春を迎え、高校2年生になった。進級してクラスは別れてしまったが、おれと早苗との関係は大きく変化することなく、彼氏・彼女の関わりを保っていた。朝には守矢神社まで自転車を走らせ、早苗と共に歩いて学校へ向かう。そんな特別な時間も、そろそろ1年になろうとするころには、もう日常と呼べるほどに馴染んでいた。
変わったこと――進歩した、と言えるかもしれないが、週に何度か、早苗がお弁当を作ってくれるようになった。曰く、「ちゃんと野菜は食べていますか? コンビニや購買のパンだけでは、栄養バランスが偏ってしまいますよ」とのこと。嫌いな食べ物はないが、手の込んだものを作るような気力はなく、どうしても出来合いのものなどに頼ってしまう。恥ずかしながら、揚げ物やインスタント食品に手が伸びることが多い。そんなことを早苗に相談したところ、こうしてお弁当を作ってもらえるようになったわけだ。最初は彼女の負担にならないかと心配だったが、本人は楽しそうなので、素直に甘えさせてもらっている。
午前7時過ぎ、守矢神社。裏手に自転車を止め、境内へ足を踏み入れる。
「おはよう、早苗」
巫女服姿で掃き掃除をしている早苗に声をかける。彼女はぱっと表情を輝かせ、箒を持ったままこちらへ駆け寄ってきた。
「おはようございます。最近は早いですね」
「その……お弁当が楽しみで」
「嬉しいです。今日は、玉子焼きがきれいにできたんですよ」
朝陽のように暖かい笑顔が、おれの視界を彩る。それだけで、今日も幸せな一日になるような気がする。抱きしめたくなる気持ちを少しだけ抑えて、いつものように肩を寄せ合う。ふわりと香る早苗の匂いが、胸を満たした。おれの隣に、恋し愛する人が居る。その事実に、毎日感謝している。
「着替えてきますね。中で待っててください」
早苗に手を引かれて、社務所の中に入る。彼女は入口近くの自室へ向かい、おれは居間へと通された。暖房が効いた室内は暖かく、肌寒い朝にはありがたい。鞄を置いてソファに腰掛け、早苗が出てくるのを待つ。壁に掛けられた時計の針は、ゆっくりと時を刻んでいた。
しばらくすると、制服に着替えた早苗が現れた。その手には、可愛らしい弁当包み。
「お待たせしました。こちら、今日のお弁当です」
「あぁ、いつもありがとう」
早苗から包みを受け取ると、ずしりとした重みが伝わってくる。愛情の籠ったお弁当を鞄に入れて、玄関へと向かう。
「待ってください。忘れ物ですっ」
早苗はそう言うと、おれの顔に両手を添え、背伸びをしてキスをする。唇が触れ合う感触。一瞬のことだったけれど、確かな温もりが残る。
「……忘れ物って」
「えへへ……今日は、まだしてませんでしたから」
悪戯っぽく笑う早苗に、何も言えなくなる。いつの間にか恒例となった、神社を出る前の口付け。恥ずかしさよりも愛おしさが勝り、おれも彼女の頬にそっと手を添えた。今度はおれから、優しく触れるだけのキスを贈る。
「行こうか」
「はい」
並んで神社を出て、学校への道をゆっくり歩く。早苗は時々こちらを見上げては、目が合うと嬉しそうに頬を緩める。その度に胸がきゅっと締め付けられて、たまらない気持ちになる。朝の清浄な空気を胸いっぱいに吸い込む。まだ静けさの残る町に、小鳥のさえずりが響く。早苗と出逢ってからの1年と少しで、この景色も随分と馴染み深いものになった。
湖面が朝日にきらめく湖畔沿いの道は、春色に包まれていた。風に踊る桜の花弁。そのひとつが、早苗の髪に舞い降りる。彼女は気付いていないのか、そのまま歩みを進めている。そっと髪に手を伸ばす。柔らかな髪に指を通し、花弁を摘まみ取る。それを差し出して見せると、早苗は一瞬驚いた顔をした後、はにかんだように笑った。
