*あなたは蟻のフン以下だ。*   作:一般通過ピアニスト

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第七話 *꒰ঌ︎︎︎︎⎛ಲළ൭⎞໒꒱*

 

 

「うへへへねぇねぇ鞄ちゃんこの後ヒマ? 時間ある? もし良ければこの後私とお茶しない? てかどこ住み? てかモモトークやってる? てかいっその事(うち)にお泊まりしようようへへへへ一晩中可愛がってあげるからねぇぐへへへああっ、その蔑む様な目! ご褒美ですっありがとうございま「成敗っ!」「天誅っ!」「死刑っ!」モ゜ッ」

 

冒頭が暴走した変質者の妄言になってしまって本当に申し訳ない。彼女に代わって謝罪を述べておくのでどうか許して頂きたい。

 

 

そういえば、自分は何故、そして誰に向かって謝らなければならないと思ったのだろうか。

謝るべきなのは毎日毎日あなたに対して気色の悪い笑みを浮かべながらしつこく上記の様な誘いを繰り返すあの変質者の方であり、断じてあなたは誰かに謝る必要は無いはずだ。

 

今日も今日とて正義実現委員会に所属するクラスメイトにシバかれ、そして連行されて行く彼女を眺めながら、あなたはこの放課後をどう過ごすかの計画を立てるのだった。

そしてあなたは思いついた。

───そうだ、コンビニ行こう、と。

 

 


 

 

ここトリニティ、あるいはキヴォトスはあなたにとっての未知で溢れている。

例えば、構造物。道行く人々の容姿に会話の内容。特に店で売られている物、これがまた魅力的だ。

 

なんとここキヴォトスでは、水が店売りされているのである。そう、『汚水』では無く『水』が。

 

元いた世界であるイルヴァでは、純粋な水はとても貴重な資源だ。別に浄水の技術が無い訳ではないのだが、それでも人々は生活用水に汚い水を使っている。

 

それはなぜか。

原因はズバリ、エーテルだ。

 

大気中に含まれるこの厄介極まりない物資が、井戸水や噴水の水を汚染しているのである。死者四桁を叩き出すレベルで。

実際、向こうの井戸や噴水などから水を汲もうとすると水ではなく硫酸や様々なポーションといったわけのわからない液体が汲めるのだ。代わりに井戸水や噴水の水を飲むとたまに願いが叶うのだが。

 

そういう訳で、水が貴重なイルヴァ、及びあなたが活動していたノースティリスでは綺麗な水は店では売り出されないのである。代わりに飲めなくはないがとっても不味い汚水が売られている。綺麗な水が欲しければ、ダンジョンなどに落ちている物を拾うかノイエルの特別な井戸で汲むしか無い。

お陰で件の井戸は年がら年中涸れっぱなしだ。ちなみにあなたはその井戸から水を汲めた事は無い。

 

対してここキヴォトスでは、なんと綺麗な水がいつでもどこでも二束三文で売られているのである。それを知った当時のあなたは、それはもう文字通りに飛び跳ねて喜んだ物だ。

 

それはさておき、あなたは現在トリニティ総合学園から最寄りのコンビニエンスストアに居る。目的はもちろん水だ。もう売りに出されている水という水を買い占める勢いである。

 

所で、何故あなたがここまで綺麗な水を求めるのかについてだが、これには理由がある。

 

なんと、信仰している神の祭壇に綺麗な水を置くと、その神がその水を祝福して下さるのだ。

 

その水を振りかける事で他の物品を祝福し、アイテムの効力を高めたり食事の満足度を高めたりする事が出来るのだが、ここであなたは画期的なアイデアを思い付いてしまったのだ。

 

───祝福された水は、あなたの信仰する癒しの女神、ジュア様が(たぶん)手ずから祝福して下さった水。

という事は、その水はもう実質ジュア様では? 例えばその水を使ってお風呂を沸かせば、実質ジュア様の残り湯に浸かっている様なものなのでは? 例えば祝福された水で服をお洗濯すれば、実質ジュア様が……こう……あなたに……ぐふふ……ふへへ……。これはもう今後用いるありとあらゆる生活用水をジュア様に祝福して頂いた水にするしかない。やっぱりジュア様は最高でおじゃるなぐへへへへへへ……。

