*あなたは蟻のフン以下だ。* 作:一般通過ピアニスト
前回も、沢山のここ好きや感想や評価、お気に入り登録など、本当にありがとうございました。とてもやる気が出ました。なので───
───このssを、『連載』にします。
あなたはノースティリスの駆け出し冒険者だ。
それと同時にトリニティの観光者でもある。
そんなあなたは現在、雨の降るトリニティ自治区を一人で歩き回っている。
何故歩き回っているのかは冒険者の端くれとして未知の土地への探究心を刺激されたため、何故一人なのかはティーパーティーの三人娘が現在多忙なため、というのが理由だ。
……いや、もしかしたら一人では無いかもしれない。なんだか誰かに後をつけられている様な気がする。
「……」
「……もしもしヴァルキューレですか? 今、目の前にストーカーの現行犯がいるんですけどすぐトリニティに来て貰えます?」
「ちちちちちち違うんですのよこれはナギサ様から頼まれての尾行なんですのあの子が1人でトリニティを歩き回って何も問題行動を起こさないかのテストですことよ一種の入学試験と言っても過言ではありませんわごごっごごごご信用あそばせせっせっせっせっせっ」
「あーいやそんな焦んないで下さいよ私もその事は聞いてますから。お手伝いに来ました。通報も嘘です」
「ふざけんなよボケがッ!(素)」
いや、いる。もう気がするとかではなく絶対に誰かが後ろの曲がり角の辺りに居る。声が聞こえるし気配も感じる。
踵を返したあなたは、その方向へと向かった。
「あれこれバレてませんかね? あなたが大声出したせいでこれバレてますよねまっすぐにこっち来てますよねこれこの無能がどうしてくれんのコレ?」
「(無言で銃を構える音)」
「ハハハ冗談じゃないですかやだなぁもう先輩ったらそれは可愛い後輩に向けるものじゃないですよハハハ。……で、これどうしますかね?」
「……ご安心あそばせ。手はありますことですのよ。 ……もしもし? ……ええ、手筈通りにお願い致しますわ」
「おうおうてめぇちょっとお時間よろし……ツラ貸せやオラァ」
と、あなたの背後から───つまり先程までの進路の方角から声を掛けられた。余りにも抑揚のない、いわゆる棒読みな声だった。
「オラオラ貴女……テメェどんなご要件で……何のつもりでこの道通ってんですかオラァ通行料をお支払……出せやオラァ」
「……え、やる気あるんですかあの人? 凄い棒読みなんですけどあの人演技をしようっていうやる気があるんですかあの人? あとあの人なんでいきなり出てきたんですか?」
「お黙りなさって! トリニティに通う高貴なわたくし達があんなゲヘナの下劣な野蛮人共の様な言動なんてできる訳が無いでしょう!? ……あの方に来て頂いたのは、あの子が敵対者に対してきちんと対応できるかのテストの為ですわ。……万が一の時には、わたくし達と待機中の狙撃手であの子を止めますわよ」
「理由は分かりましたけども、ゲヘナみたいな言動って、先輩さっき『ふざけんなよボケが』って」
「(無言で銃を構える音)」
「『ふざけんなよボケが』って」
「(銃の撃鉄を起こす音)」
……困った事になった。謎の尾行者と謎の襲撃者……襲撃者? 果たして彼女を襲撃者として扱っても良いのだろうか。単純にあなたの観察眼が節穴という可能性もあるが、こちらを害そうという気が感じられない。とにかくあなたは挟み撃ちされてしまった。
そんな事よりも襲撃者?の発言が棒読み過ぎて凄く気が散る。普通に喋って頂く事は可能だろうか。
「うるせぇぞオラァそんな事より金出せオラァそんなデカイ鞄背負ってクーラーボックスらしき何かを肩から下げてるんだから金くらい持ってんだろオラァ出して下さ……出せオラァ」
今の会話で彼女の正体が遂に判明した。
恐らく彼女はあなたに目を付けた強盗だろう。
そして今あなたがやらなければならない事がはっきり分かった。
あなたは大きく息を吸い込んで、全力でガード! ガード! と叫んだ。
「……」
……。
「……。誰も来ませんね?」
「ええ、そのはずですわ。人払いはしておりますから」
「……何故人払いを?」