些細なことが、こんなにも幸せだと感じる。花弁を優しく吹き飛ばし、彼女の手を握る。柔らかい手が、ぎゅっと握り返してくる。春の風が優しく頬を撫でて、おれたちの距離は縮まっていく。そうしてふたり寄り添って、賑やかな通学路を歩いていった。
学校に着くと、昇降口の手前で早苗と別れる。彼女の希望で、学校内では「イチャつく」ようなことはしないと決めていた。繋いだ手が離れる。離れてしまう。いつでも顔を合わせるくらいはできるのに、何をしなくとも夕方には会えるのに、この瞬間だけは、どうしても寂しさが拭えない。早苗も同じような気持ちなのだろうか。名残惜しげに指先を擦り合わせる早苗に、またね、と小さく呟くと、彼女は嬉しそうに頷いた。
昼休み。自分の席にて、机の上に弁当包みを置く。濃紺色の布地に白い桜模様があしらわれたそれは、早苗が選んでくれたものだ。蓋を開けると、彩り豊かなおかずが詰められている。ふっくらとした俵型のおにぎりには海苔が巻かれ、黄色い玉子焼きは綺麗な焼き目が付いている。そのほかには、野菜の煮物に、焼いた魚の切り身。どれも早苗のお手製だ。
静かに手を合わせ、いただきます、と小さく呟く。まず玉子焼きを一口。ふわっと甘い味が口に広がる。続いておにぎりを齧る。程よい塩気と米の甘みが舌の上で溶け合う。野菜の煮物は、初めて早苗の手料理を食べた日に、おれが好きだと言った味付け。咀嚼するたび、胸の奥がじんわりと温かくなる。大好きな人が、おれのために作ってくれた料理を食べている。その事実だけで、心が満たされていく。時折聞こえる友人たちの話し声もどこか遠くの出来事のように感じられ、弁当を味わうことだけに集中してしまう。美味しさと幸福で頬が緩みそうになるのを誤魔化すように、水筒のお茶を啜った。
黙々と箸を進めていると、入学以来割と仲良くしているクラスメイトの男子が、好奇心旺盛な顔でおれの弁当を覗き込んできた。
「お、今日は愛妻弁当か?」
「愛妻ってお前……まぁ、そうだな」
言葉とは裏腹に否定できない自分が可笑しくて、つい照れ笑いを浮かべてしまう。早苗とは違うクラスだが、付き合っていることはクラスの皆も知っていて、時折冷やかされたりする。早苗の方はどうだか知らないが、少なくともおれが所属する教室では、すっかり定番のネタになっていた。
「いいなぁ。俺も手作り弁当だったらなぁ。コンビニ飯には飽き飽きだよ」
「作ればいいだろ」
「料理なんてできねーし。それに、好きな子の手料理だから最高なんじゃん。なぁ?」
ニヤニヤしながら同意を求められても、上手く返せる言葉は見つからない。ただ曖昧に笑って、残りのおかずを口に運んだ。
「それでさ、光。お前らどこまで進んだんだ? もう1年くらい付き合ってるよな」
「?」
「鈍いなぁお前も」
彼はわざとらしく声を潜めて続ける。
「エッチなことしたのか?」
「――っ」
予期せぬ質問に噎せそうになった。咳払いを挟んで、努めて平静を装う。
「どうだっていいだろ、そんなこと。言う気もねえけど」
「ふーん」
「少なくとも、お前が想像してるようなことにはなってないよ」
「そうなの? てっきり、とっくにそういう関係なのかと思ってたぜ」
「余計なお世話だ。……まぁ、早苗が望むなら……とは思ってる」
「お堅いなぁ。東風谷さんだって、案外興味あるかもしれないぞ? 言えないだけでさ。でも、大事にしてるってのは伝わってくるわ。あーあ、俺も可愛くてオッパイ大きい彼女欲しいなー」