 

───と。

 

先程連行された変質者に負けず劣らずの気色の悪いにやけた顔をしながら、あなたは手当たり次第にペットボトル入りの水を買い物カゴに突っ込んでいく。

ちなみに祭壇はしっかりと寮の自室に持ち込んでいる。筋力を上昇させる《英雄》の魔法が無ければ多分駄目だった。

 

「いらっしゃいませ、お預かりしまー何だこの水の量!? ……えー………お会計、合計で十万円になります、支払い方法はどうなさいますか」

 

なるほど。この水を全部買ったら十万円、手持ちのお金は五千円……。

 

一見無謀にも思える買い物だが、しかしあなたはノースティリスの冒険者だ。この様な窮地を乗り越える為、様々なスキルを習得しているのである。

なお鍛えているとは言っていない。

 

……良いだろう。ここは《交渉》スキルの出番だ。

 

 

───あなたは 《交渉》のスキルをつかい 会計の値切りをこころみた!

 

「……いや、ねーから。コンビニの会計に値切り交渉とかねーから。 ってか仮にも天下のトリニティ生サマが十万円程度の会計を値切ろうとすんなよ俺はもう涙が出てきたぞ。……じゃあ、お金が足んない見たいなんでキャンセルって事で良いっすかね? ……はい、あざっしたー」

 

───なんと コンビニ店員は あわれむような目で こちらを見ている!

 

あなたは 悲しい気持ちになった! 

 

……大丈夫だ。お金が足りないなら稼げばいい。《錬金術》のスキルがある。

 

タバコの補充の為にあなたに背を向けた店員の目を盗み、あなたはテスト用フライパンで大量の音楽チケットから大量のふかふかパンを錬金した。これだけ売れば何とかなるはず……。

 

あなたは店員に声をかけた。

 

「うぉあっビックリしたいきなり声かけないで下さいよ心臓止まるかとってアンタまだ居たのかよ!? ……えっと、まだなんか用事っすか?」

 

この大量のパンを売りたいのだが。

 

「は? パンを売却したい? ……ふざけてるのか? もしかしてアレか? どうせ相手はコンビニのバイトなんだから、おちょくっても良いだろうって? 社会の底辺みたいな仕事だから、馬鹿にしたって許されるとか……! 店でふざけたって許されるとか思ったんだろ……? 言い分なんて、もう分かってんだよ! どうせ問題起こしても実家の金や権力で揉み消してやろうだなんて考えで……白昼堂々、コンビニ強盗でもしようってんだろ!! もう限界だ!! トリニティのクソ共───」

 

店員は激怒してしまった。

 

…………仕方ない、こうなれば《演奏》スキルでおひねりを貰ってお金を稼ぐしか無い。

そう考えたあなたがバックパックからグランドピアノを引っ張り出そうとした所で、誰かが店に入ってきた。

 

「ちっ。いらっしゃいま……あ、貴女は……!?」

「あはは……どうも。えっと、モモフレンズの一番くじって置いてありますか?」

「あー……申し訳ございません、そちらのくじは明日からの販売になります」

 

亜麻色の髪、胸元の大きな黄色いリボン、そして何よりも何故彼女を差し置いてあなたが『鞄の人』だの『鞄ちゃん』だの呼ばれているのかが理解出来ない程に印象的なリュックサック。

 

……思い出した。彼女の名前は阿慈谷ヒフミ、トリニティでかなり人気な生徒の一人だ。

ちなみに背負っているリュックサックは、キモ……ちょっと特徴的な見た目のキャラクターの『ペロペロ様』───

 

「あはは……『ペロペロ様』では無く、『ペロロ様』ですよ。 ……次は、まちがえないで下さいね?

 

彼女が発した凄まじい圧により、あなたは恐怖状態に陥った。

 

 

 

 

 






終わり方が雑で申し訳ない。

という事でロクな知識も持たずにconfigをいじったらelonaがめっちゃ文字化けしたので今回はここまで。
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