「言いましたわよね? 『敵対者に対してきちんと対応できるか』、と」
「……ああ、なるほど」
「ええ。やり過ぎな様でしたら……お分かりですね?」
……おかしい。少し待っても誰も来ない。
……まあ良い。それなら別の対応を取るまでだ。
曰く、『助けを求めても誰も来ない様なら、不必要な苦痛を与えたり、後遺症を残したり、殺したり、トリニティの校則やキヴォトスの法律に違反したりしない限りで自分で戦っても良い』との事。
あなたは普段使いしている銃を構え、敵対者を射撃した。
「うわー痛いー降参しますー」
すると、相変わらずの抑揚のない声で降伏を宣言しながら敵対者は逃げ出した。
明らかにそこまで効いていない様だったので追いかけて攻撃を続行しようとしたが、降伏を宣言して逃げ出す人を追いかけて攻撃する事はどう考えても『不必要な苦痛を与える事』に該当するのでやめておいた。
「……先輩、これは」
「ええ、文句なしの合格ですわね。100点満点の対応でしたわ」
さあ、次は追跡者かだ。
剣の柄に手をかけながら、あなたは何者かの潜む曲がり角へと向かい───
「……ん? あー待って待って! 私たちは別に敵とかじゃないから!」
「お待ち! お待ちなさってー!」
《おまけ:ある日のトリニティにて》
……なるほど。君の言いたい事は良く分かったよ。『あの子』をトリニティに入学させたいのだね?
……却下だ。
『何故』?
危険過ぎるからだ。
彼女は我々にとって余りにも未知だ。異世界───確か『イルヴァという世界のノースティリスと言う大陸』だったね。そこで暮らしていた彼女は一体どんな価値観を持っているのか? どんな思想を持っているのか? 特定の状況に相対した時には、どんな行動を取る? 彼女には何が出来る? 確か魔法も使えると言っていたね。彼女は一体どんな魔法を使える? もしかしたら───彼女は人間を無理矢理支配してしまう様な魔法が使えるかも知れない。彼女は我々を簡単に『始末』出来る様な魔法が使えるかも知れない。他にも他者の記憶や記録を改竄したり、姿を消して誰にも気付かれずに犯罪をしたり、……枚挙に遑がないね。ここまでにしておこうか。
それに、君も聞いていただろう? あの子は町中で核兵器を使用したんだ。もしもトリニティでそんな事をさせれば───トリニティが、キヴォトスの地図から消滅する事になるだろうね。今、この自治区で暮らす全ての人々と共に。
もしもそうなったら……ティーパーティーの一員として、───ミカ、君は責任を取れるのかい?
……だろうね。
まあ……そういう事だ。
「──────」
……。
…………。
ふむ……。
『知らない事は教えて貰えば良いし、して欲しくない事をきちんと伝えればきっとやらないでくれる』、と。
君の反論を要約すると、こんな所かな?
前者については……確かにそうかも知れないね。
ただ相手を知らないから、と拒絶するのではなく、知った上でどうすべきか考えろ、と。
確かにその通りだね。この点に関しては私が浅はかだったよ。
だが、後者については同意できない。
彼女が実際にこちらの提示するルールを守ってくれるかどうかは、しっかりと見定める必要があるだろう。
後日、ナギサとあの子を含めてよく話し合おう。その上で、そこで決めたルールを守れるかどうか、内密に試験を行う───というのはどうだろう?
……待て、まだ良しと決まった訳では、よせ離せそんな強く抱きしめないでくれ背骨が折れ──────
やりました。
主人公ちゃんの基になったデータでホーリーランスをゲットしたので私の勝ちです。(慢心して3回くらいミンチになった)
所で主人公ちゃんと言えば、主人公の基のデータは現在筆者が遊んでるデータでして、この為話数が進む事に主人公ちゃんが少しづつ屈強になっていくと思います。実際、前回成功率8割とか言ってた魔法の矢の成功率は現在93%です。
もしも主人公が過去の話よりも強くなっている場合は、それは筆者が執筆とかをさぼって楽しくElonaを遊んでいた証拠です。許してくれ。みんなもElona、やろう! この作品を読めているキミなら無料で遊べるぞ!