えて助けてもらおうかな」

 

「はい!よろしくお願いしますね」

 

 

 

 

先程のガンスミスの店まで戻る最中は特にトラブルに巻き込まれる事なく平和だった。制服の上からコートを着てもらったのが良かったのか。使い古しで悪いが高級品に見えない草臥れたコードは良いカモフラージュになった。

 

「おーい!おっちゃん!ちと場所と工具貸して!」

 

「んなでかい声出さなくても聞こえるわ小娘!」

 

店のおくからおっちゃんが出てくる。私の左後ろにいるトリ子に気づくと一言

 

「小娘…お前、誘拐はイカンだろ…」

 

「失礼って言葉知ってるかおっちゃん。」

 

「冗談だよ。友達か?」

 

「んにゃ、さっき話してたトリニティの奴。市場の端で襲われてたから連れてきた。ついでに銃がおかしいから治させて」

 

おっちゃんとのやり取りの最中店の中を物珍しそうに眺めるトリ子。いや、何か探してるのか?

 

「ほれ、工具。場所はそこら辺適当に使え。」

 

「ありがとう…ごめんな、ムリ言って」

 

「何時もの事だろうが。自分の銃は自分で整備したいってのは」

 

「それでも、ありがとう」

 

おっちゃんは片手を振りながら店の奥に消えた。

私は手早く愛銃を取り出すとオーバーホールも兼ねてバラバラにする。やっぱエジェクターロッドが噛んでんのかコレ…

予備パーツ取り寄せてもらっといて良かった。コレなら家に着くまでは使える様に出来そうだ。

 

「あのさ…」

 

店の中を見て回るトリ子に声を掛けようとして気付いた。

(名前…聞いてない?)

名前を聞くならまず自分が何者かを述べるべきだ。

 

「私、西條林檎。ゲヘナ高等学部1年生」

 

「君の名前を教えてくれない?」

 

「?あ!私は阿慈谷ヒフミです!トリニティの2年生…」

 

「え!?年上…」

 

「年下だったんだね…」

 

互いに少し勘違いは有ったものの漸く自己紹介がすんで一息つけた。気になっていた事を聞いてみるか。

 

「そういえばなんでブラックマーケットなんかに来たんです?此処の治安は最悪ですよ?」

 

そもそもトリニティに無くてブラックマーケットでしか手に入らない物なんか違法な物しかない。それも動作保証なんて高尚なものが付いてない粗悪品とニコイチのオンパレードだ。

 

「そのぉどうしても欲しいものが此処にあるって聞いてですね…」

 

「トリニティに無いもののでブラックマーケットにあるモノ…ホローポイント弾とか?確かミレニアムでは禁止になるとか聞いてますし」

 

「いやいやいや!そんな物騒なものじゃありません!」

 

物騒なもの以外が目当て?ブラックマーケットで?

 

「具体的に何が欲しいのか教えてもらうことはできますか?一応此処には定期的に来てますし、おっちゃんならその物自体を持ってるかも知れませんし」

 

「えっとね、期間限定カイザーDXコラボモデルのペロロ様なんですけど…」

 

期間限定カイザーDXコラボモデルのペロロ様…?

ペロロってあの良く判らんフレンズ筆頭のニワトリか?

 

「ネットで探しても全然手に入らないレア物でもう廃盤に成ってるから再販も絶望的なんです…そもそも手に入れた人が手放したがらないから中古すら市場に出回らないんですが。ブラックマーケットで前に見つけて手に入れたという情報が入りましていていてもたってもいられずにこうして探しに来たというわけです!」

 

凄い熱量だ…本当に好きなんだろうな。

 

「おっちゃーん!ちょっと聞きたい事があるんだけど!」

 

「声がデケェわボケぇ!…んで何だ?」

 

先程阿慈谷先輩から聞いた話をおっちゃんに伝えると

 

「あぁ、あの鳥のフィギュアか?」

 

「おっちゃ「お持ちなんですか?譲っていただけませんか!?」」

 

「お、おおぅ…別に欲しくて手に入れた訳じゃ無いから

構わねぇけどよ」

 

「ありがとうございます!ありがとうございます!」

 

凄い剣幕だ。途中から割込んで話してくれたのは楽だったが。

 

「林檎ちゃんもありがとうございます!」

 

「いやいや、私何にもしてないですし…」

 

「此処に連れてきてくれたお陰でペロロ様を無事お迎えする事ができるんですから、林檎ちゃんのお陰ですよ!」

 

「ならどういたしまして、阿慈谷先輩」

 

そう言うと先輩は少し不機嫌そうな表情をうかべて

 

「ヒフミ、です。」

 

「もうお友達なんですから名前で呼んでください!」

 

この人は凄いな…これだけ明るくて善人に寄ってる人を私は見たことがない。初めて会ったトリニティ生がヒフミ先輩だったら大抵のゲヘナ生は絆されるんじゃ?…普通にヒャッハーするか。

 

「ヒフミ先輩」

 

「はい!なんですか?」

 

「探し物が見つかって良かったですね」

 

「はい!ペロロ様も見つかって新しいお友達もできてとっても素敵な1日になりました!」

 

 

 

…この人、人誑しの才能があるんじゃなかろうか

 

 

 

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