シズさんから、暴走したイフリートを分離してから、1週間が経過した。だが、シズさんは、未だに目を覚まさない。俺とリムルさんは、シズさんのそばに居た。
サオリ「まだ目を覚まさないな。」
リムル「そうだね………。それはそうと、サオリ。」
サオリ「ん?」
リムル「貴方言いましたよね?シズさんを助ける方法があるって。」
サオリ「ああ。…………丁度いい。話すよ。イフリートを分離したシズさんをどうやって助けるのか。」
俺とリムルさんは、お互いに向き合う。さて、何から話すかな。
サオリ「まず………一つ言っておくと、現在、シズさんの命は、風前の灯だ。」
リムル「どういう事よ………!?」
サオリ「イフリートが、シズさんの命を延命していたんだ。」
リムル「それじゃあ………助ける方法は無いって言うの………!?」
やはり、そういう反応になるよな。でも、助けられないことはない。
サオリ「いや、ある。」
リムル「ど、どうやって助けるんだ!?」
サオリ「俺の力を使う必要がある。俺の創世の力を。」
リムル「創世の力……………?」
ギーツIXの創世の力を使う時だろう。
リムル「それで、どうやって助けるんです?」
サオリ「簡単な話さ。その力を使って、シズさんを助ける。その為には、リムル。そして、シズさん本人も協力する必要がある。」
リムル「どういう事よ!?」
サオリ「この力は、強い願いを感知して発動する。俺とリムル、そしてシズさんが願えば行ける。」
そう。俺の創世の力は、ギーツIXになる事ができるが今の段階だと一回のみなので、発動出来る規模は大きい。とはいえ、魔素と願いがあれば、シズさんを助ける事は出来るはずだ。すると。
シズ「………スライムさん、サオリ君。」
リムル「シズさん!」
サオリ「目が覚めたんだな。」
シズさんが目を覚ました事に、リムルさんは安堵の表情を浮かべる。シズさんは、微笑を浮かべる。
シズ「さっきの話、全部聞かせて貰ったよ。」
サオリ「……………聞いてたのか。」
聞いてたんだな。シズさんは、口を開く。
シズ「ありがとう。でも、もう大丈夫だよ。最後に二人に出会う事が出来て……………。」
サオリ「…………シズさん。あなたは、心残りがあるんじゃないか?」
シズ「………………え?」
サオリ「貴女の記憶では5人の子供達に囲まれていた。その子供達は、貴女にとって、大切な人なんじゃないのか?」
シズ「………………。」
サオリ「俺は、あなたを救いたい。あなたは、俺たちよりも辛い境遇の中で生きてきた。だから、あなたも幸せになるべきだ。俺たちが作り上げる街で、皆が笑って、幸せな姿を見て欲しい。それが俺の願いだ。」
シズ「サオリ君……………。」
リムル「私も、シズさんを救いたい。少しでも可能性があるなら、それに賭けてみよう。」
シズ「………………私も生きたい。あの子達が幸せに過ごす姿を見たい。」
サオリ「それで十分だ。」スッ
リムルさんとシズさんの願いは、確かに聞いた。その時にデザイアドライバーを腰に巻きブーストマークⅢレイズバックルを取り出しブーストマークⅨレイズバックルをデザイアドライバー両側にセットする
MARK Ⅸ
SET IGNITION
と『SET IGNITION』の音声と共にファンファーレが鳴りサオリの目の前には円盤状のエフェクトが登場し、その円盤の取っ手を捻って蓋を開く事で「BOOST MARKⅨ」のロゴが展開される。それを右側に移動させると、同時にサオリの背後にこれまた機械的な造形の円盤と九尾の狐型ロボット「レジェンドキュウビ」が登場しサオリはフィンガースナップを顔の横で行う。
サオリ「変身!」
REVOLV ON
DYNAMITE BOOST!!