会話はそこで一旦途切れ、クラスメイトは自身の席に戻っていった。おれは弁当に再び視線を落とす。何気ない雑談のつもりだったのだろうが、先程の会話を反芻してしまい、早苗の顔が脳裏を掠める。
気持ちを伝え合った日から、早苗とは順調に関係を築けてきた。日々を重ねるたび、彼女のことがどんどん大切に思えて、愛しくて愛しくて仕方がない。叶うなら、めちゃくちゃにしてしまいたい――そんな荒々しい感情が湧くこともある。それでもおれが、早苗に手を出さずにいる理由は簡単だ。独善的な欲求の所為で、早苗が離れてしまうのが怖いから。
ただ、大事にしたいと思う反面、どうしようもなく彼女を求める自分も存在している。恋仲だからこそ、その想いは強くなる。相反する感情が胸の中でせめぎ合い、小さな痛みを生んだ。その疼きに耐えきれなくなって、最後の玉子焼きを口に押し込み、乱暴に咀嚼する。早苗の温もりに似た、優しい味が広がった。
空になった弁当箱の蓋を閉め、ごちそうさま、と呟く。いつもより早いペースで食べ終えてしまった。まだ半分以上昼休みが残っている。早苗から借りた読みかけの文庫本を取り出して開いてみたものの、内容は全く頭に入ってこなかった。
放課後、早苗の居る教室へ彼女を迎えに行く。おれたちの仲が公になって久しい今、早苗の友人たちは、面白そうに彼女を送り出す。それに応えながら、早苗はおれの方へやって来た。
喧騒を背に、ふたり並んで廊下を歩き出す。足取りは軽く、自然と肩が触れ合う距離になる。夕暮れ時の校舎内は、授業を終えた生徒たちの活気で賑わっていた。そんな喧噪の中で、早苗の声だけがやけに鮮明に耳に届く。
「今日は、いつもより早かったですね」
「早苗に早く会いたくて」
大好きな人の笑顔を見ると、いつだって胸がときめく。隣で揺れる緑色の髪と、制服から覗く華奢な指先。廊下の窓からは西日が差し込み、早苗の横顔を紅く染めていた。
やがて昇降口に辿り着く。早苗は丁寧にローファーに履き替え、おれの方へ向き直る。
「帰りましょうか」
「あぁ」
早苗の手を取る。学校を出て、いつも通り湖畔沿いの道をゆっくりと歩いていく。帰宅する他の生徒たちも多く行き交っていたが、誰もおれたちのことなど気にしていないようだった。カップルが手を繋いで下校することなんて、きっとありふれた光景なのだから。
「お弁当、美味しかったよ。いつもありがとう」
「良かったです。光くんの好みに合うかなーって、考えて作った甲斐がありました」
「料理上手だよな、早苗は」
「そんなことないです。レシピ通りに作っただけですよ」
謙遜するも、早苗の顔はどこか誇らしげだった。そんなところも可愛らしくて仕方ない。他愛のない会話を交わしながら、夕陽を浴びて歩く。地面に伸びるふたつの影が、時折重なり合っては、また離れていく。早苗と同じ道を歩き、同じ風を感じ、同じ空を見上げている。それだけのことが、どうしようもなく幸せだった。
守矢神社の鳥居を潜り、手を繋いだまま境内を進む。神社の社務所へ足を踏み入れるのも、最早日常のことになっていた。早苗に続いて玄関を通った際、思わず「ただいま」と言いそうになる。靴を脱ぐ早苗を見ながら、内鍵を掛けた。
ここから先は、ふたりだけの時間。
いつもは自室に向かう早苗を見送り、居間で彼女を待つ。だが今日は少し違った。
不意に、早苗を背後から抱きしめる。普段よりも、少しだけ強く。驚いたように跳ねる肩と、小さく震える声。