GEATS Ⅸ
READY FIGHT
そこからリボルブオンさせ、バックルのパーツ「マークⅨエグゾースト」を展開。現れた「ブーストスロットルレバー」を引くとバックルに造型された9つの尾より青白い炎が吹き出てエントリーフォームの素体が形成されると同時にギーツの周囲に9本の光の柱を立てながらレジェンドキュウビが駆け上がって行く。「BOOST MARKⅨ」のロゴは1度ブーストフォームマークⅢの上半身拡張装備に変化し、すぐさま下半身に移動・変形する。レジェンドキュウビの方は上半身のアーマー・マスクに変化し、光の柱達が捩じる様にギーツを囲むと同時にアーマーが装着され、開眼するかの如くに複眼が現れる。最後に地面から現れたエネルギーが「ギーツテールナイン」を形成。背面に装着されて変身終了すると手をシズさんに向けてすると、荘厳な鐘の音が鳴り、創世の力が発動する。俺の魔素が消費された様な感覚がする。すると、
ギーツIX《分かった。ありがとう。》
良かったな。シズさんは、問題なさそうだった。リムルさんは、シズさんに尋ねる。
リムル「シズさん……………大丈夫なのか?」
シズ「うん。まるで、全盛期の頃みたい。ありがとうね、サオリ君。」
ギーツIX「いや、助かって良かった。」
俺は、シズさんが助かって、ホッとする。助けられて良かった。俺は、変身を解きある提案をする。
サオリ「なあ、リムルさん。シズさんの体をコピーして貰えば?」
リムル「ええっ!?いや、流石にそんな事は…………。」
シズ「うん。リムルさんも、もしかしたら、人間の街に行くかもしれないから、その時に便利だよ。」
リムルさんは渋るが、俺とシズさんの説得を受けて、シズさんを捕食して、すぐに吐き出す。その際、2人は若干照れ臭そうにしていた。そして、リムルさんが人間の姿になる。リムルさんは、幼いシズさんの様な姿になった。すると、外から声が聞こえてくる。
リグルド「おや、これは皆さんお揃いで。皆さんもお見舞いですかな?」
カバル「ええ、リグルドさんもっすか。」
リグルド「はい、シズ殿の着替えをお持ちしたところです。リムル様、サオリ様、失礼します。」
そう言って、リグルドが入ってくる。どうやら、エレン達も居るみたいだな。すると、皆が驚く。それはまあ、当然の反応だな。すると、嵐牙が現れる。
嵐牙「我が主………!」
カバル達「「「え?」」」
リグルド「その姿は………!?」
カバル達「「「えぇぇぇぇ!?」」」
カバル「そっちの小さい女の子が………リムルの旦那ぁ!?」
サオリ「やぁ。………その通りだよ。そこに居るのは、リムルさんだ。」
俺は、そう言う。俺たちは、事情を話す事に。すると。
シズ「み、見ないでぇぇぇ!!」
リムル「うわっ!?」
シズさんはそう叫んで、リムルさんに布団を投げつける。まあ、裸だったからな。間接的に、自分の裸を見られたようなものだし、流石に恥ずかしいよな。ちなみに、俺は視線を逸らしていた。流石に、そんな事をしたら、変態のレッテルを貼られてしまうからな。そんな中、ギドが口を開く。
ギド「本当に………リムルの旦那でやんすか?」
リグルド「間違いありません!」
嵐牙「見くびるな!姿形が変わったくらいで、分からないと思うか!!」
カバル「ああ、いや………。そういう事じゃ無くて………何か、ちっこいシズさんぽいっつーか………。」
エース「本当だよ、リムルさん。」
リムル「ああ、ホレ。」
リムルさんがそう言うと、人間としての姿から、スライムとしての姿に戻る。すると、カバルとギドが驚いた様な表情を浮かべる。
カバル「ふへ〜………。」
ギド「見事なもんでやんすね………。」
カバルとギドがそう言う中、エレンさんは、シズさんの方に向かう。
エレン「良かったよ〜!シズさんが助かって!」
シズ「うん。サオリ君のおかげで、助かったよ。」
シズさんは、泣くエレンを宥めていた。やっぱり、この三人は、良い人達だと確信出来るな。その日は、夕方になってしまったので、エレン達は村に泊まった。その翌日。
カバル「色々と世話になったな。じゃあ、そろそろお暇するわ。」
サオリ「国に帰るのか?」
カバル「ああ、ギルマスにこの森の調査報告とシズさんのことも、報告しないといけないからな。ここの事は、悪い様には言わない。」