「ひ、光くん? どうしたんですか?」
「こうしたかったんだ。学校が終わってから……ううん、授業中も、ずっと」
「……ずるいです。わたしだって、我慢してたのに」
力を緩めると、早苗は振り返り、その腕を広げた。彼女の求めることは分かっていた。今は、誰の視線を気にする必要もない。甘えるように、身体を預ける。早苗は優しく、おれを抱きしめてくれた。彼女は一段高い所に立っており、その胸が、自然とおれの顔に押し当てられる。制服越しに感じる、早苗の鼓動が、おれの奥深くにまで響いてきた。もっと彼女を感じたくて、その腰に手を回し、身体を密着させる。
「今日もお疲れさまでした」
そう言いながら、早苗はおれの頭を撫でる。彼女の香りと体温が、沁みていく。溢れそうな劣情を必死に抑えながら、温もりに溺れていた。幸せで――少し苦しい。そんな時間が、永遠に続いてほしいと願った。
どのくらいそうしていただろうか。早苗の手がそっと、おれの頬に添えられる。優しい触れ方に導かれ、顔を上げた。視線が交わった刹那、どちらからともなく顔を近づけ、静かに唇を重ねる。軽いキス。それだけで、今は十分だった。
近頃の放課後は、所謂「お家デート」をするのが常となっていた。早苗の淹れてくれた緑茶を飲みながら、とりとめのない話をしたり、本を読んだり。あるいはテレビを見ながら、肩を寄せ合ったり。そんな穏やかな時間を過ごす。ところが今日ばかりは、そういうわけにもいかなかった。
早苗はセーラー服の上だけを脱いで、おれの横に座りテレビを見ている。そんな彼女の姿を、いつも以上に意識する。薄手のブラウス。僅かに透けて見える、彼女の下着。自ら制さなければ、目が吸い寄せられてしまう。邪な欲求。或いは本能。触れてみたい。その感覚を、直接、この手で。そんな衝動がおれを貫きそうになったとき、早苗がこちらを見遣った。
「光くん、あの――」
早苗は一瞬だけ視線を泳がせ、躊躇いがちに切り出した。
「今、わたしの胸を触りたいって」
「…………声に出てたか?」
「はい」
「……忘れてくれ」
顔が熱くなるのを感じる。自分でも抑えられない衝動が、口を突いて出てしまっていた。恥ずかしさで消えてしまいたい気分だった。次の言葉すら見つからず、ただ彼女の反応を伺う。
早苗は背中を預けるように、おれに凭れかかる。その表情は窺えないが、耳元にかかる息遣いや、微かに震える指先から、緊張が伝わってきた。
「服の上からなら、いいです」
その言葉に、胸が高鳴る。理性が警鐘を鳴らす一方で、抑えきれない衝動が身体の奥で渦巻いている。
「本当に、いいのか」
「……」
返事の代わりに、早苗はおれの手を取り、自らの胸元へ導いた。意を決して、手を伸ばす。膨らみを包むように、優しく両手で押さえる。妄想でしかなかったものが、確かな実体を持って手に触れた。掌で感じる、早苗の心拍。指先に伝わる、下着の感触。その向こうにある、神聖さすら覚える、柔らかな存在。
秒針が時を刻む音。互いの衣服が擦れる音。ふたりだけの息遣い。世界でおれにだけ許された幸福。神社の社務所で、その巫女たる人の胸を愛撫する。神様に隠れて悪いことをしているようで、インモラルな気持ちになる。実際「そう」なのだが、そんな緊張感さえ、気持ちを昂らせるスパイスだった。罪悪感と陶酔が入り混じる複雑な感情に、ただ翻弄されていた。
早苗は少し身を強張らせながらも、抵抗する素振りは一切見せない。ブラウス越しの感触は直接的ではないけれど、だからこそ、逆に彼女の輪郭を鮮明に捉えられる気がした。