エレン「リムルさん達のことも、伝えておくね。」
ギド「旦那達も何かあったら頼るといいでやすよ」
サオリ「ああ、そうさせてもらうよ。」
シズ「皆、元気でね。」
エレン「シズさんも。」
カバル「サオリの旦那。シズさんを助けてくれて、ありがとうございます。」
サオリ「気にすんな。俺が助けたいと思って、助けたんだから。」
カバル達は、そう言って、立ち去ろうとするが、何かを思い出したのか、立ち止まる。
カバル「あっ………と、最後にもう一つ。シズさんに、話があります。」
シズ「どうしたの?」
すると、三人は頭を下げる。
「「「シズさん!ありがとうございました!」」」
シズ「三人とも………。」
カバル「俺、あなた達に心配されない様なリーダーになります!」
ギド「あなた達と冒険できた事、一生の宝にしやす!」
そして、エレンは、シズさんを抱きしめる。
エレン「ありがとう………。シズさんの事、お姉ちゃんみたいって、思ってました。」
シズ「三人も、元気でやってね。それと、いつでも会いに来て良いよ。」
やっぱり、三人は良い人たちだ。この三人が、シズさんの仲間で、本当に良かった。すると、リムルさんが声をかける。
リムル「ところで、お前らの装備、ボロッボロだな。」
「「「ひどっ!」」」
リムルさんがそう言うと、三人は装備を隠す様にして、俺は笑い、シズさんは苦笑した。そうして、俺たちはカイジン達が作った試作品の防具を渡す。
カバル「おおっ!憧れのスケイルメイル!」
エレン「スゴい!なにコレ!?軽い上に頑丈、ていうかめっちゃキレイ!」
ギド「いっ、良いんでやすか、あっしにはもったいない代物で!?牙狼の毛皮まで使用されってやっせ!?」
リムル「餞別だよ。ウチの職人の力作さ。」
ギド「職人?」
エース「おーい。」
俺が呼ぶと、カイジン達が出てくる。
カイジン「まっ、力作つっても、試作品だけどな。」
ガルム「着心地はどうだい?」
ドルド「細工は隆々ってね。」
ミルド「うん、うん。」
サオリ・リムル「「喋れよ!」」
ミルドが喋らないのは、相変わらずみたいだな。気を取り直した俺は、彼らを紹介する事に。
サオリ「紹介するよ。右から、カイジン、ガルム、ドルドにミルドだ。」
カバル「カイジン!?マジで!?」
エレン「腕利きで超有名な鍛治職人の!?」
ギド「ガルムにドルド、ミルドってあのドワーフ三兄弟!?」
カバル「ありがとうございます!これ、家宝にします!」
エレン「嬉しいです!」
ギド「夢の様でやんす!」
そんな風に、三人は喜んでいた。やっぱり、カイジンは相当有名な鍛治職人なのだな。三人は、今までのことを吹き飛ばす大はしゃぎしたのち、帰って行った。その後、俺とリムルさんは、シズさんと一緒に話をするべく、テントへと向かっていた。だが、この時の俺は、知らなかった。俺とリムルさんを中心として、世界が激動の時代になっていく事を。そして…………。干上がった荒野に、一体の豚頭族オークが歩いていたが、限界が来たのか、倒れる。すると、そこに一体の鳥のようなマスクをし、白い紳士服を着ており、杖を持った者が近づいていく。その者が、豚頭族を見つめると。
???「お前に名前と食事をやろう。」
その者がそう言う。豚頭族は、その者を見つめると、問う。
豚頭族「…………あなたは?」
ゲルミュッド「ゲルミュッド。俺の事は、父だと思うがいい。」
そう言うと、豚頭族は、訝しげな表情を浮かべる。それを見たゲルミュッドは。
ゲルミュッド「………このまま死ぬか?」
そう問う。それに対する豚頭族の答えは。
豚頭族「………名前を………そして、食事を……。」
ゲルミュッド「お前の名は、ゲルド。」
ゲルド「ゲルド…………。」
ゲルミュッド「やがて、ジュラの大森林を手中に収め、豚頭魔王オークディザスターとなる者だ。」
そう言って、ゲルミュッドは、ゲルドに肉を与え、ゲルドはその肉を食べる。これが、やがて大きな出来事に繋がってくる事は、誰も知らない。
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紫髪の女性「もうすぐお会いにできる!♡」
白髪の女性「……ふふふ!」
金髪の女性「楽しみだぜ!」
と召喚された時の準備をしていたのである。