「……何か言ってください。恥ずかしいんですから」
消え入りそうな早苗の懇願に、首筋へキスをすることで応える。この状況は、早苗にとってどんな心持ちなのだろうか。不安もあるだろう。羞恥も強いだろう。それでも、きっとおれだから許してくれたのだ。
服の上からでも仄かな硬さを感じる場所を爪弾くと、艶かしさを含んだ吐息が漏れる。意地悪をしたくなって、彼女の敏感な部分を、指の腹で擽るように撫でる。すると早苗は堪えきれないように身を捩り、おれの胸に顔を押し当ててきた。細い肩が微かに震えている。
「もう、だめ……っ」
おれの服をぎゅっと掴み、か細い声で制止される。早苗の潤んだ瞳が、ほんのりと恨めしそうにおれを見上げてくる。その視線に釘付けになりながらも、言われた通りに手を止めた。乱れた吐息。上下する肩。早苗は苦しそうに胸を押さえている。その表情は扇情的で、思わず唾を飲んだ。
「ごめん。早苗が可愛すぎて」
「……」
早苗は何も言わずに、おれの顔を両手で挟み込んだ。そして、唇を塞がれる。甘い痺れが全身を襲う。少し長めの口付けのあと、早苗はゆっくりと顔を離し、微笑んだ。
「これで許してあげます」
さっきまでの緊張は、嘘のように解けていた。早苗を抱き寄せると、彼女は安心したように身を委ねてくる。
このままベッドに倒れ込んで、貪るように全てを奪いたい。そんな暴力的な衝動を、必死に抑えつける。大切な人の心を、蔑ろにはできないから。それでも沸き上がる熱を冷ますように、深く息を吐く。
「その……どうでしたか?」
早苗の優しい声が、耳を擽る。少し意地悪な響きを含んでいた。
「柔らかくて、温かくて。……すごく、幸せだった。ずっと触っていたいくらい」
「えっち」
「こんなことをしたくなるのは、早苗だけだから」
「……もう」
それから言葉もなく抱き合ったまま、幸福感に浸っていた。傍に居るだけで、心が満たされていく。彼女の全てが愛おしい。艶のある緑髪に指を滑らせると、彼女は気持ち良さそうに目を細める。そんな些細な仕草の一つ一つに、いつだってどうしようもなく惹かれる。
「……まだドキドキしてますね」
「仕方ないだろ。大好きな人の……胸……に、触ったんだから」
「わたしも同じです。ドキドキしてます。あなたの手が暖かくて、優しくて。心臓が壊れちゃいそうで……でも、なんだか安心する不思議な感じ」
腕の中に収まる確かな温もり。早苗の言葉に、胸が締め付けられるような切なさと愛おしさが込み上げてくる。
「早苗」
名前を呼ぶと、彼女は顔を上げる。潤んだ瞳が夕陽を反射してきらめいている。その瞳に映るのはおれだけ。たったそれだけのことが、泣きたくなるくらい幸せだ。額を合わせて、至近距離で見つめ合う。互いの呼吸が肌に触れる。吐息の音しか聞こえない、静かな時間。世界中から音が消えてしまったかのようだ。
「このまま放したくない」
「……離れたくないです」
早苗の手が、おれの手に重なる。指を絡めて繋ぐと、どちらからともなく笑みが零れた。
夕陽はさらに傾きを増し、部屋全体が燃えるような茜色に染め上げられる。窓ガラス越しの空は朱と紫に滲み始めている。影はより濃く、長く伸びていく。黄昏の空気に満たされた静かな社務所内で、おれたちは抱き合ったまま、その時間をじっくりと噛み締めていた。
――おれはどうしようもない莫迦だから、きっとこの幸せな時が永遠に続くと思っていた。疑うこともしなかった。いつか離れる日が来るなんて、微塵も想像できていなかった。
明日も明後日も、これから先もずっと、一緒にいられるのだと信じていた。